NTT東日本の自治体クラウドソリューション

生成AIとNTT-ME総務人事部が支えた、社員1万人のキャリアオーナーシップ改革

1万人超の社員の「趣味・特技・資格」まで含むキャリア志向調査のアンケート結果と、毎月更新される社内ダブルワークの募集情報。この2つを突き合わせ、誰に“刺さる”レコメンドを送るか。以前は担当者の勘とExcelのフィルターで、部署ひとつに2〜3時間。言い回しの揺れや未知の資格名が壁になり、網羅も精度も限界が見えていた。そこでNTT-ME総務人事部の3名は、社内のDX支援部門であるDXCC(DX COORDINATE CENTER)の伴走を得てミンクスプラス生成AI(AIチャットボット)を投入。単語抽出を定型プロンプト化し、作業は約30分へ短縮、AI活用後3カ月で新規キャリア実現者は“体感1.5倍”に。次の一手は1万人分の情報を丸ごと扱えるドキュメント検索へと向かう。

AIチャットボットの導入を検討中の方から、生成AIを導入したものの活用にお困りの方まで、NTT東日本が導入前・導入後を通じて幅広くサポートします。まずはお気軽にご相談ください。

【情シス担当者・経営者向け】NTT東日本がおすすめするクラウド導入を成功させるためのお役立ちマニュアル 資料ダウンロードフォームはこちら

1. 総務人事部が取り組む「キャリアオーナーシップ」の最前線

まずは皆さんの所属部署と役割について教えてください。

NTT-ME総務人事部 人事労働部門 人事担当
担当課長 高木 佑斗

高木:我々はNTT-MEの総務人事部に所属していまして、主に1万人を超える社員の育成業務をやらせていただいています。育成業務だけではなく、NTT-MEの経営企画部やNTT東日本の各部署と連携しながら、社員が自律的にキャリアを形成できる仕組みづくりにも取り組んでいます。いわゆるキャリアオーナーシップと呼ばれるものの促進です。

キャリアオーナーシップの促進に向けた取り組みについて教えてください。

高木:今先が読めない時代で、会社が一律的なスキル付与やキャリア形成をするのは難しくなっています。だからこそ社員が自分のスキルを持って、それを発揮できる場所を探し、自分のやりたいこと、ここで言うとキャリアになりますけど、それを自分でつかむ必要があると考えて、キャリアオーナーシップの促進に注力しています。

キャリアオーナーシップの促進を考える際に、そもそも社員が何をやりたいのか、そして趣味や志向について会社が把握する必要があると考えました。なのでキャリア志向調査という形で、希望の部署を聞くのはもちろんなのですが、趣味や特技もキャリア形成に重要と考え、そういったものも聞く全社員アンケートを実施しています。

キャリア志向調査の結果はどのように活用しているのですか。

高木:例えば、社内ダブルワークという他部署を兼務する仕組みの募集に活用しています。具体的には、キャリア志向調査のアンケート結果と、社内ダブルワークの募集情報をマッチングさせて、興味がありそうな社員や活躍できそうな社員に、今こういった募集がかかってますよという形でチャットやメールで送っています。我々はこれをレコメンドと呼んでいます。

レコメンドは今までに約1万件送らせていただいており、今ですと30人を超える新規キャリアの実現につながっています。毎月できているものはダブルワークですが、定期の公募や随時の公募もあるので、そちらについても対応しています。

10ヶ月ほどかけて、毎月1,000件から2,000件ほど送ってきました。ただ、最初は目でマッチングさせていたのですが、限界も感じており、生成AIを使う運びになりました。

AIチャットボットの導入を検討中の方から、生成AIを導入したものの活用にお困りの方まで、NTT東日本が導入前・導入後を通じて幅広くサポートします。まずはお気軽にご相談ください。

2. 「同じ意味なのに、言葉が違う」問題。生成AI導入前に詰まっていたマッチング作業

生成AI導入前、マッチング作業で一番大変だったのはどこでしょうか。

NTT-ME総務人事部 人事労働部門 人事担当
チーフ 稲葉 静香

稲葉:キャリア志向調査の結果と、社内ダブルワークで募集されている職種・部署をマッチングさせて、誰にレコメンドを実施するかを抽出するところに非常に苦労していました。キャリア志向調査は選択式の質問もある一方で、趣味・特技など自由記述の質問もあったので、読み解くことが特に大変でした。

例えば、アグリ分野おいて、趣味・特技に農業に関する内容を書いている人にレコメンドしようと考えたときに、人によって書き方が違うんです。趣味・特技の欄に家庭菜園と書いてある人もいれば、野菜を育てることと書いてある人もいて、そういう似た意味の単語を手作業で探していました。日本語の表現がいろいろあるので、拾い方が難しくて、そこで時間がかかっていました。

趣味・特技のところを探すのに加えて、自信がある業務はどんなものですか、という項目もフリーフォーマットで書いていただいていたので、両方を探すとなると手間が増えていました。自分の中でこういう単語もあるかなと考えながら、Excelのフィルターをかけるようなイメージです。まず応募側の部署の業務を読み込んで、それに合いそうな単語を自分の中で考えて、Excelでフィルターをかけて抽出していく流れで、1つの部署でレコメンド対象者を抽出するのに2〜3時間ぐらいはかかっていたと思います。

3. 3人チームが動いた、生成AI導入の舞台裏。DXCCと伴走しながら定着へ

取り組み当初に想定していたゴールについて教えてください。

NTT-ME総務人事部 人事労働部門 人事担当
チーフ 前田 尚暉

前田: 稲葉さんの作業を効率化することに加え、これまでの業務フローを見直す中で、レコメンドの対象範囲をもっと広げたいと思ったんです。人の手だけでは取りこぼしていた人たちにも、しっかりレコメンドが行えるようにしたいと考えました。

定期公募のタイミングもあり、3ヶ月ほどでAI化を実現する必要がありました。その限られた期間で、AIを使って効率化できるかという観点と、レコメンド対象を広げられるかという観点でゴールを整理しました。

AIにもテキスト生成や画像処理などいろいろありますが、何を使うのが一番効率的かは社内のDX支援部門であるDXCCと協議しました。結果として、自社サービスのミンクスプラス生成AIをうまく使えば、我々が期待しているところを満たせると判断して、導入を決めました。

検証・導入は、どのような体制で進めたのでしょうか。

前田:導入に携わったのは人事担当の我々3名です。施策案件の方針決定などを見るリーダーとして高木さん、運用メンバーとして稲葉さん、以前システム関連の部署にいた私がシステム担当として合計3名で進めました。

ただ、我々だけだと生成AIの知識がそこまで深くないところもあったので、DXCCに協力を依頼しました。プロンプトについても、最初はこちらが何を作ればいいか全然わからなかったのですが、過去事例を参照しながら、こういう書き方でまず作るとうまくいくという助言を基に作成していきました。

生成AIの導入で一番大変だったところについて教えてください。

前田:立ち上げで苦労したのは、プロンプトの定型化です。今後、運用メンバーの稲葉さん以外も使っていくことを考えると、毎回バラバラな指示を出してしまうと、出力結果も毎回異なってしまいます。利用する人が変わっても、依頼する業務分野が変わっても、同じような結果が得られる形にしたいと思いました。

DXCCからもらったプロンプトをベースに、目的の答えが出るまで複数回確認して調整を重ね、定型プロンプトにしていきました。短期間で試行錯誤を繰り返していたこともあり、回数は正確には覚えていませんが、10回以上は試して、目的の結果が得られているか確認してきました。プロンプトの書き換え方は、当初はDXCCに支援依頼しましたが、以降の細かい調整は私の方で実施しました。

AIチャットボットの導入を検討中の方から、生成AIを導入したものの活用にお困りの方まで、NTT東日本が導入前・導入後を通じて幅広くサポートします。まずはお気軽にご相談ください。

4. 定型プロンプトで出力を揃え、誰が回しても再現できるワークフロー設計

レコメンド抽出における、運用の流れを教えてください。

前田:流れとしては、まずダブルワークの募集組織からそもそも何の業務をやっているのか、求めている人物像はどういう人なのかといった情報をいただきます。その情報を生成AIに提示して、業務分野に関連した単語を列挙できるようにプロンプトで調整しました。

生成AIが出してきた単語と、キャリア志向調査のアンケート回答をマッチングさせて、合致したら加点していきます。一定の閾値を超えた人をレコメンド対象として、そこから送付していく、という組み立てです。なお、検索や抽出の一部は、現時点ではExcelの関数を使って処理しているところもあります。

関連単語の抽出はどのように設計したのでしょうか。プロンプトの作り込みと改善の回し方について教えてください。

前田:単純に関連する単語を上げてくださいという投げ方だけだと、業務分野を検索すれば出てくるような内容に寄ってしまうことがありました。そこで、こういう資格を保有してこうしていれば、こういうスキルが手に入っているだろう、という想定まで含めて出力してほしい、という命令文を加えるようにしました。そうすると、我々が想定していなかった資格やスキル、趣味といったところまで拾えるようになって、候補の幅が広がりました。

プロンプトは一度作って終わりではなく、目的の答えが出なければ依頼する単語を変えるなどして、複数回確認しながら調整を重ねています。

5. 2〜3時間が30分へ。レコメンド抽出はどこまで変化したのか

生成AIの導入効果について教えてください。

稲葉:一番大きいのは、レコメンド対象者を抽出するまでの時間です。導入前は、募集している部署の業務を読んで、そこから関連しそうな単語を自分で考えて、Excelでフィルターをかけて抽出するという流れで、1部署あたり2〜3時間くらいかかっていました。

生成AIを使うようになってからは、業務分野の情報を生成AIに渡して、関連単語を出してもらって、それをもとにスコアリングしていく形になりました。抽出にかかる時間は、1部署あたり30分程度まで短くなっています。ただ、全部が自動というわけではなくて、検索や加点の一部はExcelの関数でやっていますし、最後にレコメンドとして送るところは人が確認して進めています。

ダブルワークによる新規キャリアは増加しましたか。

稲葉:レコメンド自体は10か月ほど送ってきて、これまで30人を超える新規キャリアの実現につながりました。生成AIを導入してからの部分でいうと、AIを活用したレコメンドを始めて3か月で、新規キャリアを実現できた人が7名いました。そのうち3名は、AIによるレコメンドを送ったことがきっかけで応募していただき、実現につながった人たちです。体感としては、新規キャリア実現が1.5倍程度に増えたと感じています。これは、生成AIを使うようになって、レコメンドを送るべき対象者の範囲が広がった成果だと思います。

AIチャットボットの導入を検討中の方から、生成AIを導入したものの活用にお困りの方まで、NTT東日本が導入前・導入後を通じて幅広くサポートします。まずはお気軽にご相談ください。

6. 次のゴールは生成AI×ドキュメント検索で、レコメンドを自動化する未来

今後の展望について教えてください。

前田:将来的には、社員1万人のデータを一括で読ませて、それに対してどういった社員がどういう傾向があるかを見た上で、AIを使って対象者を抽出して、レコメンドまで一括でできるようにしていきたいです。今は点数付けや訂正作業は人の手でやっているところもあるので、そういったところも含めて、最終的にはAIにすべて任せられるようなものにしていきたいなと思っています。

生成AI導入を迷う人へのメッセージをお願いします。

前田:最初からキャリアオーナーシップの施策全部をAIでやっていこう、という単純な考えにはせずに、まずは単語抽出というピンポイントに対してAIを使っていけないか、というフェーズごとに分けてスモールスタートで考えました。また、プロンプトの書き方や使っていく中での課題について、身近に相談できる相手がいるのはすごく心強かったです。DXCCに伴走してもらいながら進められたのは大きかったと思います。

高木:新しいものをやる時のハードルは、コスト面と知識面の2つがあると思っています。今回は社内のサービスだったのでコストはそこまで気にしなくてよかったですし、導入面についてもDXCCによる伴走支援があり、そのあたりはこの取り組みを進める上で助けになりました。

これは生成AIに限った話ではないですが、最初からこのツールを使おうからスタートすると必ず失敗すると思っています。手段が目的化するからです。なので、まずは何が課題なのかを見定めて、その解決策の1つとして生成AIを選ぶ、という順番が大事だと思います。

総務人事部の中でもAIに詳しい者がいたり、会社としてAIを促進しているのもあって、そういうところからヒントを得て進めていきました。そういうプロセスを踏んだ結果、我々の施策にはなくてはならないものになってきたので、皆さんの業務にも活用できるものだと思っています。

7. NTT東日本が届ける実装力、ミンクスプラス生成AIと伴走支援で、生成AI活用をやり切る

生成AIを試すだけで終わらせない。現場の業務に落とし込み、運用として回り続ける形に仕上げる。そのために必要なのは、ツールそのものと、使い方を設計する実装力です。NTT東日本のAIチャットボット「ミンクスプラス生成AI」は、煩雑だった人間の作業を効率化するだけでなく、プロンプト設計やユースケースの創出まで、NTT東日本のDX人材が伴走しながら支援します。単なる導入にとどまらず、現場で使い続けられる生成AI活用を実現します。

AIチャットボットの導入を検討中の方から、生成AIを導入したものの活用にお困りの方まで、NTT東日本が導入前・導入後を通じて幅広くサポートします。まずはお気軽にご相談ください。

ページ上部へ戻る

相談無料!プロが中立的にアドバイスいたします

クラウド・AWS・Azureでお困りの方はお気軽にご相談ください。