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わかりやすい「CRM」とは?機能やメリットからツールの選び方まで
CRMとは、顧客情報を集約・活用し顧客との良好な関係を構築し、それを維持するためのシステムやツールのことを指します。CRMを活用することで、見込み顧客を増やすなどの営業に役立つのはもちろんのこと、分析を行いマーケティングに役立てることも可能です。
一方、同様のマーケティング支援ツールとして活用されているMAやSFAとの違いや、具体的な機能が分からない方もいるでしょう。
そこで本記事ではCRMの機能や活用するメリット、ツールの選び方を解説します。
MAやSFAとの違いも分かりやすく解説しているので、導入を検討されている方はぜひ参考にしてください。
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目次:
- 1.CRMとは?
- 1-1.MAやSFAとの違い
- 2.CRMが持つ主な機能
- 2-1.顧客情報管理
- 2-2.顧客別の営業活動・対応状況の管理
- 2-3.問い合わせ情報管理
- 2-4.メール配信
- 2-5.顧客分析
- 3.CRMを導入するメリット5つ
- 3-1.あらゆる顧客情報を集約・共有できる
- 3-2.顧客の状態を可視化できる
- 3-3.業務の効率化に繋がる
- 3-4.幅広い業務に活用できる
- 3-5.的確な社内サポートが可能になる
- 4.CRMの活用事例
- 4-1.見込み客へのタイムリーなフォローで成約率向上
- 4-2.若手の受注率向上
- 5.CRMを活用して成果を得るためのコツ
- 5-1.CRMの導入目的を明確に定める
- 5-2.現場の声を聞く
- 5-3.まずはスモールスタートで活用する
- 5-4.自社に適したCRMツールを選定する
- 6.自社に適したCRMツールの選び方
- 6-1.CRMの形態
- 6-2.CRMの機能
- 6-3.CRMの操作性
- 6-4.CRMのコスト
- 6-5.ベンダー企業のサポート
- CRMについてまとめ
1.CRMとは?
CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客情報を集約・活用し、顧客との良好な関係性を構築・維持するために利用するシステムやツールのことです。
CRMを日本語に訳すと「顧客関係管理」を意味します。
CRMでは、連絡先や取引履歴、商談内容・見積り・問い合わせ内容など、個別の顧客情報を集約・管理ができます。顧客に対する細かい情報を一元管理することで、顧客の最新情報をすぐに把握でき、より良い関係性を築くことが可能です。
良好な関係性は、企業にとって付加価値となります。顧客は同じ商品だとしても、より良い対応や接客をしてくれる企業の方が購買意欲は上がるためです。
製品による品質の差別化が難しくなっているからこそ、顧客との関係性を深めることに注力していかなければなりません。関係性を深めるためには、顧客の情報を管理することが大切なのです。
CRMを活用すれば、以下のようなビジネスの活かし方が可能です。
- 申し込み履歴を確認し、顧客の好きな物や苦手な物を把握し先回りして提案
- 顧客の状況を把握し、最適なタイミングでニーズに合った内容を営業提案
- 営業担当だけでなく、他の社員であっても問い合わせに返答
このように、CRMを活用すれば顧客との良好な関係を築け、機会損失なく営業やマーケティングに活かせます。
1-1.MAやSFAとの違い
CRMと類似するツールに、MAとSFAの2種類があります。
同様のマーケティング支援ツールではあるものの、それぞれ目的が異なるため、目的にあったツールを選定することが大切です。
それぞれの目的は、下表の通りです。
ツール名 | 目的 |
---|---|
CRM | 顧客との良好な関係性の構築・維持 |
MA | 見込み顧客の獲得・育成 |
SFA | 営業活動の支援・効率化 |
MAとSFAがCRMとどのように異なるか、順番に解説します。
1-1-1. MAとCRMの違い
MAとCRMの違いは、対象者が異なる点です。
MAは基本的に見込み顧客を対象に活用されますが、CRMでは既存顧客やすでに面識のある見込み顧客がメインターゲットです。
MA(Marketing Automation)は、マーケティング活動の一部を自動化できるツールのことを指します。自社の製品やサービスに関心がありそうな見込み顧客にアプローチして、収益を獲得することが目的です。
MAを活用すると、見込み顧客に関する情報をツール内で管理し、適切なタイミングでメール配信などのアクションができます。そのほか、見込み客を細かく選別しすぐに顧客となってくれそうなグループと、顧客になるまでに時間がかかるグループなどで選別をすることも可能です。
見込み顧客に合わせて適切な方法のアプローチをしていくことで、信頼関係を築き商談の機会を得られます。
CRMの目的は「良好な顧客関係を構築・維持すること」ですが、MAはこれから顧客になって欲しい方にアプローチするためのツールなため、両者の目的は明確に異なっています。
同じマーケティング支援ツールだとしても、MAとCRMは仕様や細かい機能面での違いがあるため注意しましょう。
1-1-2. SFAとCRMの違い
SFAは商談から受注までの営業活動の支援や効率化を目的としているのに対し、CRMは顧客との良好な関係を築くのが目的です。
SFA(Sales Force Automation)は、営業活動の支援がメインのため、営業の進捗や目標達成率などをデータで確認ができます。
一方、SFAとCRMのツール内容は似ている点が多く、線引きがあいまいなのが現状です。SFAでは営業活動を支援するために「営業活動に関わる情報全般」を管理していますが、CRMで管理する「顧客に関するあらゆる情報」が、同じ内容であるケースも数多く存在します。
たとえば、商談の内容についての情報はSFAの観点から言えば「営業活動に関する情報」ですが、CRMの観点で言えば「顧客に関する情報」なのです。そのため、CRMとして提供されているツールやシステムがSFAとしても使われていたり、CRM/SFAとまとめた形でツールやシステムになっていたりする場合もあります。
SFAについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
2.CRMが持つ主な機能
CRMが持つ主な機能は、以下5つです。
- 顧客情報管理
- 顧客別の営業活動・対応状況の管理
- 問い合わせ情報管理
- メール配信
- 顧客分析
順番に解説します。
2-1.顧客情報管理
顧客情報管理機能において、以下の情報を管理できます。
- 顧客名・担当者名
- 担当者の部署・役職
- 住所・連絡先
- 購入/取引履歴
- 流入経路/接触履歴
上記のような基本となる顧客情報を登録・参照でき、属性別に顧客を抽出できることが、顧客情報管理機能の特徴です。
顧客情報管理を活用すると、以下の状況で役に立ちます。
- 継続的に取引がある顧客と休眠顧客に、別の情報を配信
- 最後の接触から時間が経過している顧客へ、過去の経緯を踏まえた対応
過去の履歴を確認することで顧客に合った対応を取れるため、顧客の基本情報管理はCRMの機能の中でも最も基本的なものと言えるでしょう。
2-2.顧客別の営業活動・対応状況の管理
CRMには、営業活動や対応状況といった顧客とのコミュニケーション内容を管理する機能もあります。
営業活動や応対状況の管理は「良好な顧客関係の構築・維持」を目的とするCRMの大切な機能と言えるでしょう。
具体的には、次のような情報を蓄積できます。
- 商談の内容・状況
- 打ち合わせ・電話・メールでの重要なやり取り
- 顧客の要望・相談の内容
- やり取りした資料(見積もり・請求書・提案書・発注書など)
顧客とのやり取りなどの情報を個別に管理し共有すると、以下のシーンで役に立ちます。
- 購入/成約確度の高い顧客へ、的確なアクションができる
- 上司やマネージャーに、商談内容をスムーズに報告できる
- 上司やマネージャーからの、最新の状況を踏まえたアドバイス
- 担当者不在時、他の従業員による最新の動向を踏まえた対応
- 担当者が変更した時のスムーズな引き継ぎ
- 好成績の営業担当から、ノウハウを共有してもらう
過去の商談内容や顧客の要望などは、営業していく上で重要です。細かい内容も蓄積しておくことで、顧客にとって対応の良い企業だと感じてもらいやすくなります。
また属人化せず情報が共有されることで、担当者以外も顧客と円滑な関わりを持てるようになるでしょう。
2-3.問い合わせ情報管理
問い合わせ情報管理機能は、製品やサービスを提供した後のカスタマーサポートで役に立つ機能です。
顧客と良い関係性を築くには、取引が終わった後のアフターケアも欠かせません。
具体的には、以下のような問い合わせ内容や、問い合わせ内容に対する回答・対応を記録し共有することができます。
- 商品やサービスに関する質問と回答
- クレーム内容と回答・対応
- 修理やサポートの依頼内容と対応
問い合わせ内容や対応内容の管理は、修理や対面サポートの担当部署、本社などと共有することで以下のようなメリットがあります。
- 修理やサポートが必要な場合のスムーズな対応
- クレームの再発防止
- 問い合わせに対する回答や対応内容をナレッジ化
- 応対品質の均一化
問い合わせ情報管理を活用していくことで、質の良い応対やサポートの提供が可能です。そのため、信頼関係を築きリピーターを増やしやすい環境が整うでしょう。
2-4.メール配信
CRMシステムでは、メール配信機能を備えたものも多数あります。
メール配信機能はCRMに登録済みの顧客に対して、情報を一斉配信する時などに便利です。
また顧客の基本情報管理機能では、属性ごとに顧客の抽出も可能です。基本情報管理機能を用いて、属性の異なる顧客に対して別のメールを配信することもできます。
具体的な内容としては、以下のシーンで活用できます。
- 新商品やサービスのリリース情報を、一斉に配信
- 顧客属性にマッチしたセミナー告知
- 顧客の属性ごとに最適化したメールを配信する
顧客にマッチした内容をメールで配信することで、見込み顧客からの商談につながったり休眠顧客の掘り起こしに成功したりする可能性もあるでしょう。
2-5.顧客分析
CRMでは顧客情報を用いて、データ分析する機能もあります。
顧客分析を行うことで、優良顧客を見つけたり最適なアプローチ方法ができたりします。
CRMシステムによって分析できる内容も異なりますが、代表的な分析方法は以下の通りです。
分析方法 | 内容 |
---|---|
RFM分析 | 購入日・利用頻度・金額で顧客をランク付けできる |
CTB分析 | 顧客の好みを分析し、売れ筋を把握する |
LTV分析 | 顧客生涯価値が高い顧客を分析 |
デシル分析 | 顧客を10グループに分け、最適なアプローチ方法を見つける |
さまざまな分析方法がありますが、活用すると以下のシーンで役に立ちます。
- 成約につながるアプローチができる
- 優良顧客を見つけ出し、効率良く成約できる
- 売れ筋を把握し、新商品の開発に役立てる
機会損失をしないためにも、顧客情報管理を活用し分析することは大切です。
分析内容はシステムによっても異なるため、必要な分析が機能として備わっているか確認をしましょう。
3.CRMを導入するメリット5つ
CRMを導入するメリットは、以下の5つです。
- 顧客情報を集約・共有できる
- 顧客の状態を可視化できる
- 業務の効率化につながる
- 幅広い業務に活用できる
- 的確な社内サポートが可能になる
それぞれ解説します。
3-1.あらゆる顧客情報を集約・共有できる
CRMを導入すると、顧客情報をCRMのツール内に集約し、集約した情報を部署内や社内で共有ができるといったメリットがあります。
部署内や社内で情報を共有できることで、営業担当者以外の担当でも対応が可能です。
CRMを導入していない場合、顧客情報は点在していたり営業担当者だけが情報を把握していたりします。
顧客情報が点在していれば、必要な顧客情報をすぐに見つけられません。異なる部署や店舗間で同じ顧客情報を二重で管理するといった状態は、時間的コストがかかります。
また営業部署にしか情報がなければ、他の部署で顧客情報を扱いたい場合に送付してもらう必要があるでしょう。
さらに、担当者のみが情報を把握していると、担当者以外の従業員が顧客に対応する際、以下の様な問題が発生します。
- 顧客との直前の電話のやりとりや商談が把握できないため、顧客に解決している内容を再度聞いてしまう
- 担当者以外が電話対応を行った場合、顧客情報が確認できず関与していないと、次回のアポ日や書類の提出日など簡単な問い合わせでもそのまま回答できず担当者に折り返しをしてもらわなければならない
上記の問題は、CRMを導入すれば解決できます。顧客情報は集約され、共有可能な状態で管理することが可能だからです。
CRMを活用すれば、スマートに情報が集約・管理・共有ができ、属人化を防げるでしょう。
3-2.顧客の状態を可視化できる
顧客の状態を可視化できるという点も、CRMを導入するメリットです。
顧客に対する営業活動や対応状況をCRMに記録していくことで、顧客が今どのような状態にあるかを客観的に把握しやすくなります。
顧客の状態を可視化できると、顧客が何を必要としているかはもちろんのこと、高い関心を持つ商材も把握できます。また購買や成約につながりやすい時期なども把握できるため、的確な営業戦略の立案に役立つでしょう。
3-3.業務の効率化に繋がる
CRMをうまく活用すれば、さまざまな業務の効率化につながります。
CRMで顧客情報を一元管理し社内共有ができると、以下の内容が実現可能です。
- 営業担当者による進捗報告の時間を短縮できる
- 各部署が必要な顧客情報をすぐに参照できる
- 顧客情報を別の部署・店舗で二重管理がなくなり、管理業務の無駄が省ける
- 問い合わせ窓口や営業アシスタントも対応でき、営業担当者の負担が軽減する
上記のようにCRMの活用方法次第で、作業時間を短縮したり不要な業務を削減できたりします。効率的に業務ができるようになることで、余った時間を有効活用が可能です。
たとえば、営業担当者であれば、顧客とのコミュニケーションに時間を割けるでしょう。マーケティング担当者であれば、新たな施策立案に注力することができます。
業務効率の向上は企業の収益に直結する要素のひとつですので、大きなメリットと言えるでしょう。
3-4.幅広い業務に活用できる
CRMは、顧客との接点が多い営業部などで活用される機会が多いですが、さまざまな部署や業務で役に立ちます。
カスタマーサポートの業務では、顧客情報を参照しながら対応を行うことで質の高いサポートを提供できます。マーケティング部であれば、顧客全体の属性や購入履歴を分析することで、見込み顧客への的確なアプローチを行えるでしょう。
また、顧客の取引状況や購買傾向といった情報は「今後どの事業に注力すべきか」「どういった商品やサービスを開発すべきか」といった経営判断にも役立ちます。
CRMを社内全体で活用することで、さまざまな業務に役立ちます。業務改善が課題の企業では、強い味方になるでしょう。
3-5.的確な社内サポートが可能になる
CRMを活用すれば、的確な社内サポートが可能です。
CRM内に蓄積された顧客の状態を把握できるのは、営業担当者だけではありません。上司やマネージャーも、顧客が今どのような状況にあるのか知ることが可能です。
上司やマネージャーは顧客の状態を都度確認できるため、適切な対応や提案のアドバイスをしやすくなります。その結果、経験の浅い営業部員に対しても、正しい方向に育成しやすくなるでしょう。
的確なサポートをしやすい環境をCRMで整えることで、新しい商談の機会を得たり成約につながったりします。
4.CRMの活用事例
本章では、CRMを導入した企業の事例を紹介します。
紹介する企業がどのような課題を抱え、CRMを活用したことにより課題をどのように改善していったのか、参考にしてみてください。
4-1.見込み客へのタイムリーなフォローで成約率向上
始めに、戸建て住宅の建設・販売を手がけるA社の活用事例を紹介します。
CRMを導入するまで、A社ではWebサイトの管理者側と営業所でそれぞれ顧客情報を管理しており、機会損失をしやすい状況が課題でした。
CRMを導入して顧客情報を一元管理することで、成約率を向上させることに成功した事例です。
導入背景 |
|
---|---|
課題 |
|
施策 |
|
効果 |
|
A社では、Webサイト管理者は資料請求などした見込み客の情報を個別で管理し、営業所では商談や成約した顧客を独自に管理していたため、顧客情報がバラバラな状態でした。そのため機会損失をしやすい状況が続き、顧客の状況に合わせたフォローも難しい状態です。
そこでCRMを導入し、顧客の一元管理を可能にしました。顧客の段階に合わせたフォローを良いタイミングでできるようになり、結果成約率は向上したのです。
詳しい内容は、以下出典元からご確認ください。
出典:F-RevoCRM
4-2.若手の受注率向上
2つ目は、ネットビジネス支援事業を手がけるS社での事例です。
CRMを導入することで、見込み顧客へ効果的なアプローチができるようになり、新規顧客単価を2倍にすることができました。
導入背景や課題、効果は下表の通りです。
導入背景 | 営業スタイルを、アウトバウンド型からインバウンド型へ変更をしたい |
---|---|
課題 |
|
施策 |
|
効果 |
|
新規顧客への効果的なアプローチができず、新規顧客が低迷している状態が課題です。営業担当者の負担が大きく、成果に対する精神的な疲労が深刻化していました。
プッシュ型のアウトバウンド営業は、見込み客以外にも営業していくため効率が悪く営業結果は低迷しやすいといった問題点があります。
そこでCRMを活用し、興味をもってくれそうな見込み顧客をブログやダウンロードコンテンツで集客をしました。見込み顧客を増やし、見込み客に合わせたメールマガジンを配信したことにより、新規契約率も2倍に実現しました。
このようにCRMを活用すると、アウトバウンド営業からインバウンド営業に切り替えて効率的な営業をすることが可能です。
詳しい内容は、以下の出典サイトよりご確認ください。
5.CRMを活用して成果を得るためのコツ
CRMを活用して、ビジネス上の成果を得るためにはコツがあります。
- CRMの導入目的を明確に定める
- 現場の声を聞く
- まずはスモールスタートで活用する
- 自社に適したCRMを選定する
順番に解説します。
5-1.CRMの導入目的を明確に定める
CRMの導入を成功させるためには、導入目的をできるだけ具体的に定めましょう。
目的を正確に定めないと、成果を得られない可能性があるからです。
CRMは、営業だけでなく他の業務にも大変役に立つツールです。しかし、導入するだけで成果が得られるわけではありません。
CRMは目的を達成するための一つの手段であることを念頭に起き、CRMの導入目的を明確にし、業務でどのように活用していくのかをしっかり検討する必要があります。
導入目的の検討手順は、下表の通りです。
STEP①課題抽出 | 自社(部署)の課題を洗い出す |
---|---|
STEP②導入目的設定 | CRMの導入・活用によって改善すべき課題を定める |
STEP③プロセス検討 | 課題を解決するための業務方法の検討とCRMの活用方法の検討 |
STEP④評価指標設定 | STEP③で検討した業務内容を評価するための指標を設定 指標はCRM導入後、PDCAを回していくために活用する |
STEP①〜④までの手順を参考に、一例を当てはめてみましょう。
STEP①課題抽出 | 既存顧客からの受注額減少 |
---|---|
STEP②導入目的設定 | 既存顧客からの受注額向上 |
STEP③プロセス検討 | 既存顧客のニーズを引き出す CRMで管理する過去の対応履歴や訪問時のコミュニケーション内容を部署全体で共有し分析する |
STEP④評価指標設定 | 週に10件以上の既存顧客訪問 |
上記のようにより課題や目的を明確にして、より具体的な利用方法や指標を決めることで、最適なCRMの選択ができます。
5-2.現場の声を聞く
CRMを実際に活用する従業員の意見を尊重することも、成果を得るためには重要です。
現場の声を聞かないまま導入してしまうと、実務と相性が悪くて活用してもらえないという事態になりかねません。
CRMは業務の中で使用されて、初めて効果を発揮します。
導入前も運用中も現場とのすり合わせを丁寧に行い、使いやすい仕様や環境を整備することが大切です。
5-3.まずはスモールスタートで活用する
CRMを導入する際には、特定のグループや部署でスモールスタートするのがおすすめです。全社活用などの大規模なスタートを始めると、トラブルや混乱を招く恐れがあるからです。
利用していく上で、スタート直後に大規模なトラブルが発生すると、活用を促進することが難しくなりかねません。その結果、せっかく導入したのにも関わらず成果が出ない可能性もあるでしょう。
まずは小規模単位で導入し、運用が軌道に乗ってきたら少しずつ活用範囲を広げます。ノウハウを継承できるようスモールスタートし、徐々に利用する部署や業務を増やしていくと混乱なく浸透させられるでしょう。
5-4.自社に適したCRMツールを選定する
導入するCRMは、自社に適したCRMツールを選ぶようにしましょう。
機能面で不十分なものを選んでしまうと、他のソフトウェアやツールが必要になったり顧客情報をCRM内に集約しきれなかったりするからです。
自社に適した機能のあるCRMを見つけたとしても、コストがかかってしまえば費用対効果が見合わなくなってしまうでしょう。
そのため、自社の目的に合い、機能やコスト・操作性など網羅できるバランスが良いものを選ぶ必要があります。
6.自社に適したCRMツールの選び方
本章では、自社に適したCRMツールの選び方を紹介します。
自社に適したCRMを選ぶために、チェックすべきポイントは以下の5つです。
- CRMの形態
- CRMの機能
- CRMの操作性
- CRMのコスト
- ベンダー企業のサポート
順番に解説します。
6-1.CRMの形態
CRMには以下3つの形態があり、それぞれの特徴が異なります。
特徴を確認し、自社に適した形態を検討しておきましょう。
独自開発型 | パッケージ型 | クラウド型 | |
---|---|---|---|
特徴 | 自社に合わせて開発できる | 基本的な機能が搭載されたソフトウェアタイプ | クラウド上で利用するタイプ |
メリット | 機能や仕様を自由に構成が可能 | カスタマイズ可能 | 外出時でもアクセス可能 比較的コストを抑えられる |
デメリット | 導入コストが高額 保守費用も発生する |
独自開発型に次いで費用が高額 運用費の負担もある |
カスタマイズしにくい 運用費は利用者の数によって増える |
上表の通り、形態によってコストや自由度の差が発生します。目的を達成するためには、どの形態でなければならないのか絞っておくと、適したCRMツールが見つかりやすくなるでしょう。
6-2.CRMの機能
CRMの機能を確認し、自社の業務とマッチしたものを選ぶようにしましょう。
CRMのツールによっては、基本的な機能のみ備えたシンプルな製品もあれば、幅広い機能を備えた製品もあるからです。
CRMの種類によっては、以下のような機能が搭載されているものもあります。
- 他のツールと連携できる機能
- 入力情報と連動するスケジューラー
- ツール内からの電話発信
- 名刺読み取り
-
日報管理
上記のような特徴のある機能のうち、自社の業務に必要なものを慎重に検討し不足のないCRMを選ぶことが大切です。
6-3.CRMの操作性
日々使用するツールのため、操作性も可能な限りチェックしましょう。
使い勝手が悪いと、実際に使用する社員に浸透しにくいだけでなく、効果を十分に発揮できないためです。
ツールによっては、導入前に試用できる場合もあります。試せるのであれば、導入する部署の従業員に実際に使ってみてもらうのがおすすめです。
活用する従業員がトライアルすることで、現場で活用しやすいCRMを選定できるでしょう。
6-4.CRMのコスト
CRMにかかる導入コストや維持コストも、検討する際のポイントです。
CRMの形態の章で解説した通り、形態によってかかるコストが異なります。良い機能が備わっていても予算を超えてしまっては、費用対効果は見込めません。
形態によって異なる相場は、下表の通りです。
イニシャルコスト | ランニングコスト | |
---|---|---|
独自開発型 | 200~500万 | 機能などによる |
パッケージ型 |
50~200万前後 1ライセンス:5~10万以上 パッケージ料金:5~10万以上 サーバー設置料:5万以上 |
サーバー管理やメンテナンス費も発生 保守料金:5~30万円 |
クラウド型 | 無料~10万程度 |
1ユーザー:無料~3,000円前後 オプションで別途費用が発生する場合あり |
CRMは、導入時に発生するイニシャルコストと、運用していくにあたって発生するランニングコストがあります。
上表の通り、独自開発型・パッケージ型(ソフトウェアをインストールして利用するタイプ)・クラウド型という3つの形態によって、必要コストも大きく変わってきます。
独自開発型や仕様をカスタマイズしやすいパッケージ型では、導入だけで多額の費用がかかります。運用コストについても、クラウド型より高額になる場合があるため注意しましょう。
一方、インターネットなどの接続ネットワークを経由して利用するクラウド型のCRMは、導入コストがリーズナブルです。
6-5.ベンダー企業のサポート
導入候補のCRMが決まってきたら、CRMツールを提供するベンダー企業のサポート体制を確認しましょう。トラブルが発生したときに、手厚いサポートがあれば安心して活用できるからです。
CRMに限ってのことではありませんが、新システムを導入するとトラブルの発生や疑問点が少なからず出てきます。
ベンダー企業によっては、個別のサポートをしてくれなかったり、日本語対応をしていなかったりします。その場合は、自己解決しなければならない可能性もあるでしょう。
各ベンダー企業がどのようなサポート体制を取っているか、Webサイトや案内資料で確認しておくと安心です。また、実際のやり取りでの対応もしっかり見ておくようにしましょう。
CRMについてまとめ
CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客情報を集約・活用し、顧客との良好な関係性を構築・維持するために利用するシステムやツールのことです。
CRMを活用することで、顧客の状態を社内全体で把握できるようになり他部署間でも情報の共有ができます。また分析機能なども備わっているため、営業活動だけでなくマーケティングにも活かせます。
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