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在庫管理とは|曖昧にしてはいけない基本と効率化する3つの方法

「在庫管理が上手くできればなあ…」

「在庫管理についてしっかりと理解したい。」

在庫管理に対して負担や不安を抱いているのは、あなただけではありません。

経営者や管理者にとって在庫管理の負担や責任はとても重く「何とかして、在庫管理を効率化したい」と考えている方はとても多いです。

在庫管理とは商品やサービスを必要な場所に、必要なタイミングで提供できるよう、在庫がどのくらいどこに、どのような状態であるのかを正しく把握することです。

在庫管理を正しく行えば、消費者のニーズや生産に必要な状況に合わせて在庫の移動が行えるので、ビジネスにおける機会損失が防げます。

また、過剰な在庫を抱えてムダなコストが発生するリスクも、在庫管理によって削減できるようになります。

つまり、在庫管理を正しく行うことは、経営者や管理者にとって必須事項なのです。

そこでこの記事では、

    • 在庫管理とは何か
    • 在庫管理の方法
    • 在庫管理を効率化する方法

を紹介します。

この記事を読むことで、正しい在庫管理の方法が分かり、在庫の適正化ができるようになります。在庫管理を正しく行い、企業利益の最大化を目指しましょう!

1. 在庫管理とは何か?

在庫管理とは、資材や資源、商品などの量や質を把握し、それぞれの企業にあった水準で管理維持することです。

在庫管理では、在庫の量や質が適正になるよう計画を立てて、その計画に基づいて管理を実施します。

また、在庫の結果をチェックし評価することも「在庫管理」のなかに含まれます。

本項では「在庫管理の基本」である、

について詳しく解説します。

1-1. 在庫管理の基本

在庫管理の基本的な仕組みは、【なにが・どこに・どのくらいあるのか】を把握することです。

具体的には、

  • 在庫数の確認
  • 棚卸し

などによって、在庫が適正量を保てるよう管理をします。

在庫管理を行うことで、生産や販売などの状況に応じて、最適な状態で必要な場所に供給できるようになります。

また、在庫管理には過剰な在庫を抱えることで発生する倉庫スペースの圧迫や、無駄な作業の増加、品質の低下などを防ぐ目的があります。

在庫の状態は、会社の経営状況を判断する材料となります。

このため、期首や期末にはどれだけ在庫があるのか、いつでも分かるよう、常に在庫を正しく把握しておく必要があるのです。

1-2. 在庫は企業の大切な「資産」として扱う

後で現金化されるものを総じて「在庫」というのですが、在庫は、現金に代わる貴重な資産(モノ)です。

このため企業は、資産として在庫を適正に扱う必要があります。

在庫は会計用語で「棚卸資産」ともいいますが、決算の際には在庫の一覧を提出する必要があり、正確な数や量を把握した上で評価額を申請します。

資産として扱われる「在庫」ですが完成した商品だけでなく、資材や原材料のほか、仕掛品(=製造途中の製品)も在庫のなかに含まれます。

  • 商品
  • 資材
  • 原材料
  • 仕掛品

なお、業界ごとに「在庫」の中身は変わってきます。

例えば、小売業であれば商品が在庫になりますし、生産業であれば資材や原材料、仕掛品が在庫になります。このほか不動産会社であれば、土地や建物が在庫として扱われます。

このように在庫は、企業にとって現金に代わる大切な資産であり、適正に扱う必要があるのです。

2. 在庫管理の目的

在庫管理の目的は「適正な在庫を保つ」点にあります。

実際、在庫を持ちすぎても置き場所などにコストがかかりますし、反対に在庫が不足してしまうと、顧客に商品が提供できないなどの機会損失が起こります。

このため、企業の利益を追求する上で「在庫管理」が欠かせないのです。

実際に在庫管理によって適正な在庫が保てれば、売上を上げながら無駄なコストも削減できます。

これらの考えを踏まえ「在庫管理の目的」をまとめてみました。

それぞれの内容を順に解説します。

2-1. 適正な在庫を保つ

在庫管理は、適正な在庫を保つために行われます。

適正な在庫が保たれれば、余剰在庫による品質管理や保管スペースにかかるコストが削減できます。

また、過剰な在庫がなければ、必要な商品を倉庫から探し出す時間や手間も無くなります。

このほか、廃棄などを無くすのにも適正在庫のコントロールが欠かせません。

2-2. 生産性の向上

在庫管理は、生産性向上を狙う上でも欠かせない業務のひとつです。

生産性の向上とは、保有する資産を最大限に活かして成果を生み出すこと。

  • 製品の生産効率を上げる
  • 商品の数を適切に保つ

在庫管理をすることで工場や倉庫、店舗にある在庫が把握でき、生産や顧客への商品提供がスムーズに行えるようになるのです。

この結果、在庫管理が業務効率化や業務改善につながり、生産性が向上します。

関連記事:生産性向上の成功事例18!成功企業に共通する特徴とシステムを解説

2-3. キャッシュフローの改善

在庫管理は、企業のキャッシュフロー改善に役立ちます。

第一章で「在庫は現金に代わる資産」と説明しましたが、在庫で支払いができる訳ではありません。実際、在庫を抱えたままでは企業の資金繰りを圧迫し、急な支払いに対応できなくなります。

このため資産の固定化を避け、現金ですぐに対応できるよう、在庫の量を適切にコントロールする必要があるのです。

過剰な在庫を減らして、自由に使える現金資産を持っておくことが、企業のキャッシュフロー改善にとって重要なことです。

3. 在庫管理で行う4つのこと

在庫管理は企業経営を支える基盤であり、在庫管理の状態が、仕入れや売り上げに直結します。

実際に「企業の利益」を追求する上で、商品や資材を必要なタイミングで、すぐに供給できる体制を整える必要があります。

在庫管理は、次の4段階に分けられます。

それぞれの方法を順に解説します。

3-1. 入出庫管理

入出庫管理とは、在庫の出し入れをする際に「個数や日時」などを記録する業務のこと。別名を入出庫管理ともいい、在庫管理では最も重要な業務のひとつです。

入出庫管理を行うことで、生産や販売などによって仕掛品や製品がいくつあるのかが分かります。

入出庫の「入庫」とは仕入れなど、会社に無かったものが棚卸資産として計上されること。「出庫」とは、販売などによって会社にある在庫が、資産で無くなる状態を指します。

在庫数の計算方法ですが、入庫した数から出庫した数を引くと在庫の数がカウントできます。

在庫の数=入庫した数−出庫した数

正確な在庫数を知るには、入庫数と出庫数を正しく記録する必要があり、在庫管理表、Excel、ハンディターミナル、在庫管理システムなどを使って在庫の確認を行います。

いずれも入出庫の日付や品目、在庫数のほか、保管場所や担当者を記し履歴を残します。

3-2. 在庫の発注

正しい在庫管理に欠かせないのが、在庫の発注方法です。

発注の方法に間違いがなければ、過剰な在庫をなくし適正在庫を保つことができます。

在庫の発注方法は、大きく分けて二種類あります。

  • 定量発注方式
  • 定期発注方式

それぞれの方法を順に見てみましょう。

定量発注方式

定量発注方式は、在庫が一定の数になった時点で在庫を追加する方式のこと。

発注の水準を発注点と言い、決められた発注点を下回ったタイミングで発注が行われます。

発注点の決め方ですが、発注をしてから「商品が入荷するまでに持ちこたえられる」個数や数量を当てはめればOKです。

定量発注方式では、発注日時は固定されておらず、在庫の量に合わせて発注を行います。このため、正しく在庫管理を行う必要があるのです。

定量発注方式が向いているのは、安価な商品や需要が安定している商品です。

定期発注方式

定期発注方式は、一定のサイクルで発注を行う方式のこと。

1週間に1回、1カ月に1回など。あらかじめ期間を定めて発注を行います。

定期発注方式では発注時期は定まっているものの、発注量は決まっていません。現在の在庫数を見ながらその都度、発注量を計算します。

定期発注方式であれば発注忘れが少なく、適正在庫を保ちやすく需要の変動に対応しやすいというメリットがあります。

定期発注方式が向いているのは、需要や顧客のニーズが予測しやすい製品です。

3-3. 返品管理

返品管理は、倉庫に返品された商品情報や商品の状態、返品数量を入力する業務のことです。

お客さまや取引先から返品された商品は、通常の在庫品とは別扱いとなり、在庫の状態が良品なのか不良品なのかを管理し、状態別に在庫を分ける必要があります。

返品された商品はまず「検査中」として登録され、検査がOKであれば通常品に、不良品の場合は「廃棄」扱いとなります。

3-4. 棚卸し

棚卸しは、期末に商品などの在庫数を確認する作業のことです。

棚卸しで確認した在庫の数量は、会計上の「期末棚卸資産」となり、会社の利益を把握する上で重要な業務のひとつです。

また、棚卸しを行うことは単なる会計上の作業では無く、在庫の過不足を把握するのにも役立ちます。

棚卸しの方法ですが、「タグ方式」と「リスト方式」の二種類があります。

棚卸しの対象になるのは、製品や商品のほか、仕掛品、材料や貯蔵品などの「棚卸資産」です。

期末に決算書を作成するため、最低でも年に1回の頻度で実施されます。

4. 在庫管理は正しく効率的に行うことが難しい

多くの企業は手入力で在庫管理を行っているのでミスが発生しやすく効率的に在庫管理をするのが難しくなっています。

手入力を行うと以下のような事象が起こりやすくなります。

具体的にどのようなことが在庫管理を正しく効率的に行うことが難しいかを具体的に説明をしていきます。

4-1. 入力ミスが起こりやすい

在庫管理が難しいのは、入力ミスが起こりやすいからです。在庫管理で、特に起こりやすい入力ミスは次の通りです。

  • 入力漏れ
  • 入力ミス
  • 関数の壊れ
  • 数え間違い
  • データ消失

アナログ管理している方であれば、誰もが上のような入力ミスを経験したことがあるでしょう。Excelや管理ツールを使っていても、人が手で入力する限り、このようなヒューマンエラーは防げません。

4-2. データと現物のズレが起こりやすい

在庫管理では、データと現物のズレが起こりやすくなります。

前項で挙げた「入力ミス」のほか、

  • 在庫管理のルールがない
  • 間違った商品を出荷する
  • 請求と出荷時期にズレがある

データと現物にズレが生じ、在庫の管理ができなくなります。

4-3. ルール作りが難しい

在庫管理は、ルール作りが難しい業務のひとつです。

なぜなら、在庫の状況は常に変わるものであり、単純なルールでは管理できないからです。

実際、入出庫管理のルールを作成したとしても遵守するのは難しく、結果的に個人判断での在庫の管理が多くなります。

このため社内で、在庫管理のルールを作るのは難しくなるのです。

5. 在庫管理を正しく効率的に行う3つの方法

正しく在庫管理を行うには、ヒューマンエラーの起こりにくい環境作りや作業の効率化が必要になります。具体的には、以下のような方法で在庫管理を正しく、効率的に行うことができます。

  • ピッキングの効率化
  • ロケーション管理
  • 在庫管理のシステム化

それぞれどのような方法なのか、具体的に説明します。

5-1. ピッキングの効率化

ピッキング作業を効率化してくれるのが、デジタルピッキングの方法です。

在庫管理で最も作業負担が大きいのは、「ピッキング」の作業なので、この部分をデジタル化することで作業負担を無くして、在庫管理を正しく行うことができます。

デジタルピッキングでは、以下の機器を使用します。

そもそもピッキングとは、伝票や指示書の内容に従って、倉庫から指定された商品をピックアップする作業のことですが、ピッキングが難しいのは手で入力するなどアナログの方法では、ヒューマンエラーが起こりやすく在庫にズレが起こるからです。

このため、アナログのピッキングを止めて、デジタルピッキングを使い、正確に在庫数を把握する取り組みが必要になります。

5-2. ロケーション管理

ロケーション管理は、在庫管理の効率化に欠かせない作業の一つです。

こうしたロケーション管理を行うことで、在庫がどこにあるのかを把握しやすくなりますし、在庫のスムーズな入出庫に役立ちます。

ロケーション管理とは、倉庫のどこに在庫があるのかを番号などで管理することで、各商品や製品に住所のようなロケーション番号を振ります。

ロケーション管理には、固定ロケーションとフリーロケーションの二種類があり、業種や管理する製品によってふさわしいロケーション管理方法は異なります。

ロケーション管理の方法

固定ロケーション方式

  • アイテムごとに保管する場所を決める管理方法。

フリーロケーション方式

  • 空いている場所にアイテムを保管する運用方法。

固定ロケーションは、システム化されていない現場に多く、フリーロケーションはシステム化された現場に多く導入されており、在庫のスムーズな入出庫にロケーション管理は欠かせません。

5-3. 在庫管理のシステム化

在庫管理を効率化してくれるのが、在庫管理のシステム化です。

在庫管理や発注業務は、クラウドを使って自動化することで、正確な在庫管理が行えます。

在庫管理のシステム化は、大きく分けて二つの方法があります。

  • オンプレミス
  • クラウド

オンプレミスは、自社でサーバーやネットワーク機器、ソフトウェアなどを準備しシステムを運用する方法のこと。

必要なインフラを自社で運用するため費用が高額になりがちですが、自社で構築をするため自由にカスタマイズできる柔軟性が魅力です。

一方のクラウドは、クラウドサービスを使ってサーバーやネットワーク機器、ソフトウェアなどをインターネット上の仮想空間で運用する方式のこと。

代表的なクラウドサービスには、

などのサービスがあります。

⇒ 7-2. AWS (アマゾン ウェブ サービス) を使った在庫管理

このようなクラウドサービスは、インターネット上で管理をするため導入までのスピードも速く、初期費用が安いという特徴があります。

自由にカスタマイズできる柔軟性は低いですが、低コストで運用できるというメリットは大きく、世界の大手企業や政府・機関などもクラウドサービスで、データ運用や自社の情報管理を行っています。

導入のしやすさという点では、クラウドサービスに軍配が上がります。

ただ、オンプレミスについても専門家が対応してくれるサービスもあるので、自社の導入負担を少なくして、より高度な在庫管理のシステム化を進めることもできます。

在庫管理において、ミスの起こりにくい環境作りは不可欠です。

目的や予算に合わせて、自社にあった在庫管理システムを導入しましょう。

6. 正しい在庫管理を行って効率化する5つのメリット

在庫管理が正しく行えるようになると、作業管理の効率が上がり、適正在庫が保てるようになります。

実際に在庫管理を正しく効率的に行うことで、企業は次のようなメリットを享受できます。

それぞれの利点を順に見てみましょう。

6-1. 人的ミスが起こりにくい

バーコードや二次元コードなど、デジタルピッキングや在庫管理ツールなどを導入することで、人的ミスは起こりにくくなります。

こうした方法は、桁数の多い品番を見間違える確率も減りますし、類似商品を扱っている場合にでも、商品を取り違えてカウントすることが無くなります。

他社の導入事例などを見ていても、人間の手から「機械で管理」に移すことで業務の人的なミスは大幅に減らせることが分かっています。

⇒ 生産性向上の成功事例18!成功企業に共通する特徴とシステムを解説

今でもアナログで管理をしている企業は多いのですが、経験だけではヒューマンエラーは防げません。

経験の長いオペレーターであっても目視確認や記入・手入力で管理をする以上、些細なミスはどうしても起こってしまいます。

こうした事態は決して軽視できるものではありませんし、ミスが度重なることで配送や物流に影響が出ますし企業の損失は大きくなります。

このため、デジタルピッキングや在庫管理ツールなどを導入することが、正しく在庫管理を行う上で有効になるのです。

6-2. 在庫管理の負担が減る

専用ツールを導入することで、在庫管理の負担が軽減できます。

例えば手で一つ一つ、在庫をカウントするのと、ハンディターミナルを使用して作業をするのでは、明らかに後者の方が作業時間は短縮でき、在庫管理の負担は軽減できることがイメージできますね。

実際にピッキングや管理の部分をデジタル化したり、先程紹介したオンプレミスやクラウドサービスなどの方法で管理すると、紙ベースでの負担よりもヒューマンエラーも起こりにくく、在庫管理にかける時間は大幅に軽減できます。

また、正確な在庫を把握することで在庫の見直しや確認作業などの作業のムダも省けます。

在庫を一つ一つピッキングしてデータを入力するのは、人手不足の現代において、効率の良い方法とはいえません。

在庫管理に負担を感じているのならば、専用ツールを導入し負担を軽減しましょう。

6-3. 適正在庫が維持できる

在庫管理が正しく行えるようになると、在庫の量を適正に保てるようになります。

在庫の適正化は、余剰在庫や顧客への機会損失を回避するなど、企業利益の追求において最も重要なことです。

ここまで、デジタルピッキングや在庫管理ツールなどを使った方法を紹介しましたが、在庫管理を正しく行うことで、過去に得られたデータを元に適正な発注や在庫の入出荷ができるようになります。

こうした適正在庫の確保に役立つのが「データ分析」であり、分析に必要なデータを収集するのに役立つのが管理システムのIoT化です。

IoT化とは、端末などの物とインターネットを繋ぐデジタル化のことですが、例えば、ピッキングなどの作業をIot化することで、倉庫や工場内店舗の在庫情報を見える化できます。

見える化をすると現場にいなくても機器の状況や在庫不足、発注ミスなどを瞬時に感知することができます。

また、在庫管理の工程で得たデータを使ったデータ分析ができるようになり、正確な発注作業や在庫の入出荷ができるようになり、適正な在庫が維持できるようになるのです。

6-4. 品質管理ができる

在庫管理を正しく行うことで、品質管理が行えます。

在庫管理によって古い順に出荷できるようにし、長期間保管しない仕組みを作ることで在庫など製品の品質が保てるようになるからです。

通常、在庫を保管する期間が長くなれば、商品が湿気やホコリ、紫外線などの影響で品質が劣化してしまいます。また、製品が返品された場合には、商品の状態が損なわれている可能性があります。

このため、在庫管理で商品や製品の状態を記録する必要があるのですが、在庫管理が正しく行われることで、数や量の把握だけで無く、品質の管理が同時に行えるのです。

製造業にとって、Quality(品質)、Cost(コスト)・Delivery(納期)は基本であり、顧客の満足度を左右する重要な要素です。

在庫管理を正しく行い、自社製品や製品の品質を管理しましょう。

6-5. コストが削減できる

在庫管理によってコストの削減ができ、キャッシュフローの改善が期待できます。

在庫管理を徹底すると、

  • 欠品や余剰在庫の減少
  • 不良在庫の発生防止
  • 管理コストの削減

ができるようになります。

適正な在庫量を保つことで管理費などのコスト削減もでき、キャッシュフローの改善に効果が表れます。

【メモ】在庫の現金化もキャッシュフローの改善におすすめ

売れなくなった在庫をいつまでも抱えているのは、在庫管理を複雑化するだけでなく、保管コストがかかるなど企業経営を圧迫します。このため、売れなくなった商品や過剰な在庫は、思い切って処分することでキャッシュフローの改善が見込めます。

7.クラウド在庫管理システムならカンタン便利に在庫管理が可能! 

在庫管理のおいて、どんな企業でも取り入れやすいのが「クラウド型の在庫管理」です。

オンプレミスとクラウドの比較でも説明をしましたが、クラウド型在庫管理では自社の在庫システムの開発やサーバーを必要としないので、導入するハードルが高くないのが特徴です。

このような点から、これから在庫管理の効率化を行いたい企業は、AWSやMicrosoft Azureなど常に進化を続ける「クラウド型の在庫管理」を導入する企業が非常に多くなっています。

クラウド型在庫管理システムのAWSやMicrosoft Azureなどは、デジタル化で得たデータを最大限に活用するために以下のようなサービスも常に追加更新しています。

クラウド型在庫管理システムには、こういったユーザーの細かなニーズにも漏れなく対応しているので、オンプレミス環境をクラウド型に移行するという選択肢も十分にあります。

具体的にどのような方法で、在庫管理やデータ活用ができるのか。

本項では代表的なサービス、AWS(Amazon Web Services)や日本で人気のMicrosoft Azureを中心に「次世代型の在庫管理法」について詳しく解説します。

7-1. AWS (アマゾン ウェブ サービス) を使った在庫管理システム

AWS(Amazon Web Services)は、Amazonが展開するクラウドAIサービスの名称です。

AWSは世界で最も早くクラウドサービスを開始(2006年〜)しており、数あるクラウドサービスの中でも最も歴史が長く、世界190カ国100万以上の企業で導入されるなど、世界シェアNo.1を誇るサービスです。

AWSが優れているのは、顧客のニーズに応えて最新のサービスをスピーディーに提供することです。

AWSは「クラウドですべてができるように」することをモットーとしており、企業は目的に合わせて200種類のAWSサービスを使い分けることができるため、企業活動はすべてAWSで完結するといっても過言ではありません。

AWSは「責任共有モデル」という考えのもとに、AWSがクラウド環境のベース部分を提供し、責任を持って顧客のサービスを運用してくれます。

私たちはデータ、アプリケーション、IDとアクセス管理、ネットワーク環境などわずかな準備だけで、自社サービスやデータを反映した高度なクラウド環境が手に入るのです。

こうしたAIクラウドサービスの多くが「初心者でも簡単に管理できる」ことを目的としており、自社の細かなニーズや要望に応じた管理や設定が行えるため、クラウドでありながらオンプレミスに最も近い環境を作り上げることが可能です。

関連記事:AWSとは?初心者にもわかりやすく特徴・概要を纏めました

7-2. Microsoft Azureを使った在庫管理

Microsoft Azureは2010年に始まったサービスで、Microsoft社が運営するクラウドプラットフォームの名称です。

MicrosoftはAWSに追随して生まれたサービスであり、AWSに新サービスが導入されると、即座に反応するように類似するサービスをAzure上に追加を行っています。

このため、Microsoft AzureとAWSの機能や使えるサービスに大きな差は無いのですが(※ 各サービスの名称などは異なります)、大きな違いはマイクロソフト社との互換性についてです。

日本国内では、マイクロソフトのシステムをベースにオンプレミスなど、社内システムの構築を行っている企業が多く、こういった場合にはMicrosoftは互換性の高さから優れた威力を発揮します。

Azureは、コロナ禍でシェアを大きく伸ばし日本だけでなく各国の企業や政府機関にも広く導入されています。

Azureが人気なのは、初心者でも管理がしやすいインターフェース(GUI,グラフィカルインターフェース)が使えること。

直観的に操作ができ、初心者〜上級者まで幅広い方が操作できます。またAWSの差別化として、IotやAIなど実現化したいカテゴリー毎により細かなニーズに応えるサービスを次々と追加しています。

関連記事:Azureを選択すべき企業とは?特徴、メリット・デメリット、事例

7-3. AWSとMicrosoft Azureのどちらを導入するか?

AWS(Amazon Web Services)やMicrosoft Azureのどちらを導入すべきか、判断材料になるのは次の2点です。

  • 自社で使用しているシステムの状況
  • マイクロソフト社のサービスを使用しているかどうか

現在の自社管理データや状況をそっくりそのまま、クラウドに移行したいという場合は、オンプレミスに近い環境が構築しやすい(管理の自由度が高い)AWS(Amazon Web Services)がおすすめです。

また、現在マイクロソフト社のサービスやソフトウェアを使って自社のデータを管理していると言う場合は、互換性が高く移行しやすいMicrosoft Azureがおすすめです。

料金についてはどちらも、時間単位の従量課金制となっていて、トータルのコストはほぼ同じといって良いです。ただし、ネットワーク環境、セキュリティ環境、運用系の機能などの料金差はあります。

AWS(Amazon Web Services)が安いのは、システム構築に必要な機能全般です。一方、Microsoft Azureは仮想マシンやデータベースの費用は、AWSの5分の1のコストでサービスを提供しています。

このように、自社の目的やニーズに合わせてどちらのクラウドサービスが向いているのか比較をすることが重要です。

7-4. 自社に最適なクラウド環境を構築するならまずはご相談ください

クラウド型の在庫管理システムの導入を検討している方はぜひNTT東日本にご相談ください。

NTT東日本は、AWS(Amazon Web Services)やMicrosoft Azureの認定を受けたプロが、各企業の将来計画を検討しながら中立的にクラウド化の提案と徹底サポートを行っています。

クラウドサービスでも、オンプレミスのような自社にピッタリの在庫管理の環境を設計することも可能なので、自社にピッタリの提案を行うことができます

さらにクラウド導入だけをサポートする企業は数多く存在しますが、インフラ設計の段階からサポートできるのは、NTT東日本最大の強みです。

NTTは他社のクラウドサービスとは異なり「ネットワーク事業者」として、

  • 高速回線などのインフラ整備
  • 安心のセキュリティ対策
  • AWSやAzureなどのサービス提供

など、最適かつ適格なクラウド環境を導入前の整備から導入後までトータルで設計することができるので初めての方でも安心して任せることができます。

在庫管理のご要望やお困りごとがあれば、150社を超えるクラウド導入実績や12のサービスを元にユーザーのビジネス成功をリードする『NTT東日本』にお気軽にご相談ください。

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まとめ

在庫管理は適正な在庫を保ち、生産性向上やキャッシュフローの改善に欠かせない業務のひとつです。

在庫管理の方法は未だ手入力が主流ですが、正しく在庫を管理するためには「人的ミスの起こりにくい環境」が必要です。

専用のツールなどで在庫管理を行えば、人的なミスが減るだけでなく、作業管理の負担も減り適正在庫が維持できます。

また、在庫を正しく把握することで発注のコントロールもでき、品質管理や廃棄などのコストを削減することにもつながります。クラウドやオンプレミスなどを導入し、在庫管理を徹底的に効率化しましょう。

NTT東日本では自社の目的や予算に合わせて、最適な在庫管理の方法やAWS(Amazon Web Services)やMicrosoft Azureなど、新たなクラウドサービスの導入コンサルティングや導入支援を行っています。

クラウドサービスだけでなくオンプレミスまで、「IT業務効率化」をトータルでサポートしているので、IT専任者のいない現場でも社内のインフラやシステムのクラウド化が叶えられます。

在庫管理の方法を効率化したい方、在庫管理で企業の生産性向上、利益の向上を図りたい方はネットワークからクラウド設計と導入ができるNTT東日本へお気軽にご相談ください。

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