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社内チャットボットとは?導入メリット・活用シーン・失敗しない運用手順をわかりやすく解説

社内の問い合わせ対応に時間を取られてしまったり、同じ質問が何度も繰り返されるのにナレッジが共有されていなかったりといった、課題を抱えている方もいるでしょう。

社内チャットボットは、情報システム・人事・総務・経理といった部門に寄せられる定型的な問い合わせを自動化し、対応工数の削減と社員の自己解決率向上を同時に実現するツールです。

本コラムでは、社内チャットボットの基本的な仕組みと種類を整理し、導入するメリットや具体的な活用シーン、よくある失敗パターンと対策まで網羅的に解説します。

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目次:

1. 社内チャットボットとは?基本機能と仕組み
1-1. 社内チャットボットの定義と顧客向けとの違い
1-2. 社内チャットボットの主な機能
1-3. 社内チャットボットの種類
2. 社内チャットボットを導入する6つのメリット
2-1. 問い合わせ対応の工数を大幅に削減できる
2-2. 24時間365日いつでも回答を得られる
2-3. 対応品質のばらつきをなくせる
2-4. 社内ナレッジを蓄積・共有できる
2-5. 担当者が本来業務に集中できる
2-6. テレワーク・多拠点環境でも情報格差が生まれない
3. 社内チャットボットの活用シーン【部門別】
3-1. 情報システム部門(IT機器・システムトラブル対応)
3-2. 人事・労務部門(勤怠・福利厚生・入退社手続き)
3-3. 総務・経理部門(経費精算・備品申請・社内規程)
3-4. 営業・事業部門(商品情報・社内申請フローの案内)
4. 社内チャットボットの導入手順【5ステップ】
4-1. ステップ1:対象業務と導入目的を明確にする
4-2. ステップ2:FAQやマニュアルを整理・棚卸しする
4-3. ステップ3:ツール選定とトライアル検証を行う
4-4. ステップ4:社内周知と利用促進の施策を実施する
4-5. ステップ5:運用データをもとに継続的に改善する
5. 社内チャットボット導入でよくある失敗と対策
5-1. FAQの整備不足で回答精度が上がらない
5-2. 社員に使ってもらえず定着しない
5-3. 運用担当者が不在でメンテナンスが止まる
6. NTT東日本の生成AIサービスなら「ミンクスプラス生成AI」
7. 社内チャットボットに関するよくある質問
7-1. 社内チャットボットとは何ですか?
7-2. 社内チャットボットの注意点は?
8. まとめ

1. 社内チャットボットとは?基本機能と仕組み

社内チャットボットの導入を検討する前に、まずは「何ができるツールなのか」を正しく理解しておくことが重要です。社内チャットボットの定義と主な機能、種類について整理します。

1-1. 社内チャットボットの定義と顧客向けとの違い

社内チャットボットとは、従業員からの問い合わせ対応を自動化し、業務効率化を促進するために構築された社内向けのチャットボットです。ITサポートや総務・人事への定型的な質問、社内規程の確認など、バックオフィス部門に集中しがちな問い合わせに、チャット形式で即座に処理できる点が特長です。

顧客向け(社外向け)チャットボットとの違いは、「利用者」と「扱う情報」の範囲にあります。

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比較項目 社内チャットボット 顧客向け(社外向け)チャットボット
利用者層 自社の従業員(正社員・契約社員・派遣社員など) 不特定多数の顧客・見込み客
主な目的・用途 バックオフィスへの問い合わせ自動化・業務効率化 製品・サービス案内、購入サポート、カスタマーサポート
扱う情報の範囲 就業規則、業務マニュアル、社内申請フロー、人事・経理データなど 製品仕様、料金プラン、FAQ、キャンペーン情報など
情報の機密性 高い(社内限定の非公開情報を含む) 基本的に公開情報が中心
アクセス環境 社内ネットワーク・VPN、SSO(Microsoft Entra IDなど)で認証 公開Webサイト・アプリから誰でもアクセス可能
典型的な質問カテゴリ 有給残日数、経費精算のルール、備品の申請方法など 商品の在庫確認、配送状況、返品手続き、プラン変更など

社外向けは不特定多数の顧客を対象に、製品・サービスの案内や購入サポートを行うのに対し、社内向けは従業員だけがアクセスする閉じた環境で、就業規則や業務マニュアルといった機密性の高い社内情報を扱います。

そのため、社内チャットボットにはアクセス制御や認証連携といった情報セキュリティ要件が求められるケースが多い点も押さえておきましょう。

1-2. 社内チャットボットの主な機能

社内チャットボットに搭載される機能はサービスによって異なりますが、代表的なものとしてFAQ自動応答や、ドキュメント検索(RAG)、有人チャット連携、レポート・分析の4つが挙げられます。

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機能 概要 主なメリット
FAQ自動応答 あらかじめ登録されたQ&Aデータに基づき、質問に即座に回答する 社内チャットボットの基本機能であり、定型的な問い合わせを自動処理できる
ドキュメント検索(RAG) 社内マニュアルや規程集などのドキュメントをAIが参照し、該当箇所を抽出して回答を生成する FAQに登録されていない質問にも対応でき、カバー範囲が広がる
有人チャット連携 ボットだけでは解決できない複雑な質問を、担当者へワンクリックで引き継ぐ 利用者の離脱を防ぎ、回答品質を担保できる
レポート・分析 問い合わせ件数・未回答率・利用頻度の高い質問カテゴリなどを可視化する FAQの改善やボットの精度向上に向けたデータドリブンな運用ができる

FAQ自動応答は、あらかじめ登録されたQ&Aデータに基づいて質問に即座に回答する機能で、社内チャットボットの基本的な役割です。

ドキュメント検索(RAG)は、社内のマニュアルや規程集といったドキュメントをAIが参照し、該当箇所を抽出して回答を生成する機能で、FAQに登録されていない質問にも対応できる点が強みです。

有人チャット連携は、ボットだけでは解決できない複雑な質問を担当者へワンクリックで引き継ぐ仕組みであり、利用者の離脱を防ぐうえで欠かせません。

レポート・分析機能は、問い合わせ件数や未回答率、利用頻度の高い質問カテゴリなどを可視化し、FAQの改善やボットの精度向上に活用できます。

1-3. 社内チャットボットの種類

社内チャットボットは、回答生成の仕組みによって大きくシナリオ型、AI型、ハイブリッド型の3つに分類できます。

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比較項目 シナリオ型 AI型 ハイブリッド型
回答の仕組み 事前設計のフローチャートで選択肢を提示し回答へ誘導 自然言語処理・機械学習でテキストの意図を解析して回答。RAG型はさらに社内ドキュメントを参照して回答を生成 シナリオ型とAI型を組み合わせ、質問の種類に応じて自動で切り替え
対応できる質問の範囲 登録済みのフローに限定される 表現の揺れや未登録の質問にも柔軟に対応できる 定型質問・自由入力の両方に対応できる
FAQ・データの準備 フローチャートとQ&Aを手動で設計・登録 学習データの準備とチューニングが必要。RAG型はドキュメントをアップロードするだけで対応可能 シナリオ部分のフロー設計+AI部分の学習データ準備が必要
メンテナンス効率 フローの修正・追加を都度手動で行う RAG型はドキュメントを差し替えるだけで回答が最新化される シナリオ部分とAI部分の両方を管理する必要がある
向いている用途 質問パターンが限定的で変更頻度が低い業務(経費精算手順、備品申請など) 質問の幅が広く、社内ドキュメントが頻繁に更新される業務(IT支援、人事・労務など) 定型業務と非定型業務が混在する部門横断的な利用

シナリオ型は、あらかじめ設計したフローチャートに沿って選択肢を提示し、ユーザーを回答へ誘導する方式です。構造がシンプルで導入コストが低い反面、登録していない質問には対応できないという制約があります。

AI型は、自然言語処理や機械学習を活用し、ユーザーが自由に入力したテキストの意図を解析して回答を返す方式です。表現の揺れや言い回しの違いにも対応できるため、定型FAQを超えた柔軟な応答が可能です。

さらに近年では、社内ドキュメントを外部データベースとしてAIに参照させるRAG(検索拡張生成)技術を組み合わせたタイプも登場しています。RAG型はFAQを一件ずつ登録する手間が大幅に削減されるほか、ドキュメントを更新するだけで回答内容も最新化されるため、メンテナンス効率の高さが大きな利点です。NTT東日本の「ミンクスプラス生成AI」もこのRAG技術を採用しています。

ハイブリッド型は、シナリオ型とAI型を組み合わせた方式です。定型的な質問にはシナリオのフローチャートで素早く案内し、フローでカバーできない自由入力の質問にはAIが意図を解析して回答します。両方の長所を活かせる一方、設計・運用の工数が増える点には注意が必要です。

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2. 社内チャットボットを導入する6つのメリット

ここでは、導入によって得られる6つのメリットを解説します。

2-1. 問い合わせ対応の工数を大幅に削減できる

社内チャットボット導入の大きなメリットは、バックオフィス部門の問い合わせ対応工数の削減です。

情報システム部門や人事・総務部門に寄せられる質問の多くは、パスワードリセットの手順、有給休暇の申請方法、経費精算のルールといった定型的な内容であり、チャットボットによる自動応答で十分に対応できます。

2-2. 24時間365日いつでも回答を得られる

社内チャットボットを導入すれば、時間帯を問わず24時間365日即座に回答を得られるため、業務の停滞を防ぐことができます。

有人対応の場合、担当者の勤務時間内しか問い合わせに対応できず、早朝・深夜・休日に疑問が生じた社員は翌営業日まで待たなければなりません。

特にシフト制の現場や海外拠点を持つ企業では、担当部門の営業時間と問い合わせ発生のタイミングにずれが生じやすく、24時間対応のメリットは大きくなります。

社員が疑問を抱いたその場で自己解決できる環境を整えることは、業務スピードの向上だけでなく、従業員満足度の改善にもつながるでしょう。

2-3. 対応品質のばらつきをなくせる

社内チャットボットを導入すれば、登録されたFAQやドキュメントに基づく統一された回答を誰に対しても提供できるため、対応品質が均一化されます。

有人対応では、担当者の知識量や経験値によって回答の正確性やスピードにばらつきが生じることが避けられません。

回答の正確性が担保されることで、誤った情報に基づく手戻りや再問い合わせの発生も抑えられ、結果的に組織全体の業務効率が向上するでしょう。

2-4. 社内ナレッジを蓄積・共有できる

社内チャットボットは、問い合わせ対応を通じてナレッジの蓄積と共有を自然に促進するツールでもあります。従来、ベテラン社員の頭の中にしかなかった業務知識やノウハウが、FAQやマニュアル、ドキュメントに整理・登録されることで、組織の知的資産として可視化されるようになります。

さらに、チャットボットの対話ログを分析すれば「どの部門でどのような質問が多いか」「どの情報が不足しているか」が定量的に把握でき、マニュアルの改訂や研修内容の見直しにも活用可能です。属人化の解消は、担当者の異動・退職時のリスク軽減にも直結するため、中長期的な組織運営の安定性向上にも貢献します。

2-5. 担当者が本来業務に集中できる

社内チャットボットで定型対応を自動化すれば、担当者は付加価値の高い業務に集中できるようになります。これは単なる「楽になる」という話ではなく、限られた人的リソースをより付加価値の高い業務に再配分するという経営判断です。

定型的な問い合わせ対応は、1件あたりの所要時間は数分であっても、件数が積み重なると大きな業務負担になります。情報システム部門が「パスワードを忘れた」「VPNがつながらない」といった問い合わせに1日の大半を費やし、本来取り組むべき業務が後回しになっているケースは少なくありません。

社内チャットボットの導入によって、部門全体の生産性向上や、社員のモチベーション改善の両方を実現できる点が、メリットといえるでしょう。

2-6. テレワーク・多拠点環境でも情報格差が生まれない

社内チャットボットを導入すれば、勤務場所を問わず同じインターフェースから同じ品質の回答にアクセスできるため、拠点間・勤務形態間の情報格差を解消できます。

テレワークや多拠点体制が浸透するなかで、「隣の席の人に聞く」という従来型の情報取得は難しくなっています。地方拠点の社員やリモートワーク中の社員は、本社のバックオフィス部門に電話やメールで問い合わせるしかなく、回答を得るまでに時間がかかることで業務が停滞するかもしれません。

しかし、社内チャットボットを普段使いのビジネスチャットツールと連携させれば、社員は新しいツールを覚える必要もなく、自然に利用を定着させることが可能です。

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3. 社内チャットボットの活用シーン【部門別】

社内チャットボットは、導入する部門によって活用の方向性が異なります。ここでは、問い合わせが集中しやすい4つの部門ごとに、具体的な活用シーンを紹介します。

3-1. 情報システム部門(IT機器・システムトラブル対応)

情報システム部門には、「パスワードを忘れた」「VPNに接続できない」「プリンターが動かない」といったIT機器やシステムに関する問い合わせが日常的に発生しがちです。これらの大半は手順が決まった定型対応であり、チャットボットによる自動化と相性が良い領域です。

たとえば「パスワードリセット手順」「Wi-Fi接続設定」「ソフトウェアのインストール方法」といったFAQを登録しておけば、社員はチャット上で即座に回答を得られ、情報システム部門への電話やメールを大幅に減らすことができます。

RAG型であれば、既存のIT運用マニュアルをそのまま参照データとして読み込ませるだけで対応範囲を広げられるため、FAQ登録の手間を最小限に抑えることも可能です。

結果として、情報システム部門の担当者はセキュリティ対策やDX推進といった戦略的業務にリソースを振り向けられるようになるでしょう。

3-2. 人事・労務部門(勤怠・福利厚生・入退社手続き)

人事・労務部門には、有給休暇の残日数確認や、育児・介護休業の取得条件、社会保険の手続き、入退社時の必要書類など、制度や規程に基づく質問が日々数多く寄せられがちです。こうした問い合わせは、回答内容が就業規則や社内規程に明確に記載されているケースが多く、チャットボットによる自動対応で正確かつ迅速に処理できます。

特に4月の入社シーズンや年末調整の時期には問い合わせが増えるため、繁忙期の負荷軽減効果は大きいでしょう。また、人事・労務に特化したチャットボットを活用すれば、導入初期のFAQの登録工数を抑えながら高い回答精度を実現できます。

RAG型であれば、就業規則や福利厚生ガイドブックをドキュメントとして読み込ませることで、規程改訂時にもドキュメントを差し替えるだけで回答内容を最新化できます。

3-3. 総務・経理部門(経費精算・備品申請・社内規程)

総務・経理部門への問い合わせで多いのは、「経費精算の申請期限はいつか」「出張旅費の上限額はいくらか」「備品の購入申請はどこからできるか」「社内規程の最新版はどこにあるか」といった内容です。いずれも規程やマニュアルに記載された事実ベースの情報であり、チャットボットの自動応答に適しています。

経費精算や備品申請は社内ワークフローシステムと連携させることで、チャットボット上から直接申請画面へ遷移させる導線設計も可能です。「質問→回答→申請」の一連の流れをチャット内で完結させれば、社員にとっての利便性が高まり、チャットボットの利用率向上にもつながります。

また、社内規程の改訂が頻繁に行われる企業では、RAG型を採用してドキュメントの差し替えだけで回答を最新化できる運用体制を構築しておくと、メンテナンスコストを大幅に抑えられるでしょう。

3-4. 営業・事業部門(商品情報・社内申請フローの案内)

チャットボットに商品データベースや社内申請フローに関するドキュメントを登録しておけば、営業担当者はSlackやTeams上から必要な情報をすぐに引き出せるようになります。

営業・事業部門では、「この商品の最新カタログはどこにあるか」「見積書の承認フローは何段階か」「競合製品との比較資料はあるか」といった社内情報へのアクセスニーズが頻発します。

外出先やリモートワーク中の営業担当者にとって、こうした情報を即座に取得できる環境は商談スピードに直結する重要な要素です。

特にRAG型であれば、商品カタログや提案テンプレート、過去の成功事例集といった多様なドキュメントを横断検索できるため、営業活動に必要なナレッジをワンストップで提供することが可能です。

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4. 社内チャットボットの導入手順【5ステップ】

社内チャットボットの効果を高めるには、ツールの選定だけでなく、導入前の準備から運用後の改善まで一貫した計画が必要です。実践的な5つのステップに沿って導入手順を解説します。

4-1. ステップ1:対象業務と導入目的を明確にする

社内チャットボットを導入する最初のステップは、「どの部門の、どのような問い合わせを自動化したいのか」を具体的に定義することです。目的が曖昧なまま導入を進めると、ツール選定の軸がぶれ、導入後に「期待した効果が出ない」という事態に陥りやすくなります。

まずは過去3〜6か月分の問い合わせ履歴(メール・電話・チャットログ)を収集し、件数が多い質問カテゴリと対応工数を可視化しましょう。そのうえで「情報システム部門への問い合わせを月間30%削減する」「人事部門の定型対応を自動化し、担当者の対応時間を月20時間削減する」といった定量的なKPIを設定します。

このKPIが、後のツール選定基準や効果測定の基盤になります。

4-2. ステップ2:FAQやマニュアルを整理・棚卸しする

社内チャットボットの導入目的を定めたら、チャットボットに登録するデータの準備に取りかかります。既存のFAQや、業務マニュアル、社内規程、過去の問い合わせ対応履歴を棚卸しし、「質問」と「回答」のペアとして整理していく作業です。

最初からすべての質問を網羅する必要はありません。ステップ1で可視化した頻出質問の上位20〜30件を優先的に登録し、スモールスタートで運用を開始するのが効果的です。

RAG型のチャットボットであれば、マニュアルや規程集をPDFやWordのままアップロードするだけで参照データとして活用できるため、Q&Aペアを一件ずつ作成する手間を大幅に省けます。この段階で情報の抜け漏れや古い記載がないかをチェックし、最新の内容に更新しておくことも重要です。

4-3. ステップ3:ツール選定とトライアル検証を行う

FAQデータの準備と並行して、自社の要件に合ったツールを選定します。比較のポイントは、次の5つです。

  • 回答方式(シナリオ型・AI型・RAG型)
  • 管理画面の操作性
  • 既存システムとの連携
  • セキュリティ要件
  • トータルコスト

候補を2〜3サービスに絞り込んだら、無料トライアルやPoC(概念実証)を実施して実際の使用感を検証します。トライアル期間中は、管理画面で次の4つを重点的にチェックしましょう。

  • FAQ登録
  • 編集のしやすさ
  • 回答精度
  • レポート機能の充実度

4-4. ステップ4:社内周知と利用促進の施策を実施する

社内周知と利用促進の施策としては、社内ポータルやSlack・Teamsの全社チャンネルで告知したり、操作方法を紹介する短い動画やマニュアルを配布したりといったアプローチが有効です。

さらに、「チャットボット活用週間」のようなキャンペーンや利用回数ランキングの共有など、ゲーム的要素を取り入れると初期の利用率を引き上げやすくなります。

どれほど優れたチャットボットを導入しても、社員に使ってもらえなければ効果は出ません。運用開始前から社内周知を徹底し、利用のハードルを下げる施策を講じることが定着に必要です。

加えて、普段使いのチャットツール上にボットの入口を常設し、「わざわざ別のツールを開く」という心理的障壁を取り除くことも重要なポイントです。

4-5. ステップ5:運用データをもとに継続的に改善する

社内チャットボットは「導入して終わり」ではなく、運用データに基づく継続的な改善こそが費用対効果を最大化するための重要なプロセスです。

運用開始後は、自動解決率、未回答率、利用頻度の高い質問カテゴリ、ユーザー満足度といったKPIを月次でモニタリングし、改善のPDCAサイクルを回していきましょう。

特に「未回答の質問」は重要な改善材料です。未回答ログを週次で抽出し、新たなFAQの追加やドキュメントの補充を行うことで、回答精度は段階的に向上していきます。

AI型やRAG型であれば、導入後に適切なデータを読み込ませていくことで、徐々に正答率が向上していくため、継続的なメンテナンスは欠かせません。改善サイクルを回すためにも、運用担当者を明確に任命し、月次の振り返りミーティングをルーティン化しておくことがおすすめです。

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5. 社内チャットボット導入でよくある失敗と対策

社内チャットボットの導入効果を高めるには、事前に「よくある失敗パターン」を把握し、対策を講じておくことが重要です。代表的な3つの失敗とその具体的な対策を解説します。

5-1. FAQの整備不足で回答精度が上がらない

よくある失敗のひとつは、登録するFAQデータが不十分なまま運用を開始してしまうケースです。

チャットボットの平均正答率は60〜80%と言われていますが、そもそもFAQの件数や内容が不足していれば「回答できない質問」が頻発し、社員の信頼を早期に失ってしまいます。一度「使えない」という印象が定着すると、利用率を回復させるのは容易ではありません。

対策としては、導入前に過去の問い合わせ履歴を分析し、頻出する上位20〜30件の質問を優先的に登録してから運用を開始することが有効です。運用開始後は未回答ログを週次で抽出し、新たなFAQを継続的に追加していくサイクルを回しましょう。

RAG型のチャットボットであれば、既存のマニュアルや規程集をドキュメントとしてアップロードするだけで回答範囲を広げられるため、FAQ整備の初期負荷を大幅に抑えることが可能です。

5-2. 社員に使ってもらえず定着しない

チャットボットを導入しても、社員が従来どおり電話やメールで問い合わせを続けてしまい、利用率が上がらないケースは珍しくありません。原因としては、下記の要因が挙げられます。

  • チャットボットの存在が十分に周知されていない
  • アクセス導線がわかりにくい
  • 初回利用時の体験が悪く再利用につながらない

対策の第一歩は、社内周知と利用促進の施策を導入初期に徹底することです。SlackやTeamsなど普段使いのツール上にボットの入口を常設し、「わざわざ別のシステムを開く」という障壁をなくしましょう。

加えて、「チャットボット活用週間」などのキャンペーンや利用事例の社内共有によって、成功体験を組織全体に広げていくアプローチも効果的です。経営層やマネージャー層が率先して利用する姿勢を見せることも、定着させる要素になるでしょう。

5-3. 運用担当者が不在でメンテナンスが止まる

運用担当者が明確に任命されていなかったり、担当者の異動後に引き継ぎが行われなかったりすると、メンテナンスが停滞し、回答内容が古いまま放置される事態に陥ります。

社内チャットボットは導入して終わりではなく、FAQの追加・更新、未回答ログの分析、回答精度の改善といった継続的なメンテナンスが欠かせません。

対策としては、導入段階で運用担当者(または担当チーム)を明確にアサインし、月次の振り返りミーティングをルーティン化することがおすすめです。担当者が1名だけでは異動・退職リスクがあるため、主担当と副担当の2名体制を組んでおくと安心でしょう。

また、管理画面の操作がシンプルなツールを選定すれば、引き継ぎ時の学習コストも低く抑えられます。

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6. NTT東日本の生成AIサービスなら「ミンクスプラス生成AI」

社内チャットボットの導入において「回答精度」「セキュリティ」「費用の透明性」「運用のしやすさ」「業種への適合性」を同時に満たすサービスを選ぶことが、導入効果を最大化するために欠かせません。NTT東日本が提供する「ミンクスプラス生成AI」は、これら5つの要素をバランスよく備えた生成AI型チャットツールです。

ミンクスプラス生成AIの大きな特長は、RAG技術による高精度な回答生成です。社内のPDF・Word・Excel・PowerPointなど多様なドキュメントをデータソースとして読み込み、質問に対して根拠付きの回答を自動生成します。回答には参照元情報が表示されるため、利用者が出典を即座に確認でき、ハルシネーションリスクを低減できる設計です。

導入後の活用支援も充実しており、日常の問い合わせサポートや、RAG伴走サポート、生成AI概論研修、生成AIガイドライン策定支援まで一貫して提供しています。本コラムで紹介した「運用担当者の不在によるメンテナンス停滞」という失敗パターンに対しても、伴走型の支援体制で対処できる点は心強いでしょう。

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7. 社内チャットボットに関するよくある質問

最後に、社内チャットボットでよくある質問と回答を紹介します。

7-1. 社内チャットボットとは何ですか?

社内チャットボットとは、従業員からの問い合わせ対応を自動化するために、社内専用に構築されたチャットボットです。主にバックオフィス部門に寄せられる以下のような質問を、チャット形式で即座に処理できます。

  • 情報システム部門: IT機器の不具合やVPN接続方法、パスワードリセットなどのトラブル対応
  • 人事・労務部門: 勤怠ルールの確認、有給残日数の照会、福利厚生制度の問い合わせ
  • 総務・経理部門: 経費精算ルールや申請期限、備品申請方法、社内規程の確認

顧客向けチャットボットとの違いは、利用者が従業員に限定される点と、就業規則や業務マニュアルなど機密性の高い社内情報を扱う点にあります。

7-2. 社内チャットボットの注意点は?

社内チャットボットを導入する際の主な注意点は3つあります。

  • FAQ・ドキュメントの整備不足による回答精度の低下
  • 運用担当者の不在によるメンテナンスの停滞
  • セキュリティ要件を満たさないツールの選定

FAQやドキュメントの整備が不十分なまま公開すると回答精度が低くなり、社員の信頼を失って利用率が定着しないリスクがあります。

また、社内の機密情報を扱うため、アクセス制御・認証連携・データ暗号化といったセキュリティ要件を満たすツールを選定することが重要です。

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8. まとめ

本コラムでは、社内チャットボットの基本的な仕組みと種類、導入によって得られる6つのメリット、部門別の活用シーン、失敗しない5ステップの導入手順、そしてよくある失敗パターンと対策までを網羅的に解説しました。

社内チャットボットは、組織全体の生産性向上に幅広く貢献するツールです。一方で、運用に失敗してしまう要因を事前に潰しておくことが欠かせません。導入を検討中の方は、まず対象業務の棚卸しとKPI設定から着手し、スモールスタートで効果を検証しながら段階的に拡張していくアプローチをおすすめします。

NTT東日本の「ミンクスプラス生成AI」は、RAG技術による高精度な回答、堅牢なセキュリティ、明確な料金体系、そして研修・伴走支援までを備えた生成AIチャットサービスです。社内の問い合わせ対応を根本的に変えたいとお考えの方は、ぜひ以下のページからお気軽にお問い合わせください。

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  • Microsoft Teamsおよびその他のMicrosoft 商標は、Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標または商標です。
  • Slackは、Slack Technologies, Inc.の登録商標です。
  • その他、本コラムに記載されてる会社名、サービス名、商品名は、各社の商標または登録商標です。

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