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NTT東日本が運営する体験型ICT施設「NTTe-City Labo」を中心に、探究プログラムを全て英語──オールイングリッシュで実施するキャンププログラムを受講した、開智所沢中等教育学校の生徒たち。学校の狙いや、イングリッシュキャンプを通じて生まれた「英語の技能だけにとどまらない変化・成長」について、お話を伺います。
開智所沢中等教育学校は、2024年4月に埼玉県所沢市に新設された中高一貫の私立学校です。「AIと共生する未来を創る」というコンセプトを基に、①未来に向けた教育理念、②個性と才能を磨く6年間、③魅力あふれる充実した学校生活と学び、④志高く専門分野で社会貢献する学びの4点を重視しています。
グローバルの学びを重視する中で、1泊2日を全て英語で催行するプログラム「イングリッシュキャンプ」にご賛同いただき、中学1〜2年生の23名の生徒様にご参加いただきました。彼らは、2日間の中で何を感じ、どのような成長を得たのでしょうか。
開智所沢中等教育学校の吉田先生、参加生徒、そして特別ゲストとして来てくれたミネルバ大学の学生にお話を伺いました。

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「専門分野で活躍できる、世界に貢献できる人材の育成」──それが、開智所沢中等教育学校が掲げるミッションです。その具体策として、今回のイングリッシュキャンプを企画した吉田先生は、プログラムに込めた想いをこう語ります。
「NTTさんの最新テクノロジーは、もちろん学ぶべきだと思っています。ただ、単純に学ぶだけだと普通の社会科見学に終わってしまう。日本のトップ企業の技術は、世界で展開していかないと意味がない。そして世界で展開するには、英語が共通言語として必須です。それを子供たちに経験してほしかったので、「英語で全部やりませんか」というアイデアを出させていただきました」(吉田先生)
吉田先生が強調するのは、英語をやるだけ、最新テクノロジーをやるだけではなく、両方が大切だということ。日本の企業の、日本の文化から生まれた最先端技術を、世界に向けて英語で発信できる──そんな人材の育成が、このプログラムの根幹にあります。
「プログラムでは、生徒が英語を使う機会が非常にあり良かったです。英語の勉強や探究をしているだけでなく、NTT東日本の最新テクノロジーを色々な人に伝える、そして自分たちで考えた創造的なビジネスをさらに英語を使って伝える──これは日本の教育にとって非常に重要なことだと思いました」(吉田先生)
こうした先生の想いに応えるように、参加した生徒たちの胸中にも、自身の目標や探究心に根差したリアルな期待が芽生えていました。
「イングリッシュキャンプと言うからには、すごく高度な英語でいろいろ教えてくれるんじゃないかと思って参加しました。今まで独学で英語を学んでいたんですが限界を感じていて、誰かに教えてもらわなきゃと。その入り口としての参加でした」(吉田さん・中学1年生)
「昔、4年間シンガポールにいてインターナショナルスクールに通っていたんですけど、英単語をほとんど忘れてしまって。もう一度思い出したいという気持ちと、海外の大学にも行きたいと思っているので、それに向けて頑張りたいなと思って参加しました」(太田さん・中学1年生)
「ビジネスや起業に対して興味を持っていました。父が経営者で、経営者の友人の方々の話をよく聞いていて、自分たちで形を作り、それで人に貢献していくことの素晴らしさに惹かれていたんです。「英語に慣れること」と「ビジネスを作ることに触れること」──その二つができるということで参加しました」(井梅さん・中学2年生)
英語力の向上、海外大学への進学、そして起業への関心──。それぞれ異なる動機を抱えながらも、「英語を使って新しい世界に触れたい」という共通の想いを胸に、生徒たちはNTTe-City Laboの扉を叩きました。
プログラムの初日、生徒たちはまずNTTe-City Laboの施設見学からスタートしました。顔認証技術、無人コンビニ、高速通信インフラ──最先端技術を目の当たりにした生徒たちの反応は、驚きに満ちたものでした。

"NTTe-CIty Labo”を見学する生徒たち
「NTTの施設にある顔認識や無人コンビニの技術を見て、『技術ってあまり進んでいないのかな』と思っていたのが一変しました。こうした最新の技術を実際に見ることができて、すごく刺激を受けました」(太田さん)
「NTTさんというすごく大きな会社の施設見学で、今後の日本を引っ張っていくような事業を見学できたことがすごく刺激になりました。思った以上に英語に触れる機会が多く、今までインプットしかしてこなかった英語をアウトプットする場を設けてもらえたのも大きかったです」(井梅さん)
NTT東日本のパーパスである”地域循環型社会の共創”に向けた最先端技術の実証フィールドであるNTTe-City Labo。本施設の体験とプログラム全体を振り返る中で、
吉田先生は、この「ただ見るだけで終わらない」体験にこそ価値があると語ります。
「英語をやるために英会話教室に通うだけだと、現実世界の実感がわかない。逆にビジネスだけだと「すごいの見たなぁ」で終わってしまう。でも、社会科見学にあるような大事な要素と英語の要素が組み合わさることで、「現実に英語でこういうことをやっていくんだ」という実感が得られる──そこに今回の価値があったと感じています」(吉田先生)
施設見学の後、生徒たちはプログラムの核心である「ビジネス創造ワークショップ」に挑みました。グループで社会課題を見つけ、事業アイデアを英語で練り上げ、最終的にプレゼンテーションする──すべてがオールイングリッシュです。さらにミネルバ大学の学生も加わり、イングリッシュディベートも行われました。
この「英語×ビジネス」という組み合わせが、生徒たちにとって予想を超える学びの化学反応を引き起こしました。
「ビジネスワークショップで、仲間と一緒にアイデアを出しながら会社の新しい企画を考えるのが、すごく楽しかった。本当に難しかったですけど、新鮮味があって、ビジネスに興味を持つこともできました」
「英語だから良かった点は、間違いなく使える単語が増えたこと。プレゼンで「分析=Analyze」など新しい単語を学べました。一方で、使えない文法も多くて困りましたが、それが逆に学習のモチベーションになりました」(吉田さん)

ビジネス創造ワークショップに取り組む生徒たち
太田さんは、英語でのコミュニケーションに苦労しながらも、その過程自体が貴重な学びだったと振り返ります。
「日本語では伝えられるけど英語では伝えられない部分が多くて、翻訳に頼ってしまうこともありました。少し悔しかったです。でも、翻訳で調べた英単語を自分なりに覚えて、将来きちんと使えるように復習する機会になりました。挑戦して、ギャップを認識して、学習する機会をもらえた感じです」(太田さん)
起業に関心を持つ井梅さんにとっては、ビジネスの思考プロセスそのものが最大の収穫でした。
「誰かの困りごとに対して、みんなで事業を考えて、リスクやお金の面も考えて、どんな事業を作ったらいいか議論できたことが、すごく大きい経験でした。いろいろな事業をしている人がどのようにその事業を思いついたのか──そのプロセスに対してすごく関心があったんです。自分で考えてみた時に全然思い浮かばなかったので、それを学ぶ第一歩として、すごく大きなものを得ることができました」(井梅さん)
プログラムのもう一つの大きな特徴が、ミネルバ大学の学生との交流です。日本を含む世界4都市を巡りながら学ぶミネルバ大学の学生たちは、ディベートのパートナーとして、ワークショップのサポーターとして、そして食事を共にする仲間として、生徒たちの心に大きな影響を与えました。
「ミネルバ大学はすごく優秀な学校なので、真面目で堅い感じかなと思っていました。でも実際に話してみると、すごく馴染みやすくて話しやすい人たちで驚きました。一番印象に残っているのは、一緒にインドカレーを食べに行った時。好きなアニメの話で盛り上がって、英語で伝えられたのがすごく楽しかったです」(太田さん)
「ミネルバ大学の学生がたくさんの視点を持っていることが非常にすごいと思いました。プレゼンテーションの手振り身振りや話し方は、今後マネしていきたいと思いました。元々世界に興味はあったけど、一歩踏み出す勇気がなかった。ミネルバ大学の方々と話して、世界に踏み出すハードルが下がりました」(吉田さん)
また井梅さんは、この交流を通じて英語を「アウトプットする」ことへの心理的障壁が大きく下がったと語ります。
「今まで「英語を完璧に話さなければいけない」と思っていたので、英語の先生にも日本語で質問していました。でも今回は強制的に英語を使う環境だったので、ミネルバ大生にも積極的に会話して、わからないところも試行錯誤して伝えました。その結果、「自分の知っている単語量でもこれくらいの会話ができるんだ」というプラスの感情が芽生えました。(井梅さん)

ミネルバ大学の学生と交流する生徒たち
ミネルバ大学の学生たちも、日本の中学生の姿に感銘を受けていました。
「天才的でスマートな生徒たちでした。自分が中学生の時は、こんなに英語が話せなかった。エビデンスを基に議論を重ねるシーンでは、中学生とは思えない回答に驚きました。グローバルな視野と好奇心を養ってもらえれば、素敵な人材になると思います」
「故郷のブラジルでは、この年代で英語を話せる人はいなかった。日本の学生と話す機会があって嬉しかったですし、こうした色々なプロジェクトの体験は、後々にいい影響を与えると思います」(ミネルバ大学の学生)
プログラムを終えた生徒たちの口から語られたのは、英語のスキル向上だけにとどまらない、思考や価値観の根本的な変化でした。
「社内見学で学んだ最新テクノロジーと、従来の世界の課題を結びつけて考える──この考え方に感銘を受けました。日常的にも、自分の悩み事とそれをどうやって解決するかという考え方ができるようになったんです。例えば、部活の部長をやっているんですが、部員の出席把握が大変で。リアルタイムで出席を管理できるアプリを作れるんじゃないかなと思いつきました」(吉田さん)
「今まで事業案もなく、起業で何をしたいかも考えられていませんでした。夢がぼやけていたんです。でもプログラムを通じて少しずつ解像度が上がっていって、だからこそ「どんな大学に行きたいか」といったことへの思いも強くなって、より自分が前進できているかなと思います」(井梅さん)
そして、もう一つ注目すべき変化があります。吉田さんは、イングリッシュキャンプ直後に受験したIELTSで、スピーキングとリスニングのスコアがそれぞれ1.0ずつ上昇(4.0〜4.5 → 5.5相当)。英検で言えば2級〜準1級に相当するレベルへの飛躍的な向上です。
「今まで英検やテストのために英語を勉強していて、インプットしかしてきませんでした。でも今回のプログラムで、自分から英語を使って発信していく──アウトプットに対して肯定的に感じるようになりました。そこへの障壁が減っていった感じがします」(井梅さん)
吉田先生は、この変化をとても肯定的に捉えていました。
「学校の教室の中の英語学習は、結局テストのための学習でしかない。使える英語にならないし、テストが終わったら終わりです。でも今回のような機会を通じて、「伝えるために言語がある」という根本的な考え方に立ち戻れた。教室の中の英語授業だけだと、どうしてもそこが抜け落ちて、成績やテストの点数に終始してしまう。それが今回、大きく変わったんじゃないかと思います」
「英語を使う機会、ミネルバ大学の学生と話す機会があることは貴重です。最初はできない様子もありましたが、外から見て、生徒が気づかないうちにどんどん話せるようになったと思います。学校にもネイティブの先生はいますが、こういう機会はなかなかない。いろいろな国を渡り、挑戦する学生たちに刺激をもらいました」(吉田先生)

プログラムを受講する生徒たち
英語×ビジネスという二軸のプログラムは、単なるスキル習得を超え、生徒たちの世界の見え方そのものを変えました。最後に、吉田先生は今後の展望をこう語ります。
「今回は学内のメンバーだけで完結していましたが、将来的には学校のコミュニティも超えて、日本からグローバルへとどんどん広げていけるといいなと感じています。例えば、別のプロジェクトで揉んだものを他校の生徒と発表し合うとか。コミュニティの枠をどんどん広げていけるといいですね」(吉田先生)
生徒たちからも、この体験を未来につなげたいという声が上がっています。
「日本の英語教育では「話す」ということをしないから、コミュニケーションに難しさを感じる学生が多い。でも、こういう合宿や英語だけで生活する経験にどんどん触れていけば、みんなの英語力は発達するんじゃないかと思います」(井梅さん)
それぞれの想いを胸に参加した生徒たちは、「英語で伝える」というリアルな体験を通じて、テストのための英語から、世界と自分をつなぐための英語へと、その意識を大きく転換させました。
彼らはもはや、教室の中だけで英語を学ぶ生徒ではありません。日本の最先端技術を世界に発信し、社会課題を解決する──そんな未来のリーダーとして、確かな一歩を踏み出したのです。

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