働き方改革とは?その目的とモダンワークスタイル

政府や企業のアナウンスメント、新聞・雑誌やインターネット上のニュースで関連する情報を見ない日は無いとも言えるほどに社会に定着した「働き方改革」。社会情勢の大きな変化があるたびに「働き方改革」の推進や普及のための手法についての情報が一気に流れ、多くの企業で何らかの対応や検討が行われています。それぞれの組織が選択すべき、または、選択している方法はそれぞれの事情や文化などによって異なりますが、ICT(Information and Communication Technology)ツールの活用が「働き方改革」を支援しているケースは多いと思われます。

本コラムでは「働き方改革」を進めるべき背景からその目的、「働き方改革」推進を支援する主なICTツールなどを整理し、また、実際の事例などをご紹介します。なお、「働き方改革」推進においては、ICTツールの整備だけでなく、組織内制度などの整備や組織文化の醸成なども重要ではありますが、それらは働き方改革関連法などの法制度に最低限対応しつつも、「働き方改革」推進の過程で適宜充実させていくなどそれぞれの組織背景によってその対応は大きく異なるため、本コラムでは取り扱っておりません。

1. 働き方改革とは

政府は2017年3月に「働き方改革実行計画」を取りまとめました。この「働き方改革」の背景にあるのは、今日本の置かれている状況です。日本の総人口は今後も減少が予想されており、2050年には国内人口が1億人を下回る見込みです。また、労働力の中核といわれる生産年齢(15歳以上65歳未満)人口は1995年を境に減少傾向に転じ、今後人手不足が深刻化する見通しとなっています。

生産年齢人口の減少に加え、日本の労働生産性は国際的に低い水準であると言えます。時間当たりの労働生産性について、日本生産性本部の調べではOECD加盟36カ国の中で21位、主要先進7か国で最下位の状況です。(2019年データ)

労働生産性の低さに加え労働人口の減少が見込まれている日本は、国の生産能力が低下し経済力の観点でも悪い状況になることが懸念されています。この10年余りを振り返ってみても、他国が経済的に成長する中で日本は相対的に取り残されてはいないでしょうか。

このような背景から、総人口が減り、少ない労働人口で効率的に日本の経済を回すための仕組みが必要です。働く人々がそれぞれのライフスタイルに合わせた働き方を選択して誰もがその能力を発揮する事が出来る世の中をめざしているのが「働き方改革」なのです。

厚生労働省のホームページには、「働き方改革の目指すもの」として次のように書かれています。

我が国は、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化」などの状況に直面しています。こうした中、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが重要な課題になっています。
「働き方改革」は、この課題の解決のため、働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指しています。

この考え方(めざすもの)は企業における「働き方改革」を検討、推進するうえでも非常に重要です。「それぞれのライフスタイルに合わせた働き方の選択」と「効率化による生産性向上」を達成することが「働き方改革」の目的なのです。

次に、働き方の変化や最近の働き方、モダンワークスタイルについて見ていきましょう。

2. 働き方の変化とモダンワークスタイル

2.1 働き方の変化

高度成長期である団塊の世代からバブル世代へ、そして団塊ジュニア世代からその次の世代へ、個人と仕事のかかわり方、働き方は大きく変わってきています。「モーレツ社員」「企業戦士」「家庭を顧みず仕事」といった言葉は今や時代錯誤になりつつあります。週休2日は標準的、フレックスタイム制度を導入する企業も珍しくありません。

個人と仕事のかかわり方も「ワークライフバランス」「ダイバーシティ」「テレワーク」といった言葉に代表されるように多様性が重視されるようになってきました。何より昨今導入が進んでいる「副業」といったワークスタイルは一昔前の企業社員においてはまったく考えられなかったことでしょう。

ソフトウェア開発の現場に目を向けてみれば、今や中国やインドといった日本国外のエンジニアを活用するSI(System Integration)プロジェクトは珍しくありません。「分散開発」といった開発プロジェクトのスタイルは、一昔前は当たり前だった「開発エンジニアを特定の部屋に集約してプロジェクトを進めるやり方」、いわゆる「タコ部屋開発」とは大きく異なるものです。IT業界における開発ツール、フレームワーク、開発スタイルの進化は速く、各業界向けソリューションを開発しているIT業界自身が進化する技術やツールを真っ先に活用している、という事実の表れでしょう。

2.2 モダンワークスタイル

最近の働き方、モダンワークスタイルのいくつかを紹介します。

テレワーク(在宅勤務、リモートワーク)

労働生産性を上げる方法のひとつとしてテレワークの制度を導入する企業が増えています。テレワークとは「tele = 離れた所」と「work = 働く」を合わせた造語であり、ICTツールを活用し、時間と場所を有効に活用できる柔軟な働き方を意味しています。

そもそも「オフィスでなければできない仕事」は必ずしも多くはありません。オフィスでなく自宅や外出先からの作業を可能とすることで労働生産性の向上が期待できます。たとえば、多くの職場で業務となっている、メールによる社内外とのやり取りや日報といったレポーティング業務はオフィスでなくてもできる仕事の例でしょう。メールチェックや業務報告のためだけに外出後にオフィスに戻らなければならないといったことは無駄な業務の一つであり、生産性を下げる要因ではないでしょうか。

また、テレワークを活用することの企業にとってのメリットは他にもあります。

日本の労働人口の減少が進んでいるなかで、労働参加率を上げるためには、特に女性の就業を増やす必要があると言われています。結婚、出産、子育て等を契機に仕事を離れる女性はまだ少なくなく、女性の長期的な継続就業の妨げとなっている要因を排除する対応が企業には求められています。

旧来の「仕事はオフィスで行うもの」ということを前提とした働き方では、出産や子育てといった個人のライフステージ毎の理由により、経験を積んだ女性従業員が離職せざるを得ないケースがありました。企業にとって、貴重なナレッジやノウハウ、スキルを持った従業員の離職は大きな損害です。また、最近は、女性のライフステージを支援できる働き方を検討する男性従業員も出てきており、女性従業員のみならず、男性従業員を含め、ライフステージに応じた働き方をいかに提供するかは多くの企業に共通する課題と言えます。

テレワークの導入により、オフィスのみでの働き方の時と比べて、従業員は働きながらも家族と共に過ごし育児や家事に充てる時間を増やすことが可能となるため、ライフステージの変化に伴う離職の軽減が期待できます。

テレワークの導入は、先述したメールチェックだけのためのオフィス戻りなどの無駄な業務を無くすことなどによる「生産性向上」や、従業員にとって柔軟な働き方を選択しやすい環境を整えて多様な働き方をサポートできることによる「経験を積んだ従業員の離職防止による人材確保や離職防止」に役立ちます。

フレックスタイム

フレックスタイム制度は働き方改革が進む前から導入されている制度ですが、2019年4月の制度変更もあり、今後もより期待されている働き方と言えるでしょう。時短勤務とは異なり総労働時間は短くなりませんが、一定期間の範囲内で労働時間、つまり始業時刻と終業時刻を、柔軟に変更できる仕組みです。

たとえば9時~17時といった就業時間に対して「1時間早く出社して1時間早く帰宅する」といった調整も可能ですし、「昨日は1時間残業したから今日1時間早く帰る」、「今日は遅くまで頑張ったので明日は遅めに出社する」というように日を跨いだ勤務時間の調整(清算)が可能です。

フレックスタイムは、その適切な運用により、「昨日は遅くまで頑張ったので仕事が早く終わったけど、結局のところ終業時間まで会社に居る」といった非生産的な状況を回避し、生産性に対する従業員のモチベーションを高める効果が期待できます。

なお、フレックスタイムの清算期間については2019年4月1日の制度変更(労働基準法)により「1ヶ月」から最大「3か月」が認められるようになっています。

ワーケーション

ワーケーションといった言葉をご存じの方はまだまだ多くないと思いますが、コンセプトとしては身近なものと言えます。テレワークを実践されている方であれば「旅行先でも仕事をする」といった同様の事を経験されているのではないでしょうか。

ワーケーションとは「work = 働く」と「vacation = 休暇」を合わせた造語であり、従業員の休暇とリフレッシュを目的とした働き方を意味しています。いつもと違ったリゾート地等を拠点として働くことで、休憩の合間や仕事の前後はリゾートを満喫し、心身をリフレッシュしたり、家族サービスを行うことができます。「旅行先でリモートワークを行い、家族はリゾートアクティビティを満喫し、業務後は自身も景観と食事を楽しむ」といったワークスタイルをイメージするとわかりやすいのではないでしょうか。

近年はワーケーションに取り組む自治体や企業が増えています。2019年11月には「ワーケーション自治体協議会」が結成され、ワーケーション導入に積極的な和歌山県などでリモートワーク向け高速インターネット回線付きの共同スペースといったインフラ整備が進んでいます。また、リゾート地にサテライトオフィスを設置する企業も増えています。

ワーケーションといった考え方を導入することで、家族との時間、自己啓発、社会貢献などの時間が増えるため、従業員のモチベーション向上が期待できます。企業にとっても生産性の向上や企業としての地方貢献にも繋げられます。受け入れる自治体にとっては、人材交流や地方の活性化といったメリットがあります。

3. ICTを活用した働き方

3.1 ICTツールを活用したコミュニケーション、情報共有

いまや、「柔軟な働き方」や「労働生産性向上」を実現するためにICTツールは欠かせません。ここから、企業でテレワークを採用するために、実際に活用されているICTツールや今後の活用が期待されるICTツールのいくつかを紹介します。

電子メール

会社での業務用途や個人利用を含め、現代社会で電子メール(Eメール)は広範に利用されているコミュニケーションツールです。電話のように相手と同時に通話(コミュニケーション)する方式と比較して、互いに都合の良い時間で電子的に素早く情報のやり取りを行う方式は、手軽であり、自身のペースでコミュニケーションが行えることに利便性があります。

なお、一昔前であれば企業で利用するメールアカウントを社外から参照(利用)することを禁止する、または利用出来ないケースは少なくなかったのではないでしょうか。その場合、営業先などの外出先から業務メール処理のためにオフィスに戻らざるをえないといった非生産的な状況が発生していました。

現在では、メールシステムは企業用途であってもMicrosoft 365、Microsoft Exchange OnlineといったSaaS (Software as a Service) の形態で提供されるクラウドサービスが主流です。メールクライアントもパソコンにインストールするソフトウェアだけでなくWebブラウザやスマートフォン向けアプリケーションでの利用が可能であり、世界中のどこにいてもインターネット接続があればメールによるコミュニケーションを行うことができます。今後もテレワークに必要なコミュニケーションツールであることは間違いないでしょう。

Web会議システム

Web会議システムは比較的新しいツールですが、企業への導入が進んでいるものです。

一昔前でも電話会議で複数参加者が同時に会話することは可能でしたが、これは音声だけのコミュニケーションです。利用者にとってWeb会議と電話会議との大きな違いは音声だけでなく画面が利用できることでしょう。資料動画や会議ドキュメントなどをリアルタイムに共有することでより効果的なコミュニケーションや会議進行が可能となります。

一般利用(コンシューマ)向けにはMicrosoft SkypeやZoom Video Communications社のZoomといったツールが代表的です。インターネットを利用したコミュニケーションであるため、海外とのリアルタイムコミュニケーションであってもインターネット利用料以外にコストがかからないこともメリットです。このため英会話レッスンなどで利用しているケースも多いようです。

ビジネス用途向けにはMicrosoft TeamsやMicrosoft Skype for Business(*)といったツールが代表的です。後述しますがMicrosoft Teamsは企業の業務推進に有用な多くの機能を有する(後述します。)コラボレーションツールであり、Web会議の機能はその一つです。「画面付きの電話会議」といった単純な表現では収まらず、会議のレコーディング、チャット機能、発表者(プレゼンテーター)の画面の共有といった多くの機能を持っています。

Microsoft Skype for Businessは2021年にサポートが終了するサービスです。後継はMicrosoft Teamsです。
コラボレーションツール

ビジネスチャットツールといった単純な表現では収まらないのが統合的なコラボレーションツールです。

先述のMicrosoft Teamsや、Slack Technologies社のSlackがこの代表的なものです。いわゆる「メンション」といった表現が使われだしたのもこれらのコラボレーションンツールからではないでしょうか。チャット機能、Web会議、SNS(掲示板)、ファイル共有といったチームコラボレーションに利用できる機能が多数用意されています。SaaS形態のクラウドサービスであり、インターネット接続ができる環境であれば場所にとらわれませんし、パソコン向けアプリケーション、スマートフォン向けアプリケーション、Webブラウザからの利用が可能です。時間や場所にとらわれない新しい働き方をサポートする強力なツールであり、今後の機能追加や機能強化も期待できます。今後のビジネスコミュニケーションの中心になっていくのではと考えられます。

データ可視化・分析ツール

生産性を高めるうえでもコミュニケーションを効率的に行う上でも、業務データをわかりやすく表現することはとても重要です。また、データを分かりやすいようにビジュアルに表現する方法として今やソフトウェアの活用は欠かせないものになっています。ソフトウェアであれば、簡単で素早く、入力データの変更にも柔軟に対応してビジュアライズすることが可能です。

Microsoft Power BIといったBIツールはプログラミング無しで実行できるため、データを分析したりレポートを作成したりするための強力なツールです。またSFA(Sales Force Automation)と呼ばれる営業支援システムは入力データをもとにレポート作成や営業活動の可視化を行う機能が用意されています。

ここまでご紹介したような業務向けのICTツールは、「柔軟な働き方」や「労働生産性の向上」を支援するために欠かせないものと言えます。

3.2 クラウドサービスの活用

クラウドサービスとはインターネットを経由して利用するソフトウェアサービスです。先述のMicrosoft 365、これに含まれる Microsoft Exchange Online や Microsoft Teams は SaaSと分類されるクラウドサービスです。

この他SaaS以外の分類としてIaaS(Infrastructure as a Service)やPaaS(Platform as a Service)といったものがありますが、これらはクラウド上にカスタムシステム(カスタムサービス)を構築するためのプラットフォームです。具体的にはMicrosoft Azure や Amazon Web Services がクラウドシステムを構築する為のプラットフォームとして知られています。

旧来、企業向けのシステムは社内ネットワーク内にサーバーを設置してデータベースやカスタムアプリケーションを展開し、これを社内ネットワーク内のクライアントから利用する形態がほとんどでした。したがってこれらのシステムを利用して業務を行う為に従業員はオフィスで仕事をする必要がありました。

一方、クラウドシステムであれば場所にとらわれません。業務システムをクラウド上に構築することで、オフィス以外からも独自の業務システムを利用することが可能になり、テレワークなどの新しい働き方の実現を支援する効果が期待できます。

3.3 AIの活用

AIとはArtificial Intelligenceの略であり「人工知能」を意味しています。人工知能といった言葉は古くから存在していますが、具体的なビジネスへの活用が着目されだしたのはここ数年ではないでしょうか。この背景には、クラウドサービスによってこれまでより簡単にAIを利用できる環境が整ってきていることが要因であると考えます。みなさまもAmazon AlexaやGoogleHome、Apple SiriやMicrosoft Cortanaといったソフトウェアによるアシスタントを利用したことのある方は多いのではないでしょうか。これらもAIの一種です。

今日では、ビジネス現場においても、様々なシナリオでAIによる労働生産性向上が期待できます。

たとえばビジネスのヘルプデスク業務などに適用することで、典型的な問い合わせ対応業務をソフトウェアに任せることが可能になります。従業員は定型業務より解放され、よりクリエイティブな作業に時間をかけることが可能になるわけです。アシスタントソフトウェアと同様に、従業員つまり人間の作業を支援するAI機能によって、従業員の生産性向上の効果が期待できます。

ソフトウェア開発の世界では、コーディングつまりプログラム記述をAIが支援します。例としてMicrosoft 社の「Visual Studio IntelliCode」はこのようなコーディング支援ソリューションであり、AIがGitHubなどの公開されているプログラムコードをリファレンスとして学習しプログラム開発を支援します。このように人間が行う業務タスクをAIが支援することでより高い労働生産性が期待できます。

製造業では品質管理は重要な作業工程のひとつです。たとえば検査工程にAIを導入し、AIが画像データの差異をチェックし学習を繰り返すことで、品質管理の省力化が実現できるでしょう。従来、品質管理を担保するためには、熟練度の高い技術者が必要でしたが、熟練技術者の引退や技能継承が進まないといった課題を抱える企業も多く、AIの導入は高い技術を維持していくために欠かせない存在となりつつあります。

4. 働き方改革の具体的な事例

ここでは、働き方の改革に取り組んでいる企業の例を2つ紹介しましょう。実際の働き方改革の推進は企業や組織によって異なります。そこで、会社の歴史や背景が異なる企業を選んでみました。いずれの事例でもICTツールが活用されています。

4.1 NTT東日本の例

NTT東日本グループでは平成26年7月から、多様な人材が能力を最大限発揮できる環境整備と、更なる生産性の向上に向けて「働き方改革(Value Working)」を展開、取り組みの柱として以下の三本を掲げています。

1.勤務時間の効率的な活用と柔軟な働き方

  • 在宅勤務の積極的な活用と外出時・離席時のモバイルワークの活用を促進
  • 移動時間の節約、費用の効率化の観点からWeb会議を推進

2.目的意識と集中力を高めるメリハリのある働き方

  • 時間外労働を夜型から朝型へシフトし、20時以降の時間外労働を原則禁止とする
  • 朝型時間外労働の対象時間帯は6:00から始業時間まで

3.仕事への意欲と活力を高める積極的な休暇取得

  • アニバーサリー休暇 : 誕生日や結婚記念日等、社員が記念日を自由に設定し、年休の取得を促進
  • リフレッシュ休暇 : 5年に1度、連続した5日間以上リフレッシュのための休暇取得

また、取り組みの結果、以下の効果があったとしています。

  • 働き方改革の導入後は、導入前と比べ時間外労働が13%減少
  • 総時間外労働における朝型の割合は、5%から14%に増加
  • 月間時間外労働を5時間以上実施した社員(のべ人数)が34%減少
  • 社員からは、「家庭と仕事を両立しやすくなった」「夜遅くまで働くよりも体調が優れ、健康面からも効果を感じる」など、ワークライフバランスに役立つとの好意的な意見が多数寄せられている
  • 「終業時間を意識して働くようになり、より計画性を持って仕事に取り組むことになった」などの声も挙がっており、働き方そのものに対する意識の改革も浸透している。

在宅勤務といったテレワークを進めることで従業員のワークライフバランスの充実、そして従業員の生産性に対する意識が高まっている事例と言えるでしょう。

4.2 日本マイクロソフトの例

日本マイクロソフトは働き方改革を経営戦略の中核に位置付けており、基本理念として「ワークライフチョイス」を掲げています。「ワークライフチョイス」とは、社員一人一人が、仕事(ワーク)や生活(ライフ)の事情や状況に応じた多様で柔軟な働き方を、自らがチョイス(選択)できる環境を目指すものです。

また、働き方改革の先進的な実践プロジェクトとして、2019年8月に「週勤4日&週休3日」のトライアルを行っています。2019年8月の期間は通常の土日に加え金曜日を休業日とし、全オフィスをクローズしています。この取り組みではマイクロソフトのコラボレーションツールであるMicrosoft Teamsを徹底活用しています。対面での会議を招集せずにチャットで済ませたり、会議の多くをオンライン会議で実施するなどして、業務の効率化に取り組んでいます。

日本マイクロソフトは本取り組みの結果として以下の効果があったと発表しています。

[削減]

  • 就業日数の削減 (-25.4%)
  • 印刷枚数の削減 (-58.7%)
  • 電力消費量の削減 (-23.1%)

[向上]

  • 30分会議の実施比率 (+46%)
  • リモート会議の実施比率 (+21%)
  • 一日あたりのネットワーク数、人財交流 (+10%)

[向上]

  • 毎週金曜日の特別休暇を “有効に” 活用した長期休暇が増加
  • 55% の社員が、特別休暇に加えて夏季休暇/有給休暇を合わせて取得
  • 10 日以上(実質 2 週間以上)の長期休暇を 6% の社員が取得

もともとテレワークを活用している企業文化に加え、全社一斉の取り組みによって業務効率化への意識が更に高まった事例と言えるでしょう。

5. おわりに

本コラムでは「働き方改革」の目的を整理するとともに、主にICTツールの活用面について紹介させていただきました。

紹介した先進的な取り組み行っている事例にもあるように、成果を挙げているケースではICTが活用されています。そして、これらの取り組みで注目すべきは、ツールの選定や導入に際して、企業や組織の風土、成熟度に合わせたアプローチが行われているため、労働生産性の向上のみならず、従業員の満足度も高い結果が出ているのではないかと考えます。「ノー残業デーを導入してみたが形だけで終わっている」、「生産性向上のために情報共有ポータルを導入したが、活発には利用されていない」といった話を聞いたことはないでしょうか。

働き方改革を現場に馴染ませていくにためは、やはりその企業、組織の風土や成熟度に合わせたICTツールの導入アプローチを行っていくことが重要であると言えるでしょう。

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