COLUMN

最低限押さえておくべきクラウドの利用方法。活用のポイントや選定基準を解説

業務においてもクラウドの利用が広がり、ビジネス用途として多くのサービスが提供されています。そんな中、「自社にもクラウドを導入したいが、クラウドの具体的な利用方法がわからない」という担当者も少なくありません。本コラムでは、クラウドの利用方法やクラウド活用時に押さえておきたいポイント、そしてクラウドの選定基準までをわかりやすく解説します。

クラウドとは

クラウドとは、サーバーやネットワークのインフラ設備におけるほとんどをクラウド提供事業者に任せることができ、インターネット接続を介して利用できるコンピューティングサービスのことです。

クラウドを利用すれば、コンピューティング全般の装置を構築・運用する必要がないため、オンプレミスに比べて専門知識やトラブル対応ができる人材はほとんど必要なく、初期コストや運用工数も削減できるという特徴があります。

クラウドについては、「クラウドサービスとは? メリデメや種類についてポイント解説!」で詳しく解説していますので、併せて参考にしてください。

クラウド利用で変わる働き方

クラウドは、インターネットにさえ接続できれば利用できるサービスなので、働き方にも大きな変化をもたらします。

これまでは、オフィス内からしか接続できなかったシステムやストレージなどのサービスも、インターネットがつながる自宅などから接続できるようになります。つまり、どこからでもオフィスにいるのと同じように業務を行える環境が整うということです。

クラウドを導入することで、業務インフラへの遠隔地からの接続が実現できるため、働き方改革や昨今のコロナ禍でも滞りなく業務を遂行することが可能になります。代表的な働き方としては、テレワークが挙げられるでしょう。例えば、会議においても、自宅からクラウドサービスを利用したWeb会議で参加できるなど、会社へ出勤するという行動が不要になるのです。

テレワークでのクラウド利用とセキュリティについては「快適なテレワーク環境構築にクラウドは効果的!必要性・活用法を解説」にて詳しく解説していますので、併せて参考にしてください。

また、働き方改革とクラウドサービスの活用については、「働き方改革とは?その目的とモダンワークスタイル」を参考にしてください

クラウドの利用方法

それでは、クラウドの利用方法をみていきましょう。ここでは、クラウドサービスの中でも多く利用されるAWSのストレージサービス「Amazon S3」について、簡単な手順を紹介します。

1. AWSのアカウントへログインする

Amazon S3を利用するために、まずはAWSアカウントを設定してログインする必要があります。

これからAWSのアカウントを作成する場合は、サインアップ画面に従ってアカウントを作成してください。

AWSのアカウントを作成したら、AWSアカウントへログインします。

2. バケットを作成

AWSアカウントへログインしたら、Amazon S3のマネジメントコンソールへ移動し、バケットを作成します。

「バケットを作成」画面で、以下を入力してください。

  • バケット名
  • AWSリージョン

入力を終えたら、画面右下の「バケット作成」をクリックします。
これで、バケットの作成が完了しましたので、次にファイルをアップロードします。

3. データファイルをアップロードする

上で作成したバケットにデータファイルをアップロードします。

バケットの検索欄に、手順3で作成したバケット名を入力してください。一覧に検索結果が表示されますので、バケット名をクリックします。

次に、オブジェクト画面の「ファイルアップロード」をクリックして、「ファイルを追加」をクリックします。

アップロードするファイルを選択して「開く」をクリックすると、画面に選択したファイル名が表示されますので、右下の「アップロード」をクリックしてください。

これでデータファイルのアップロードは完了です。

「Amazon S3」の利用方法については、「【AWS初心者向け】ストレージサービス「Amazon S3」とは?実際に使用してみた」でも詳しく解説していますので、併せて参考にしてください。

クラウドを活用する際に押さえておきたいポイント

それでは、クラウドを活用するときのポイントをみていきましょう。

セキュリティに対する意識について

クラウドを活用する際に、まず押さえておきたいのはセキュリティについてです。

クラウドはインターネット接続の先にあるコンピューターを利用するため、メンテナンスやセキュリティ対策などのほとんどの管理を提供事業者に任せます。そこでユーザーとしては、提供事業者がどのようなセキュリティレベルでサービスを運用しているのかを知っておく必要があるのです。

また、ユーザーはどのレベルまでセキュリティをカスタマイズできるのかも把握しておかなければなりません。

例えば、ユーザーごとのアクセス権限を設定できるのか、ユーザーのログイン時に二要素認証が設定できるのかなどといったセキュリティへの意識が重要です。

セキュリティについては、「セキュリティとは何か?ITで意識すべき情報セキュリティをわかりやすく解説」で詳しく解説していますので、併せて参考にしてください。

社外に保存するデータの選別について

クラウドは、社外にあるコンピューターを利用するサービスなので、クラウドに預けるデータには気を使う必要があります。

特に、近年増えているテレワークでクラウドストレージなどを利用する場合には、テレワークを行う従業員に対して「データの扱い」や「セキュリティ」についての教育をする必要があるでしょう。

クラウドサービスを提供する事業者の信頼性について

クラウドサービスは、多くの事業者が提供しています。ですので、利用するクラウドサービスを提供する事業者の信頼性を確認することも大切です。

そもそもクラウドサービスの種類は豊富で、メールやストレージ、各業務に特化したアプリケーションなども提供されています。それらサービスを提供する事業者が、どのような管理体制で、どこまでサポートしてくれるのか、上述したセキュリティについても、どの程度の対策をしているかなど、信頼できる事業者を選ばなければなりません。

料金の仕組みについて

クラウドの料金は、やはりサービス提供事業者により異なります。

料金プランには、月額・年額の定額利用はもちろん、従量課金での利用が可能なサービスもあります。自社の使い方、あるいは使いたいサービスの料金体系を把握して、ランニングコストを算出しておくことは重要です。

例えば、年間を通してそれほどリソースを使わない(アクセス数が少なかったり、保存データの容量が少なかったりするなど)ならば、月額・年額の固定料金制サービスではなく、AWSやMicrosoft Azureなどの従量課金サービスを検討するとよいでしょう。

クラウドの選定基準

それでは、実際にクラウドを選定するときには何を基準にすればよいのでしょうか。ここでは、クラウドサービスの内容によって分類される「SaaS」「PaaS」「IaaS」の3つの分類を軸にみていきます。

SaaS・PaaS・IaaSについては「クラウド入門!IaaS、PaaS、SaaSの違い」で詳しく解説していますので、併せて参考にしてください。

ソフトウェア(アプリケーション)だけを使うならSaaS

クラウドサービスの中でも、ソフトウェアだけを使いたい場合にはSaaSを選定するとよいでしょう。

例えば、メールならばGmailやYahoo!メールなどが代表的なサービスとして挙げられます。また、チャットツールならばChatworkやelgana、その他、顧客管理や営業管理などのグループウェアなど、さまざまなビジネスツールがSaaSで提供されています。

コストを押さえてソフトウェア(アプリケーション)を開発したいならPaaS

ソフトウェアの開発は、パソコンやサーバーに開発環境を構築して行います。そのためには、開発環境としてハードウェアを構築しなければなりません。

しかし、PaaSを利用すれば、開発環境のためのパソコンやサーバー、開発をするためのソフトウェアをインストールするインフラを自ら購入・設定・管理をする必要がなくなります。つまり、クラウドサービスとしてハードウェアや開発環境を構築するためのプラットフォームを提供してくれるのがPaaSなのです。

代表的なサービスには、AWSの「Lambada」や「Amazon S3」などが挙げられます。

インフラのスペック(ハードウェアやOSレベル)を選定したいならIaaS

利用するハードウェアやOSのスペックから選定したいならばIaaSの利用が便利です。

IaaSでは、サーバーなどのハードウェアとネットワークをクラウドサービスとして提供しているので、物理デバイスやネットワークの配線・設定などは提供事業者が管理します。ユーザーは、利用したいハードウェアのスペックや、必要なOSを選んで使えます。

代表的なサービスはAWSの「Amazon EC2」が挙げられます。

AWSについては「AWS入門 初心者が覚えておくべきAWSの基本」も併せて参考にしてください。

まとめ

今回は、クラウドサービスの利用方法や活用ポイントについて紹介しました。クラウドを利用することで、近年広がるテレワーク業務への対応などにも役立ち、働き方の変化に対応できます。これからクラウドを活用する場合は、クラウドの利用方法やその選定ポイントを把握して、自社の利用目的に合ったクラウドを導入しましょう。

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まず、緊急度では、

  • データ消失がビジネスリスクにつながるか
  • ハードウェア/OS/ソフトウェアサポート切れが近いか

移行難易度では、

  • 並行運用が可能か
  • 夜間等に一時的に止めても大丈夫か
  • データ移行手段が複数あるか
  • 業務プロセスに影響が少ないか

という観点を検討対象システムごとに点数化します。

具体的には、以下の図のようになります。

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