NASの寿命は何年?オンプレミスからのクラウドへの移行の目安とデータ保全のポイント

NAS(Network Attached Storage)は、中小企業から自治体まで幅広く導入されているファイル共有基盤です。NASの寿命は5年が目安とされていますが、24時間365日稼働することが多いため、実際の寿命はそれよりも短くなりがちです。このコラムでは、NASの寿命についての基礎知識やデータを安全に守る方法、そして運用負荷を軽減するクラウド型ファイルサーバーへの移行という選択肢について、わかりやすく解説します。
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目次:
- 1. NASの耐用年数と更新判断の基本知識
- 1-1. NAS本体とHDDの一般的な寿命
- 1-2. メーカー保守終了の影響とリスク
- 2. NASの故障に備えるための事前対策と予兆管理
- 2-1. 定期的なバックアップ運用の見直し
- 2-2. 故障の兆候を見逃さないモニタリングの徹底
- 2-3. NASの運用状況を可視化するための点検項目の整理
- 3. オンプレミスからクラウド型ファイルサーバーへの移行で検討すべき判断基準とは
- 4. クラウド型ファイルサーバーの有効性と導入メリット
- 4-1. 物理機器の制約から解放される運用体制
- 4-2. 情報セキュリティ・利便性・拡張性の確保
- 5. クラウド型ファイルサーバーサービスならNTT東日本の「ファイルサーバー構築・移行 for AWS」
- 6. まとめ
1. NASの耐用年数と更新判断の基本知識
NASで管理しているデータを安全に使い続けるには、NASの寿命についての知識が欠かせません。NAS本体とHDD(ハードディスクドライブ)の寿命の違いや、メーカー保守が切れることのリスクを理解しておきましょう。
1-1. NAS本体とHDDの一般的な寿命
NAS本体の寿命は電子基板の劣化などにより約5年が目安とされています。特に24時間365日稼働する電源ユニットやコンデンサ、冷却ファンといった部品は経年で性能が落ち、故障の起点になりやすい箇所です。また、頻繁な停電や瞬断、電圧の変動なども機器に大きな負荷を与えます。無停電電源装置(UPS)を導入するなど、安定した電源を確保することが、機器を長く安全に使うための重要な鍵です。一方、データを記録するHDDは、データを読み書きするヘッドが物理的に駆動するため消耗が早く、一般的には約3〜4年で寿命を迎えます。
1-2. メーカー保守終了の影響とリスク
メーカーの保守サポート終了は、NASの「実質的な寿命」とも言えます。サポートが終了すると、故障時にメーカー修理が受けられなくなることだけではなく、情報セキュリティリスクが増大します。新たな脆弱性が発見されても修正ファームウェアが提供されなくなるため、ランサムウェアなどのサイバー攻撃の格好の標的になります。企業のセキュリティポリシーやコンプライアンスの観点からも、極めて危険な状態です。
2. NASの故障に備えるための事前対策と予兆管理
突然の故障による影響を最小限に抑えるために必要な、事前対策と予兆管理について解説します。
2-1. 定期的なバックアップ運用の見直し
バックアップは、ただ取得するだけでなく「いざという時に確実に復元できる」状態を保つことが最も大切です。世界的に推奨されているデータ保護戦略として「3-2-1ルール」があります。これは、データの原本を1つ、複製を2つの合計3つ持ち、複製の2つはそれぞれ別の場所(例えば、遠隔地やクラウド型ファイルサーバー)に保管する方法です。これにより、機器故障だけでなく火災や自然災害からもデータを守れます。また、四半期に一度など定期的に復元テストを実施し、手順の確認とデータの完全性を検証する運用を徹底することをおすすめします。
2-2. 故障の兆候を見逃さないモニタリングの徹底
NASの故障には多くの場合、何らかの予兆があります。「カチカチ」といった異音、普段より極端に遅いアクセス速度、管理画面上に表示されるエラー通知などは危険なサインです。特にHDDの自己診断機能である「S.M.A.R.T.情報」にも注目しましょう。各項目に異常値が出ていないか定期的に確認し、異常を早期に検知できる体制を整えることが重要になります。通知機能を設定し、見逃しを防ぐ工夫も有効です。
2-3. NASの運用状況を可視化するための点検項目の整理
NASの安定運用のためには、下記のような点検項目を設定しましょう。
- バックアップの成否
- ディスクの空き容量
- CPUやメモリの使用率
- エラーログの有無
- 本体ランプの異常や異音、温度の状態
- 情報セキュリティ(アプリ更新やウイルス対策)
- ネットワーク設定や接続状態
チェック管理の属人化を防ぎ、誰が見ても状態を把握できる仕組みが効果的です。
3. オンプレミスからクラウド型ファイルサーバーへの移行で検討すべき判断基準とは
オンプレミスでのNAS運用には限界があります。機器の老朽化や業務内容の変化は、オンプレミスからクラウド型ファイルサーバーへの移行を検討すべきサインです。
- 導入から5年以上が経過、保守終了済みのNAS:故障リスクが高いため、管理方法を検討すべきサイン
- 容量上限やパフォーマンスの問題が発生:柔軟に拡張できるシステムへの移行を考えるサイン
- IT部門の体制・負荷に見合わない運用課題:運用方法を見直すサイン
企業の成長や働き方の多様化に合わせ、適切なデータ管理基盤を見直しましょう。
4. クラウド型ファイルサーバーの有効性と導入メリット
NASの運用課題を根本から解決するなら、クラウド型ファイルサーバーへの移行が有効です。その理由を解説します。
4-1. 物理機器の制約から解放される運用体制
クラウド型ファイルサーバーへ移行することで、ハードウェアに依存しない柔軟な運用が可能になります。
- 機器トラブルの回避:サーバーの故障やHDD不良が発生しなくなり、保守対応のコストが減少
- 更新作業が不要:数年ごとのリプレースや新機種選定、機器の調達や入れ替えにかかる時間・コストが不要
- 高い可用性:クラウド型ファイルサーバーで利用しているデータセンターは停電や災害時でもデータ保護と復旧が可能
- コストの改善:初期投資が少なく、従量課金のため無駄なコストが減少
4-2. 情報セキュリティ・利便性・拡張性の確保
クラウド型ファイルサーバーであれば、安全性と使いやすさ、拡張性の3つを確保できます。
- 強固なセキュリティ:通信の暗号化や多要素認証、アクセスログの記録が標準装備のため、自社での高度なセキュリティ構築が不要
- 利用場所を問わない:社内・自宅・出張先などからセキュアにアクセス可能なため、働き方の多様化を支援
- 簡単な共有・コラボレーション:社内外の関係者と安全にファイルを共有でき、更新内容はリアルタイムに反映
- 柔軟なスケーラビリティ:データ容量やユーザー数を即時に増減可能で、事業拡大や縮小にも柔軟に対応
- 最新技術の享受:セキュリティパッチや新機能が自動適用され、常に最新の状態を維持
5. クラウド型ファイルサーバーサービスならNTT東日本の「ファイルサーバー構築・移行 for AWS」
NASからクラウド型ファイルサーバーへの移行を検討するなら、豊富な実績を持つNTT東日本が提供するサービスがおすすめです。企業の規模や要件に応じて適切なサービスを選択でき、設計から構築、運用までワンストップで支援を受けられます。
本格的なパブリッククラウド型ファイルサーバーへの移行には「ファイルサーバー構築・移行 for AWS」がおすすめです。世界的に信頼性の高いAWSの活用で、BCP対策や柔軟な拡張性を実現しています。自社の情報セキュリティ要件に合わせたカスタマイズも可能で、NTT東日本が運用まで代行します。
一方で、「まずは手軽に始めたい」という小規模事業者の方には「コワークストレージ」という選択肢もあります。お客さまの状況に適したご提案が可能ですので、ファイルサーバーの導入をお考えの方は、NTT東日本にご相談ください。
6. まとめ
NASの寿命は、使い方によっても異なりますが、劣化やメーカー保守終了によって、故障リスクは年々高くなります。データ消失やサイバー攻撃といったトラブルや、情報漏えいなどの問題につながりかねません。データ管理の方法を再検討するなら、クラウド型ファイルサーバーがおすすめです。機器の老朽化などの心配なく、高度な情報セキュリティと拡張性を確保しながら、管理の負担を大幅に軽減できます。クラウド型ファイルサーバーへの移行をお考えの方は、ぜひNTT東日本にお任せください!
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