NTT東日本の自治体クラウドソリューション

【AWS re:Invent 2025】コーディングだけじゃない?Kiro CLIで運用改善やってみた

こんにちは!NTT東日本のシュンです!普段はクラウドインフラの構築や運用を担当しています!

今回AWS re:Invent 2025に初参加して、発表された最新技術やそれらを実際の環境で活用した事例について触れてきました!中でも特に印象的だったのが、Kiro CLIを使ったクラウド環境の運用改善です。本コラムでは、AI駆動開発など開発分野で発展めざましいAgentic AIの機能や活用例を、運用担当者目線で紹介しようと思います!

NTT東日本では、AWSなどクラウドに関するお役立ち情報をメールマガジンにて発信していますので、ぜひこちらからご登録ください。

【情シス担当者・経営者向け】NTT東日本がおすすめするクラウド導入を成功させるためのお役立ちマニュアル 資料ダウンロードフォームはこちら

1. Kiro CLIとは

Kiro CLIは、2025年11月18日に公開されたCLI上で動作するAgentic AIサービスです。Amazon Q Developer CLIの後継として発表され、Amazon Q Developerの強力なエージェント機能をそのままにパフォーマンスなどが向上しています、前段として、IDE(統合開発環境)が公開済みであり、直接AWS re:Invent 2025で新規発表があった技術というわけではないですが、最新の活用事例がセッションとして公開されていました!アイコンがおばけのキャラクターというキャッチーな外見とは裏腹に、非常に多岐にわたる強力な機能を備えています。

本コラムでは、この公開されていた事例をもとに実際に手元の環境でKiro CLIを使った運用改善を試してみました!

NTT東日本では、AWSなどクラウドに関するお役立ち情報をメールマガジンにて発信していますので、ぜひこちらからご登録ください。

2. Kiro CLIでできること

今回は普段使っている検証用としてさまざまなサービスを利用している環境を使って、AWS利用料を見ていきます。また、Kiro CLIはAWS CloudShellに標準でインストールされているものを使用しました。

まずはKiro CLIを使ってみましょう。環境にあるEC2インスタンスの一覧を表示するようお願いしてみました。従来のAWS CLIコマンドよりも直感的な対話形式で、日本語を使って簡単に必要な情報を素早く取得できます。

> EC2インスタンスの一覧を教えてください

> ap-northeast-1(東京)リージョンにEC2インスタンスが見つかりました!

EC2インスタンス一覧(ap-northeast-1リージョン):

実行中のインスタンス:
1. as_ecs_fargate_collect-SV1 (i-*****************) - t2.micro - running
2. as_ecs_fargate_collect-SV2 (i-*****************) - t2.micro - running
3. autodelete-autostop (i-*****************) - t2.micro - running

停止中のインスタンス:
4. ******-win2022 (i-*****************) - t2.micro - stopped
5. ******-kompira (i-*****************) - t3.large - stopped
6. ******-踏み台-win (i-*****************) - t3.medium - stopped
7. ******-Linux (i-*****************) - t4g.nano - stopped
8. ******-al2-docker-01 (i-*****************) - t2.micro - stopped
9. ******-ws2022-jp-01 (i-*****************) - t2.micro - stopped
10. AML-SSH-Bastion (i-*****************) - t2.micro - stopped
11. *******-bcp-stg-ad-ec2 (i-*****************) - t3.small - stopped
12. ******-win2022 (i-*****************) - t2.micro - stopped
13. *******-AccessTest (i-*****************) - t3.small - stopped
14. ubuntu-20.04-******-latest (i-*****************) - t3.micro - stopped
15. ********bank (i-*****************) - t3.medium - stopped
16. *****-Securitycheck-EC2 (i-*****************) - t3.medium - stopped
17. ******-win2025 (i-*****************) - t3.medium - stopped

合計: 18インスタンス(実行中3台、停止中15台)

個人名や固有IDについてはマスクしましたが、簡単にEC2の一覧が取得できました!

このように知りたいことややりたいことについて、コマンドライン上で日本語で問いかけるだけでKiro CLIは答えてくれます。

3. 実践!コスト最適化への挑戦

では実際にAWS利用料を削減するミッションを与えられたと仮定して、環境に対する改善を図ってみようと思います。まずは今の状況を知ることが必要なので、そこからKiroに聞いてみましょう。

> ap-northeast-1の今月のコストをサービス別に教えてください

> ap-northeast-1リージョンのサービス別コスト内訳(2025年12月1日〜21日):

主要なコスト項目:
1. EC2 - Other: $****** (29.2%)
2. AWS Directory Service: $****** (10.6%)
3. Amazon AppStream: $****** (9.3%)
4. Amazon Virtual Private Cloud: $****** (8.6%)
5. Amazon RDS: $****** (8.3%)
6. Amazon OpenSearch Service: $****** (7.9%)
7. Amazon Route 53: $****** (5.9%)
8. Amazon EC2 - Compute: $****** (4.0%)
9. Amazon Elastic Load Balancing: $****** (3.5%)
10. Amazon FSx: $****** (2.7%)
11. Amazon WorkSpaces: $****** (2.6%)
12. Amazon Kinesis: $****** (2.4%)

その他のサービス:
- Amazon Connect: $****
- Amazon GuardDuty: $****
- Amazon Inspector: $****
- AWS KMS: $****
- AWS Config: $****
- Amazon S3: $****
- その他多数の小額サービス

合計: $******** USD

最大のコスト要因はEC2関連(EC2 - Other + EC2 - Compute = $******)で、全体の約33%を占めています

具体的な金額はマスクしたものの、なかなかに費用が掛かっている様子が見て取れます。上記の通りKiro CLIは自動的にコスト配分を分析し、EC2やストレージなど、コストの大きい項目を特定してくれます。

次に「このコストを削減するための提案をして」とKiro CLIに依頼すると、使用率の低いインスタンスのリサイズや、不要なリソースの削除など、具体的な改善案が提示されます。

> この環境でコストを抑えるために必要なことを教えてください

> コスト分析結果に基づいて、以下のコスト削減策を提案します:

## 即効性の高い削減策

1. 停止中EC2インスタンスの見直し ($400-500/月削減可能)
- 15台が停止中でもEBSボリューム料金が発生
- 不要なインスタンスは完全削除を検討
- 必要なものはスナップショット作成後に削除

2. EC2インスタンスサイズの最適化 ($200-300/月削減可能)
- t3.large, t3.medium → t3.small/microへのダウンサイジング
- 使用率の低いインスタンスの統合

3. Directory Service の見直し ($214/月削減可能)
- AWS Managed Microsoft AD が高コスト
- Simple AD への変更や不要なら削除を検討

## 中期的な削減策

4. AppStream の利用最適化 ($100-150/月削減可能)
- 利用頻度に応じたインスタンス数調整
- オンデマンド → 予約インスタンスへの変更

5. RDS の最適化 ($50-100/月削減可能)
- インスタンスサイズの見直し
- 不要なMulti-AZ設定の無効化
- 予約インスタンスの活用

6. OpenSearch Service の最適化 ($80-120/月削減可能)
- インスタンスタイプの見直し
- 不要なレプリカの削除

## 継続的な最適化

7. 予約インスタンス/Savings Plans の活用
- 継続利用するリソースは1-3年契約で30-60%削減

8. 自動停止/起動の設定
- 開発環境は夜間・週末停止で50-70%削減

9. 不要リソースの定期清掃
- 未使用のELB、VPC、Route53レコードの削除

## 推定削減効果
- **短期(1-2ヶ月)**: $800-1,200/月削減
- **中期(3-6ヶ月)**: $1,000-1,500/月削減

実際のコンソールではすぐ下に「即効性の高い削減案」であるAmazon EBSボリュームの削除について行うようKiroから提案がされていました。共用のアカウントなので今回は実施しませんでしたが、「お願いします」とチャットするだけで、上記の提案の通り、スナップショットを作成したうえで削除までやってくれるようです。

今まではCost Explorerなどとにらめっこしながら、何にコストがかかっているかを判断し、そのサービスのコンソールから削除や設定変更をしなければいけなかった作業が、ここまでコマンドラインで完結してしまっています。

最後に今後の運用のために予算アラートを設定してみます。いままでの手法をなぞりながら「内容を実装するためのAWS CloudFormationテンプレートを作成して」と依頼すると、Kiro CLIが実装可能なコードを生成してくれます。これにより、計画から実装までのサイクルが大幅に短縮されます。

> 予算の90%,100%で通知が来るようにするCloudFormationテンプレートを作成してください

> 既存の予算に90%と100%の通知を追加するCloudFormationテンプレートを作成します。
I'll create the following file: /home/cloudshell-user/budget-notifications.yaml (using tool: write)
Purpose: 既存予算に90%と100%通知を追加するCloudFormationテンプレートを作成

+     1: AWSTemplateFormatVersion: '2010-09-09'
+     2: Description: 'Add 90% and 100% budget notifications to existing budget'
+     3: 
+     4: Parameters:
+     5:   NotificationEmail:
+     6:     Type: String
+     7:     Default: '********************@**************'
+     8:     Description: 'Email address for budget notifications'
+     9: 
+    10: Resources:
+    11:   BudgetNotification90Percent:
+    12:     Type: AWS::Budgets::Budget
+    13:     Properties:
+    14:       Budget:
+    15:         BudgetName: '検証環境予算'
+    16:         BudgetLimit:
+    17:           Amount: ****
+    18:           Unit: USD
+    19:         TimeUnit: MONTHLY
+    20:         BudgetType: COST
+    21:         CostTypes:
+    22:           IncludeTax: true
+    23:           IncludeSubscription: true
+    24:           UseBlended: false
+    25:           IncludeRefund: true
+    26:           IncludeCredit: true
+    27:           IncludeUpfront: true
+    28:           IncludeRecurring: true
+    29:           IncludeOtherSubscription: true
+    30:           IncludeSupport: true
+    31:           IncludeDiscount: true
+    32:           UseAmortized: false
+    33:       NotificationsWithSubscribers:
+    34:         - Notification:
+    35:             NotificationType: ACTUAL
+    36:             ComparisonOperator: GREATER_THAN
+    37:             Threshold: 80
+    38:           Subscribers:
+    39:             - SubscriptionType: EMAIL
+    40:               Address: !Ref NotificationEmail
+    41:         - Notification:
+    42:             NotificationType: ACTUAL
+    43:             ComparisonOperator: GREATER_THAN
+    44:             Threshold: 90
+    45:           Subscribers:
+    46:             - SubscriptionType: EMAIL
+    47:               Address: !Ref NotificationEmail
+    48:         - Notification:
+    49:             NotificationType: ACTUAL
+    50:             ComparisonOperator: GREATER_THAN
+    51:             Threshold: 100
+    52:           Subscribers:
+    53:             - SubscriptionType: EMAIL
+    54:               Address: !Ref NotificationEmail
+    55:         - Notification:
+    56:             NotificationType: FORECASTED
+    57:             ComparisonOperator: GREATER_THAN
+    58:             Threshold: 100
+    59:           Subscribers:
+    60:             - SubscriptionType: EMAIL
+    61:               Address: !Ref NotificationEmail
+    62: 
+    63: Outputs:
+    64:   BudgetName:
+    65:     Description: 'Budget name with updated notifications'
+    66:     Value: '検証環境予算'
+    67:   NotificationThresholds:
+    68:     Description: 'Configured notification thresholds'
+    69:     Value: '80%, 90%, 100% (actual), 100% (forecasted)'

NTT東日本では、AWSなどクラウドに関するお役立ち情報をメールマガジンにて発信していますので、ぜひこちらからご登録ください。

4. まとめ

今回はKiro CLIを使った運用改善について、AWS re:Invent 2025で公開されていた事例をもとに手元の環境で試してみました。

さらにこれまた発表されたばかりの、Amazon EBSボリュームについてコスト最適化を自動化する「AWS Compute Optimizer Automation」との連携で、運用改善を単一の作業として終わらせるのではなく、運用として繰り返し自動化するフローを構築することもできます。KiroとしてもAWS re:Invent 2025で新規に発表された「Kiro Autonomous Agent」を使うことにより、プロジェクトのコンテキストをAI側に記憶させながら、ベストプラクティスだけでなくそのプロジェクトにとって望ましい形の運用改善を自動生成・管理することができます。

昨今バイブコーディングやAI駆動開発など、Agentic AIを使用した開発手法が急速に広がっていますが、AIの活用は開発やコーディング分野だけに留まりません。本コラムで紹介したように、インフラ運用担当者もKiro CLIのようなツールを活用することで、業務効率を大幅に改善できます。

Keynoteなどでも強調されていましたが、プロジェクトのチームメンバーとしてAIをどのように活用していくか――これが、これからの開発と運用において重要なテーマになっていくということを強く実感したイベントでした!

皆さんもぜひ簡単なところからAIを活用してみてはいかがでしょうか。

NTT東日本では、AWSなどクラウドに関するお役立ち情報をメールマガジンにて発信していますので、ぜひこちらからご登録ください。

  • Amazon Web Services(AWS)および記載するすべてのAmazonのサービス名は、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。

ページ上部へ戻る

相談無料!プロが中立的にアドバイスいたします

クラウド・AWS・Azureでお困りの方はお気軽にご相談ください。