おすすめの定額制クラウドを比較!従量課金との違いや法人が選ぶべきメリットを解説

クラウドを検討する中で、「結局いくらかかるのか」を説明できず、稟議や見積もりで手が止まった経験はないでしょうか。高機能なパブリッククラウドが主流となる一方で、こうした予算管理の難しさから、定額制のクラウドやVPS(Virtual Private Server)を検討する企業が増えています。
しかし、定額制であっても契約内容や設計次第では、「想定よりスペックが足りずシステムが安定しない」「契約後にプラン変更ができず運用に支障が出る」といった問題が起こることもあります。そのため、料金体系だけで判断せず、事前に確認すべきポイントや見落としやすい制約を理解しておくことが重要です。
本コラムでは、定額制クラウドのメリット・デメリットや従量課金との違い、見落としがちな追加コスト、クラウドタイプの選び方まで解説します。自社にとって定額制が適切かを判断するための参考として、ぜひご活用ください。
目次:
- 1. 定額制クラウドのメリット
- 1-1. 予算管理が容易になり社内稟議が通りやすい
- 1-2. 高負荷時の予期せぬ料金高騰を防げる
- 1-3. 24時間稼働のシステムでもコストが一定になる
- 2. 定額制クラウドのデメリット
- 2-1. 稼働率が低い月は割高になる可能性がある
- 2-2. リソースの増減が柔軟にできない場合がある
- 2-3. 最低利用期間や解約違約金などの縛りに注意が必要
- 3. クラウドは「定額」と「従量課金」どちらがよい?
- 3-1. 「定額制」を選ぶべきケース
- 3-2. 「従量課金制」を選ぶべきケース
- 4. 定額制で利用できるクラウドのタイプ
- 4-1. 国産クラウド(IaaS型)
- 4-2. VPS(仮想サーバー型)
- 5. 定額制おすすめクラウド・VPSサービス3選
- 5-1. 地域エッジクラウド(NTT東日本)
- 5-2. さくらのクラウド(法人向けIaaS)
- 5-3. ConoHa VPS(法人契約可)
- 6. 定額クラウド導入で失敗しないためのチェックリスト
- 6-1. 途中からプラン変更(スペックアップ)は簡単にできるか
- 6-2. データ転送量は無制限か上限があるか
- 6-3. バックアップや情報セキュリティオプションは定額に含まれるか
- 7. 定額制クラウドで見落としがちな追加コスト
- 7-1. 社内ネットワーク接続(VPN・専用線)の費用
- 7-2. サポート・保守プランの追加費用
- 8. 定額クラウドに「地域エッジクラウド タイプV」が選ばれる理由
- 9. まとめ
1. 定額制クラウドのメリット
企業が従量課金制のパブリッククラウドではなく、定額制のクラウドやVPSを選択する背景には、コスト管理や運用面での明確な理由があります。
ここでは、定額制クラウドの代表的なメリットを3つ解説します。
- 予算管理が容易になり社内稟議が通りやすい
- 高負荷時の予期せぬ料金高騰を防げる
- 24時間稼働のシステムでもコストが一定になる
1-1. 予算管理が容易になり社内稟議が通りやすい
定額制クラウドのメリットの一つが、予算を確保しやすく、稟議を通しやすい点です。
従量課金制の場合、アクセス数やデータ転送量によって費用が変わるため、月額費用を事前に確定させることができません。そのため、経理部門や決裁者から「最大でいくらかかるのか」「予算を超えた場合はどうするのか」といった確認が入り、承認が進まないケースもあります。
一方、定額制クラウドであれば「月額〇〇円(固定)」と金額を明確に記載できます。年間のランニングコストも「月額×12ヶ月」で算出できるため、期初の予算取りや稟議申請を進めやすくなります。経理処理においても、毎月同じ金額の請求書を確認するだけで済むため、確認作業や事務対応を減らせます。
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1-2. 高負荷時の予期せぬ料金高騰を防げる
定額制クラウドの特徴の一つが、アクセスが集中した場合でも、請求額が急に増えない点です。
従量課金制のクラウドでは、メディアへの露出やSNSでの拡散、DDoS攻撃など、運営側が意図していない要因によってアクセスが急増することがあります。このような状況では、リソース使用量に応じて請求額が増え、当初の見積もり内容とかけ離れた金額になることがあります。
定額制クラウドの場合、月額料金は契約時に決まっています。アクセスが集中してサーバーの上限に達した場合、表示が遅くなったり、一時的につながりにくくなったりすることはありますが、アクセス増加を理由に追加料金が発生することは原則としてありません。
このように、定額制は費用面で想定外の調整が発生しにくく、安心感のある選択肢となります。
1-3. 24時間稼働のシステムでもコストが一定になる
クラウドのコストパフォーマンスを高めるには、「使わないときは止める」運用が基本です。しかし、企業のITシステムには、以下のように24時間365日止められないものも多くあります。
- コーポレートサイト(Webサーバー)
- 社内ファイルサーバー
- 基幹システムやデータベース
- VPNサーバー/リモートアクセス環境
このように常時稼働が前提となるシステムでは、稼働時間に応じて費用が積み上がる従量課金型よりも、月額固定で利用できる定額制クラウドの方が、トータルコストは安くなる場合があります。
こまめにサーバーを停止・起動するといった運用管理を行わなくて済むため、運用担当者の負担軽減にもつながります。
2. 定額制クラウドのデメリット
定額制クラウドは予算管理のしやすさが大きな強みですが、すべてのケースで最適とは限りません。従量課金制と比較した場合、運用面で制約を感じるポイントがいくつかあります。
以下では、定額制クラウドを導入する際に注意すべき点を解説します。
- 稼働率が低い月は割高になる可能性がある
- リソースの増減が柔軟にできない場合がある
- 最低利用期間や解約違約金などの縛りに注意が必要
2-1. 稼働率が低い月は割高になる可能性がある
定額制クラウドは、サーバーを月単位で占有する形の契約となります。CPUやメモリといったリソースを、いつでも利用できる状態で確保しているため、実際の使用量に関わらず、毎月一定の料金が発生します。
そのため、開発環境として短期間だけ利用する場合や、業務時間帯のみ稼働させ、夜間や週末はシステムを停止するような運用では、確保しているリソースを十分に使い切れないケースが出てきます。この場合、使っていない時間帯の分も含めて費用がかかるため、従量課金型と比べてコストパフォーマンスが低下する可能性があります。
夜間や休日にシステムを停止できる構成や、CPU・メモリの利用に大きな波があるシステムでは、定額制が必ずしも最適とは限らない点には注意が必要です。
2-2. リソースの増減が柔軟にできない場合がある
定額制クラウドやVPSでは、利用できるCPUやメモリ、ストレージ容量があらかじめ決められており、必要になったタイミングで即座にリソースを増やせないケースがあります。
パブリッククラウドで広く使われているオートスケーリングのように、負荷に応じて自動でサーバー台数や処理能力が増減する仕組みは、定額制プランでは制限されることが多く、基本的には決められた範囲内での運用が前提となります。
そのため、急激なアクセス増加が発生した場合には、上位プランへの変更やサーバーの追加といった対応が必要になります。ただし、サービスによってはプラン変更時にサーバーの再起動が必要になったり、構成変更やデータ移行が発生したりするケースもあります。
アクセス変動が大きいWebサービスや、今後の利用規模が読みきれないプロジェクトでは、必要なときにすぐ増やせない点が制約になり得ることを踏まえて検討が必要です。
2-3. 最低利用期間や解約違約金などの縛りに注意が必要
法人向けの定額制クラウドでは、最低利用期間が設定されているケースがあります。その場合、契約期間の途中で解約を行うと、条件に応じて違約金が発生することがあります。
たとえば、最低利用期間内に解約した場合、残り期間分の利用料を一括で請求される、あるいは所定の解約違約金が発生するといった契約形態も見られます。また、日割り計算に対応していないサービスでは、解約のタイミングによっては実質的に1ヶ月分の料金を支払う形になることもあります。
このような条件はサービスごとに異なるため、契約前の段階で、最低利用期間の有無や解約時の扱いを確認しておくことが重要です。あらかじめ条件を把握しておくことで、想定外の支出を避けられます。
3. クラウドは「定額」と「従量課金」どちらがよい?
定額制クラウドと従量課金型クラウドは、どちらか一方が常に最適というものではありません。システムの稼働時間や負荷の変動幅、予算管理の方法によって、向いている料金モデルは変わります。
ここまで解説してきた内容を踏まえ、定額制と従量課金型の違いを、運用条件ごとにまとめると次のようになります。
| 比較項目 | 定額制(月額固定) | 従量課金制 |
|---|---|---|
| コストの予測性 | 高い(変動なし) | 低い(リソース消費で変動) |
| 予算管理 | 月額・年額を事前に確定しやすい | 月ごとの変動が出やすい |
| リソース増減 | 手動対応が基本 | 自動・即時対応が可能 |
| 導入のハードル | 低い(シンプルでわかりやすい) | 高い(設計に高度な知識が必要) |
| 想定される用途 | 社内システム、固定アクセスのWebサイト | キャンペーンサイト、新規事業、AI開発 |
3-1. 「定額制」を選ぶべきケース
定額制クラウドは、年度予算が事前に確定している自治体や法人に向いています。月ごとの請求額が変わらないため、予算の管理も契約も監査も、すべて同じ条件で進められるためです。
たとえば自治体では、年度の途中で請求額が増えると補正予算を組む必要があり、追加の説明も求められるため、現場の負担が一気に増えます。従量課金では、通信量が急に増えたり為替が変動したりすることで想定外の費用が発生し、その都度、財政部門への説明や議会での報告が必要になる可能性があります。
定額制であれば、年度初めに決めた金額で12ヶ月固定されるため、予算書に書く内容も監査で確認される内容も、一度の説明で済みます。
また、アクセス数がほぼ一定の社内システムやコーポレートサイトでは、「毎月請求額をチェックして使いすぎていないか確認する」という作業そのものが不要になります。インフラ担当者が、請求の監視ではなく本来やるべき業務に集中できる環境を作れる点も、大きなメリットです。
3-2. 「従量課金制」を選ぶべきケース
従量課金制のクラウドは、実際に使った分だけ支払う仕組みであるため、利用状況が変動するシステムで無駄なコストを抑えられます。具体的には、以下のようなケースに向いています。
- アクセス数や処理量が時期によって増減するシステム
- 利用期間が限られているプロジェクトや検証環境
- 段階的に規模を拡大していく新規サービス
たとえば、開発環境を夜間・休日に停止する運用にすれば、稼働時間が「平日9時間×5日=週45時間」に限定されます。これは週168時間のうち約27%であるため、24時間稼働の定額契約と比較して、理論上は約70%のコストを削減できる可能性があります。
実際の削減率は、ストレージや管理サービスなどの固定費、最低課金単位の有無によって異なります。
定額制では、ピーク時に耐えられるスペックで常時契約する必要があるため、平常時の大半は使われないリソースに対しても支払いが続きます。従量課金であれば、必要な期間・時間帯だけサーバーを増強し、終了後は即座に縮小できるため、使わない時間帯の支払いを抑えられます。
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4. 定額制で利用できるクラウドのタイプ
定額制で利用できるクラウドサービスは、大きく分けて以下の2種類に分類されます。
- 国産クラウド(IaaS型)
- VPS(仮想サーバー型)
いずれも月額固定料金で利用できる点は共通していますが、管理範囲や運用の自由度、求められる運用スキルに違いがあります。そのため、自社でどこまでインフラ運用を担うのかを前提に、適したタイプを選ぶことが重要です。
4-1. 国産クラウド(IaaS型)
国産クラウド(IaaS型)は、国内企業の運用・契約・サポート体制を前提に設計されている点が特長です。
多くのサービスで日本語サポートが提供されており、問い合わせや障害対応を国内窓口で完結できます。インフラ専任の担当者がいない組織でも、「英語ドキュメントを読み解く」「時差を気にして問い合わせる」といった負担が発生しないため、確認や相談をスムーズに進められます。
また、データセンターが国内に設置されているため、通信遅延が起こりにくいだけでなく、「データは国内で管理したい」という業界ガイドラインや社内規定にも対応しやすくなります。
加えて、プライベートネットワークの構築や専用線接続など、基幹システム向けの構成にも対応できるサービスが多く、既存の業務システムをそのままクラウドに移行したいケースでも、ネットワーク要件を満たしながら進められます。
請求書払いへの対応や、社内稟議に必要な契約書類の整備など、調達・経理部門との調整が発生する組織では、事務手続き面でも導入ハードルが下がるというメリットもあります。
4-2. VPS(仮想サーバー型)
VPS(仮想サーバー型)は、1台の物理サーバーを仮想的に分割し、決められたリソースを月額固定で利用できるサービスです。構成や料金体系がシンプルなため、小規模なWebサイトや開発環境を、予算を固定したまま素早く立ち上げたい場合に適しています。
レンタルサーバーと異なり、OSの管理者権限が付与されるため、利用者自身でソフトウェアをインストールしたり、サーバー設定を自由に変更したりできます。また、仮想的にリソースが分離されているため、同一サーバー上の他ユーザーの負荷によって、自分の環境が突然重くなるリスクも抑えられます。
料金プランは、CPUやメモリ容量ごとにパッケージ化されているケースが多く、月々数百円〜数千円の範囲で費用を把握しやすいのも特徴です。そのため、個人開発者や小規模なチームでの利用、社内向けの検証環境など、運用をシンプルに始めたい用途に向いていると言えるでしょう。
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5. 定額制おすすめクラウド・VPSサービス3選
ここでは、数ある定額制サービスの中から、とくに法人利用において実績があり、信頼性の高いサービスを3つ紹介します。
- 地域エッジクラウド(NTT東日本)
- さくらのクラウド(法人向けIaaS)
- ConoHa VPS(法人契約可)
5-1. 地域エッジクラウド(NTT東日本)
地域エッジクラウドは、NTT東日本のネットワーク基盤上で提供されるクラウドサービスです。利用拠点に近いデータセンターやネットワーク設備に基盤が構築されており、閉域網と組み合わせた高度な情報セキュリティ環境を構築できます。
料金は、月額固定の定額制で提供しているため、データ転送量の増減によって請求額が変動する心配がありません。閉域網(LGWANやSINET)を含めた構成※でも月々のコストを一定に保てるため、年度予算を厳格に管理する必要がある自治体や、急激な予算変動を避けたい企業に最適です。
閉域網への接続は、2025年度末提供予定
さらに、地域エッジクラウドでは、基盤の提供にとどまらず、設計・構築・監視・運用保守までをNTT東日本が一貫して提供しています。クラウド基盤と運用を別々のベンダに依頼する必要がなく、移行後の運用体制を大きく変えずに利用できる点も特徴です。
地域エッジクラウドの詳細や、導入に関するご相談については、以下のリンクよりお気軽にお問い合わせください。
5-2. さくらのクラウド(法人向けIaaS)
さくらのクラウドは、国内に自社データセンターを保有するさくらインターネットが提供する、法人向けのIaaS型クラウドサービスです。
CPUやメモリを比較的細かい単位で指定できる点が特徴で、VMware環境で利用していた仮想サーバーのCPUコア数やメモリ容量といったスペック設計を、大きく変えずにクラウドへ移行できます。既存構成を踏まえたリソース設計がしやすく、構成変更に伴うパフォーマンス面の影響を抑えやすい点が特徴です。
また、ISMAP(政府情報システムのための情報セキュリティ評価制度)への登録に加え、SOC2に準拠した保証報告書の公開実績があるなど、情報セキュリティ基準への対応が進められています。
さくらのクラウドは、システム要件に応じてリソースを細かく設計したい場合に最適なクラウドサービスです。
5-3. ConoHa VPS(法人契約可)
ConoHa VPSは、GMOインターネットグループが運営するVPSサービスです。全プランで高速なSSDを標準採用しており、Webサイトの表示速度やアプリケーションのレスポンスが求められる用途に適しています。
料金体系は、初期費用が不要なだけでなく、最低利用期間の制限がない「時間課金」と、長期利用で割安になる「月額定額」を選択できる仕組みです。「数日間だけ検証環境が必要」といった短期利用や、プロジェクトの終了時期が決まっていない開発案件など、利用期間が確定していないケースにおいても、無駄なコストを抑えて運用できます。
法人名義での契約や請求書払いにも標準対応しており、社内の経理手続きをスムーズに進められます。
ConoHa VPSは、サーバー調達のスピードとコスト効率を重視する現場において、Web開発のテスト環境から中小規模のWebサイト運用まで、幅広くカバーできるサービスです。
6. 定額クラウド導入で失敗しないためのチェックリスト

定額制クラウドは予算管理のしやすさが魅力ですが、サービスによって仕様や制限が大きく異なります。料金だけを基準に選ぶと、運用開始後に制約が問題になるケースもあります。
定額制クラウドを選定する際は、あらかじめ以下の点を確認しておくことが重要です。
- 途中からプラン変更(スペックアップ)は簡単にできるか
- データ転送量は無制限か上限があるか
- バックアップや情報セキュリティオプションは定額に含まれるか
6-1. 途中からプラン変更(スペックアップ)は簡単にできるか
Webサイトや業務システムとして稼働しているサーバーでは、アクセス数や処理量の増加により、当初に選択したスペックでは不足が生じる場面があります。その際に、どのような手順でプラン変更(スペックアップ)が行えるかは、導入前に必ず確認しておきたいポイントです。
定額制クラウドやVPSの中には、管理画面から上位プランへ切り替えるだけで対応できるサービスがある一方で、一度サーバーを解約し、新しいスペックの環境を立て直したうえでデータを移行する必要のあるサービスもあります。また、プラン変更に伴ってサーバーの再起動や一時停止が発生するかどうかも、サービスごとに条件が異なります。
とくに、24時間稼働しているWebサイトや業務システムでは、スペック変更時の停止や影響範囲が、そのまま業務やサービス提供に影響します。契約前の段階では、プラン変更に必要な作業内容や停止の有無に加えて、「本番環境を何分止める必要があるのか」「データの移行を伴う作業が発生しないか」といった点まで確認しておくことで、後からのトラブルや想定外の対応を避けられます。
6-2. データ転送量は無制限か上限があるか
定額制クラウドの中には、サーバーの利用料は月額固定である一方、データ転送量(通信量)に上限が設定されている場合があります。
とくに動画配信や高解像度の画像ファイルを扱うサイト、不特定多数がアクセスするWebサービスでは、通信量が想定よりも増えやすくなります。その結果、転送量の上限を超過すると、追加料金が発生する、または通信速度が制限されるといった影響が出る場合があります。
定額制クラウドを比較する際は、データ転送量が無制限のプランであるか、もしくは想定される同時接続数や配信内容に対して十分な上限が設定されているかを確認する必要があります。あわせて、上限を超えた場合に「追加費用が発生するのか」「通信速度に制限がかかるのか」といった課金や制御の条件も、事前に確認しておきましょう。
6-3. バックアップや情報セキュリティオプションは定額に含まれるか
定額制クラウドでは、月額の基本料金に含まれているのが「CPU・メモリ・ストレージといったサーバーリソースのみ」というケースが少なくありません。スナップショット取得や世代管理を含むバックアップ機能、WAFやIDS/IPSなどの外部防御機能、OSレベルの情報セキュリティ監視といった要素は、個別のオプションとして提供されることがあります。
これらのオプションを必要に応じて追加していくと、当初想定していた月額費用から乖離してしまうケースも見られます。とくに、業務データや個人情報を扱うシステムでは、バックアップや情報セキュリティ関連の機能を含めない構成は現実的とは言えません。
定額制クラウドを選定する際は、基本料金の金額だけで比較するのではなく、バックアップの方式や保持期間、情報セキュリティ関連オプションの内容と課金単位まで確認したうえで、月々の支払額が想定内に収まるかを判断する必要があります。
7. 定額制クラウドで見落としがちな追加コスト
定額制クラウドは月額料金が明確に見える一方で、契約内容によっては別途費用が発生する場合もあります。とくに、社内ネットワークと接続して基幹システムを運用する場合や、重要な業務データを扱う場合には、インフラ構成や運用の体制に応じて追加費用が発生しやすくなります。
ここでは、定額制クラウドを検討する際に見落とされやすい追加コストについて、解説します。
- 社内ネットワーク接続(VPN・専用線)の費用
- サポート・保守プランの追加費用
7-1. 社内ネットワーク接続(VPN・専用線)の費用
クラウドサーバーを社内システムの一部として利用する場合、インターネット経由ではなく、VPNや専用線を用いた閉域接続を選択するケースがあります。とくに、社内業務システムや機密性の高いデータを扱う環境では、通信経路の分離が求められる場面も少なくありません。
定額制クラウドでは、サーバーの利用料とは別に、VPN接続や専用線接続に関する費用が月額固定で発生することがあります。これらの費用は、クラウド側の接続サービス料金に加え、回線契約や帯域確保の内容によって数万円単位になる場合もあります。
また、社内拠点側にVPN対応ルーターを設置する必要があったり、通信の安定性を確保するために回線種別を見直す必要が生じたりするケースもあります。
定額制クラウドを導入する際は、サーバー費用だけで判断せず、社内拠点からクラウドまでの接続構成と、それに伴う月額費用まで含めて見積もることが重要です。
7-2. サポート・保守プランの追加費用
定額制クラウドの基本料金に含まれているサポート内容は、問い合わせ手段がメールのみであったり、対応時間が平日日中に限定されていたりと、最低限の範囲に留まることがあります。
業務システムやWebサービスを運用している場合、障害発生時に夜間や休日を含めた対応を求めるケースもあります。そのような場合には、対応時間の拡張や優先対応が含まれる上位のサポートプランを別途契約する必要があり、月額費用が追加されることがあります。
また、OSのアップデート、バックアップの設定・管理、障害時の一次切り分けなどをクラウド事業者側に委ねる場合も、運用・保守サービスとして別料金が設定されているケースが一般的です。
定額制クラウドを選定する際は、どこまでを自社で対応し、どこからを外部に任せるのかを明確にしたうえで、サポートや保守にかかる月額費用まで含めて確認しておくことが重要です。
8. 定額クラウドに「地域エッジクラウド タイプV」が選ばれる理由
地域エッジクラウド タイプVが選ばれる理由の一つは、クラウド基盤の利用料が円建て・月額固定で利用できる点にあります。仮想マシン、ストレージ、ネットワークなどの各リソースはメニューごとに月額料金が定められており、利用量の増減によって月ごとの請求額が大きく変動する心配がありません。
また、データ転送量に応じた従量課金が設定されていないため、バックアップ取得やシステム間通信が増えた場合でも、通信量を気にせず運用できます。為替変動の影響を受けない円建て料金であることから、年度単位での予算管理や中長期の費用の見通しを立てやすい点も特徴です。
地域エッジクラウド タイプVは、VMware環境を継続して利用できる国内クラウドサービスです。サーバー基盤に加え、LGWANやSINETといった閉域ネットワークとの接続にも2025年度末に対応予定としています。「VMware環境を維持したいが、月額固定の定額制でクラウドを利用したい」といった要件に対応する選択肢として、ぜひ地域エッジクラウド タイプVをご検討ください。
9. まとめ
定額制クラウドは、月々の費用を一定に保ちながら、インフラ運用を継続したい環境で採用されることが多いサービス形態です。とくに、社内システムや業務基盤のように常時稼働が前提となるシステムでは、利用量の増減によって請求額が変動しない点が、運用計画を立てるうえで重要になります。
クラウド移行にあたっては、コストだけでなく「既存環境をどこまで維持できるか」「運用や保守を誰が担うのか」といった点も確認が必要になります。仮想化基盤を切り替える場合には、再設計や運用手順の変更、担当者の習熟など、移行後の負担が発生します。
地域エッジクラウドは、オンプレミスで広く利用されてきたVMware環境をそのまま活かしながら、国内データセンター上のクラウド基盤へ移行できるサービスです。仮想マシンやストレージといった基盤リソースに加え、構築・監視・運用保守までをNTT東日本が一貫して提供しており、基盤と運用をあわせて利用できます。
地域エッジクラウドのサービス内容については、以下の資料より詳しくご紹介していますので、ぜひダウンロードをしてご覧ください。
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