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VMwareの代替基盤とは?ライセンス変更後に検討すべき選択肢と移行ステップを解説

BroadcomによるVMwareの買収以降、ライセンス体系の変更やコスト増により、「このままVMwareを継続すべきか」「VMwareの代替基盤へ移行すべきか」を検討する企業が増えています。

旧エディションの終了や価格の不透明さにより、従来のvSphere前提のオンプレ環境を維持できるか不安に感じるケースも少なくありません。一方で、どの移行先が現実的なのか、その判断は簡単ではありません。

本コラムでは、主要なVMwareの代替基盤の特徴と、安全に移行を進めるためのポイントを整理して解説します。

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目次:

1. VMwareの代替が注目されている背景
2. VMwareの代替として検討できる選択肢
2-1. 他社のハイパーバイザーへ乗り換える
2-2. パブリッククラウドへ移行する
2-3. 国産クラウド基盤を利用する
3. 主要なVMwareの代替基盤
3-1. Windows Serverで利用できる「Hyper-V」
3-2. Linuxカーネル標準の仮想化基盤「KVM」
3-3. OSSで人気の統合仮想化基盤「Proxmox VE」
3-4. HCI基盤として実績豊富な「Nutanix」
4. VMwareから安全に代替基盤へ移行するステップ
4-1. 現行環境の棚卸しと影響範囲の整理
4-2. 代替基盤の選定とTCO・移行難易度の比較
4-3. 検証環境でのテストと移行計画の策定
4-4. 段階的な本番移行と運用安定化
5. VMwareの代替基盤へ移行時の注意点
5-1. 既存システムとの互換性と移行工数を正確に把握する
5-2. アプリケーション停止や業務影響のリスクを評価する
5-3. 運用体制や監視・バックアップ設計を見なおす
5-4. コスト構造の変化と長期的なTCOを確認する
6. 「VMware継続」を選択するメリットは?
6-1. システム停止や移行作業のリスクを避けられる
6-2. 既存の運用フローや管理ツールをそのまま使い続けられる
6-3. 現在の構成を変えずに維持できる
7. VMwareを継続的に利用できる国内クラウド「地域エッジクラウド タイプV」とは
8. まとめ

1. VMwareの代替が注目されている背景

VMwareの代替基盤が注目されている大きな理由は、Broadcom買収後に実施されたライセンス条件の大幅な変更です。

従来は買い切り型の永続ライセンスが提供されていましたが、現在は月額・年額課金のサブスクリプション方式のみとなり、利用を続ける限り継続的な費用が発生します。

さらに、中小規模環境で多く利用されていたエディションが廃止され、パッケージ構成も大きく変更されました。

項目 以前の構成 変更後の構成
ライセンス形態 永続ライセンス(買い切り) サブスクリプションのみ
主なパッケージ Essentials Plusなど用途別 VCF / VVF / vSphere Standard など
機能の選択肢 必要な機能に合わせて安価な選択が可能 上位パッケージへの統合により、不要な機能が含まれる場合がある

その結果、利用規模に対して上位パッケージを選ばざるを得ないケースも発生し、次回更新時のコストを見積もりづらい状況が続いています。

さらに2025年10月にvSphere 7のサポートが終了するため、このタイミングでインフラ全体の見直しを迫られる企業も多くなっています。

こうした背景からHyper-V、NutanixやProxmox VEなど「VMwareの代替」基盤を比較検討する企業が急増しています。

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2. VMwareの代替として検討できる選択肢

VMware以外の基盤を検討する際は、環境をどこに置くのか、どの程度運用方式を変えられるのかによって、取り得る選択肢が大きく変わります。

たとえば、

  • 「これまでと同じようにオンプレミスで運用を続けたい」
  • 「既存の環境を生かしつつクラウドに移行したい」
  • 「自社で仮想化基盤を持たず、事業者の提供する基盤を利用したい」

など、方針の違いによって、適した代替案は異なります。

VMwareの代替として特によく検討される主な選択肢は、次の3つです。

  • 他社のハイパーバイザーへ乗り換える
  • パブリッククラウドへ移行する
  • 国産クラウド基盤を利用する

【関連コラム】脱?続?VMwareライセンス改定に対する市場の反応を調査してみた

2-1. 他社のハイパーバイザーへ乗り換える

オンプレミス前提の運用を継続したい場合、ハイパーバイザーのみを切り替える方法が有力な選択肢になります。クラウドへの全面移行と比べ、ネットワーク構成や業務システムの変更を抑えやすく、移行に伴う影響を最小限にできる点が特徴です。

この選択肢が適しているのは、次のようなニーズがある場合です。

  • 当面はオンプレミスでの運用を続けたい
  • 既存のサーバー/ストレージを引き続き活用したい
  • ネットワークや業務システムの変更は最小限にとどめたい

Windows Server中心の環境では、OSに標準搭載されている仮想化機能を利用する方法があります。一方、将来的な拡張性や運用負荷の軽減を重視する場合は、サーバーとストレージを統合管理できるHCI製品を検討するケースも増えています。

また、Linuxの運用実績があり、ライセンスコストを抑えたい企業では、オープンソースをベースとした仮想化基盤を採用する例もあります。

どの製品を選ぶ場合でも、既存の運用体制で対応できるかどうかは重要なポイントです。現在の運用手順とかけ離れた管理方法を持つ基盤を導入すると、障害時の切り分けや復旧対応に時間がかかる可能性があります。

2-2. パブリッククラウドへ移行する

サーバー機器の老朽化対応や物理保守から解放されたい場合、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureといったパブリッククラウドへの移行が選択肢になります。自社でハードウェアを保有せず、サービスとして利用する形になるため、調達・保守・設置場所といった物理的制約を受けにくくなります。

この選択肢は次のような要件に当てはまる場合に有効です。

  • 物理サーバーの保守・更改作業をなくしたい
  • 拠点や設置場所に依存しないインフラ運用に切り替えたい
  • 初期投資を抑え、利用量に応じて費用を調整したい

既存システムを大きく変えずにクラウドへ移したい場合には、Azure VMware Solution(AVS)のようにクラウド上でVMwareをそのまま利用できるサービスもあります。ただし基盤自体はVMware技術を用いるため、ライセンス体系変更によるコスト影響は引き続き考慮が必要です。

中長期の費用を抑える観点では、Amazon EC2やAzure VMなどクラウドネイティブなIaaSへ再構築する方法もあります。また、今後のシステム刷新や開発基盤統合を見据え、コンテナ基盤(Kubernetes)への移行を進める企業も増えています。クラウド上に開発・検証環境をまとめることで、作業の標準化や運用効率化にもつながります。

ただし、いずれの方法も設計・移行の工数が発生するため、事前の検討とスケジュール確保が欠かせません。

2-3. 国産クラウド基盤を利用する

コストの見通しや契約条件の安定性を重視する企業には、国内事業者が提供する国産クラウド基盤という選択肢があります。

外資系のクラウドとは異なり、急な価格改定や為替変動の影響を受けにくいため、年間予算や中長期計画を立てやすい点がメリットです。

国産クラウドが適している例は次の通りです。

  • 為替変動による利用料の増減を避け、円建てで予算を管理したい
  • 契約更新や費用調整を年度単位で進めたい
  • 障害対応や技術的な相談を、日本語で迅速に完結させたい

外資系パブリッククラウドでは、グローバル市場における事業方針の変更や為替レートの変動が影響し、利用条件や料金体系が変わる場合があります。一方、国産クラウドは円建て料金を採用しているケースが多く、年間および中長期の予算計画を立てやすい点が大きな特徴です。

また、日本国内での運用を前提としているため、日本語によるサポートが標準で提供されることが一般的です。問い合わせや障害対応を日本語でスムーズに行えることで、状況確認や対応方針のすり合わせに時間を取られにくくなります。

さらに、データ保管場所を国内に限定したい場合や、契約条件をできるだけシンプルに保ちたい場合にも、国産クラウドは有力な選択肢となります。

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3. 主要なVMwareの代替基盤

VMwareの代替先を具体的に検討する際には、コスト、運用負荷、担当者のスキルセットといった観点によって最適な基盤が大きく異なります。また、各基盤には独自の設計思想や得意分野があるため、自社の要件と照らし合わせて比較することが重要です。

ここでは、代表的な4つのVMware代替基盤について、それぞれの特徴と選定のポイントを解説します。

  • Windows Serverで利用できる「Hyper-V」
  • Linuxカーネル標準の仮想化基盤「KVM」
  • OSSで人気の統合仮想化基盤「Proxmox VE」
  • HCI基盤として実績豊富な「Nutanix」

3-1. Windows Serverで利用できる「Hyper-V」

Microsoftが提供するHyper-Vは、社内システムがWindows Serverで構成されている企業や、仮想化にかかる費用を抑えたい企業に適した選択肢です。Windows Serverに標準搭載されているため、仮想化基盤のみを別製品へ置き換える必要がありません。

特にDatacenterエディションでは、同一物理サーバー上で稼働するWindows仮想マシンのライセンス数に制限がないため、多数のWindows VMを運用する環境ではライセンス費用を一定に保つことができます。

また、管理画面の操作性やコマンド体系がWindows Serverと共通しており、日頃からWindowsの管理に携わる運用チームであれば、負担なく移行後の運用を継続できます。

なお、Microsoftの仮想化基盤にはHyper-Vとは別にAzure Stack HCIという製品もあり、クラウド連携や高度な運用を求める場合はこちらが選ばれることがあります。従来のHyper-Vは、既存環境を可能な限り活かしつつ移行したいケースに向いています。

3-2. Linuxカーネル標準の仮想化基盤「KVM」

オープンソースのKVM(Kernel-based Virtual Machine)は、特定ベンダーのライセンス方針や価格変更による影響を受けにくい仮想化基盤を求める環境に最適です。Linuxカーネルに標準実装されているため、特定製品の提供状況に左右されにくい点が大きな特徴です。

KVMは、Amazon Web Services(AWS)やGoogle Cloudなどの大規模クラウドサービスでも採用されており、仮想化基盤としての実績は十分にあります。OSSに対する信頼性を判断するうえで、これらの採用実績は参考になります。

ソフトウェア自体にライセンス費用が発生せず、幅広いサーバー構成で利用できる点も魅力です。一方で、KVM単体で運用する場合はLinuxの高度な知識を前提としたコマンド操作が必要で、VMwareのvCenterのような統合管理GUIが標準では存在しません。

そのため、近年はKVMをベースにGUIやバックアップ機能を備えた「Proxmox VE」を組み合わせて利用するケースが増えており、実運用上のハードルを下げる形で採用が進んでいます。

3-3. OSSで人気の統合仮想化基盤「Proxmox VE」

Proxmox VE(Proxmox Virtual Environment)は、インフラコストを抑えつつGUIによる運用管理を行いたい企業に適したオープンソースの統合仮想化基盤です。KVMをベースとし、ブラウザから利用できる管理画面を標準搭載しているため、専門的なコマンド操作を必要とせず運用できます。

クラスタ構成、ライブマイグレーション、バックアップ機能など、仮想基盤として必要な機能を追加費用を抑えて利用できる点も特徴で、開発・検証環境や段階的なVMwareからの移行プロジェクトで採用が増えています。

さらに、近年はVMware ESXiの仮想マシンを直接取り込める公式ツール「Proxmox Import Wizard」が提供され、移行作業の手間が大幅に軽減されました。

バックアップについては、専用製品であるProxmox Backup Serverと組み合わせることで、増分バックアップや重複排除といった高度な機能も利用できます。ただし、トラブル発生時のサポートはコミュニティ情報が中心となるため、実運用では国内で技術支援を行えるパートナーの有無を事前に確認しておくことが重要です。

3-4. HCI基盤として実績豊富な「Nutanix」

Nutanixは、VMwareに近い操作性を維持しながら移行を進めたい企業に適したHCI(ハイパーコンバージドインフラ)基盤です。サーバーとストレージを一体で管理でき、標準で独自の仮想化基盤であるAHVが利用可能です。

AHVは製品ライセンスに含まれているため、仮想化ソフトを別途購入する必要がなく、vSAN利用のVMware構成と親和性が高い点も評価されています。

移行作業では、専用ツールであるNutanix Moveを利用することで、稼働中の仮想マシン移行を自動化でき、切り替え作業の負担を軽減できます。

運用面では管理画面のPrismが提供されており、VMwareのvCenterに近い感覚で操作できます。また、AHVだけでなくESXiを併用した構成にも対応できるため、段階的に環境を切り替える進め方も可能です。

導入時の初期費用は比較的高めですが、「運用負荷を下げたい」「VMwareに近い操作性を維持したい」という環境では採用されるケースが多い基盤です。

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4. VMwareから安全に代替基盤へ移行するステップ

VMwareから別の基盤へ移行する際は、現行環境の確認から基盤選定・検証や本番切り替えといった工程を段階的に進めるのが一般的です。

具体的な流れは次のとおりです。

  1. 現行環境の棚卸しと影響範囲の整理
  2. 代替基盤の選定とTCO・移行難易度の比較
  3. 検証環境でのテストと移行計画の策定
  4. 段階的な本番移行と運用安定化

以下では、各ステップで事前に確認しておくべきポイントを解説します。

4-1. 現行環境の棚卸しと影響範囲の整理

VMwareから代替基盤へ移行する際、まず取り組むべきは現在の環境がどのような構成で動いているかを正しく把握することです。

長期間運用された環境では、当初の設計から変更が積み重なり、現状が把握しづらくなっているケースも多く見られます。

たとえば、

  • 既に利用されていない仮想マシン
  • 過去の要件対応で追加されたままの設定
  • 動作に不要な一時的リソース

などが残っている場合、移行対象の範囲が読みづらくなり、作業量の見積もりに影響します。

この工程では次の項目を中心に整理します。

  • 各仮想マシンのCPU・メモリ・ディスク容量
  • 実際の稼働状況(ピーク負荷・平均利用率)
  • 仮想スイッチ設定やパススルー利用の有無
  • VMware固有機能(例:vSphere HA、DRS、パススルー、共有ディスク)
  • 監視・バックアップ・VDI・連携システムなど周辺ツールの依存関係

特にNSXを利用している場合はネットワーク設計の移行可否に関わるため、早い段階で整理しておくことが重要です。

4-2. 代替基盤の選定とTCO・移行難易度の比較

代替基盤を選ぶ際は、単純なライセンス費用だけで判断せず、移行工数や運用体制の変更に伴うコストまで含めた総合的なTCO(総保有コスト)を確認する必要があります。

たとえば

Hyper-V
  • 既存のWindows Serverライセンスを活用でき、初期費用を抑えやすい。
  • 従来のサーバー運用手順を流用しやすく、比較的スムーズな移行が可能。
Nutanix
導入時にライセンス費用は発生するものの、移行ツール(Nutanix Move)や統合管理機能が充実しており、移行工数・運用負荷を抑えやすい。
OSS(KVM/Proxmox など)
ライセンス費用を抑えられる一方、障害対応や運用の担い手を社内で確保するか、外部に委託するかで必要なコスト・体制が大きく変わる。

このステップでは、

  • 初期費用
  • データ移行に必要な工数
  • 運用開始後の管理負荷
  • 保守・サポート体制
  • スキル適応にかかる期間

などを比較し、最終的な基盤候補を絞り込みます。

4-3. 検証環境でのテストと移行計画の策定

本番移行に着手する前に、小規模な検証環境を構築し、実際の仮想マシンを用いて動作検証を行うことが重要です。

仕様上は対応していても、実際の環境ではVMの変換や起動、ネットワーク設定の差分が発生するためです。

検証では、以下の項目を確認します。

  • 移行ツールを利用したVM変換の結果
  • OSが問題なく起動するか
  • ネットワーク通信・アプリ動作が正常か
  • バックアップ/復元が正しく動作するか
  • 万が一の切り戻し手順が機能するか

これらを踏まえ、移行に必要な工数や作業時間を把握することで、本番環境に適したスケジュール・手順書を作成できます。

4-4. 段階的な本番移行と運用安定化

本番移行では、すべてのシステムを一度に切り替えるのではなく、段階的に移行する方法が一般的です。

まずは開発環境や検証用途の軽量なVMから移行し、新基盤での操作性・動作安定性を確認します。その後、本番環境へ移行範囲を広げていきます。

また、移行期間中は「旧VMware環境と新基盤の並行稼働」を行い、業務影響を抑えながら切り替えを進めます。これにより、設定差分や運用上の課題を補正しながら安全に移行できます。

移行完了後は、

  • 新基盤に合わせた運用手順の更新
  • 監視項目・バックアップ設定の再整備
  • 運用部門への引き継ぎ
  • 安定稼働期間のモニタリング

といった作業を実施し、基盤全体の運用を定着させていきます。

仮想化基盤の刷新では、移行作業だけでなく、その後の保守・運用まで含めた体制整備が成功の鍵となります。

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5. VMwareの代替基盤へ移行時の注意点

VMwareから代替基盤へ移行する際、仮想化基盤のスペックや機能だけを基準に判断すると、移行作業や運用フェーズで想定外の手戻りが発生することがあります。

そのため基盤そのものの比較だけでなく、運用方式の変化や費用構造の違いを含めた総合的な確認が不可欠です。

ここでは移行を進めるうえで、事前に押さえておきたい代表的な注意点を4つ解説します。

  • 既存システムとの互換性と移行工数を正確に把握する
  • アプリケーション停止や業務影響のリスクを評価する
  • 運用体制や監視・バックアップの設計を見直す
  • コスト構造の変化と長期的なTCOを確認する

5-1. 既存システムとの互換性と移行工数を正確に把握する

VMwareから別の基盤に移行する際は、まず既存システムが移行先で問題なく動作するかを把握しておく必要があります。特に長期間アップデートされていないOS(古いWindowsやLinux)を利用している場合、新しいハイパーバイザーで必要となるドライバや統合ツールが対応していないケースがあります。

V2V(VM変換)では、以下のような事象が発生する場合があります。

  • 仮想ディスク形式の違いによる変換エラー
  • IPアドレスなどネットワーク設定が引き継がれない
  • VirtIOドライバなど移行先固有のドライバが導入できない

また、VMwareの固有機能を利用している場合、代替基盤で同等の構成が取れるかどうかを確認する必要があります。

例:

  • USBデバイスをVMに直接認識させるパススルー
  • 共有ディスクを複数VMで利用するクラスタ構成
  • NSXを利用した複雑なネットワーク機能

これらが移行先に対応していない場合、アーキテクチャの見直しが必要になることもあります。

そのためPoC(検証)では、古いOSや複雑な構成のVMを優先してテスト対象にすることで、実際の作業量や移行時のボトルネックを早期に把握できます。

5-2. アプリケーション停止や業務影響のリスクを評価する

代替基盤への切り替えでは、作業内容によってシステム停止を伴う工程が発生します。オンプレミス間での仮想マシン変換や、クラウドへのデータ転送では扱うデータ量や構成によって作業時間が大きく変わるため、停止時間が数時間で済む場合もあれば、複数日に分けて対応が必要になる場合もあります。

また、基盤の切り替えに伴いIPアドレスや通信経路が変更されると、連携している他システムや利用者端末側の設定変更が必要になることがあります。こうした対象範囲を事前に把握していないと、切り替え後の動作確認に時間がかかり、業務に影響が出る可能性があります。

このような影響を抑えるためには、事前にデータ同期を実施して停止時間を短縮したり、システムごとに切り替えタイミングを分けたりする方法が有効です。あわせて、停止が発生する対象システムや作業時間の目安を洗い出し、業務側とあらかじめ調整しておくことで、移行時のリスクを軽減できます。

5-3. 運用体制や監視・バックアップ設計を見なおす

VMwareから別の基盤へ移行すると、これまで利用してきた運用管理ツールや手順を、そのまま引き継げない場合があります。とくに、バックアップは業務継続に直結するため、移行先の基盤によっては、現在利用しているバックアップソフトが対応していない、または一部機能が利用できないケースがあります。

監視についても同様で、VMware固有の指標を前提に設定していた監視項目や通知条件は、移行先の基盤に合わせて調整が必要になることがあります。移行先のハイパーバイザーやクラウド基盤が既存の監視・バックアップツールと連携できるかどうかは、早い段階で確認しておくべき重要なポイントです。

また、基盤の切り替えに伴い、日々の運用手順やマニュアルも更新が必要になります。管理画面や操作方法が変わることで、対応フローに差分が生じるため、基盤の切り替え作業とあわせて、運用手順の更新や引き継ぎまでを移行計画に含めて進めていく必要があります。

5-4. コスト構造の変化と長期的なTCOを確認する

VMwareの代替基盤へ移行することで、表面的なライセンス費用は下がる場合があります。ただし、運用に必要な人件費や外部サポート費用が増えると、全体の支出は結果的に大きくなることがあります。仮想化基盤は導入して終わりではなく、サーバー機器の一般的な保守期限や減価償却期間を踏まえ、数年単位で費用を見ていく必要があります。

実務では、5年程度を目安に、初期費用と毎年発生する運用費用を並べて算出し、次回の機器更新まで含めた支出を確認します。短期的な金額差だけでなく、期間を通した費用の出方を把握しておくことが求められます。

たとえば、オープンソースをベースとした基盤ではライセンス費用を抑えられる一方、不具合発生時に対応できる技術者の確保や、有償サポート契約が別途必要となる場合があります。

このほかにも、古いOSライセンスの再購入費用、運用引き継ぎに伴う作業費、為替変動による月額料金の変化、クラウド利用時のデータ転送量に応じた課金など、後から発生する費用もあります。初期費用と継続的に発生する費用を分けて把握し、一定期間を通した支出として確認しておくことが重要です。

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6. 「VMware継続」を選択するメリットは?

ライセンス体系の変化に伴い、代替基盤への移行を検討する企業が増えていますが、VMwareを使い続ける判断にもメリットがあります。主なメリットは以下の3つです。

  • システム停止や移行作業のリスクを回避できる
  • 既存の運用フローや管理ツールをそのまま使い続けられる
  • 現在の構成を変えずに維持できる

コストだけで判断するのではなく、運用の継続性や業務への影響も踏まえたうえで、どの選択肢が自社に最適か検討する必要があります。

6-1. システム停止や移行作業のリスクを避けられる

現在安定して稼働しているシステムの場合、仮想基盤を変更すると、設計・検証・切り替えといった新たな作業が発生します。VMwareを継続する場合、こうした作業が不要になるため、長時間のシステム停止や切り替え後の動作確認に伴う業務影響を避けられます。

別の基盤へ移行する際には、仮想マシンの変換や仮想デバイスの変更が避けられず、その過程でディスク形式の違いによる起動不良や、古いOSが新しい仮想ドライバに対応できないといった問題が起きることがあります。事前の検証で一定の対策はできますが、本番切り替え時に追加対応が必要になるケースも珍しくありません。

特に24時間稼働が前提の基幹系システムや、工場・制御システムなど停止時間を極力短く抑えるべき環境では、移行作業そのものが大きな負担になります。このような条件では、仮想基盤を変更せず運用を継続する選択が取られることもあります。

また、移行プロジェクトを実施しないことで、設計や検証、切り替えの追加作業を行う必要がなくなり、脆弱性対応やバックアップの見直し、周辺システムの更新など、現行環境の運用維持にリソースを集中できます。

6-2. 既存の運用フローや管理ツールをそのまま使い続けられる

VMwareを継続して利用する場合、日常的に使用している管理画面の操作方法やCLI (コマンドラインインターフェイス) スクリプト、障害発生時の対応手順を大きく変更せずに運用できます。監視設定やバックアップ手順、復旧時の対応フローなど、これまで整備してきた運用資産をそのまま活用できる点は大きなメリットです。

一方、別の仮想基盤へ移行する場合は、管理画面の操作体系やコマンドが変わるため、既存の手順書や自動化スクリプトの修正が必要になります。また、監視項目やアラート設定も見直す必要があり、移行後しばらくは運用負荷が増える可能性があります。

情報システム部門の人員が限られている場合、こうした変更点の把握や再整備に時間を取られ、障害対応や設定変更の際に手戻りが発生しやすくなります。

ライセンス費用は増加するものの、運用手順の再構築や操作習得にかかる期間、追加作業によるリスクを含めて考えると、現行環境を継続する方が適しているケースもあります。

6-3. 現在の構成を変えずに維持できる

VMwareを継続する場合、既存のバックアップソフトや監視システム、VDI、情報セキュリティ製品など、周辺システムとの組み合わせを大幅に変更する必要がありません。

仮想化基盤を別製品に切り替える場合、周辺ツール側の対応状況を個別に確認し、設定変更やモジュール追加が必要になることがあります。場合によっては代替製品の導入や構成変更が必要となり、仮想基盤そのもののライセンス費用以上に、周辺システムの改修や検証に時間と費用がかかるケースもあります。

VMwareを継続すれば、こうした周辺環境の大幅な変更や追加検証を避けられます。周辺システムの調整や再設定に伴う工数や費用まで含めて比較すると、仮想基盤を変えずに運用を続けた方が全体の支出を抑えられる場合もあります。

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7. VMwareを継続的に利用できる国内クラウド「地域エッジクラウド タイプV」とは

VMwareの代替基盤を検討する過程で、多くの企業が直面するのは、「移行の負担は避けたいが、オンプレミスの運用負荷は軽くしたい」という課題です。仮想化基盤は変えず、現在のシステムや運用資産を維持したまま設置場所を見直したい場合、VMwareをそのまま利用できるクラウド基盤が選択肢になります。

地域エッジクラウド タイプVは、VMware技術を用いた仮想化基盤を、NTT東日本の国内データセンターで提供するクラウドサービスです。オンプレミス環境で利用してきたvSphere/vSAN前提の構成をそのままクラウド側へ移せるため、ハイパーバイザーの切り替えや仮想マシンの形式変換、ドライバの入れ替えが不要です。

さらに、専用テナント内の設計・構築・監視・一次対応をNTT東日本が担う運用サービスも提供しています。これにより、基盤と運用の窓口を分ける必要がなく、障害時もスムーズに対応できます。

オンプレ保守の負担を抑えつつ、これまでの運用フローやツールをほぼそのまま活用できるのが、地域エッジクラウド タイプVです。

VMwareを継続しながら移行負荷を抑えたい場合は、お気軽にお問い合わせください。

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8. まとめ

BroadcomによるVMware買収以降、ライセンス体系や価格条件の見直しが進み、VMwareを継続するか、別の基盤へ移行するかを見直す必要が出てきています。

VMwareから別の基盤へ移行する場合は、ハイパーバイザーの変更やクラウド移行に伴う作業や運用変更が発生します。一方で、VMwareを継続する場合は、ライセンス費用の増加を受け入れる必要があるものの、現在稼働しているシステム構成や運用方法を大きく変えずに維持できる点がメリットです。

すべてを置き換える方法だけでなく、VMwareを使い続けたまま、設置場所や保守の持ち方を見直す進め方もあります。NTT東日本の地域エッジクラウドのように、仮想化基盤はそのままに、ハードウェア管理やデータセンター運営を自社で抱えない形を選ぶことで、移行作業を抑えながら環境を更新できます。

VMwareの継続・代替・クラウド移行のいずれを選ぶべきか判断に迷われる場合は、ぜひNTT東日本へご相談ください。

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