IaaSサービス一覧と比較ポイントを徹底解説|情報システム部門・インフラ担当者のための選定ガイド

オンプレミス環境の更改やクラウド移行を検討する中で、「どのIaaSを候補にすべきか分からない」「主要サービスを一覧で把握したい」と感じていませんか。
IaaSのサービスは数多くあり、それぞれ強みや料金体系、サポート体制も異なります。
本記事では、代表的なIaaSサービスを一覧で整理するとともに、導入メリットや注意点、選定時に押さえるべき比較ポイントを分かりやすく解説します。IaaSの導入を検討している情報システム部門・インフラ担当者の方は、参考にしてみてください。
目次:
- 1. IaaSとは?PaaS・SaaSとの違いも含めてわかりやすく解説
- 1-1. PaaS:OS・ミドルウェア込みの開発基盤
- 1-2. SaaS:すぐに使えるアプリケーション
- 2. 代表的なIaaSサービス一覧
- 2-1. 地域エッジクラウド タイプV
- 2-2. AWS(Amazon Web Services)
- 2-3. Microsoft Azure
- 2-4. Google Cloud(GCP)
- 2-5. Oracle Cloud Infrastructure(OCI)
- 2-6.IBM Cloud
- 2-7. Alibaba Cloud
- 2-8. さくらのクラウド
- 2-9. NTTコミュニケーションズ SDPF クラウド/サーバー
- 2-10. IIJ GIO Infrastructure P2
- 3. IaaSを導入するメリット
- 3-1. サーバー調達時間を大幅に短縮できる
- 3-2. 需要に応じてスペック変更・スケールが柔軟にできる
- 3-3. 初期費用を抑えて小さく始められる
- 3-4. 物理障害対応や設備保守を事業者に任せられる
- 4. IaaSを導入する際に押さえておくべき課題点
- 4-1. 自社にあった環境構築には専門スキルが必要
- 4-2. 定期的なバックアップが必須
- 4-3. 海外IaaSはデータ保護や法令対応の観点で留意が必要
- 5. IaaSを選定する時の比較ポイント
- 5-1. 料金体系や割引制度は自社に合っているか
- 5-2. 国内リージョンやデータの保管場所は要件を満たすか
- 5-3. 可用性(SLA)や補償内容は十分か
- 5-4. ネットワーク接続や既存環境との連携は可能か
- 5-5. サポート体制や対応範囲は安心できるか
- 5-6. 情報セキュリティ対策は充実しているか
- 6. IaaSをご検討なら地域エッジクラウド タイプV!
- 7. よくある質問
- 7-1. IaaS、PaaS、SaaSの違いは何ですか?
- 7-2. IaaSを導入するデメリットは何ですか?
- 7-3. IaaSサービスの代表例は何ですか?
- 8. まとめ
1. IaaSとは?PaaS・SaaSとの違いも含めてわかりやすく解説
IaaS(Infrastructure as a Service)とは、サーバーやストレージ、ネットワークといったインフラ基盤をクラウド上で提供するサービス形態です。
物理サーバーを自社で購入・設置する代わりに、仮想マシンやディスク容量、IPアドレスなどを必要な分だけ利用できます。OSやミドルウェアの選定・設定、アプリケーションの構築は利用者側が行うのが一般的で、自由度が高い点が特徴です。
オンプレミス環境に近い構成を維持しながら、調達期間の短縮やスケーラビリティの確保を実現できるため、既存システムのクラウド移行や基幹システムの構築に適しています。一方で、設計や運用には一定の専門知識が求められるため、体制やスキルセットの整備も重要なポイントとなります。
また「IaaS」以外に、クラウドサービスを検討する際によく登場するのが「PaaS」「SaaS」という分類です。いずれもインターネット経由でITリソースを利用できる点は共通していますが、提供範囲や利用者が担う責任範囲が大きく異なります。
情報システム部門やインフラ担当者にとっては、自社でどこまでを管理し、どこからを事業者に任せるのかを整理することが重要です。
【関連コラム】IaaSとは?わかりやすく解説|特徴やメリット・デメリット、活用シーン
1-1. PaaS:OS・ミドルウェア込みの開発基盤
PaaS(Platform as a Service)は、OSやミドルウェア、データベース、開発フレームワークなどを含んだ「開発・実行環境」を提供するサービスです。利用者はインフラやOSの管理を意識することなく、アプリケーション開発や機能実装に集中できます。サーバーの構築やパッチ適用、バージョン管理などをクラウド事業者が担うため、運用負荷の軽減につながります。
新規サービスの立ち上げやアジャイル開発、短期間でのプロトタイプ作成など、スピードが求められるプロジェクトに向いているのが特徴です。
ただし、利用できる言語やミドルウェアが限定される場合もあり、自由度はIaaSよりも低くなります。自社要件との適合性を事前に確認することが重要です。
【関連コラム】PaaSとは?特徴やメリット・デメリット、選ぶ際のポイントを解説
1-2. SaaS:すぐに使えるアプリケーション
SaaS(Software as a Service)は、完成されたアプリケーションをインターネット経由で利用できるサービス形態です。メール、グループウェア、会計システム、CRM(顧客管理システム)などが代表例で、ユーザーはブラウザなどからログインするだけで機能を利用できます。サーバー管理やアップデート作業はすべて事業者側が実施するため、導入や運用の負担が最小限に抑えられます。
その反面、機能や仕様はあらかじめ決められているため、細かなカスタマイズには制約がある点には注意が必要です。自社独自の業務フローに合わせて大幅な改修を行うことは難しいケースも多いでしょう。
標準機能で業務を効率化したい場合や、IT部門のリソースが限られている場合に適した選択肢といえます。
2. 代表的なIaaSサービス一覧
代表的なIaaSサービスとして、以下の10種が挙げられます。
- 地域エッジクラウド タイプV
- AWS(Amazon Web Services)
- Microsoft Azure
- Google Cloud(GCP)
- Oracle Cloud Infrastructure(OCI)
- IBM Cloud
- Alibaba Cloud
- さくらのクラウド
- NTTコミュニケーションズ SDPF クラウド/サーバー
- IIJ GIO Infrastructure P2
それぞれについて、特徴や利点などを簡単に紹介していきます。
各サービスの情報は、2026年3月時点のものになります。
2-1. 地域エッジクラウド タイプV
NTT東日本が提供する地域エッジクラウド タイプVは、企業のクラウド基盤としてIaaS機能を国内で提供する国産クラウドサービスです。
地域エッジクラウドは、国内データセンター内にクラウド基盤を設置しており、仮想サーバー(VM)、ストレージ、ネットワークなどのIaaS機能が定額で利用できる点が大きな特徴となっています。従来の従量課金モデルと異なり月額定額制であるため、予算計画が立てやすいです。
構築・運用支援メニューとして、NTT東日本のエンジニアによる設計・監視・運用代行も提供されており、専門知識や人材が不足している企業にとって導入・運用負荷を軽減できる選択肢となっています。
地域エッジクラウドは、国内法令やデータガバナンスを重視する企業、高い情報セキュリティが求められるシステム用途での採用が進んでおり、オンプレミス環境から段階的にクラウドへ移行したいケースでもおすすめです。
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2-2. AWS(Amazon Web Services)
Amazon Web Services(AWS)は、Amazonが提供するクラウドコンピューティングサービスプラットフォームであり、IaaS・PaaS・SaaSを含む多様なクラウドサービスを提供しています。AWSは企業や開発者向けにインフラストラクチャをクラウド上で利用できる環境を提供しています。
インスタンスタイプは、汎用、コンピューティング最適化、メモリ最適化、ストレージ最適化など複数のカテゴリが用意されており、アプリケーションの要件や処理内容に応じて適切なリソース構成を選択できる点が特徴です。
AWSは世界中の企業やスタートアップ、公共機関など幅広い組織で利用されており、豊富なサービス群と拡張性の高さが特徴のクラウドプラットフォームとして広く採用されています。
参照:クラウドコンピューティングサービス – Amazon Web Services (AWS)
2-3. Microsoft Azure
Microsoft Azureは、Microsoftが提供するクラウドコンピューティングプラットフォームで、IaaSはもちろんPaaS・SaaSまで広範囲のクラウドサービスを提供します。
アプリケーションの構築や運用、インフラ管理をインターネット経由で行えます。AzureのIaaS機能では、仮想マシン、ネットワーク機能、ストレージなどが提供され、WindowsやLinux環境の仮想基盤をワークロードに応じて利用することが可能です。
Microsoft製品との高い親和性や、ハイブリッド環境との連携、エンタープライズ向けの強力な情報セキュリティ・管理ツールもAzureの大きな特徴です。
参照:クラウド コンピューティング サービス | Microsoft Azure
2-4. Google Cloud(GCP)
Google Cloud(GCP)は、Googleが提供するクラウドプラットフォームであり、IaaSとして仮想マシン、ストレージ、ネットワークなどの基盤リソースを提供しています。
GCPの特徴の一つは、Googleが長年にわたり自社サービスの運用で培ってきたグローバルネットワーク技術とインフラ基盤を活用できる点です。Googleのデータセンターとネットワークは、Google 検索やYouTube、Gmailなどの大規模サービスを支えるインフラとして運用されており、その基盤技術がクラウドサービスとして企業にも提供されています。
参照:クラウド コンピューティング サービス | Google Cloud
2-5. Oracle Cloud Infrastructure(OCI)
Oracle が提供する Oracle Cloud Infrastructure(OCI) は、IaaS・PaaS・SaaSを包括的に展開するクラウドプラットフォームです。
OCIのIaaSでは、高性能なコンピュート(ベアメタル/仮想マシン)、ストレージ、仮想クラウドネットワーク(VCN)などを提供し、事業に必要不可欠なシステムに対応する設計がなされています。特にOracle Databaseをはじめとする基幹系ワークロードのクラウド移行と相性が良い点が特徴で、高いパフォーマンスと情報セキュリティを両立できるインフラといえます。
参照:クラウド・インフラストラクチャ | Oracle 日本
2-6. IBM Cloud
IBM が提供するIBM Cloudは、大企業や公官庁を含むエンタープライズ領域での利用を想定したクラウドプラットフォームで、IaaSを含む幅広いクラウドサービスを展開しています。
IaaS領域では、仮想サーバーやベアメタルサーバー、ストレージ、ネットワーク機能などを提供し、事業継続に必要不可欠な業務システムにも対応可能な高い信頼性を備えています。オンプレミス環境や他クラウドと連携するハイブリッドクラウド戦略を重視しており、既存のレガシーシステム資産を活かしながら段階的にクラウドへ移行できるアーキテクチャが特徴です。
参照:IBM Cloud
2-7. Alibaba Cloud
Alibaba Cloud は、Alibaba Groupが提供するクラウドコンピューティングサービスで、IaaS・PaaS・AIなど幅広いクラウド機能を提供しています。
IaaS領域では、Elastic Compute Service(ECS)を中心に、仮想サーバー、ストレージ、ネットワークなどの基盤リソースをオンデマンドで利用でき、柔軟にスケール可能なインフラを構築可能です。また、データベース、情報セキュリティ、ビッグデータ分析、AIなど多様なクラウドサービスと組み合わせて利用できる点も特徴です。
Alibaba Cloudは世界200以上の国・地域で利用されるクラウドサービスを提供しており、特にアジア太平洋地域で強い存在感を持つクラウドプラットフォームとして知られています。
参照:Alibaba Cloud: クラウドコンピューティングサービス
2-8. さくらのクラウド
さくらのクラウドは、国内データセンターを基盤とした国産IaaSサービスです。仮想サーバー、ブロックストレージ、スイッチ・ルーターなどのネットワーク機能をAPI経由で柔軟に制御できる点が特徴です。
国内リージョンのみで構成されているため、データ保管場所を国内に限定したい企業や、法令対応を重視するケースに適しています。
また、時間課金や月額固定など明確な料金体系を採用しており、コスト管理のしやすさも評価されています。
2-9. NTTコミュニケーションズ SDPF クラウド/サーバー
SDPF(Smart Data Platform)クラウド/サーバーは、NTTコミュニケーションズ(NTTドコモビジネス)が提供する企業向けクラウドIaaS基盤の一部です。
SDPFクラウド/サーバーでは、vSphereやHyper-Vなどを利用した仮想サーバーから、専用ベアメタルサーバーやGPUサーバーまで幅広いリソースを提供しています。仮想マシンのイメージ管理やストレージ(ブロック/ファイル/オブジェクト)に加えて、情報セキュリティ機能やミドルウェア、バックアップ機能などを組み合わせることで、柔軟かつセキュアなIaaS基盤の構築が可能です。
参照:SDPF クラウド(旧名称 Enterprise Cloud)Smart Data Platform | NTTドコモビジネス 法人のお客さま
2-10. IIJ GIO Infrastructure P2
IIJ GIO Infrastructure P2は、IIJが提供する法人向けIaaS基盤です。仮想サーバーやストレージ、ネットワークを組み合わせた柔軟なリソース提供に加え、高い情報セキュリティと安定運用を特徴としています。
IIJのネットワークサービスと連携できる点も大きな強みであり、閉域網接続やセキュアな通信要件がある企業に適しているといえるでしょう。また、国内データセンターを活用した運用体制やサポート品質も評価されており、公共・金融分野など信頼性が重視される領域での導入実績があります。
3. IaaSを導入するメリット
IaaSを導入するメリットとしては、主に以下の4点が挙げられます。
- サーバー調達時間を大幅に短縮できる
- 需要に応じてスペック変更・スケールが柔軟にできる
- 初期費用を抑えて小さく始められる
- 物理障害対応や設備保守を事業者に任せられる
それぞれについて、情報システム部門・インフラ担当者の視点で押さえておきたいポイントも踏まえて詳しく解説します。
3-1. サーバー調達時間を大幅に短縮できる
IaaSを利用すれば、管理画面やAPIから仮想サーバーを数分~数十分で作成できることもあり、システム立ち上げまでのリードタイムを大幅に短縮可能です。
一方で、オンプレミス環境では、サーバーの選定、見積取得、発注、納品、ラック設置、ネットワーク設定など、多くの工程が必要となり、利用開始までに数週間から数ヶ月かかることも珍しくありません。
IaaSの利用により、新規プロジェクトの迅速な開始や、検証環境の即時構築が可能になります。特に、ビジネス部門からの急な要望やPoC(概念実証)への対応において、インフラ準備がボトルネックになりにくい点は大きなメリットです。
3-2. 需要に応じてスペック変更・スケールが柔軟にできる
IaaSでは、CPUやメモリ、ストレージ容量などのリソースを柔軟に変更できるため、アクセス増減や業務拡大に応じて最適な構成へ調整できます。オンプレミスのようにピーク時を想定して過剰なスペックをあらかじめ用意する必要がなく、必要な分だけを利用する設計が可能です。
たとえば、キャンペーン期間中だけサーバー台数を増やし、終了後に縮小するといった運用も現実的です。これにより、無駄な設備投資を抑えつつ、パフォーマンス不足による機会損失も防げます。
事業成長や利用状況に応じてインフラを最適化できる点は、経営層への説明材料としても重要なポイントといえるでしょう。
3-3. 初期費用を抑えて小さく始められる
オンプレミスでは、サーバーやストレージ機器の購入費、データセンター利用料、設置工事費など、多額の初期投資が発生します。一方、IaaSは基本的に従量課金または月額課金モデルが中心であり、初期投資を抑えて導入できるのが特徴です。
これにより、まずは最小構成でスタートし、利用状況や成果を見ながら段階的に拡張することが可能になります。特に新規事業や部門単位のシステム導入では、「小さく始めて検証し、成功したら拡大する」というアプローチが取りやすくなります。資本効率の観点でも、固定資産を抱えずに済む点は大きなメリットです。
【関連コラム】自由度重視のクラウド導入ならIaaS!特徴や活用シーンを解説
3-4. 物理障害対応や設備保守を事業者に任せられる
IaaSでは、データセンター設備の管理、物理サーバーの故障対応、電源・空調の維持などはクラウド事業者が担います。そのため、自社でハードウェア保守契約を結んだり、障害発生時に現地対応を行ったりする必要がなくなる点は大きなメリットです。
もちろん、OSやアプリケーションの運用管理は利用者側の責任範囲となるケースが多いですが、物理レイヤーの運用負担がなくなるだけでも、インフラ担当者の業務は大きく軽減されます。その分、企画立案やアーキテクチャ最適化など、より付加価値の高い業務にリソースを振り向けることが可能になります。結果として、IT部門全体の生産性向上にもつながるでしょう。
4. IaaSを導入する際に押さえておくべき課題点
IaaSを導入する際は、以下の3点を課題として押さえておきましょう。
- 自社にあった環境構築には専門スキルが必要
- 定期的なバックアップが必須
- 海外IaaSはデータ保護や法令対応の観点で留意が必要
IaaSは柔軟性や拡張性に優れたクラウド基盤ですが、「導入すればすべてが自動的に最適化される」わけではありません。特にオンプレミスからの移行や新規構築においては、設計・運用・ガバナンスの観点で注意すべきポイントがあります。
4-1. 自社にあった環境構築には専門スキルが必要
IaaSは自由度が高い分、ネットワーク設計や情報セキュリティ設定、可用性構成などを自社で設計する必要があります。仮想マシンの作成自体は容易でも、VPC(Virtual Private Cloud)設計、サブネット分割、アクセス制御、冗長構成などを適切に行わなければ、性能不足や情報セキュリティリスクにつながる可能性があります。
また、クラウド特有の概念(リージョン、アベイラビリティゾーン、IAM設計など)を理解していないと、ベストプラクティスから外れた構成になりがちです。オンプレミスとは設計思想が異なるため、既存スキルの延長だけでは不十分な場合もあります。
必要に応じて外部パートナーの活用や、社内人材の育成計画を並行して進めることが重要です。
4-2. 定期的なバックアップが必須
IaaSでは、物理設備の冗長化はクラウド事業者が担いますが、データの保護やバックアップ設計は利用者側の責任となるケースが一般的です。誤操作による削除、アプリケーション不具合、ランサムウェア感染など、論理的な障害に対しては自社で対策を講じる必要があります。
そのため、定期的なバックアップ取得や世代管理、異なるリージョンへの複製など、事業継続を前提とした設計が不可欠です。また、バックアップが取得されているだけでなく、「確実に復元できる」ことを検証する運用も求められます。
災害対策(DR)計画とあわせて、復旧時間目標(RTO)や復旧時点目標(RPO)を明確にしておくことが重要です。
4-3. 海外IaaSはデータ保護や法令対応の観点で留意が必要
AWSやAzure、Google Cloudなどの海外クラウドはグローバル展開を強みとしますが、データの保管場所や法規制への対応については事前確認が必要です。個人情報や機密情報を扱う場合、国内法令や業界ガイドラインに適合しているかを検証する必要があります。
特に、データが海外リージョンに保存される場合、各国の法制度の影響を受ける可能性があります。契約条件やデータ処理の範囲、暗号化の有無などを精査し、自社のコンプライアンス要件を満たしているか確認することが重要です。
場合によっては、国内リージョンを利用する、もしくは国産クラウドを選択するなど、リスクを踏まえた判断が求められます。
5. IaaSを選定する時の比較ポイント
IaaSサービスは多くの事業者が提供しており、それぞれ料金体系や機能、サポート体制などが異なります。そのため、自社のシステム要件や運用体制、将来的な拡張計画などを踏まえて総合的に比較することが重要です。
単に知名度や価格だけで選ぶのではなく、コスト構造、データ保管場所、可用性、ネットワーク構成、サポート、情報セキュリティといった複数の観点から評価することで、導入後のトラブルや想定外のコスト増加を防ぐことができます。
以下では、IaaSを選定する際に特に確認しておきたい代表的な比較ポイントを解説します。
5-1. 料金体系や割引制度は自社に合っているか
IaaSの料金体系は、従量課金制・月額固定制・長期契約割引など、サービスごとに大きく異なります。従量課金型は利用量に応じて費用が変動するため柔軟に利用できますが、リソースの管理を適切に行わないとコストが想定以上に増える可能性があります。
また、長期間の利用を検討している場合は、定額制や長期契約割引があるサービスなのかどうかも確認しておくべきポイントです。
仮想マシンの稼働時間、ストレージ容量、データ転送量などを考慮し、年間コストを試算したうえで自社の利用パターンに合った料金体系を選ぶことが重要です。
5-2. 国内リージョンやデータの保管場所は要件を満たすか
クラウドサービスでは、データを保存するリージョン(データセンター所在地)が重要な検討ポイントになります。特に個人情報や機密情報を扱うシステムでは、国内データセンターの利用が求められる場合もあります。
また、海外リージョンを利用する場合は、各国の法規制やデータ保護制度の影響を受ける可能性があるため注意が必要です。災害対策の観点では、複数リージョンでのバックアップや冗長構成が可能かどうかも重要な判断基準になります。
5-3. 可用性(SLA)や補償内容は十分か
IaaSサービスを選定する際には、サービスレベルアグリーメント(SLA)も必ず確認しましょう。
SLAには、クラウドサービスの稼働率や障害発生時の補償内容などが定められています。たとえば、99.9%と99.99%は似たような数値と感じてしまいがちですが、実際の年間の許容停止時間に大きな差が生まれます。
業務システムや基幹システムをクラウドで運用する場合は、可用性の水準だけでなく、障害時のサポート対応や補償条件まで含めて評価することが重要です。
5-4. ネットワーク接続や既存環境との連携は可能か
既存システムとの連携を考える場合、クラウドとのネットワーク接続方式も重要な比較ポイントになります。
VPNや専用線などの閉域接続に対応しているか、オンプレミス環境と安全に接続できるかを確認する必要があります。また、Active Directoryなどの認証基盤や既存アプリケーションとの連携が可能かどうかも重要です。
ハイブリッドクラウドやマルチクラウド構成を検討している場合は、異なるクラウド間の接続性やデータ連携の仕組みも確認しておくとよいでしょう。
5-5. サポート体制や対応範囲は安心できるか
クラウド環境でトラブルが発生した場合に迅速な対応を受けられるかどうかは、運用面で非常に重要です。サポートの提供時間、問い合わせ方法、対応言語、技術支援の範囲などはサービスによって異なります。
24時間365日対応のサポートがあるか、国内拠点でのサポートが受けられるかなども確認しておくと安心です。また、導入支援や設計支援などのサービスが提供されているかどうかも比較ポイントになります。
5-6. 情報セキュリティ対策は充実しているか
クラウド環境では、物理設備の情報セキュリティはクラウド事業者が担保しますが、OSやアプリケーションの設定など一部は利用者側の責任です。そのため、IaaSが提供する情報セキュリティ機能や認証管理、暗号化機能、ログ監視などが充実しているかを確認することが重要です。
また、ISO27001やSOCなどの国際的な情報セキュリティ認証を取得しているか、コンプライアンス対応が整備されているかも判断材料になります。自社の情報セキュリティポリシーに適合するクラウド基盤を選ぶことが、安全な運用につながるでしょう。
6. IaaSをご検討なら地域エッジクラウド タイプV!
IaaSの選定において「コストの見通し」「運用負荷」「情報セキュリティ」「ネットワーク要件」を重視するなら、NTT東日本の地域エッジクラウド タイプVがおすすめです。本サービスは全メニュー円建ての定額制を採用し、仮想マシン・ストレージ・ネットワークなどのIaaS機能を月額固定費用で利用可能。コストの透明性が高く、予算計画を立てやすい点が特長です。
また、VMware by Broadcomベースの基盤のため既存VMware環境との親和性が高く、移行もスムーズです。故障時の運用保守はNTT東日本のエンジニアが代行し、導入・運用の負担を軽減します。
さらに、ISO/IEC27001・27017取得済みでISMS対応、日本国内の堅牢なデータセンターでバックアップを実施し、BCP(事業継続計画)対策にも配慮しています。閉域接続(VPN・専用線)によりインターネットを経由せずに利用でき、LGWANやSINETとも接続可能です。
7. よくある質問
7-1. IaaS、PaaS、SaaSの違いは何ですか?
IaaS・PaaS・SaaSは、クラウドサービスの提供範囲の違いを示す分類です。
IaaS(Infrastructure as a Service)は、サーバー・ストレージ・ネットワークなどのインフラを提供し、OSやミドルウェア、アプリケーションは利用者が構築・管理します。自由度が高く、既存システムの移行や独自要件への対応に適しています。
PaaS(Platform as a Service)の特徴は、OSやミドルウェア、開発環境までを含んだ基盤を提供している点です。利用者は主にアプリケーション開発に集中でき、インフラ管理の負担が軽減されます。
SaaS(Software as a Service)は、完成されたアプリケーションをインターネット経由で利用する形態です。インフラ管理は不要ですが、カスタマイズ性は限定的です。
以上をまとめると、下位レイヤーまで自社で制御したい場合はIaaS、開発効率を重視するならPaaS、すぐに業務利用したいならSaaSが適しているといえます。
7-2. IaaSを導入するデメリットは何ですか?
IaaSは柔軟性が高い反面、設計・運用に一定の専門スキルが求められる点がデメリットです。ネットワーク設計や情報セキュリティ設定、バックアップ設計などを誤ると、障害や情報漏えいリスクにつながる可能性があります。
そのため、導入時にはクラウドに関する知識を持つ担当者を配置する、もしくはベンダーやパートナー企業の支援を受けながら設計・構築を進めることが重要です。
また、従量課金制の場合、利用状況を適切に管理しないとコストが想定以上に膨らむこともあります。リソースの無駄な常時稼働やデータ転送料金の増加が原因となるケースも少なくありません。これを防ぐためには、利用状況の定期的なモニタリングや、不要なリソースの停止、コスト管理ツールの活用などを行い、継続的に最適化していく必要があります。
さらに、物理設備の管理は不要でも、OSやアプリケーションのパッチ適用、監視運用などは基本的に利用者側の責任範囲です。導入前に体制や運用設計を明確にしておくことが重要です。
7-3. IaaSサービスの代表例は何ですか?
代表的な国内のIaaSサービスには、NTT東日本の地域エッジクラウド、さくらのクラウド、NTTコミュニケーションズのSDPFクラウド/サーバー、IIJ GIOなどが挙げられます。
また世界的なサービスの代表例は、AWS(Amazon Web Services)、Microsoft Azure、Google Cloud(GCP)、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)、IBM Cloudなどのグローバルクラウドなどです。これらは世界規模でデータセンターを展開し、豊富なインスタンスタイプや関連サービスを提供しています。
グローバル展開や高度な拡張性を重視するのか、国内法令対応や閉域接続、サポート体制を重視するのかによって適切な選択肢は異なります。自社の要件を整理したうえで、複数サービスを比較検討することが重要です。
8. まとめ
IaaSは、サーバー・ストレージ・ネットワークといったインフラ基盤をクラウド上で柔軟に利用できるサービス形態です。オンプレミス環境の更改やクラウド移行を検討する企業にとって、有力な選択肢となります。
主要なIaaSサービスには、NTT東日本が提供する地域エッジクラウドなどの国産クラウドや、AWSやMicrosoft Azure、Google Cloudなどのグローバルクラウドがあります。
選定にあたっては、料金体系や、国内リージョンの有無、SLAや補償内容、ネットワーク接続方式、サポート体制、情報セキュリティ対策など、多角的な比較が欠かせません。また、導入メリットだけでなく、設計・運用に必要なスキルやバックアップ体制などの課題も踏まえた検討が重要です。
まずは代表的なIaaSサービスを一覧で把握し、自社の要件や将来構想に照らし合わせながら候補を絞り込むことが、適切なクラウド基盤選定には大切です。
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- Amazon Web Services(AWS)およびその他のAWS 商標は、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
- Microsoft Azureおよびその他のMicrosoft 商標は、Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標または商標です。
- Google Cloud および関連サービスは、Google LLC の商標です。
- Oracle Cloud Infrastructure (OCI) は、Oracle Corporation、その子会社、および関連会社の米国およびその他の国における登録商標または商標です。
- IBM Cloudは、IBMの登録商標です。
- Alibaba Cloudは、Alibaba Group Holding Limitedの商標または登録商標です。
- さくらのクラウドは、さくらインターネット株式会社の登録商標です。
- IIJ GIO Infrastructure P2は、株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)の商標または登録商標です。
- その他、本コラムに記載されてる会社名、サービス名、商品名は、各社の商標または登録商標です。
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