
AWSとは?自社でクラウドを本格導入する時に困らない為の初心者向け早わかりガイド
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皆さま、こんにちは。しなもんです。 AWSについて、こんな疑問やお悩みをお持ちではないでしょうか。 |
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「AWSにつ いて基礎から学びたいけど、公式サイトで理解を深めるのは難しい」
「AWSを使用し、オンプレからクラウドに切り替えたいけど何から手を付ければいいのかわからない」
「AWSはサービスがいっぱいあるけど、どのサービスを選べばいいの?」
AWSの自社導入を検討している方は年々増えておりますが、「どのサービスを組み合わせるべきかわからない」や「料金体系が分からないので、オンプレより費用が高くなりそう」というお声を聴くことがあります。
AWSとは、世界で最も利用されているパブリッククラウドサービスであり、サービス数も豊富で機能アップデートもよく行われております。
最近では、仮想サーバーのインスタンスタイプが複数追加され、今までより更にオンプレからクラウドに移行しやすくなりました。
また、サービスによって料金が発生するポイントが異なり、「思ったより月額費用が発生してしまった」となることも少なくありません。
例えば、データ保管のサービスとして広く知られているEBSでは、仮想サーバーであるEC2に紐づけられていなくても費用が発生します。EC2は削除したのにEBSの削除を忘れてしまい、利用料が高くなってしまう場合があるため、EC2を削除するとEBSも自動で削除される機能を搭載することを推奨します。
この記事を参考に、知っているようで知らなかったAWSについて学んでいきましょう。
【この記事を読むとわかること】
記事の後半では、AWSを導入したお客さまの事例も幾つかご紹介しますので、クラウド移行の検討にぜひお役立てください。
この記事を読んで、AWSをマスターしていきましょう。
目次:
AWSは、ネット通販で有名なAmazonが提供するクラウドサービスで、2022年5月現在、世界で最も多く利用されているクラウドサービスとなります。
(出典:世界のクラウド市場、AWS・Azureでシェア50%超、2位Azureが1位AWSを猛追 ~Synergy Research Groupが2021年市場規模・プロバイダー別シェアを発表)
もとは、Amazon自身のインフラを整備するために作られた自社サービスで、それを他社向けにクラウド展開しました。
現在では、200を超えるサービスが提供されており、システム運用やアプリ開発等に必要な機能を揃えることが可能です。
Microsoft Azure、Google Cloudのクラウドサービスと比較すると最も長い歴史を持ち、常に新しいサービスをいち早く提供し、業界トップのシェアを誇っているクラウドサービスです。
AWSでは、200を超えるサービスを組み合わせることで、様々なことが実現できます。ここでは、代表的なものを9つご紹介します。
AWSを活用することで実現できる主な9つのことが以下です。
①サーバー構築
ファイルサーバーやADサーバーなどオンプレで利用していたサーバーをクラウド上に構築することが可能です。
②Webサイト構築
静的なwebサイトの構築が可能です。
静的なwebサイトとは、誰がいつアクセスしても表示されるページが変わらないサイトで、会社ホームページや製品ページなどが該当します。
③データ保管
外付けのディスクのような形でクラウド上にデータの保管が可能です。サーバー(EC2)を停止させた場合もクラウド上にデータを消滅させることなく保管できるため、サーバー(EC2)の利用料を発生させずにデータを保管することができます。
④データベース
クラウド上でデータベース機能を利用することが可能です。データベースサービスでは、マネージドサービスも提供されておりアップデートやバックアップといった保守業務の一部をAWS側で負担してくれるサービスも提供されています。
⑤コールセンター機能
クラウド上でコールセンター機能を実装することが可能です。パソコン1台とインターネット接続環境があれば、お客さまと会話ができるためコールセンターを素早く立ち上げることができます。
⑥VDIの構築
仮想デスクトップサービスを利用することが可能です。リモート環境からアクセスする場合はインターネット回線が利用されますが、作業環境そのものはクラウド上にあるため外部からのアクセスを制限することができますので、情報漏洩への対策としても有効なサービスです。
⑦BIツール
クラウド上でデータ分析を行うことが可能です。AWS上に格納されたサービスだけではなく、csvファイルやExcelファイルのデータ分析もできるため、幅広く活用できます。
⑧機械学習サービス
機械学習を実施するうえで必要なモデル開発、学習、推論を実施するAWSサービスとなっており、機械学習モデルを高速に開発~展開まで実施できます。これを活用することで、ユーザーに合わせた広告の配信やニュースの配信などを提供できるようになります。
⑨IoTサービス
モノからのセンサーを感知し、受け取った情報を元にAWSサービスと連携することが可能です。情報を活用することで別のモノを動かすことや収集したデータを分析することも可能となります。
AWSを利用する上で欠かせないサーバー構築~機械学習、IoTに関わるサービスなど多くのサービスを提供していることがお分かりいただけたと思います。
AWSをご利用いただくことで、
上記のような体験が可能です。
例えばAWSを活用し、①と③を組み合わせて利用することでファイルサーバーやADサーバーをクラウド上に構築することが可能です。
また、⑤と⑦を組み合わせて利用することでコール量や音声の分析を実施する機能を併せ持つコールセンターを実装出来ます。
今回紹介したサービスは一部となっておりますので、御社でやりたいことがAWSで実現できるのか個別相談会でご相談いただければと思います。
AWSには、象徴的な特徴が10個あります。
一部、その他パブリッククラウドサービスでも当てはまる特徴も含まれていますが、ご紹介します。
AWSサービスをはじめとするクラウドサービスでは、利用した分だけ費用が発生する従量課金制を取っています。オンプレとは異なり利用時間のみ費用が発生するため費用を抑えることが可能です。
AWSでは、サービスがリリースされた2006年以降、80回以上の値下げを行っています。2021年12月には、インターネット上のデータ転送料が値下げされました。すべてのAWSリージョンからのデータ転送について、最初の100ギガバイト/月は無料で利用できるように変更されました。
(参考サイト:https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2021/11/aws-price-reduction-data-transfers-internet/)
オンプレと異なり利用料が値引きされ割引に反映されるのは、クラウドならではの特徴です。定額ではなく利用している間に割引されていくのは嬉しいですね。
AWSサービスを少し触ってみたい、学習してみたいという方は無料利用期間を活用してみましょう。アカウントを作成することで誰でも利用が可能です。
例)Amazon GuardDuty:30日間無料
Amazon Redshift:2か月無料
例)Amazon EC2:750時間/月無料
Amazon Connect:90分/月無料
例)Amazon DynamoDB:25GBのストレージ
Amazon Lambda:100万/月の無料リクエスト
サービスによって無料利用枠が異なりますので、サービス利用前にご確認いただくことを推奨いたします。
AWSでは、必要な時に数クリック、数分間で、必要な分だけリソースの確保ができサーバー等を立ち上げることが可能です。クラウドの大きな特徴でもあります。
利用開始したいときにすぐに始められるため、ビジネスを加速することにも繋がります。
AWSでは、利用内容に合わせて自動でサイズを拡張します。例えば、閑散期と繁忙期でサイトに訪れるユーザ数が大きく異なるwebサーバーがあったとき、閑散期にはサーバーサイジングを小さくし、繁忙期にはサーバーサイジングを大きくすることでサーバー落ちすることが無いよう調整してくれます。
それに伴い費用の削減も可能となるため、オンプレ利用時と異なり利用月に合わせて料金を抑えることも可能となります。
AWSでは、世界中約50の地域からサーバー設置する場所を選択することができます。日本にいながらサービス展開をすることができるため、非常に便利です。グローバルにシステムを展開することを想定している場合、大きなメリットとなります。
AWSでは、情報システム担当者の運用保守範囲を軽減するためにマネージドサービスと呼ばれるサービスが提供されています。
マネージドサービスでは、サーバーを管理するために必要な回線やハードウェア、OS初期設定、ミドルウェア監視などの作業をAWSで管理します。そのため、サーバー管理のためのある程度の作業をAWSに任せることができ、サーバー運営の負担を軽減することが可能です。
これにより、情報システム担当者は本来業務である新システムの開発や改善計画に時間をかけることができるため導入することはメリットに繋がります。
AWSでは、毎年多くの機能拡張が行われ、実装する上での困りごとや「あったらいいな」を形にするために2020年には2757回の機能拡張が行われました。
例えば、2022年の2月にはAmazon Connectに運用を監視する機能が一部追加され、オペレータの稼働をより分析しやすくなりました。
これにより、在宅勤務で稼働が見えづらくなっていたオペレータの稼働をより把握しやすくなり、コミュニケーションが取りやすくなります。
このように、日々機能が拡張されることで業務を遂行しやすくなるメリットに繋がります。
AWSでは、クラウドのセキュリティに対して非常に高い水準を保っており、その高い水準は第三者にも認証/認定されております。
このような第三者認定を自社で取得・維持することは容易ではありません。
AWSをご利用いただくことで、高いセキュリティレベルを維持しながら日々サーバー利用を行うことが可能となります。
第三者からの認証/認定を維持するため、AWSでは4つの取組を継続的に行っております。
このような取組を行っているため、安心してAWSをご利用いただけます。
AWSでは、初めての方でも安心してAWSの設計や構築ができるようサポートプランが充実しています。24時間365日、電話やメール・お問い合わせフォームを利用した日本語での問い合わせが可能です。
新規利用を始めたい方にも手厚いサポートがあるので、安心してご利用いただけそうです。
続いては、AWSの主要サービスを幾つかご紹介します。
AWSでwebサイトやファイルサーバー等のサーバーを構築する場合は、Amazon EC2を利用します。EC2では、必要なリソースを必要な分だけ調達して使用することができるサービスとなっており、仮想サーバーとして運用することが可能です。
また、ユーザの必要に応じてスペックを自由に選択することができます。
■想定利用シーン
EC2についてより詳細に確認したい方は、こちらのコラムをご確認ください。
AWSでデータの保管やバックアップを行う場合は、Amazon S3の利用がおすすめです。S3で1TBのデータを保管した場合の費用は、約3000円/月になりリーズナブルにデータを保管することが可能です。(※データDLやアップロード費用は含めません)
また、S3はプランが豊富となっておりアーカイブとしてデータを保管する場合は、さらに費用を抑えることも可能です。
■想定利用シーン
S3についてより詳細に確認したい方は、こちらのコラムをご確認ください。
「AWSで新しくデータベースを利用したい」「既に利用中のデータベースをAWSでも活用したい」という場合は、AWSのマネージドサービスであるAmazon RDSの利用がおすすめです。
RDSでは、My SQLやOracle DBといった多くのシステムで利用されている6つのDBエンジンをサポートしています。そのためソフトウェアがインストールされた状態から利用でき、簡単なセットアップのみですぐにご利用いただけます。
またアップデートやバックアップといった保守業務を一部AWS側で負担してくれるため、業務の効率化も期待できます。
■想定利用シーン
RDSについてより詳細に確認したい方は、こちらのコラムをご確認ください。
AWSが運用管理するDNS(ドメインネームサービス)を利用する場合は、Amazon Route53を利用しましょう。
お客さまの会社やサービスのドメイン(〇〇.co.jpなど)を登録し、Webサイトやメールサービスと関連付けることができます。ユーザはこの関連付けを参照することでドメインを利用してサービスに到達することができます。
Route53の特徴は4つあります。
①SLA100%の高可用性
世界中のロケーションにまたがって運用管理されている「マネージドサービス」であり、
AWSはRoute53の可用性を100%と謳っています。運用に自信があるからこそ提示できる指標です。
仮に、DNSとして稼働できない時間があった場合は返金を受けることができます。
(参考:AWSによるRoute53のSLAドキュメント 日本語)
②新規でドメイン取得もできるし、既存ドメインの持ち込み登録もできる
AWSのマネジメントコンソールから、新たにドメインを取得することもできますし、取得済みのドメインを登録して利用することもできます。
サブドメインの登録も簡単です。
③AWS以外で稼働するサービスのDNSとしても使える
例えば、オンプレミスやその他のクラウドサービス上で稼働中のサービスがある場合、
DNS機能だけRoute53を利用し、AWS以外のサービスの情報を登録することもできます。
④監視や基盤障害時の切り替え設定も簡単にできる
Route53にはヘルスチェック機能があり、登録したサービスの状態を監視し、
異常発生時はDNSリクエストに応答する内容を正常系から待機系に自動で切り替えるといった運用もできます。
■想定利用シーン
Route53についてより詳細に確認したい方は、こちらのコラムをご確認ください。
AWSでWebサービスに発生する負荷を分散するロードバランシングサービスを利用したい場合は、Elastic Load Balancingを利用しましょう。ELBとはAWSで利用できる4種類のロードバランサー(ALB, NLB, CLB, GLB)の総称です。
アクセスの急増が発生すると、レスポンスが低下したり、エラーを引き起こしたりする原因となります。ELBでは、そんなWebサービスにかかる負荷を分散し、安定性や高可用性を向上させることが可能となります。
■想定利用シーン
ELBについてより詳細に確認したい方は、こちらのコラムをご確認ください。
AWSで仮想デスクトップサービスを利用したい場合は、Amazon Workspacesを利用しましょう。Workspacesは、従量課金または定額制で利用できるVDIサービスになります。リモート操作にはインターネット回線が利用されますが、作業環境そのものはネット接続を無効化することができますので、情報漏洩への対策としても有効です。
■想定利用シーン
Workspacesについてより詳細に確認したい方は、こちらのコラムをご確認ください。
AWSでお客さま拠点側内部ネットワークからインターネットを介さずにAWSの各サービスに接続したい場合は、AWS Direct Connectを利用しましょう。
インターネットを介さないため、「高セキュリティ」・「安定した通信速度」を保つごとにより安心、安全、快適にAWSをご利用いただくことが可能です。
■想定利用シーン
Direct Connectについてより詳細に確認したい方は、こちらのコラムをご確認ください。
またNTT東日本では、AWS Direct Connectと組み合わせて利用する閉域網サービスを提供しております。ご興味がある方は、サービス概要をご覧ください。
ここからはデメリットにも触れたいと思います。
デメリットも踏まえてAWS導入をどうすべきか検討していきましょう。
デメリットとしては、2つ挙げられると考えられます。
AWSでは、月々の利用料がドルベースで算出され、月末利用料集計時にAWSが定めるレートによって円に自動計算され費用請求となります。利用時間が同じ場合もレートが変動するため月々の利用料が変動する恐れがあります。
予算を元にAWSのサービスを組み合わせてシステムを構成する場合は、予めある程度バッファーを設けておくことを推奨します。
AWSでは、アカウント作成時にクレジットカードの登録が必要です。
個人学習でAWSを利用する場合は、大きな問題とはなりませんが、会社で利用する場合は課題になるとよくお伺いします。
会社にAWSを導入し利用を検討している場合は、コーポレートカードやビジネスカードを作成し利用をご検討いただければと思います。
また、弊社のサービスをご利用いただきますと御社のコーポレートカードやビジネスカードをご契約いただく必要なく利用料のお支払いが可能となります。
詳細はこちらのサイトをご確認ください。
AWSを自社で導入しようとした場合、気を付けるポイントが2つあることがご理解いただけたと思います。
デメリットにならないよう注意しながら導入検討を進めましょう。
AWSについて、様々な角度から情報をお届けしてきました。
ここでは、少し視点を変えその他のパブリッククラウドサービス(Microsoft Azure/Google Cloud)と比較し、どのサービスを選定すべきなのかをご紹介します。
「自社に一番合うパブリッククラウドサービスは何になるのか」ぜひ見極める際に参考にしてください。
パブリッククラウドサービスを選定する時には2つのポイントがあります。
①利用用途
②サポートの充実性
①利用用途、構築内容
AWS/Azure/Google Cloudでは、それぞれ特徴があり、得意分野があります。
6-3,6-4でそれぞれ詳細にお伝えしますが、一言でまとめると以下のようになります。
最新技術を多くリリースしており、他のクラウドサービスで提供していないサービスも提供されている場合がある
Windowsをベースに構築されたサービスのため、Microsoft製品との親和性が高い
AI(機械学習)系サービスやデータ分析系の基盤などに強みがある
今回は、特徴の一部分をご紹介しております。
それぞれの特徴や得意分野を正確に理解した上で、自社に導入するサービスを選定することが大切です。
②サポートの充実性
パブリッククラウドは構築して、終了ではありません。
運用中もサーバーのスペック変更、データ容量の変更、運用中のトラブル対応に追われます。
対応範囲が自社で解決できる範囲を超えた場合、サポートが充実していることで業務中でも安心して運用を続けることができるのではないでしょうか。
クラウドを初めて導入する時は、特に重要なポイントとなると思いますので、サポートの充実性も見極めながら、自社に導入するサービスを選定しましょう。
6-1を踏まえて、AWS・Azure・Google Cloudの差分を見ていきます。
サポート体制に大きな違いはありません。
しかし、Microsoft AzureやGoogle Cloudではインターネットを利用してサービス知識の理解や構築を進めるためのドキュメント掲載数が少ないというデメリットがあります。
そのため、自社で導入を行う場合、それぞれのパブリッククラウドサービスに対する理解が深くなければ導入が困難になります。
以上の理由から自社で初めてクラウドの導入を検討する場合には、AWSの利用を推奨しております。
ここでは、Microsoft Azureの特徴を詳細にご説明していきます。
Azureは、Windowsを手掛けるMicrosoftが提供するクラウドサービスです。
Windowsをベースに構築されたサービスがAzureとなっており、Microsoft製品との親和性が高くWindows を利用している企業にとって非常に使いやすいサービスといえます。
また、Azureは政府機関からも利用されるほど堅牢なセキュリティを保持しており、高機能・高性能なため、特に中~大企業で利用されているクラウドサービスです。
■特徴まとめ
■利用推奨者
続いて、Google Cloudの特徴の紹介です。
Google Cloudは、Googleが提供するクラウドサービスです。
検索の処理、広告の最適などGoogleが自社サービスを運営する中で蓄えた知識・技術を活かして数多くの独自サービスを提供しています。中でもAI(機械学習)系サービスやデータ分析系の基盤などに強みがあります。
クラウドサービスとしては後発ですが、GmailやGoogle mapなど世界中で膨大な利用量があるサービスを支える基盤として利用されているため、確かなサービスの運用実績があるといえます。
■特徴まとめ
■利用推奨者
ここまでの3社の特徴を踏まえ、どのパブリッククラウドサービスが自社に向いているのか検討していきましょう。
それぞれのパブリッククラウドについての特徴を一部分のみ掲載しているため、当てはまらなかった場合もあるかと思います。より正確に自社に合うサービスを選定したい場合は、無料個別相談会をご活用ください。
3章でもAWSのセキュリティについてご説明し、安心してご利用いただけることがご理解いただけたと思います。
しかし、AWSがセキュリティ対策を行う範囲は予め定められており、クラウド利用時の全ての範囲でセキュリティ対策を行っているわけではありません。
そのため、お客さまご自身で対策ができる範囲は、セキュリティを高めてご利用いただく必要があります。
具体的には2つの対策が必要です。
拠点からクラウドに接続する時は、閉域ネットワーク(=インターネットと論理的に分離されたネットワーク)を利用しましょう。
なぜなら、閉域ネットワークでは限られた利用者や拠点など「閉じられた領域」のネットワークであるため、限られた利用者や拠点からしか接続出来ず、より高いセキュリティで接続することが可能となるからです。
そもそもクラウドへの接続方法は4種類あり、閉域ネットワーク以外の方法も存在します。
この中で閉域ネットワークを利用するのは、IP-VPN接続・専用線接続です。
その他では、インターネットを活用し、不特定多数に「開かれた」ネットワークを利用するため、不特定多数からのアクセスが可能となってしまい、セキュリティが高くありません。
以上からAWSのセキュリティを高めるために、閉域網のネットワークを利用することを推奨します。
※閉域ネットワークに関する詳細な内容はこちらのコラムをご確認ください
AWSを利用する場合、オンプレミス利用時とはセキュリティ対策範囲が異なることを理解しましょう。
なぜなら、AWSがセキュリティ対策を行う範囲は予め定められており、お客さま自身でセキュリティ対策を行う範囲があるためです。
サービスにより範囲は変動するため、一般的によく利用されるEC2を元にご紹介します。
オンプレミスを利用する場合とEC2を利用する場合では、セキュリティ対策範囲は以下のように変化します。
つまり、電源周りやネットワーク部分・OSの導入に関してはAWSでセキュリティ対策を行いますが、それ以外は行っておりません。
そのため、クラウド利用時にはOSレイヤーより上のレイヤーのセキュリティ対策をお客さま自身で実装することで、セキュリティ性を高めることで安心してAWSを利用することが可能となります。
上記2つのポイントを守り、AWSの設計・構築を行うことでセキュリティレベルを高め、AWSを利用することが可能です。
AWSの料金体系は、ずばり従量課金制(=使用した分だけ費用が発生する)がほとんどです。オンプレミス利用時と比較し費用を削減できるメリットばかりでは?と思うかもしれませんが、デメリットもありますので注意が必要です。
メリットとしては、利用料を削減できる場合があるということです。
従量課金制の為、サーバー利用が少なかった月には費用を抑えることができ、オンプレ利用時と比較すると結果的に費用を抑えることに繋がることがあります。
ECサイトを構築する場合には、繁忙期や閑散期に応じて利用料が変動するためより効果を実感しやすいのではないでしょうか。
また、AWS導入時に利用方法に応じた削減方法を取り入れることで利用料を60%削減することに成功した事例もあります。
詳しくは、こちらのコラムをご覧ください。
デメリットとしては、利用料の見通しが立てづらいということです。
5章でもお伝えしましたが、AWSでは、月々の利用料がドルベースで算出され、月末利用料集計時にAWSが定めるレートによって円に自動計算され費用請求となります。
月々の予算を立てる場合は、予めバッファーをもって費用を算出することでデメリットも上手くカバーしていきましょう。
サービスによっては、確保したストレージ容量によって費用が請求されるサービスもあるため、費用体系は予め確認することを推奨します。
NTT東日本では、AWSを導入し、ビジネスを劇的に前進させた事例がいくつかございますので、本日はそのうちの3つをご紹介します。
それぞれが抱えていた「導入前の課題」、「導入効果」も併せて紹介します。
ぜひ御社でクラウド導入を検討される際の参考にしてください。
株式会社医歯薬ネットさまでは、情報システム専任担当者無しで、ファイルサーバーのクラウド化を実現されました。
<クラウド導入前の課題>
◎業務を支える情報システム基盤が安定化していない、ROIを最大化したい
株式会社医歯薬ネットさまでは、業務を支える情報システム基盤の安定化とROIの最大化が事業上の課題でした。
オンプレミスサーバーをメインとして、Microsoft Azure上のサーバーをバックアップとして利用していましたが、システムの故障発生から復旧までに時間がかかり、業務に支障が出ることがありました。
◎外出先でもファイルサーバーにアクセスし、営業活動を効率化したい
また、営業担当者の現場では、外出先からオンプレミスファイルサーバーへのアクセスできなかったため、お客さまとの会話の流れで提示したい資料があっても、対応ができないといった営業活動の効率化における課題がありました。
◎システム運用の稼働を削減したい
システム運用の現場では、専任の情報システム担当者を配置していないこともあり、いかに稼働をかけずにシステムを運用するかといった課題がありました。
<クラウド導入後の効果>
導入後の効果としては、大きく2つ感じていることがある。
◎情報システム担当者の稼働を削減し、安価に構築できた
◎ネットワークの見直しにより、トラブル発生時の対策負担を軽減できた
今回のシステム更改にあわせてネットワークも見直し、拠点間接続が見える化されたため、トラブル発生時もまずは全体を把握することができ、対策がしやすくなった。
【株式会社 医歯薬ネット】
業種 |
コンサルティング |
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従業員数 |
40名 |
本社所在地 |
東京都品川区 |
主な事業内容 |
医院・病院・薬局開業支援 医療機器販売 会計・税務・人事労務業務 不動産・建築業(宅建免許番号:東京(2)第91278号、 建設業許可番号:東京都知事(特-30)第148962号) 医療系人材紹介業(厚生労働大臣許可番号:13-ユ-305081) |
ホームページ | |
導入サービス | |
クラウド利用サービス |
Amazon EC2 Amazon S3 |
サービス導入時期 |
2020年5月 |
AWSの選定理由 |
---|
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NTT東日本の選定理由 |
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株式会社イー・コミュニケーションズさまは、クラウドAIで受験中の録画動画を自動監視・解析し厳正厳格な試験を実現する新サービスをリリースされ、自社サービスの更なる価値向上と競争力強化を実現されました。
<クラウド導入前の課題>
◎リアルタイムで映像を解析するシステムを決定したい
株式会社イー・コミュニケーションズさまでは、2018年からリモート監視において「人とAIによる監視の差異がないように」解析手法等の研究をしてこられました。
その研究をもとにしたオンライン試験において、人の監視員がWebカメラで本人認証と不正監視を行うサービスである「Remote Testing」を2020年7月から提供していましたが、並行して、今回リリースした「Remote Testing AI アナリスト」サービスの検討も行っており、試験現場におけるリアルタイム不正解析のアーキテクチャをどのように決定するかという課題を抱えていました。
<クラウド導入後の効果>
導入後の効果としては、大きく2つ感じていることがある。
◎サービスリリースに向け、NTT東日本と連携しながら必要な要素研究を実施できた
今回の「Remote Testing AI アナリスト」のサービス化プロジェクトでは、共同実験を経て、NTT東日本さまの「クラウド導入・運用サービス」でのクラウドAI導入に至った。
共同実験では、何をもって不正とするかの観点ブリーフィングからお互いに知恵を出し合い、最終的により現実的なサービス形成に必要な要素研究ができたと感じている。
◎スピード感をもって、サービスリリースを進めることができた
実際の本導入については、当社が希望したスピード感でご対応いただき、サービスリリースに向けて進めてもらえたことに満足している。
【株式会社イー・コミュニケーションズ】
業種 |
インターネットサービスプラットフォーマー |
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従業員数 |
50名 |
本社所在地 |
東京都港区六本木2-4-5 六本木Dスクエア9F |
主な事業内容 |
CBT/eラーニングサービス事業 |
ホームページ | |
導入サービス |
クラウド導入・運用サービス![]() AWSリセールサービス ![]() |
クラウド利用サービス |
Amazon Rekognition Amazon DynamoDB AWS Lambda Amazon SQS Amazon ECS Amazon API Gateway Amazon S3 Amazon EC2 |
サービス導入時期 |
2020年9月 |
AWSの選定理由 |
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NTT東日本の選定理由 |
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株式会社資産科学研究所さまは、自社要件を満足させるファイルサーバーのクラウド化で、将来の経営スタイルに向けた3つの課題解決を実現されました。
<クラウド導入前の課題>
株式会社資産科学研究所さまでは、3つの課題を抱えており、検討の対象となったのはファイルサーバー業務用パソコンです。
◎社外からもファイルサーバーにアクセスし、業務を効率化したい
顧客情報は、セキュリティの観点から、オンプレミスのファイルサーバーに情報ファイルを保存していました。これまでは社外からサーバーへアクセスできず、朝夕に必ずオフィスに立ち寄る、外出時は社内スタッフを介して情報を得る必要があるなど、業務に膨大に無駄な時間とコストかかる点が生産性の観点で大きな課題でした。
◎情報セキュリティにおけるリスクを軽減したい
顧客情報が入ったファイルをメールに添付して送受信することは、ファイルにパスワード設定をしているとはいえ、万が一のヒューマンエラーによる情報漏えい事故につながりかねず、当社の大きなリスクでした。
◎在宅ワークも活用した労働環境の整備を行いたい
従業員には出産等で退職せずに働き続けてほしいという思いがあり、当社の働き方改革のひとつとして、在宅ワークなどを見据えた社員のライフステージに合わせた労働環境・情報環境の整備を検討していました。
<クラウド導入の効果>
導入後の効果としては、大きく3つ感じていることがある。
◎場所や時間に縛られず顧客情報を得ることで、顧客対応の付加価値が高まった
場所を問わずタイムリーに顧客情報を得ることができるようになり、顧客からの依頼に迅速に反応することができるため、顧客対応の付加価値が高まった。特に休日対応などでは、これまでの週明けに確認して連絡するなどといった対応が、顧客満足度を下げていると認識しており、クラウドはクイックレスポンスの上で欠かせないツールとなった。
◎社内サーバーを利用していた時とネットワークのスピードにほとんど変化がない
◎情報漏えいリスクを限りなく低減できた
安全面においても、当社要望をほとんど満足させるご提案をいただき、同時に導入した機器を駆使することで、情報漏えいリスクを限りなく低減できた。
検討当初に持っていた課題が解決されていると実感。そしてこれらの課題解決により、当社が考える将来のオフィスの役割の変更など経営的に今後変えていきたい方向への第一歩が踏み出せている。
【株式会社資産科学研究所】
業種 |
総合コンサルティング業 |
---|---|
従業員数 |
5名 |
本社所在地 |
東京都渋谷区富ケ屋1-30-22-9 |
主な事業内容 |
相続承継、事業承継、企業再生コンサルティング |
ホームページ | |
導入サービス |
クラウド導入・運用サービス![]() AWSリセールサービス ![]() |
クラウド利用サービス |
Amazon EC2 Amazon EBS |
サービス導入時期 |
2020年9月 |
AWSの選定理由 |
---|
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NTT東日本の選定理由 |
|
ここでは、自社で初めてAWSを自社導入する場合に検討すべき項目をご紹介します。
大きく分けて4つとなります。
自社で導入する場合、情報システム担当者がいないと導入は難しいです。
なぜなら、オンプレミスで利用しているサーバー/システムを理解し、クラウド上でのスペックや必要なサービスを判断した上で、クラウドに移行するサーバーを決定する必要があるためです。よって、自社で導入する場合、情報システム担当者が必要となってきます。
その点も踏まえて導入準備をご確認いただければと思います。
フローチャートを元にどちらにすべきか決めましょう。
アウトソースの場合は、これまで1000社以上のAWS提案を行ってきたNTT東日本にぜひご相談ください。お客さまの希望をお伺いしながら最適な構成をご提案させていただきます。
NTT東日本では、AWSへのサーバー移行を検討する際、緊急度が高いもしくは移行難易度が低いものから移行を検討することを推奨しております。
なぜなら、緊急度が高いものとは
が該当し、移行を断念するとビジネスが停止する機会が発生しかねないためです。
また移行難易度が低いものとは、
が該当し、移行を検討してもビジネスが停止する機会が少ないものと考えられるためです。
これらを考慮すると、移行順として下記順番を推奨しております。
推奨される移行順も参考にしながら、移行するサーバーを決定しましょう。
導入時期は予め決定しておきましょう。
クラウドは、必要な時に数クリック、数分間で、必要な分だけリソースの確保ができサーバー等を立ち上げることが可能ですが、移行希望のサーバーやシステムの選定・構成が確定していなければ立ち上げることができません。
導入時期を決め、半年~1年前からサービスの選定等を始めることを推奨します。
導入時期を見据え逆算しながら検討を開始しましょう。
<初期費用>
自社導入かアウトソースするかによって変わってきます。
10-1のフローチャートを元に、自社の状況に合わせてどちらを選択するか決めましょう。
アウトソースする場合、導入支援事業者によってサービス範囲が異なり費用が異なるため複数社相談を行ったうえで選定を行うことを推奨します。
<ランニングコスト>
繁忙期や利用希望スペックでの予算を検討しましょう。
MAX値に合わせた予算を検討しておくと年間想定金額を大幅に超えることが無く予算内での利用が可能となります。
また、5章でもお伝えしましたが利用料はドルベースでの算出となり為替レートによって変動するためバッファーを取って予算を把握することを推奨いたします。
以上4つの項目を元に、AWSの導入を検討しましょう。
「AWSの特徴やメリットはわかったが、導入すべきか迷う」
「自社にAWSの詳しいものがいないため、アウトソースしたい」
そのような悩みやご要望がありましたら、NTT東日本にお話だけでもお聞かせください。
1000社以上のクラウド提案を行ってきた豊富な経験に基づくノウハウと、多数の有資格者の確かな知識に基づき、御社のニーズや課題に寄り添いながら検討のお手伝いをいたします。
NTT東日本を選ぶ3つのメリット
NTT東日本では、9章でもご紹介した通り150を超える導入実績があります。
1社1社が求める“あらゆるニーズ”に対して、専門知識を持った有資格者が丁寧に応え続け、その内容に大きく満足を頂きました。
NTT東日本では、クラウドサービスだけでなくネットワークのサービスも提供しております。
ネットワーク~クラウドまで1社に依頼することで、不具合や故障が発生した場合の問合せ先を纏めることができ復旧作業を早めることが可能です。
また、セキュリティを高めるために必要となってくる閉域網サービスも提供しているため、AWSをよりセキュアに利用できます。
NTT東日本では、東日本全地域に支店があるため御社に訪問してお話をお伺いすることが可能です。不具合が発生してしまった場合も直接訪問することが可能となっており、お客さま環境を確認し解決に繋げることができます。
クラウドもネットワークもセキュアな環境構築は、NTT東日本の「クラウド導入・運用 for AWS/Microsoft Azure」をご活用ください。お客さまの時間と労力は最小限に抑え、充実のクラウド・ネットワーク環境をご提供します。
最後になりましたが、AWS導入を検討されているお客さまから良くいただく質問を纏めました。御社の疑問解消につながると幸いです。
Q1.最低利用期間はありますか?
A1.最低利用期間はございません。お客さまのご都合に合わせたご利用が可能です。
Q2.運用中に不具合が発生したときの相談先はありますか?
A2.AWSでは、24時間365日日本語でのサポート対応が可能です。電話やチャット、メールからの相談方法をご選択いただけます。
Q3.初期費用は発生しますか?
A3.お客さまで構築を行う場合は、発生いたしません。
アウトソースする場合は、発生いたします。アウトソースする企業によって、構築範囲が異なる場合がございますので、複数社に相談することを推奨いたします。
Q4.AWSでもWindowsサーバーは利用できますか?
A4.AWSでもご利用いただくことは可能です。
既存システムと連携する場合は、Microsoft Azureのご利用を推奨する場合もございますのでご相談ください。
Q5.AWSのセキュリティは安全ですか?
A5.拠点からのクラウド接続に閉域ネットワークを利用することや、クラウドの責任共有モデルを理解し、設計、設定することで、クラウドサービスでも安全にご利用いただけます。
その他のご相談・ご質問がある場合には、無料お問い合わせをご活用ください。
本コラムでは、初めにAWSとは何かをご紹介し、AWSを導入するためのポイントまで解説しました。
ポイントを纏めていきます。
■AWSで実現できること
■AWSのデメリット
■AWSのセキュリティ性を高めるためのポイント
■AWSの料金体系
■AWSを自社導入・検討する上で押さえておくべきポイント
以上のような項目を基準にAWSについて、特徴やメリットをご紹介しました。
AWSでは、クラウド上で様々なことができ、セキュリティ対策を実施することでクラウドでも安全にご利用いただくことが可能です。
無料利用期間もありますので、ご興味を持たれた方はぜひ一度お試しされるのはいかがでしょうか?
また、本格的なAWS環境の構築・導入をご検討される際は、NTT東日本の「クラウド導入・運用 for AWS/Microsoft Azure」をぜひご活用ください。
本記事が、AWSを検討されている方に参考になれば幸いです。
■参考
AWSの理解をより深めたい方は以下もご参照ください。
AWSとAzureの違いについて詳しく知りたい方は下記サイトをご参照ください。
AWSとGoogle Cloudの違いについて詳しく知りたい方は下記サイトをご参照ください。
クラウドへの接続方法について詳しく知りたい方は下記サイトをご参照ください。
AWSの料金体系について詳しく知りたい方は下記サイトをご参照ください。
AWSのその他の導入事例も確認したい方は下記サイトをご参照ください。
クラウドにファイルサーバーを構築する方法について詳しく知りたい方は下記サイトをご参照ください。
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