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AWS入門 初心者が覚えておくべきAWSの基本
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代表的なクラウドサービスであるAmazon Web Services(AWS)にはたくさんのサービスがあり、初めて使用する人にとってはどこから学んだらよいのかがわかりづらいかもしれません。今回は、AWSの入門者に向けてAWSの基本を解説します。
AWSを勉強する際のポイント
まず、AWS初心者の方は次の4つのステップで学ばれるとよいでしょう。概要をつかんだら早めにAWSに触れて、簡単なサーバーを構築してみることをおすすめいたします。
- (1)AWSの全体像を知る…セミナーや入門書で全体の概要をつかむ
- (2)主要なサービスについて調べる…まず基本的なサービスであるEC2とS3、RDSについて学ぶ
- (3)操作性や独特の用語に慣れる…AWSにアカウントを作成し、EC2とS3の設定を通じてAWSのマネージメントコンソールに触れる
- (4)ウェブサーバーを構築してみる…簡単なサーバーを独力で作成してみる
そもそもAWSとは?
AWSは代表的なクラウドコンピューティングサービスです。まずクラウドコンピューティングはどういうものなのかを理解したうえで、AWSについて学びましょう。
クラウドコンピューティングとは?
クラウドコンピューティングは、「クラウド」と短く呼ばれることもあります。クラウドは、システムの大半があらかじめインターネット上で運用されているサーバーなどを利用する形態であり、ユーザーが自前でサーバーなどのハードウェアやソフトウェアを持たなくても、インターネットを通じて、コンピューターによるサービスを必要な時に必要な分だけ利用できるサービスです。
それに対して、サーバーやソフトウェアなどのシステムを全てユーザーが管理する設備内に設置して、利用・運用する形態を「オンプレミス」と呼びます。
AWSとは?
2006年に、Amazon 社内のビジネス課題を解決するために生まれた IT インフラストラクチャのノウハウをもとに、アマゾン ウェブ サービス(AWS)という名称でサービスがスタートしました。世界で最も利用されているクラウドインフラサービス(※)です。
※クラウドインフラサービス(IaaS、PaaS、ホステッドプライベートクラウド)におけるAWSの市場シェアは約35%で世界1位となっています。(米調査会社Synergy Research Group/ 2018年第4四半期)
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1902/13/news078.html
AWSの利用者(主に管理するエンジニア)は、AWSに主にサーバーまわりの最新資源の調達やパフォーマンスチューニング、そしてセキュリティ対策を任せることができ、利用者は自社サービスの開発や改善など、コアビジネスに集中することができます。AWSでできることやAWSが優れている点については、以下のページをご参照ください。
AWSでシステム構築・運用するうえで必ず覚えておいた方がいい用語
AWSでよく使われる用語の意味を学びましょう。
VPC
AWS VPC(Amazon Web Service Virtual Private Cloud)とは、ユーザー専用のプライベートなクラウド環境を提供するサービスです。AWSでは、基本的にVPCが必須ですが、最初に使うVPCはAWS側が自動的に用意してくれます。
Region(リージョン)
AWSサービスのバックボーンは、「リージョン」と呼ばれる地理的に離れた領域のデータセンター群がそれぞれ接続されることで構成されています。各リージョンではAWSのサービスがそれぞれ独立して提供されています。例をあげると、日本には東京リージョン(ap-northeast-1)があり、米国にはバージニア北部リージョン(us-east-1)、オレゴンリージョン(us-west-2)などがあります。
AZ(エーゼット、アベイラビリティゾーン)
AZとは、「データセンター」のことです。各リージョンには複数のデータセンター(AZ)が置かれており、システムを複数のAZに置くことができます(Multi-AZと呼ばれます)。AZには固有の名称が付けられており、東京リージョンでは4つのAZ が提供されています。
サブネット
サブネットとは、ある1つの大きなネットワークの中をさらに小さく分割した小規模ネットワーク=ネットワークの範囲のことをさします。サブネットは「サブネットマスク」という考え方で分割を行いその範囲を示します。IPアドレスとサブネットマスクを組み合わせることで、ネットワークの範囲(サブネット)を指定することができます。(例:172.16.0.1 / 255.255.255.0 など)
Amazon EC2
Amazon EC2(Amazon Elastic Compute Cloud)とは、AWSが提供する「仮想サーバー」のことです。EC2を用いてLinuxやWindowsなどさまざまなOSの仮想サーバーをすぐに実行できる環境を用意することができます。Amazon EC2では、複数の仮想サーバーを立てることができます。
Instance(インスタンス)
AWS クラウドに立てられた仮想サーバーをインスタンスと呼びます。EC2やRDSなどの仮想サーバーを数える時に単位として使われます。
Amazon EBS
Amazon EBS(Amazon Elastic Block Store)は、AWS上で操作できる仮想ディスクです。管理コンソールからEBSボリュームを作って、それをサーバーインスタンスへ接続、切断できます。接続することをアタッチ、切断をデタッチと呼びます。
Amazon RDS
Amazon RDS(Amazon Relational Database Service)はAmazonの提供するリレーショナルデータベースサービスです。MySQLやPostgreSQL、Oracle、SQL Serverなど多くの種類のデータベースを、管理画面から設定するだけで構築・設定して利用できます。
IAM(アイアム)
AWS上のサービスを操作するユーザーとアクセス権限を管理するのがIAM(AWS Identity and Access Management)です。ユーザーがアクセスするための認証情報やAWSリソースを制御するための権限を集中管理することができます。
Amazon S3
AmazonS3(Amazon Simple Storage Service)は、Amazonが提供するストレージサービスです。バケットと呼ばれるリソース(入れ物)にデータを保存します。S3は非常にコストパフォーマンスに優れたストレージサービスで、保存できるデータ容量に上限がありません。
Amazon CloudWatch(クラウドウォッチ)
Amazon CloudWatchは、AWSが提供する「フルマネージド運用監視サービス」で、AWSの各種リソースを監視してくれるサービスです。異常が生じた時にはそれをアラートで知らせるだけではなく、自動復旧も可能で、AWS上で監視を行う際には欠かせない存在です。
実際の構築ステップ
AWSの代表的なサービスであるEC2、S3を使った構築例をご紹介します。まずAWSにアカウントを作るところからやってみましょう。
アカウント作成とログイン
以下のページからAWSのアカウントを作成しコンソールにログインします。
https://portal.aws.amazon.com/billing/signup#/start
Amazon EC2で仮想サーバーを起動する
AWSを利用しようという時にまず作成しなければならないのは、EC2であるといっても過言ではないでしょう。次の手順を参考にEC2で仮想サーバーを起動してみましょう。(無料利用枠を利用すれば12ヵ月にわたって無償で利用することができます)
AWSコンソールにログインしたら、以下のページにある Amazon EC2 コンソールを開きます。
https://console.aws.amazon.com/ec2/
[インスタンスの起動] を選択して、以下の順に実行します。
- ステップ 1: Amazon マシンイメージ (AMI) を選択する
- ステップ 2: インスタンスタイプを選択する
- ステップ 3: インスタンスの詳細を設定する
- ステップ 4: ストレージを追加する
- ステップ 5: タグの追加
- ステップ 6: セキュリティグループを設定する
- ステップ 7: 確認と起動
詳しい手順は以下をご覧ください。
Amazon S3でストレージサービスを利用する
コストパフォーマンスに優れたS3のストレージサービスを実際に利用してファイルの保存と取得を行ってみましょう。(S3についても12ヵ月の無料利用枠が利用できます)
AWSのコンソールにログインしたら以下のページから下記の順に実行します。
https://s3.console.aws.amazon.com/s3/
- ステップ 1: バケット(=データの入れ物)を作成する
- ステップ 2: オブジェクト(=ファイル)をアップする
- ステップ 3: 権限を設定する
- ステップ 4: ブラウザなどで表示を確認
詳しい手順は以下をご覧ください。
まとめ
AWSは、すでにさまざまな企業のウェブサイトやウェブサービスで利用されています。AWSは、単純に仮想サーバーを立てるだけでなく、他にもシステム構築・運用に必要なさまざまなサービスが提供されています。機能やメリットについて学び、自社のビジネスに活用できないか積極的に検討してみましょう。
AWS導入に向けて他に知っておくべきこと
最近は企業規模の大小を問わず、AWSをはじめとするクラウドが企業でも多く導入されるようになってきました。
もし、あなたが企業の情報システム担当である場合には、代表的なクラウド事業者の違いを知っておくだけ、また単にAWS上にサーバーとストレージを立てるだけというわけにはいかず、さまざまな情報システムやサービスの構築や運営によって、自社のビジネス拡大やオペレーション効率化などにより大きく貢献することを求められているかと思います。
本サイトの以下のページから順にお読みいただくことで、よく利用されるAWSのサービスを含む、企業における入門的なAWS活用検討で知っておきたい情報を学んでいただけます。
- はじめてのクラウド導入や社内ファイル共有環境のクラウド化を検討されている方はこちらから
ファイルサーバー構築・移行 for AWS / Microsoft Azure - クラウドへのセキュアな接続を検討されている方はこちらから
クラウドへの閉域網接続とは?必要性やインターネットVPNとの違い、接続方法の選び方
NTT東日本のクラウド導入・運用支援
コラムをお読みいただきありがとうございます。
実際にクラウド移行を進めるとなると検討は大変です。特にこれまでクラウド移行を行ってこなかった企業さまからは、どのシステムからクラウド化を行うべきかというご質問をよくいただきます。
NTT東日本は、AWSへの移行は緊急度の高いもの、移行難易度の低いものからはじめるべきと考えます。
まず、緊急度では、
- データ消失がビジネスリスクにつながるか
- ハードウェア/OS/ソフトウェアサポート切れが近いか
移行難易度では、
- 並行運用が可能か
- 夜間等に一時的に止めても大丈夫か
- データ移行手段が複数あるか
- 業務プロセスに影響が少ないか
という観点を検討対象システムごとに点数化します。
具体的には、以下の図のようになります。
NTT東日本クラソルサイトでは、お客さまのご要望に柔軟に対応する「クラウド導入・運用支援サービス」をはじめとして、クラウド導入や運用のため複数のサービス等をご案内しております。
クラウド導入・移行・運用管理でご不明点やご相談がございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせフォームからお問い合わせください。
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