Agent 365で始まるAIエージェント管理の新時代（Microsoft Ignite 2025参加レポート）

1. Microsoft Ignite 2025での発表内容のサマリー—“人を管理するようにエージェントを管理できる”時代へ

MicrosoftよりIgnite 2025で、企業が増え続けるAIエージェントを安全に管理するための新サービス「Agent 365」が発表されました。「Agent 365」のポイントは、AIエージェントを社員と同じように管理できるということです。

これまで、部署や個人で作成したAIエージェントは、どれがどの情報にアクセスしているか分からない状態になりがちでした。

Agent 365はMicrosoft 365 管理センターに組み込まれるコントロールプレーンで、エージェントの登録、権限設定、動きの監視、危険なエージェントの隔離まで一元的に行うことができます。

さらに、Microsoft Entra（ID管理）、Defender（セキュリティ）、Purview（情報保護）と連携することで、サードパーティ製やオープンソースのエージェントも含めて管理可能になります。

Agent 365により全てのエージェントが一元管理できるため、企業の情報セキュリティと業務効率を両立することが可能となります。

2. Agent 365の概要—5つの基本機能と支えるセキュリティスタック

Agent 365には、企業がAIエージェントを安全に使うための5つの基本機能があります。

（１）登録（Registry）：

すべてのエージェントを一覧で管理。個人が作成した「野良エージェント」も検出できます。

（２）アクセス制御（Access Control）：

エージェントごとに権限を設定し、エージェントが適切な情報のみにアクセスできるようにします。

（３）可視化（Visualization）：

登録したエージェントがどんな動きをしているかをダッシュボードで確認できます。組織のポリシーに違反するようなあやしい挙動をしていないか、利用頻度の高いもの/低いものをすることで更なる活用につなげることが可能です。

（４）相互運用性（Interoperability）：

OfficeやTeamsなどのMicrosoft製品だけでなく、Microsoft製品以外で作成されたエージェントとも連携できます。

（５）セキュリティ（Security）：

Defenderで脅威を検出し、Purviewで機密情報の漏えいを防ぐことが可能なため、これらの機能によりAIエージェントの管理の効率化、情報セキュリティとガバナンスの強化を実現することができます。

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3. Microsoft Ignite 2025の詳細—Work IQ、Officeエージェント、Entra Agent IDがもたらす実務変化

Microsoft Ignite 2025では、Agent 365と同時にWork IQ（Copilot／エージェントの知能レイヤー）とOfficeアプリのエージェントモードの拡張が示されました。Work IQは「業務データ＋個人の記憶＋推論」を組み合わせ、Copilotやエージェントに最適なアクションを提示します。これにより、TeamsやCopilotチャットでは、Work IQを活用して役割や状況に応じたエージェントを提案します。Officeアプリでは、Word・Excel・PowerPointのエージェントモードにより、反復的な資料作成を自律的に進めることが可能になります。

MicrosoftはEntra Agent IDを発表し、AIエージェントに人間と同等のID管理を適用することで、ゼロトラストを拡張しました。監査ログやアクセスパッケージ、権限ブループリントなどの仕組みにより、エージェントのオンボードからオフボードまでを安全に管理できます。

これにより、企業は「誰が何をしているか」だけでなく、「どのAIが何をしているか」も管理できるようになります。

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4. まとめ

Agent 365は、企業内で増え続けるAIエージェントを安全かつ効率的に管理するためのMicrosoftの新しい基盤です。エージェントの登録、アクセス制御、監査、情報セキュリティを一元化し、Microsoft Entra Agent IDによるゼロトラスト対応が実現できるようになります。今後は、CopilotやWork IQとの連携により、エージェントが自律的に業務を遂行し、生産性と意思決定の質を大幅に向上させることが期待されています。今後の動向にも目が離せません。

• Microsoft 365およびその他のMicrosoft 商標は、Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標または商標です。