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クラウド構築とは?メリットや構築手順・注意点をわかりやすく解説

「クラウド構築を任されたが、何から始めればよいかわからない」と悩む担当者は少なくありません。クラウド構築は環境を用意するだけでなく、要件定義から設計・移行・運用までを一体で考えることが成功のポイントです。

本コラムでは、クラウド構築の基本やオンプレミスとの違いを解説します。構築のメリットや手順、注意点も記載しているので、情報システム担当者の方は参考にしてみてください。

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1. クラウド構築とは?

クラウド構築とは、インターネット経由で提供されるサーバーやストレージ、ネットワークなどのITリソースを活用し、業務に必要なシステム環境を設計・構築するプロセスです。

単にサーバーを用意するだけではなく、情報セキュリティ・監視・バックアップ・権限管理まで含めて「安定して運用できる状態」に仕上げることがゴールとなります。オンプレミスからの移行を伴う場合は、既存システムとの連携や切り替え手順も含めた設計が欠かせません。

クラウドの基礎的な知識は、下記の記事で詳しく解説しています。

1-1. クラウドとオンプレミスの違い

オンプレミスは自社で物理サーバーやネットワーク機器を購入・設置し、調達から保守・更新まで自社の責任で管理する形態です。一方、クラウドは事業者が提供するインターネット上のリソースを、必要な分だけ利用します。

両者の主な違いを、下表にまとめました。

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比較項目 オンプレミス クラウド
初期費用 機器調達に数ヶ月・多額の投資が必要 初期費用を抑えつつ短期間で利用開始
導入スピード 数週間〜数ヶ月 最短で数日程度
インフラ保守 すべて自社で対応 物理的な保守は事業者が担当
カスタマイズ性 要件に合わせて自由に設計可能 事業者が用意した基盤上での設計が前提
情報セキュリティ すべて自社で管理 責任共有モデルで事業者と分担

最大の違いは初期費用と導入スピードにあります。運用面でも、クラウドではインフラの物理的な保守を事業者が担うため管理負担が軽減されます。

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2. クラウド構築環境は3種類

クラウドの提供形態は「パブリック」「プライベート」「ハイブリッド」の3種類に主に大別されます。コストや情報セキュリティ、運用体制によって最適な選択肢は変わるため、それぞれの特徴を押さえましょう。

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環境タイプ 特徴 メリット 注意点
パブリッククラウド 事業者が提供する共用基盤を利用 初期費用が低く導入が早い 独自の厳格なポリシーを適用しにくい場合がある
プライベートクラウド 自社専用のクラウド環境を占有 情報セキュリティの自由度が高い 構築・運用のコストが高くなりやすい
ハイブリッドクラウド 複数の環境を組み合わせて連携 用途に応じた柔軟な使い分けが可能 ネットワーク設計や監視が複雑になりやすい

なお、複数のパブリッククラウドを併用する「マルチクラウド」という形もあります。特定の事業者への依存を避けたい場合や、サービスごとに最適な基盤を使い分けたい場合に検討されます。

2-1. パブリッククラウド

AWSやMicrosoft Azure、Google Cloudなどの事業者が提供する共用基盤を、インターネット経由で利用する形態です。ハードウェアの購入が不要で、利用した分だけ支払う従量課金が主流のため、初期費用を抑えて手軽に導入できます。リソースの拡張・縮小も柔軟に行えるほか、急なアクセス増にも対応しやすい点が強みです。

一方、他社とリソースを共有する仕組みのため、独自の厳格な情報セキュリティポリシーを適用しにくい場面もあります。また、ハードウェアレベルの細かい調整にも制約が生じるため、自社の要件と照らし合わせた検討が欠かせません。

パブリッククラウドについては、関連コラムでも詳しく解説しています。

【関連コラム】パブリッククラウドとは?機能や活用シーン・企業の導入事例など

2-2. プライベートクラウド

自社専用のクラウド環境を構築し、社内の部署やグループ会社のみで占有・利用する形態です。独自の情報セキュリティポリシーやコンプライアンス要件を適用しやすく、金融機関や官公庁など、機密性の高いデータを扱うケースに向いています。

カスタマイズの自由度も高い反面、インフラの構築・運用に専門知識と体制が必要であり、パブリッククラウドと比べて初期費用や運用コストがかさみやすい傾向があります。

プライベートクラウドについては、以下の関連コラムもご覧ください。

【関連コラム】プライベートクラウドとは?パブリッククラウド・オンプレミスと徹底比較!

2-3. ハイブリッドクラウド

パブリッククラウドとプライベートクラウド・オンプレミス環境を組み合わせ、連携させる構成です。

たとえば、機密データはプライベート環境に、アクセス変動の大きいシステムはパブリック環境に配置するといった使い分けができます。既存資産を活かしつつ、段階的にクラウド移行を進めたい企業にも適した選択肢です。

一方で、ネットワーク設計や認証連携、監視の統合が複雑になりやすい面もあります。BCP(事業継続計画)やDR(災害対策)の観点も含め、設計段階でデータの配置先と障害時の切り替え手順を明確にしておくのが重要です。

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3. クラウド構築のメリット

クラウド構築を行うメリットは、下記の4つです。

  • ハードウェア調達コストが減る
  • 物理サーバーの管理の負担が減る
  • 場所・時間に縛られない運用
  • 拡張性の確保

3-1. ハードウェア調達コストが減る

クラウドでは物理サーバーやストレージを自社で購入する必要がないため、初期のIT投資を抑えられます。利用した分だけ支払う従量課金が基本なので、予算が限られる中堅・中小企業でも、スモールスタートしやすい点が魅力です。オンプレミスでは約5年ごとに発生するハードウェアの更改費用も不要となり、長期的なコスト見通しが立てやすくなります。

費用の目安として、クラウド導入支援事業者に構築を依頼する場合、初期の設計・構築費用で数十万〜数百万円、月額のインフラ利用料は小規模構成で数万円〜が一般的です。

ただし、外資系クラウドは為替レートの影響で、コストが変動するケースもみられます。為替リスクを避けたい場合は、円建て定額制の国内クラウドも検討しましょう。

3-2. 物理サーバーの管理の負担が減る

オンプレミスでは、機器の故障対応や部品交換、設置スペースの温度・電源管理など物理的な保守作業が継続的に発生します。クラウドではこうしたインフラの保守を事業者側が担うため、IT担当者の運用工数を削減可能です。

空いたリソースを情報セキュリティ強化や業務改善に充てられるほか、専門エンジニアの採用・育成のハードルが下がる点もメリットです。

3-3. 場所・時間に縛られない運用

クラウド上のシステムはインターネット環境さえあれば、自宅や出張先など場所を問わずアクセスできます。

テレワークの推進や複数拠点からのリアルタイム共同作業にも対応しやすく、従業員の生産性向上に寄与します。システム管理者にとっても、障害発生時にデータセンターへ駆けつける必要がなく、リモートで初期対応を行える点は大きな利点です。

3-4. 拡張性の確保

クラウドはシステムの利用状況に応じて、サーバーのCPUやメモリなどのリソースを柔軟に増減できます。

ECサイトのセール時期など、突発的なアクセス増にも即座に対応でき、サーバーダウンのリスクを抑えられます。閑散期にはリソースを縮小して余剰コストを削減できるため、常に現状に最適な規模のシステムを維持できるのがクラウドの強みです。

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4. クラウド構築の手順5ステップ

クラウド構築の手順は、下記の5ステップです。

  1. 目的・要件の明確化
  2. クラウドサービスの選定
  3. システム構成の設計
  4. 環境設計・構築
  5. 監視体制の整備・運用開始

4-1. 目的・要件の明確化

最初に「なぜクラウドにするのか」を明確にしましょう。コスト削減やBCP対策の強化、運用負荷の軽減など、目的の軸を定めることで後工程の判断がぶれにくくなります。

導入検討の際は、対象システムの棚卸しを行い、下記の要件を洗い出しましょう。

  • 必要なリソース規模や可用性
  • レスポンス速度などの非機能要件
  • 情報セキュリティ要件

また、RTO(目標復旧時間)とRPO(目標復旧時点)を具体的に定めておくと、バックアップや冗長化の設計精度が上がります。予算やスケジュールの前提条件も、この段階で固めておきましょう。

4-2. クラウドサービスの選定

要件をもとに、自社に適したサービスを選定します。定めた要件に従って、適したサービスを選択しましょう。

また、自社で構築するか、外部に委託するかの判断も重要です。社内にクラウドの設計・運用経験者がいれば、自社主導で進められるでしょう。しかし、経験者が不足している場合や24時間365日の監視体制が必要な場合は、導入から運用まで一体で支援できる事業者への委託が現実的です。

4-3. システム構成の設計

選定したサービス上で、ネットワーク構成図を作成し、外部通信と内部通信の適切な分離を設計します。サーバー台数やデータベースの種類、ストレージ性能などのスペックを決定するとともに、障害に備えた冗長化設計も組み込みます。

ファイアウォールルールの設定や権限管理(IAM)などの情報セキュリティ対策も、この段階で基本設計に含めるのが原則です。責任共有モデルに基づき、事業者が担う領域と利用者が担う領域の境界を明確にしておくことで、対応漏れを防げます。

4-4. 環境設計・構築

設計書をもとに、管理画面やCLI・APIを使用して実際にリソースを作成します。近年はIaC(Infrastructure as Code)による構成管理が主流であり、設定ミスの防止と再現性の向上に役立ちます。

既存環境からの移行がある場合は、データ移行手順と切り戻し手順を事前に策定し、リハーサルまで実施しておくと安心です。構築後は単体・結合・負荷テストを行い、設計どおりに動作するか確認します。

4-5. 監視体制の整備・運用開始

本番稼働前に、CPU使用率やメモリ消費量などを常時把握するモニタリングツールを導入し、異常時に自動でアラートが送られる仕組みを整えます。障害発生時の一次対応フローとエスカレーション先を文書化し、定期的なバックアップ復元テストも計画に組み込みましょう。

あわせて、障害レベルの分類と復旧手順をまとめた「障害対応計画」を策定しておくとDR(災害対策)としても機能します。別リージョンへのバックアップや自動フェイルオーバーの仕組みを設計に含めることで、事業継続性を高められます。

運用開始後は利用状況を継続的に分析し、不要リソースの停止やリザーブドインスタンスの活用など、パフォーマンスとコストのバランスを定期的に見直していくことが大切です。

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5. クラウド構築時に注意すべき4つのポイント

クラウドの構築時は、下記のポイントに注意しましょう。

  • 情報セキュリティ対策の徹底
  • 既存システムとの連携可否
  • 信頼性の高い事業者の選定
  • 導入・運用コストと予算のバランス

5-1. 情報セキュリティ対策の徹底

クラウドでは「責任共有モデル」が採用されており、インフラの物理的な保護は事業者が担いますが、OSの設定やアクセス権限の管理、データの暗号化は利用者側の責任です。

IAMで「必要最小限の権限」のみを付与し、多要素認証(MFA)を必須化するなど、ゼロトラストを意識した設計が求められます。操作ログの取得・保管も徹底し、「誰が・いつ・何をしたか」を追跡できる体制を整えておきましょう。

5-2. 既存システムとの連携可否

多くの場合、オンプレミスとクラウドが混在する移行期間が生じます。既存システムとの間でデータ連携がスムーズに行えるかどうか、事前に検証しておくことが重要です。

VPNや専用線(AWS Direct Connect、Azure ExpressRouteなど)による安全な接続環境の構築が必要になるほか、Active Directoryなど認証基盤の同期設計も求められます。連携テストには想定以上の時間がかかりがちなので、計画にはバッファを持たせておくのが現実的です。

5-3. 信頼性の高い事業者の選定

クラウドの利用は、自社のITインフラ基盤を外部に委ねることを意味します。経営基盤が安定し実績が豊富な事業者を選ぶことが欠かせません。

SLA(サービスレベル合意書)で稼働率保証やダウンタイム時の補償規定が明記されているか、24時間365日の日本語サポートが受けられるかを確認しましょう。構築だけでなく、監視・障害対応・運用設計まで一貫して支援できる体制があるかも判断基準になります。

加えて、特定の事業者独自のサービスに深く依存する「ベンダーロックイン」のリスクにも目を向ける必要があります。将来の事業者変更やマルチクラウド化が困難にならないよう、可搬性を意識した技術選定やIaCによる構成管理で移行コストを抑える工夫も大切です。

5-4. 導入・運用コストと予算のバランス

クラウドは初期費用を抑えられる反面、従量課金のため利用量の見積もりが甘いと想定外のコスト増につながります。サーバーの稼働費だけでなく、データ転送料やバックアップのストレージ費用など、見落としがちな項目も含めてシミュレーションすることが大切です。

また、外資系クラウドでは為替レートの変動により月々の支払額が変わるケースがあります。予算の見通しを安定させたい場合は、円建て定額制で提供される、国内クラウドサービスも有力な選択肢です。

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6. クラウド構築ならNTT東日本の「クラウド導入・運用 for AWS/Microsoft Azure」

クラウドの導入を検討しているものの、「社内に専門人材がいない」「設計から運用まで自社だけでは不安」という企業には、NTT東日本の「クラウド導入・運用 for AWS/Microsoft Azure」がおすすめです。

本サービスは、AWSおよびMicrosoft Azureの導入設計から環境構築、24時間365日の監視・保守・運用代行までをワンストップで支援します。運用メニューはエントリー・スタンダード・アドバンストの3プランから選べ、自社の体制に合わせて段階的に支援範囲を広げることも可能です。

詳細については、以下からお気軽にご相談ください。

7. クラウド構築・導入の事例

警備業の株式会社KSPでは、担当者1名が2拠点の物理サーバーを運用しており、障害対応の負荷が大きく、属人的な管理体制が深刻な課題でした。5年ごとのサーバー更改時期にUPS(無停電電源装置)の故障が重なったことをきっかけに、NTT東日本の支援のもとAWSへの移行を実施しています。

移行後はサーバー管理の工数がなくなり、属人的な運用体制から脱却できました。さらに、ハードウェアの更改費用や部品コストが不要になり、長期的な運用コストの削減にもつながっています。事例の詳細については、下記のリンクをご覧ください。

【導入事例】情シス1名の属人的なサーバー管理体制を抜本的に変え、クラウド環境を実現した事例

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8. まとめ

本コラムでは、クラウド構築の基礎知識から3種類の環境タイプ、メリット、手順5ステップ、注意すべきポイントまでを解説しました。クラウド構築を成功させるには、環境を作るだけでなく要件定義から設計・運用までを一体で計画することが欠かせません。

IaaS・PaaS・SaaSの違いを理解したうえで自社の要件に合った環境を選定し、デメリットやベンダーロックインのリスクも考慮して設計を進めましょう。専門的な知識や運用体制に不安がある場合は、実績のある事業者への相談も有効な選択肢です。

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