AWS re:Invent 2025 Keynote Dr.Rubaレポート

畑仕事とお弁当作りをこよなく愛する奥谷です。人生二度目となるAWS re:Invent 2025に現地参加してきました。前回の現地参加は、2018年でしたので、街並みが様変わりしていることに驚きましたが、その模様は別コラムでお伝えできればと思います。
私の普段のロールの一つが、アライアンスリードということもあり、Day4(12/3)に催されたAWSのワールドワイドチャネルおよびアライアンス担当のバイスプレジデントを務められているDr.Ruba BornoさんのKeynoteを拝聴してきましたので、現地の模様をレポートさせていただきます。

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セッション概要
公式サイトより
Join Dr. Ruba Borno and special guests as they unveil how customers are achieving extraordinary breakthroughs with the AWS Partner Network and the AWS Marketplace. As we enter a new agentic era, listen to first-hand experience of customers and partners on how to harness agents and generative AI to accelerate innovation, drive impact, and redefine what’s possible.
Hear how they are laying the foundational elements to make it all a reality—modernizing securely, scaling faster, and unlocking entirely new business outcomes.
引用:Know Before You Go: An AWS Partner’s Guide to re:Invent 2025
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Ruba Borno博士と特別ゲストが、AWSパートナーネットワークとAWS Marketplaceを活用してお客さまがいかに驚異的なブレークスルーを達成しているかをご紹介します。新たなエージェント時代を迎えるにあたり、エージェントと生成AIを活用してイノベーションを加速し、インパクトを生み出し、可能性を再定義する方法について、お客さまとパートナーの皆さまの直接の体験談をお聞きください。安全なモダナイゼーション、迅速なスケーリング、そして全く新しいビジネス成果の創出といった、これら全てを実現するための基盤をどのように構築しているかをお聞きください。
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講演内容と所感
1. キーメッセージ
- AWSとパートナーは、AIとデータを活用して顧客のビジネス変革を加速。
- 「魔法のような成果」は科学に基づく。AI、データ戦略、責任あるイノベーションが鍵。
- エージェント型AI(Agentic AI)は、インターネット以来最大の技術的変革。
2. 主要事例
事例として以下が紹介されていました。さまざまな業種業界でAWSが利用されているのがとてもよくわかります。個人的には、marketplaceやパートナー企業の貢献がハイライトされており、パートナー Keynoteらしい演出だと思いました。
- Condé Nast(メディア)
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- 115年の歴史を持つ出版社がAWSとDatabricksでデジタル化。
- グローバル統合、AI翻訳、ライブ配信(Met Galaでスーパーボウルの5倍のエンゲージメント)。
- サブスクリプション戦略で「The New Yorker」100周年&100万購読者突破。
- AI契約管理・権利クリアランスをAWS Bedrockで構築、処理時間を数週間→数分に短縮。
- Mater Dei(ヘルスケア)
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- 請求エラーで年間18.5億ドル損失→AWS Bedrock AgentCoreで12のAIエージェント導入。
- ROI 517%、承認プロセスを2日→40分に短縮。
- Toyota(自動車)
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- データが30以上のシステムに分散→McKinsey、Deloitte、AWSが協力。
- AIサプライチェーンで在庫60%削減、EC売上倍増、顧客満足度15%向上。
- World Surf League(スポーツ)
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- ウェアラブル+AWS Bedrockでリアルタイム分析、選手のパフォーマンス改善。
- Ngāpuhi(文化保護)
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- AWS+Kiwa Digitalで先住民族の知識をAIで保護。
- データ主権、ゼロトラスト、カスタムガードレールを実装。
3. Marketplaceアップデート(詳細)
ビジネス観点では、今後の主要な取組みの一つになってくるMarketplaceについても、もちろん取り上げられていました。こちらも個人的な意見になりますが、一消費者としてもお世話になっているAmazonの法人版として、AWSがMarketplaceをどこまで進化させていくのかとても興味があります。日本においては、ユーザー体験のローカライズが必要な気もしますが、Marketplace上で、ITに関する顧客の悩みや課題がクイックに解決されていく世界が目の前に近づいているように感じました。
セッションでは、AWS Marketplaceは、パートナーの最大の成長エンジンに進化しているというキーメッセージとともに、多くのパートナー企業の実績と、Marketplace上での機能アップデートについて語られていました。

パートナー実績:
- Datadog:20億ドル超
- Snowflake & Salesforce:30億ドル超
- cloudstrike:10億ドル超
- スタートアップのMarketplace売上:前年比130%増
- Vanta:プライベートオファー前年比700%増
新機能・発表:
- Express Private Offers
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- AIでカスタム価格を数分で提示(従来は数週間)。
- Agent Mode
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- 会話型検索で30,000以上のソリューションをAI評価、要件に基づく比較を提供。
- マルチプロダクトソリューション
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- 複数の製品+サービスを1パッケージで購入可能。単一のリードパートナーと交渉。
- ローカリゼーション強化
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- 現地通貨・税制対応、ローカル銀行サポート。
4. AWS以外の製品紹介
こちらもパートナー Keynoteらしく色々な会社の製品アップデートも語られていました。7年前はあまりこのような機会を目にすることが少なかった(私のアンテナが低かっただけかもですが)のですが、Keynoteの中でこのように取り上げられるというのは、とても衝撃的でした。セキュリティ関係のトピックがとても多かったのも印象的です。
- AgentForce 360 for AWS(Salesforce統合)
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- AWS Marketplaceで提供予定。Bedrock連携、セキュリティ・透明性・正確性を重視。
- CrowdStrike Falcon Next-Gen SIEM
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- AWS Marketplaceで提供。マルチアカウント・マルチリージョン対応、AWS Securityサービス統合。
- AI Investigator+Amazon EventBridgeでリアルタイム脅威検出。
- 従量課金モデルで即導入可能。
- Trend Micro(補足)
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- セキュリティ強化ソリューションとしてAWS Marketplaceで展開(詳細はCrowdStrikeと同様の脅威検出・統合機能)。
5. 新機能
いくつかの新機能の発表もありました。個人的には、現地で色々なところで目にしたAIエージェントをユーザとしてとらえ、他のIDと同じように、シームレスなアイデンティティ管理を実現していくべきだというAgent core Identityが取り上げられたのがハイライトの一つでした。

- AWS Transform
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- AIでコード分析・モダナイズ。10億行以上のコードを処理、380年分の開発工数削減。
- 新機能:Transform Custom(環境に合わせたモダナイズ)、コンポーザビリティ(パートナー統合)。
- AgentCore(Bedrock)
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- エージェントの隔離実行(MicroVM)、Observability(OpenTelemetry対応)、Identity統合。
- EBA認定(Experience-Based Acceleration)
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- 移行加速のベストプラクティスをパートナーに提供。
6. CEO Mattとの対談セッション
こちらは、毎年恒例となっているCEOとの対談形式のセッションです。改めてパートナーエコシステムの重要性を述べられていました。CEO自らパートナー企業に向けての感謝を述べられるというのは、AWSらしいとてもよいシーンでした。我々も近い将来パートナーアワード受賞できるように、日々努力を重ねます。

パートナーアワード受賞者への感謝と祝福
- パートナーへの期待
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- コンサルティングやISVなど、パートナー自身もビジネスモデルを変革する必要あり
- AWSの成長戦略と機会
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- AWSは1320億ドル規模に成長、前年比20%成長を継続。
- 目標は3000億~4000億ドル規模のビジネス。
- パートナーがAWSサービスを展開することで、7.13ドルの追加価値を創出。
- パートナーには1兆~3兆ドル規模のビジネスチャンス
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まとめ
魔法のような成果であるが、科学に基づくというメッセージから始まったKeynoteですが、拝聴後、とても納得感のある気持ちで満たされたKeynoteセッションでした。今後のAWSの成長戦略のホットスポットの一つになりそうなMarketplaceに、これからも注目していきつつ、当社のお客さまや関係者に付加価値のある形を模索しながら、日々の事業推進を進めていこうと改めて立ち返ることができました。
- Amazon Web Services(AWS)および記載するすべてのAmazonのサービス名は、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
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