COLUMN

生産性向上の成功事例18!成功企業に共通する特徴とシステムを解説

「生産性向上の成功事例を見て、自社の参考にしたい」

「他社はどのように生産性を向上しているのか知りたい」

このようにお考えではないでしょうか?

生産性向上に頭を悩ませる経営者や管理者の方は非常に多いです。このため、厚生労働省や中小企業庁は「事業者に役立つ情報」として、全国の生産性向上の事例や成功例を多数紹介しています。

生産性向上に成功した18つの事例

中小企業における生産性向上の好事例を3つ紹介

専門家のアドバイスによって生産性が向上した事例を3つ紹介

業務改善助成金を活用して生産性が向上した事例

企業間連携によって生産性が向上した事例

IT技術導入によって生産性が向上した事例

クラウド管理システム導入の成功事例

生産性向上は、ワンランク上の企業へと成長する上で欠かせない、重要な取り組みのひとつです。

実際に生産性向上の施策をすることで、少ない資源であっても、より大きな成果を上げることができます。

厚生労働省の調査によると、生産性が高い企業は「他社にはない技術や作業工程の確立」を行っていることが分かっており、生産性向上を実現する上でより積極的な作業過程や業務効率化を取り入れることの重要性が伝わってきます。

そこでこの記事では「生産性向上」に取り組む方に向けて、

を紹介します。

この記事を読むことで、成功する企業はどのように生産性向上に取り組んだのかが分かります。

また、ケース別に生産性向上の取り組み方のほか、次世代型の新たな「生産性向上の方法」も理解できるようになります。この記事を参考に、自社の生産性をより大きく発展させましょう!

目次:

1. 中小企業における生産性向上の好事例を3つ紹介
1-1. 事例① 在庫と帳簿の管理システムを導入し業務の効率化に成功 
1-2. 事例② 業務フローの改善で顧客回転率が大幅に向上!
1-3. 事例③ システム導入で事務処理時間を40%削減、従業員全員が昇給
2. 専門家のアドバイスによって生産性が向上した事例を3つ紹介
2-1. 事例① パン等の輸送に伴う労働環境の改善で生産性が15.3%アップ
2-2. 事例② ルール作りと作業の効率化で39%の生産性アップ
2-3. 事例③ IT活用で労働時間を14%削減、全社の人手不足も解消
3. 業務改善助成金を活用して生産性が向上した事例
3-1. 事例① 新規リフトの導入で生産効率が30%アップ!
3-2. 事例② 生産性向上の取り組みで労働時間短縮&賃金もアップ
3-3. 事例③ 棚卸集計時間を85%削減、最低賃金も大幅アップ
4. 企業間連携によって生産性が向上した事例
4-1. 事例① 企業間の顧客情報の共有で生産性が向上
4-2. 事例② 新たな人材紹介サービスで、関連会社の人手不足が解消
4-3. 事例③ 輸送の効率化、企業連携で売上高が向上
5. IT技術導入によって生産性が向上した事例
5-1. 事例① IT活用で品質管理と顧客開拓に成功
5-2. 事例② IT導入でデータ共有、生産性が大幅に向上
5-3. 事例③ 社内のシステム利用浸透で業績が向上
6. 【事例から分かる】生産性向上に必要な5つのポイント
6-1. 業務の無駄を無くす
6-2. 作業時間の効率化
6-3. 分散している業務の集中化
6-4. 社内コミュニケーションの活発化
6-5. 社員のモチベーション向上
7. 生産性向上の施策時によくある3つの失敗パターン
7-1. 現場の負担が増える
7-2. 自社に合わないツールを新しく導入して複雑になる
7-3. 効率化のあまり社内コミュニケーションが疎かになっている
8. 生産性向上に必須な3つの要素を抑えるなら業務のクラウド化がおすすめ
8-1.クラウド化とは
8-2. クラウドを導入すると生産性向上できる3つの業務
8-3. クラウドシステム導入のメリットは3つ
8-4. クラウドシステム導入のデメリットは3つ
9. クラウド化を導入するべきかどうかの判断基準
9-1. 自社の管理システムが古いまま
9-2. テレワーク勤務を検討している人
9-3. 自社サービスと連携しているかどうか
10. クラウドサービス導入の成功事例
10-1. 事例① 社員1人あたり4時間分の業務時間削減に成功
10-2. 事例② エンジニア不足をカバーし短期間で自社サービスをリリース
10-3. 事例③ クラウド導入で月6万件の受注業務に対応できる体制を獲得
11. NTTなら導入設計から運用までワンストップ支援で安心
11-1. 150社以上のクラウド導入実績
11-2. 課題や要望にあったネットワークも併せてご提供
11-3. NTTのクラウド化でできること
12.まとめ

1. 中小企業における生産性向上の好事例を3つ紹介

中小企業の中にも積極的な生産性向上の取り組みによって、大きく成長を続ける企業があります。

現代は変化の大きな時代ではありますが、生産性の向上に取り組むことで、経営基盤を強化することができるのです。

本項では、生産性が大きく向上した中小企業の事例を3つ紹介します。

1-1. 事例① 在庫と帳簿の管理システムを導入し業務の効率化に成功 

山形県にある中古車販売と整備業を行う業者は、これまでExcelを使って顧客管理や在庫管理を行っていました。

しかし、手作業による入力ミスやデータの記入漏れなども多く、複雑な販売や経営の管理に対応できていないことを課題としていました。

そこで生産性を向上させるべく、顧客管理や在庫管理、帳簿作成ができるデータサービスを導入し、顧客の情報把握や利益計算、見積書の作成を行いました。この結果、業務を大幅に簡略化することができ作業時間は10%短縮。外注化していた作業の内製化が実現しました。

また、収益確保のための販売活動とデータ管理により、販売や顧客フォローに注力できるようになり、結果として顧客の満足度が上昇、新たなビジネスチャンスも生まれています。

出典:生産性向上の事例集(厚生労働省)事例8

1-2. 事例② 業務フローの改善で顧客回転率が大幅に向上!

滋賀県にある飲食業者は、業務フローがないため接客の質が均一化できておらず、従業員によって接客の質にむらがあるという課題を抱えていました。

そこで、接客の業務フローを定めたオペレーションマニュアルを作成。接客の均一化や新人教育ができる環境を整備しました。

その結果、接客の質が向上し注文から商品提供までの時間が10%短縮。業務効率と顧客回転率も同時に上がり、経営者がマネジメントに注力できる体制が整いました。

また生産性や収益性だけでなく、一定水準の接客ができる優秀な社員の確保にも繋がっています。

出典:生産性向上の事例集(厚生労働省)事例6

1-3. 事例③ システム導入で事務処理時間を40%削減、従業員全員が昇給

福岡の自動車整備業者は、修理に伴う見積もりや資料請求・発注・部品業者のやり取りなど、事務処理に時間がかかり生産性が大幅に落ちていました。

そこで、自動車整備のネットワークシステムを導入することに。部品業者とシステム上で取引できる環境を構築することで、事務処理にかかっていた時間が40%削減できました。

また、ネットワークシステムの活用によって、顧客への見積もり作成時間も短縮化に成功。

生産性の大幅な向上に伴い、従業員の最低賃金を40円引き上げ、全社員の昇給が叶いました。

その結果、社員の労働モチベーションも向上し業務効率も上がったことから、顧客満足度も連動して上がり、売り上げ向上に繋がっています。

出典:生産性向上の事例集(厚生労働省)事例③

2. 専門家のアドバイスによって生産性が向上した事例を3つ紹介

生産性向上を図る上で、専門家のアドバイスを取り入れるのも「有効」な方法のひとつです。

自社で取り組むことが難しい場合は、専門家のアドバイスを取り入れることでより早く課題を解決できる場合もあります。

本項では、専門家のアドバイスで生産性が向上した事例を3つ紹介しましょう。

2-1. 事例① パン等の輸送に伴う労働環境の改善で生産性が15.3%アップ

日通長崎運輸は1日2便のトラックを提供し、佐世保にある製造会社の商品を宮崎の着荷主にまで運んでいました。

長年問題となっていたのが、ドライバーの負担でした。運転手の 拘束時間は1日15時間を超過。最大拘束時間は超えていないものの、原則とされる13時間をオーバーしており「拘束時間の長さ」が問題となっていたのです。

そこで、日通長崎運輸は専門家を招いて業務工程の見直しを実施。まず、社内の業務分担を見直し、これまで2名体制だったドライバーを非番のドライバーを1名加えた「3名体制」としました。

そして、夜間に実施していた積み込み作業を他のドライバーが行うよう作業を分担。このほか、輸送時のルートも使用していなかった高速道路を使うように改善。

結果として、労働者の拘束時間を2時間2分短縮。労働の生産性は15.3%も向上することができました。

出典:道路貨物運送業 取組事例2(「日通長崎運輸」)

2-2. 事例② ルール作りと作業の効率化で39%の生産性アップ

東京都国立市の総合食品会社は、かねてより「物や情報の流れを整理し、生産性を向上したい」と考えていました。

そこで生産性向上で定評のあるキャノンから専門家を招き、スタッフ一人あたりの生産性の向上を目指すことにしたのです。

専門家が最初に取り組んだのが、バックヤードの商品の整理整頓でした。

ストック棚を追加し、小物商品のカゴ台車の数の削減を行いました。結果、社員のムダな歩行とカゴ台車を取り出す作業の軽減に繋がり生産性が5%向上。

さらに野菜のまとめ加工を1コ流し加工に変更。加工場のレイアウトも、ムダな動線が無いように変更するなどして生産性が22%向上しています。

このほか惣菜の調理ルールを設け、誰もがルールに沿って効率良く調理ができる環境を整備し生産効率が39%も向上しています。

出典:【小売業】スーパーマーケットの生産性向上活動報告

2-3. 事例③ IT活用で労働時間を14%削減、全社の人手不足も解消

京都市の「綿善旅館」は、創業187年を誇る老舗旅館ですが、慢性的な人手不足により作業効率が悪化。さらに競合店の進出によって、売り上げは最盛期の50%にまで低下しました。

そこで生産性向上に取り組むべく、専門家を招いて販売動向や顧客ニーズの洗い出しを実施。売り上げ向上の具体策を模索することにしました。

専門家の分析により、フロントと客室の連携が取れていないことや、社員業務が適切に管理できていないことが分かりました。

そこで、タブレットやSNSなどのITを活用した業務連絡の効率化を実施。人手不足については、スキルアップや従業員のスキルの棚卸しを行い、繁忙時には一人三役体制で相互支援できる体制を構築しました。

その結果、全体の労働時間は年間14%の削減に成功。現在では更なる生産性向上により、従業員を増やすこと無く、業務の問題もすべて改善できるようになりました。

出典:宿泊業の生産性向上事例報告(厚生労働省)

3. 業務改善助成金を活用して生産性が向上した事例

業務改善助成金とは、事業所での最低賃金引き上げや設備投資、人材育成・教育訓練、コンサルティングの導入などで設備投資をした企業に対し、費用の一部を助成する制度のことです。

業務改善助成金によって、多くの企業が生産性向上に成功しています。

そこで本項では、業務改善助成金の活用によって「生産性向上に成功した企業」の事例を3つ紹介します。

3-1. 事例① 新規リフトの導入で生産効率が30%アップ!

岐阜県の自動車整備会社は、作業の非効率化と従業員の安全性について、大きな問題を抱えていました。

これまでフロアジャッキを使用して顧客の車両を整備していましたが、従来の整備方法では昇降に時間がかかるため効率性は良くありませんでした。

さらにフロアジャッキではトラックなどの整備ができず、小型車両であっても手で車両を昇降させる作業には常に危険が伴い、従業員の生産性が落ちていたのです。

そこで問題を解決すべく業務改善助成金を申請。助成金によって、門型の大型リフトを導入することができました。リフトを使うと、車両1台あたりの整備時間は大幅に短縮できます。

また、専用のリフトを使うことで、トラックなどの大型車両整備にも対応できるようになり、結果として事業所の生産効率は30%向上。現在も順調に売り上げを伸ばしています。

出典:門型リフトの導入による作業の効率化と安全性の向上(厚生労働省)職場意識改善 事例②

3-2. 事例② 生産性向上の取り組みで労働時間短縮&賃金もアップ

新潟県の食品製造会社では、弁当製造の盛り付けに多くの時間を割いており、長年「作業の効率化」を課題としていました。

そこで業務改善助成金を活用し、新たな食品用コンベアを導入することにしました。食品用コンベアを使って弁当の盛り付け作業を始めると、これまで作業にかかっていた時間が、25%も削減することに成功。

さらにこれまで4種類あった弁当を1種類に集約し、仕入れコストなども削減。結果として作業効率は10%アップし、労働者全員の最低賃金、さらに事業場内以外の従業員に対しても、大幅に賃金を引き上げることができました。

出典:ベルトコンベアの導入による弁当の盛り付け作業の効率化(厚生労働省)業務改善 事例①

3-3. 事例③ 棚卸集計時間を85%削減、最低賃金も大幅アップ

三重県の機械製造販売業者は、これまで棚卸しや集計作業を手作業で行ってきましたが、型番の振り分けや集計ミスが多く、棚卸しに時間がかかっていました。

そこで業務改善助成金を申請し、棚卸表の自動読み取りシステムを導入することに。

導入後はこれまで課題としていたミスが無くなり、集計業務の効率化が実現。結果として棚卸しや集計作業時間を85%削減することに成功しました。

また生産性の大幅な向上によって、従業員1人あたりの時間給を140円引き上げ、事業場内以外の従業員の賃金引き上げにも繋がりました。

出典:自動読み取りシステム導入による棚卸し集計業務の作業時間短縮と集計ミス減少(厚生労働省)業務改善 事例⑥

4. 企業間連携によって生産性が向上した事例

企業間が連携し、生産性を向上させるケースは珍しくありません。

複数の企業が連携することで、一社では難しいこともできるようになります。結果、それぞれの企業が

生産性を向上させることに繋がるのです。

本項では企業間の連携で「生産性向上に成功した事例」を3つ紹介します。

4-1. 事例① 企業間の顧客情報の共有で生産性が向上

ある企業は複数の中小企業と連携し、顧客の引き合い情報を共有・見積もり依頼を発出するシステムを構築しました。システム活用により、作業工数や属人化しがちな引き合いや見積もりの効率化を実施。

また、企業間で進捗や生産計画の状況、現場状況を即時に共有システムを構築することで、突発的な事態が起こっても生産日程に混乱が起こらない環境の整備に成功しました。

このほかにも、顧客ポータルサイトを制作し、見積もりや受注状況、図面やデータの受け渡しなどが、効率的に管理できる環境を構築しました。その結果、各工場の稼働率が向上し、連携するすべての中小企業の生産性向上に大きく貢献しました。

出典:企業間連携を通じた生産性向上等の事例(工場の稼働率向上)(中小企業庁)P1

4-2. 事例② 新たな人材紹介サービスで、関連会社の人手不足が解消

トヨタ自動車販売店協会は、結婚や介護で退職する社員(対象は約13万人)に対し、転居先での再就職先の紹介制度を実施しました。

同制度の取り組みによって、全国に390社あるトヨタ車両販売店(トヨタ、トヨペット、カローラ、ネッツ店)、部品共販店、レンタリース店、ホーム店での人手不足が解消する結果に。

会社の垣根を越えた即戦力の人材確保につながったことで、トヨタグループ全体の生産性向上にも貢献しています。

出典:企業間連携を通じた生産性向上等の事例(人手不足対応)(中小企業庁)P4

4-3. 事例③ 輸送の効率化、企業連携で売上高が向上

全日食チェーン商業協同組合連合会は、本部(東京都足立区)を中核に、全国各地域の1,700超の小売事業者です。

ここ数年、生産性の向上の取り組みにおいてボランタリーチェーン(=加盟店同士の連携)を形成。個店では取り組むことの難しい、リテールサポートや全国物流網を整備しました。

その結果、大手小売業に負けない原価で、加盟店に商品供給できる仕組みが整うようになり、さらに加盟店が使用するPOS/受発注システムのデータ分析や最適な売価等の算出ができる仕組みが整いました。

最終的に加盟する店舗の売上高は、他の店舗に比べて前年比102%の売り上げ水準をキープ。数ある食品業界の中でも高い売上を記録しています。

出典:企業間連携を通じた生産性向上等の事例(物流プラットフォーム等)(中小企業庁)P5

5. IT技術導入によって生産性が向上した事例

IT活用は生産性向上にとって、欠かせない取り組みのひとつです。生産業では業界特有の「アナログ業務」が多く残っており、作業効率や生産性の向上を妨げています。

しかし、ITを導入することで最も早く効果が発揮でき、商品やサービスの利益向上に繋げることができます。アナログでの管理が生産性向上を妨げている場合には、ITの導入を検討しましょう。

本項ではIT化によって、生産性の向上に成功した事例を3つ紹介します。

5-1. 事例① IT活用で品質管理と顧客開拓に成功

岡山県総社市の「まるみ麹本店」は1950年の創業以来、品質第一の麹づくりに取り組んで来ました。

「まるみ麹本店」では当初、麹の製造ノウハウをデータなどで見える化しました。これまで経験と勘で麹の状態を調整していた状態を、自動で生産管理できる体制に変えたのです。

このほかにも、製造過程で異常を検知した際には「メール通知」できる仕組みを構築。結果、夜中の温度管理業務など労働者の負担が軽減でき、麹の安定した品質管理ができるようになりました。

さらに顧客の情報管理にCTI(PCと電話機能の連携システム)を取り入れることで、きめ細かな顧客対応ができるようになったのです。

その結果、過去三年間の売り上げは25%増加。インターネットからの売り上げも43%増という、大きな成果につながりました。

また品質管理と顧客開拓によって本格的なIT化を推進したことが認められ、2016年には「おかやまIT経営力大賞」を受賞しました。

出典:深刻化する人手不足と中小企業の生産性革命|事例2-4-2(中小企業庁)

5-2. 事例② IT導入でデータ共有、生産性が大幅に向上

埼玉県さいたま市の株式会社太陽商工は、数年前から工事現場の入退場管理や工程管理にITを導入してきましたが、生産性向上を狙い各部門・部署間での業務情報が共有できるよう、新しく社内のIT化を進めることにしました。

その結果、工事の進捗に合わせた資材の発注や資金繰りの自動化に成功。現場社員が社外から社内システムにアクセスできるよう、社員にタブレットとノート型PCを配布することで、リモートで図面確認や顧客の連絡確認、 現場報告書の作成ができるようになりました。

最終的には社員1人あたり1日3時間の業務時間削減に成功し、社員全員の残業時間が減りました。このため、高い品質の工事が提供できるようになり、結果として生産性が大幅に向上しています。

出典:深刻化する人手不足と中小企業の生産性革命|事例2-4-7(中小企業庁)

5-3. 事例③ 社内のシステム利用浸透で業績が向上

福岡県福岡市のエコー電子工業株式会社は、業務システムの開発やITインフラの構築、スマートフォンのソフト開発等を行う企業です。

同社は、約20年前からSFA(Sales Force Automation)と呼ばれる自社開発システムを使用していました。

SFAはクラウド型のシステムであり、社員全員が情報の入力・閲覧ができるようになっています。

SFAによって日々の活動が「見える化」されており、入力された情報から営業やシステム開発、工事ごとに行動を分析して、標準行動パターンが比較できるようになっています。

また、属人化しやすいノウハウ等が「見える化」されることで、新人でも成長できる環境が整っており、社内のシステム利用浸透と業績向上につながっています。

出典:深刻化する人手不足と中小企業の生産性革命|事例2-4-8(中小企業庁)

6. 【事例から分かる】生産性向上に必要な5つのポイント

生産性の向上の成功例を見ると、ある「共通点」が見いだせます。ここまで紹介した事例をもとに、「生産性向上において重要なポイント」をまとめてみました。

それぞれの項目を、順に解説します。

6-1. 業務の無駄を無くす

生産性向上には「業務の無駄を無くす」取り組みが必要です。

なぜなら、業務の無駄を無くすことでミスを無くしスピーディーに生産が出来るようになるからです。

こうした取り組みは、別名「業務改善」や「業務効率」化とも言いますが、生産における無駄なタスクをなくすことで関わる人を少なくし、無駄なやり取りが減ることから生産過程でのミスも減らすことができます。

その結果、業務フローが効率化でき生産の質も向上できるのです。

6-2. 作業時間の効率化

生産性向上において作業時間の効率化は、企業活動の中でも重要度の高い取り組みのひとつです。

作業時間を短縮することは労働者の負担を軽減し、良い製品やサービスを生産・提供することにつながります。

効率化するためには、

等の方法が、有効になります。

時間が有効化できれば、人件費や管理費などのコストの削減が行え、企業が目指すべき最大の利益を追求し、従業員に利益を還元することにもつながります。

このため、作業時間の効率化は、企業活動において重要な取り組みになるのです。

6-3. 分散している業務の集中化

効率化をする上で欠かせないのが、分散している「業務の集中化」です。

特に、物流拠点が全国にあるような企業や店舗数の多いビジネスや社員数の多い企業においては、分散している業務をいかに集中させ、一元管理をすることが重要になります。

こうした一元管理に役立つのが、IT化による業務の見える化や専用のツールを使ったデータ管理の方法です。

例えば、クラウドなどで管理業務を1つに集約することで、複数ある物流の状況がわかり、在庫管理なども適正化され配達効率が向上します。

また、複数にまたがって存在する在庫量の把握が容易になり、無駄な在庫を排除して設備にかかるコストの削減や不良在庫の発生削減にもつながります。

こうした一元化を行うことで、新たな顧客ニーズにも瞬時に対応でき、拠点の分散化によるリスクを極限にまで抑え、業務を集中化できるのです。

6-4. 社内コミュニケーションの活発化

社内の生産性向上に必要なのが、コミュニケーションの活発化です。

社内での問題などを改善するほか、新たなサービスや商品を展開する上でも、社内のコミュニケーションを円滑にしておく必要があります。

例えば、社内のチャットツールやオンライン会議のツールなど、コミュニケーションを活性化させるツールや機会の選択肢は多いですよね。

こうしたツールは部署内だけでなく、部署や一企業という垣根を越えた、豊かなコミュニケーションをも可能にさせます。

生産性向上というと、設備投資や生産・管理のIT化に目が行きがちですが、生産性の向上においてコミュニケーションも重要な要素であり、特に商品やサービスの開発などクリエイティブな分野で大きな効果を発揮します。

このため、社内コミュニケーションの活発化なくして生産性向上は望めません。

6-5. 社員のモチベーション向上

社員のモチベーション向上も、生産性向上において重要な取り組みのひとつです。実際、社員一人ひとりのモチベーションが高まれば、社内全体の生産性向上につながります。

社員のモチベーション向上には、

といった取り組みが有効です。

また、社員のスキルアップにつながるツールや業務効率化のツールの導入なども「社員のモチベーション」を高めるのに役立ちます。

社員のモチベーションを上げて、社内全体の生産性向上を目指しましょう。

7. 生産性向上の施策時によくある3つの失敗パターン

生産性の向上を目指したのにも関わらず、社内の連携が上手く行かず、効率化に失敗するケースがあります。生産性向上における「よくある失敗」は、以下の3パターンに分類できます。

どのような失敗が起こりやすいのか、さらに詳しく解説します。

7-1. 現場の負担が増える

生産性を向上させようと、新しい機器やツールを導入する時に、よく起こるのが「現場の負担が増える」パターンです。

業務効率化を目指してツールを導入したものの、操作の習得に時間がかかったり、運用管理に手間のかかる機器では現場での負担が増えてしまい、生産性が低下することになりかねません。

新しいツールや機器を導入する際には、事前にシミュレーションをして、現場の負担が増えないようにしましょう。

7-2. 自社に合わないツールを新しく導入して複雑になる

自社の業務に合わないツールを選択したり、複雑な取り組みを実行することで、かえって効率化が阻まれる可能性があります。

生産性の向上の選択肢は非常に多く、最新のツールや取り組みをすべて把握するのは、この上なく難しいことです。同業他社の間で評価が高いツールであっても、自社に合うかどうかは分かりません。

実際に導入をしてみて、はじめて作業効率や生産性が上がるかどうかが分かるケースも多く、効率化の選択ミスは起こりやすくなっています。

7-3. 効率化のあまり社内コミュニケーションが疎かになっている

効率化を重視するあまり、社内のコミュニケーションが低下するようになると、社員同士の意思疎通が難しくなり、生産性が低下してしまいます。

例えば、コロナ禍では慣れないテレワークなどの導入で、多くの企業の生産性が低下しました。

コミュニケーションが低下すると、

などの弊害が起こっており、結果として社内全体の生産性が低下してしまうのです。

生産性を向上させるには、オフィスに出社しやすい感染対策やサテライトオフィスの導入、クラウド型のオフィス管理システムを取り入れるなどの対策が有効です。

社内連携が取れていない場合は、コミュニケーションを活発化させる工夫をしましょう。

8. 生産性向上に必須な3つの要素を抑えるなら業務のクラウド化がおすすめ

生産性を向上させる方法として業務のクラウド化を検討される企業が非常に多いです。

画像出典元:令和2年 通信利用動向調査報告書(企業編) 総務省

具体的にはどのような方法なのか、本項では、

について解説します。

8-1.クラウド化とは

クラウド化とは、クラウドサービス提供事業者のクラウドサービスを使用すること。

また、業務のクラウド化とは、その名の通り企業の業務や既存のシステムを、クラウドサービス提供事業者のクラウドサービスに移すことを意味します。

クラウドのような外部のサービスを利用することで、自社でサーバーを準備する必要がなく、煩雑な管理業務から解放されます。また、時間や場所の制約を受けずに利用できるのも、クラウド化の大きなメリットです。

総務省が令和二年に実施した調査によると、クラウドを導入した企業の30.8%が「非常に効果があった」と回答。一定の効果を感じている割合も全体の51.7%と多く、クラウドを導入して良かったと考える企業の割合は82.5%にも上っています。

画像出典元:令和2年 通信利用動向調査報告書(企業編) 総務省

このほかクラウドであれば、セキュリティ対策などもクラウドサービス提供事業者によって実行されるので、社内の重要なデータや情報、顧客情報を守る上でも効果があります。

クラウド化のさらに詳しい仕組みについては、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:【事例あり】クラウド化とは?種類やメリットを具体的に解説

8-2. クラウドを導入すると生産性向上できる3つの業務

クラウドを導入すると、生産性向上ができる3つの業務があります。

それぞれどのように、生産性向上できるか順に解説します。

8-2-1. 現状の確認や分析業務

現状の確認や業務で獲得したデータの分析も、クラウドを導入することで作業負担が軽減できます。

例えば、クラウドサービスのシステムを使うことで、生産過程等「業務の見える化」を行うことで、品質管理や生産段階での問題など、これまで確認や分析にかけていた時間が大幅に削減できるからです。

また、獲得したデータの分析もクラウドサービスの利用によって、在庫管理や生産管理、マーケティングなどの分野にも容易に活用できるようになり、無駄な業務の削減による労働時間の短縮はもちろんのこと、人手不足等も解消できるので、生産性が大きく向上します。

8-2-2. 定型業務の自動化

定型業務の自動化とは、本来は人が行う作業をAIクラウドが作業代行することを意味します。

各分野でRPA(ロボティックプロセスオートメーション)や、システムによる業務の自動化が進んでいますが、クラウドサービスであれば、すでに用意されたシステムを利用して業務の自動化が行えます。

入力、検索、集計、登録、送信などの作業を自動化することで、定型業務から開放されるのはもちろん、業務工数が削減され、サービスや物の品質も向上し、結果として顧客の満足度も上がって生産性が向上する仕組みです。

8-2-3. ノンコア業務のアウトソーシング化

BPOやアウトソーシング、外注業務においてもクラウドサービスが活用できます。

ノンコア業務など、企業の利益に直結しない部分は、BPOやアウトソーシング化などを進めている企業は多いです。

このような外注化を進めるにあたってクラウドを導入すると、経理部分の情報や必要なデータなどが場所を問わずに活用できるので、業務負担を無くしてコア業務に集中できます。

結果、煩雑な作業が無くなり業務全体の生産効率が上がるのです。

8-3. クラウドシステム導入のメリットは3つ

クラウドシステムの導入は業務効率化だけでなく、生産性の向上に欠かせません。

クラウド導入のメリットは、大きく分けて3つあります。

それぞれのメリットを、順に説明します。

8-3-1. 初期費用が抑えられる

クラウドシステムの導入は、初期費用を抑えて導入できるというメリットがあります。

クラウドであれば自社で運用する場合と違って、ハードウェア導入に費用がかかりませんし、基本はライセンス単位の月額料金だけで済みます。

このため、導入する側は費用を抑えて、クラウド化が実現できるのです。

8-3-2. 運用の負担が軽減される

クラウドシステムであれば、運用の負担が軽減されます。

クラウドシステムはクラウドサービス提供事業者が運用するサーバーにアクセスするだけで、システムが利用できます。

そのため気軽に導入できるというメリットが大きいです。

8-3-3. 場所を問わずに利用できる

クラウドであれば、場所を問わずに利用できるので便利です。

自社内にサーバーを設置するのでなく、インターネット上の仮想空間にあるベンダーのシステムを利用するだけなので、PCやタブレット以外にもスマートフォンからでも状況の確認ができます。

このように時間や場所を問わずシステムが使用できるのは、クラウドシステムの大きなメリットと言えるでしょう。

8-4. クラウドシステム導入のデメリットは3つ

手軽に導入ができ何かと便利なクラウドシステムですが、メリットがある一方で気をつけたい点もあります。

本項では3つの「クラウド導入におけるデメリット」を紹介します。

8-4-1. 自由なカスタマイズができない

クラウドシステムには、自社サーバー(オンプレミス)のような自由カスタマイズはできません。

既存システムとの連携や統合などもできる可能性が低く、特に専門的知識のある方にとっては「カスタマイズのしにくさ」がネックに感じる場面もあるでしょう。

8-4-2. パフォーマンス低下のリスク

自社サーバーの場合とは異なり、クラウドの場合、一時的にシステムのパフォーマンスが一時的に低下する場合があります。

仮想空間での運用は、自社サーバーと全く同じ環境で使えるとは言えません。実際多くの企業がクラウド化を進めているため、一部ネットワークシステムの負担が増えているケースもあるからです。

他のユーザーとインフラを共有する場合には、自社サーバーと全く同じようなパフォーマンスが得られない可能性があるので注意しましょう。

8-4-3. 情報流出のリスク

クラウドのようなインターネット上のシステム運用には、常に情報漏えいなどのリスクが伴います。

製品自体は安全であっても、自社の運用管理がずさんな場合には、外部からシステムに侵入される可能性があるからです。

このため、ベンダー側のシステムだけで無く使用する側のセキュリティ状況も忘れず確認する必要があります。IDやパスワードの管理を徹底し、情報漏えいのリスクから身を守るようにしましょう。

9. クラウド化を導入するべきかどうかの判断基準

クラウドサービスを導入することは、生産性向上に大きく貢献してくれますが、すべての現場に向いている訳ではありません。

中には、クラウドサービスに向いていない業種や現場もあるので、導入すべきかどうか「見極め」が必要になります。

クラウドを導入するべきかどうかの判断ポイントは、次の三つです。

それぞれの内容を順に見ていくことにしましょう。

9-1. 自社の管理システムが古いまま

自社の管理システムが古いままでは、生産性は落ちてしまいます。

特にアナログな部分が多く、余計な業務に時間を割いている場合には、クラウドサービスの導入を検討すべきです。

在庫管理を紙やExcelで管理していたり、手入力で入出荷の情報や店舗・倉庫の在庫を管理している企業も未だにあります。

しかし、古い管理システムのまま業務を続けていては、ヒューマンエラーなどで在庫の数が合わず、見直しや確認に余計な時間がかかってしまいます。

また、こうした方法ではデータ分析についても人の手が必要になりますし、正確な情報管理はできないまま、機会損失なども起こりやすくなります。

このように、管理システムが古いことで生産性が落ちている場合は、クラウドサービスの導入を検討しましょう。

9-2. テレワーク勤務を検討している人

テレワーク勤務を検討している場合には、クラウドサービスの導入が必須です。ICT(情報通信技術)を活用することで時間や場所にとらわれずに、業務効率や生産性を高めることができます。

通勤や移動におけるコストが削減できるのは、経営者や管理者だけでなく、労働者の精神的肉体的負担の軽減にもなります。

テレワークにおいてクラウドサービスの利用は欠かせません。

例えば、クラウドサービスでシェアの高いAWSではテレワークを支援するためのサービスを複数提供しており、オンライン会議から、スタッフ一人ひとりの生産性を高めるサービスがスピーディーに構築できます。

9-3. 自社サービスと連携しているかどうか

これまで自社で管理していたシステムやサービスと、新たに導入するクラウドが連携できるかどうか、事前確認するのは何より重要なことです。

自社で管理しているオンプレミスのシステムによっては、技術的な問題でまだクラウドに移行できないシステムもあります。

例えば、基幹システムで多いのが「現在使用しているソフトウェアが、クラウド対応していない」といったケースです。企業のクラウド導入は進んでいますが、パブリッククラウドでの動作は保証していないサービスが多いです。

クラウド導入する前に、どのようなサービスやソフトウェアが使えるのか、連携の状況を確認しておきましょう。

【メモ】クラウド向きではないソフトウェアやサービスもある

内容によってはクラウドに移行しない方が良いシステムもあるので、見極めが必要です。

具体的に「クラウドに移行した方が良いシステム」とは、例えばCPU単位で課金が必要なサービスやソフトウェアは料金が高額になりがちで、クラウドで使用するのには向いていません。

費用について個別の計算が難しいという場合には、クラウドサービスとオンプレミスの両方に精通したプロに、どちらが自社に向いているか相談をするのが正しい方法です。

10. クラウドサービス導入の成功事例

クラウドサービスを導入することで、企業は労働時間の短縮やコストの削減など、生産性の向上が目指せます。

実際にクラウドサービスの導入により、生産性を大きく向上させた企業は後を絶ちません。

そこで本項では、クラウドサービス導入の成功事例を2つ紹介したいと思います。

10-1. 事例① 社員1人あたり4時間分の業務時間削減に成功

東京都中央区にある明光産業株式会社は、社員数35名、物流資材及び機器卸業を営む企業です。

レンタルサーバーを使用した経理システムに慢性的なトラブルを抱えており、システムトラブルが原因で最長2カ月間復旧せず、経理業務に支障が及びました。

かねてから「安定したシステムを構築したい」と考えておりNTT東日本に相談したところ、トラブルを起こさない「安定したクラウド環境」AWS(Amazon Web Services)の存在を知り、導入に踏み切ることにしました。

AWSの提案と導入を行うことで、経理システムのトラブルが一切起こらなくなり経営が安定しました。

また、AWSの利用時間を9時〜17時に制限することで無駄なコストを削減し、時間内に経理業務を終わらせる体制を構築。結果として、経理業務の生産性も向上。1人あたり4時間の業務時間削減と、生産性向上が叶いました。

出典:明光産業株式会社

10-2. 事例② エンジニア不足をカバーし短期間で自社サービスをリリース

東京都大田区にあるソレキア株式会社は、システム設計やアプリケーション開発などを行う企業です。

これまで、他社クラウドサービスとの連携を行ってきましたが、ユーザーからAWSやAzureを使いたいという要望が増加。このため、短期間での自社サービスリリースが実現できるNTTのクラウド導入運用サービスを利用することにしました。

社員数が782名もいるため、複雑なツールや機器の導入は厳しいと考えられました。しかし、NTTのサービスは初期設定から運用代行まで対応しているため、

  • エンジニアなどのリソース不足
  • サービス提供時の運用負荷軽減

こうした問題も専門家の知識によって、簡単に解決できました。

さらに顧客のニーズに短期間で応えられるサービス提供体制を整えることができ、機会損失の回避だけでなく生産性の向上にもつながりました。

出典:ソレキア株式会社

10-3. 事例③ クラウド導入で月6万件の受注業務に対応できる体制を獲得

ビセラル株式会社は、東京都足立区にある食品製造業者で、社員数は291名、内臓肉を使ったオリジナルの商品を開発し、全国の小売店や飲食店に商品を卸してきました。

これまでも、安心で安全な食肉を届けるため積極的にICT(​​Information and Communication Technology 情報通信技術)環境を整備してきました。

しかし頻発する災害や不足の事態に備えて自社サーバーのクラウド化を検討。安定したセキュリティシステムを導入すべく、NTT東日本に相談をしました。

ビセラル株式会社全体の納品先は5,000件を超え、納品に関するデータは月間で6万件にも上ります。

これらの情報を本社と全国11にある営業所、4カ所の販売店、飲食店などの16拠点と提携・情報共有するために導入したのが、AWS(Amazon Web Services)のクラウドサービスでした。

そして ネットワークに関しては、NTTの提案した「クラウドゲートウェイクロスコネクト」を採用。同サービスはインターネットを介さずに閉域ネットワークを経由することができるため、クラウドのセキュリティ効果を高めて使用できます。

結果、高速で安定した通信も可能になり、スピーディーかつ安定した販売管理ができるようになりました。また、膨大なデータの管理と分析ツールの活用により、販売データを精査したマーケティングにも成功しています。

出典:ビセラル株式会社

11. NTTなら導入設計から運用までワンストップ支援で安心

NTT東日本では、クラウドシステムの導入設計・セキュリティ対策・運用まで、ワンストップ支援を行っています。

このため、IT専任者のいない現場であっても安心してクラウドシステムの導入や運用が行えます。

最近ではオンプレミスに近い環境が構築できる、AWS(Amazon Web Services)やMicrosoft Azureなどのクラウドサービスが人気で、在庫管理など生産性向上の期待できる現場や生産拠点への導入が進んでいます。

NTT東日本はAWS(Amazon Web Services)やMicrosoft Azureの認定を受けたプロが、各企業の将来計画を検討しながら中立的にクラウド化の提案と徹底サポートを行っています。

本項では、生産性向上の成功事例も多いNTT東日本のクラウド導入・運用サービスについて紹介します。

11-1. 150社以上のクラウド導入実績

NTT東日本のクラウドサービスは、2022年2月の時点で、150社以上の導入実績があります。

クラウド導入・運用サービスから、今ある回線を活かしたクラウドサービス接続のための閉域ネットワークの提供、AWS(Amazon Web Services)やMicrosoft Azureの導入サポートなど。

APN AWS Top EngineerとAWS認定有資格者(APN Certification Distinction 500)がクラウドサービスの導入と運用管理をサポートしており、全国の企業に広く導入されて生産性向上に大きく貢献しています。

11-2. 課題や要望にあったネットワークも併せてご提供

NTT東日本では、通信会社ならではの幅広い接続ネットワークとサービスを通じ、自社の課題や要望にあったネットワークを併せて提案しています。

これまでの活用事例や成功例で得られたノウハウを元に、お客様のビジネスの成功をリードするIT化やインフラの整備など、各県域の担当者が自社の目的や要望に合うクラウドサービスの移行や導入から運用まで幅広くサポートを行っています。

11-3. NTTのクラウド化でできること

NTT東日本の「クラウド導入・運用サービス」を導入することで、以下の領域の設計と構築をサポートします。

それぞれ、どのようなサービスなのか簡単に解説しましょう。

11-3-1. クラウド導入設計

自社のクラウド導入に必要なのが、クラウドの設計作業です。

NTT東日本では、IT担当者を有していない企業の方でも、簡単にクラウド導入できるようAWS(Amazon Web Services)やMicrosoft Azureなどのクラウド導入のコンサルティングから設計・運用などのサポートを行っています。

また、これまで使用していた回線を活かしたクラウドサービスへの接続サポートを実施。クラウド環境をスピーディーに導入したい方に向けてクラウド設計から、LAN環境までを含めたトータルソリューションを提供しています。

なお人気のクラウドサービスAWSとAzureの違いについては、下の記事にて詳しく解説しています。

関連記事:在庫管理とは|曖昧にしてはいけない基本と効率化する3つの方法

11-3-2. ネットワーク環境構築

NTT東日本では、フレッツ光やWi-Fiなどのインターネット接続サービスの提供、VPNの構築、クラウド機器やシステムの導入支援、専用アプリの設計や導入を行なっています。

オフィスや店舗のICT環境をまるごとサポートしています。

社内のネットワークの環境構築は、業務効率化において欠かせない作業のひとつです。

実際に社内コミュニケーション環境を構築することで、社員のあいだでスムーズにデータの共有が行えるため生産性向上にも大きく貢献してくれます。

11-3-3. セキュリティ対策

クラウドなどのシステムには、強固なセキュリティ対策が必要です。

NTT東日本ではクラウド化に必要なセキュリティ体制の構築、ファイアーウォールの設定、監視対応などをトータルでサポートしており、クラウド運用における面倒な作業を代行します。

クラウドサービス上で提供される環境内にネットワーク、セキュリティ等基本機能を設定するほか、株式会社はてなが提供するサーバー監視サービス「Mackerel」を採用し、24時間365日体制で大切なシステムや情報を守ってくれます。

11-3-4. クラウド運用・管理

クラウドの運用と管理まで、トータルでサポートしているのがNTT東日本の強みです。通常、自社でシステムを運用するとなると、IT専任者の確保が必要です。

しかし、NTT東日本ではクラウド環境、ネットワーク構築から保守運用まで、1社だけで完結できるよう一気通貫できるサービスを提供しており、クラウド移行や導入までの面倒な作業をすべて丸ごとサポートしています。

また、NTT東日本ではネットワーク事業を行っているからこそ他社と違い、課題や要望にあったネットワークも併せてご提供でき、導入検討前の相談や質問にも真摯に対応しています。

  • Amazon Web Services(AWS)は、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
  • マイクロソフト (追加の商標をアルファベット順に記載)は、マイクロソフト グループの企業の商標です。

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12.まとめ

生産性向上を図る上で「他社の成功事例」は、新たなサービスや機器を導入する上で大変参考になります。

全国で生産性向上に成功している企業を見てみると、それぞれ独自の方法で生産性向上に取り組んでいました。

また、専門家のアドバイスによる業務効率化や、業務改善助成金を利用した設備投資、企業間の連携によって生産性向上を向上させた例も多く存在します。

生産性向上は、ワンランク上の企業へと成長する上で欠かせない「重要な取り組み」になります。

そしてこれから、生産性向上に取り組む企業や現場におすすめなのが、クラウドサービスの導入です。

例えば、AWS(Amazon Web Services)やMicrosoft Azureなどのクラウドサービスを利用すれば、初期費用などのコストを抑えて、必要な業務の自動化やAI化が導入でき、業務負担を軽減しコア業務に集中できるようになります。

このような取り組みは、生産性向上を図る上で欠かせない取り組みです。

今使用しているシステムが古い、業務効率や生産性が落ちているなど、行き詰まりを感じている方はぜひ、クラウドサービスを利用した「生産性向上の取り組み」をはじめてみてはいかがでしょうか。

今回紹介した他社の成功事例を参考に、自社の目的や業種に合った新たな機器やサービスの導入を検討しましょう!

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