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Zendeskとは?主要機能や活用事例について解説
本コラムでは、カスタマーサポートSaaSの一つであるZendeskについて導入事例含め解説します。本コラムがカスタマーサポートにお悩みの情報システム部門の方、コールセンター事業者方のお困りごとのお役に立てば幸いです。
ZendeskはわかりやすいUIで社内外の問い合わせ対応管理(チケット管理システム、ヘルプセンタ/FAQWebフォーム)を簡単に始められるSaaSとなります。
またZendesk for ServiceとZendesk for Salesやプランの違いをまとめた記事もありますのではじめの一歩として是非ともこちらも読んでみてください。
1. カスタマーサポートが直面する課題
1-1. 人手不足
近年、カスタマーサポート業務における人材確保の難しさは、自治体や大企業にとって深刻な課題となっています。特に、採用コストの上昇と離職率の高さが大きな障壁となっており、安定した運用体制の構築が困難になっています。
例えば、コールセンタージャパン・ドットコムの調査結果によると、2018年の段階で55%以上の企業が「3割の新人オペレーターが離職している」と回答しており、さらにオペレーターの半数以上が入社1年以内に離職した企業も約40%に上るとの結果が出ています。
特に大企業では、製品やサービスの種類が多岐にわたるため、オペレーターには高度な知識と対応力が求められます。しかし、研修に時間とコストがかかる一方で、即戦力となる人材の確保は困難です。
また自治体では、住民からの問い合わせ対応を担うカスタマーサポートの人員確保に苦戦しており、採用しても半年以内に離職するケースがあるようです。原因としては、業務の複雑さや精神的負荷、マニュアルの不備などが挙げられ、結果として残ったスタッフへの負担が増加し、さらなる離職を招くという悪循環に陥っているケースが多いようです。
出典:コールセンタージャパン・ドットコム 2019年1月号 <特集> 早期離職を防ぐ「最初の90日」の乗り越え方
1-2. 対応品質の差
コールセンター業務において、対応品質のばらつきは顧客満足度に直結する重要な課題です。特に自治体や大企業では、問い合わせの内容が多岐にわたるため、オペレーターの知識や経験に依存した対応が避けられず、結果として対応の属人化が進行しやすくなります。
例えば、ある大手通信企業では、製品ごとに異なるサポートチームを設けていたものの、新人オペレーターとベテランオペレーターの対応品質に大きな差が生じていました。新人はマニュアルに沿った対応しかできず、複雑な問い合わせには時間がかかる一方、ベテランは経験則で迅速に対応できるため、顧客満足度に明確な差が出ていたのです。
また、自治体の窓口業務でも同様の課題が見られます。住民からの問い合わせに対して、担当者によって回答内容が異なるケースがあり、情報の一貫性が保てないという問題が発生。これにより、住民からの信頼を損なうリスクが高まっていました。
このような対応品質の差は、以下のような要因によって生じます。
- ナレッジの共有不足(FAQや過去事例の蓄積が不十分)
- 業務マニュアルの更新が追いつかない
- 問い合わせ履歴の検索性が低く、過去対応の参照が困難
- 教育・研修体制の限界
1-3. 多様化する問い合わせ
近年、コールセンターに寄せられる問い合わせは、内容・チャネル・対応スピードの面で多様化が進んでいます。従来は電話やメールが主流だった問い合わせも、現在ではチャット、SNS、Webフォーム、アプリ内メッセージなど、顧客が使うツールに合わせた対応が求められるようになっています。
例えば、ある大手小売企業では、若年層の顧客からの問い合わせがInstagramのDM(Direct Message)やLINE公式アカウント経由で急増し、従来の電話対応では対応しきれず、SNS対応専任のスタッフを配置する必要が生じました。しかし、チャネルごとに対応履歴が分断されていたため、顧客の過去のやり取りを把握できず、対応の重複やミスが発生。結果として、顧客満足度の低下と業務負荷の増加を招いていました。
自治体では、住民からの問い合わせが制度変更や災害対応などのタイムリーな情報に関するものへとシフトしており、電話だけでなくWebフォームやチャットボットによる即時対応が求められるケースが増えています。特に災害時には、短時間で大量の問い合わせが集中するため、従来の体制では対応が追いつかず、情報提供の遅れが住民の不安を増幅させるリスクもあります。
このような多様化に対応するには、以下のような課題が浮き彫りになります。
- チャネルごとの対応履歴の分断
- 対応スピードの格差(即時対応 vs 数日待ち)
- 顧客属性や問い合わせ内容の分類の煩雑化
- 情報の一元管理が困難
2. 次世代カスタマーサポート Zendeskとは?
Zendeskは、日本の企業や自治体で導入されているクラウドのSaaS型カスタマーサービスプラットフォームです。単なる問い合わせ管理ツールではなく、顧客体験(CX)を中心に据えた業務改革を支援する統合ソリューションとして、情報システム担当から高く評価されています。
2-1. マルチチャネル対応
Zendeskの最大の特長のひとつが、電話、メール、チャット、SNS、Webフォームなど複数のチャネルを統合管理できる点です。これにより、顧客がどのチャネルから問い合わせをしても、オペレーターは一つの画面で履歴を確認しながら対応できます。
2-2. AIによる自動応答・ナレッジ活用
Zendeskは、生成AIや機械学習を活用した自動化機能を多数搭載しています。例えば、チャットボットによる一次対応、FAQの自動生成、問い合わせ内容の自動分類などが可能です。
2-3. 柔軟な他SaaS連携
Zendeskの強みのひとつが、他のSaaSとの柔軟な連携性です。情報システム担当が管理する複数の業務ツール(CRM、ERP、IT資産管理、社内チャット、BIツールなど)とZendeskを連携させることで、問い合わせ対応だけでなく、業務全体の効率化とデータ活用が可能になります。
【代表的な連携例】
- SalesforceやHubSpotとのCRM連携
顧客情報をZendesk上で参照・更新できるため、問い合わせ対応中に営業履歴や契約情報を確認可能になり、営業部門との連携もスムーズになります。
- JiraやAsanaとのプロジェクト管理連携
技術的な問い合わせやバグ報告をZendeskからJiraにエスカレーションし、開発チームと連携して対応状況の追跡が可能です。
またZendeskのAPIは非常に柔軟で、ノーコード・ローコードでの連携も可能なため、情報システム担当が主導して短期間で導入・運用できるのも大きなメリットです。
3. 導入事例
自治体、民需の導入事例を掲載します。
例えば、岐阜県恵那市ではZendeskを導入することで市民からの年間約300件の意見・要望の一元管理を実現しました。Excelでの手作業を廃止し、回答時間を 大幅に短縮。Slack連携により市長や管理職もリアルタイムで対応状況を把握できるようになり、部門間の連携も強化されました。
またマーケティングオートメーションツール「SATORI」を提供するSATORI株式会社では、創業当初からZendeskを導入。月間約300件の複雑な問い合わせに対応する中で、社内メモ機能を活用し、メンバー間の引き継ぎや新人教育を効率化。回答の質とスピードを両立させることで、カスタマーサクセス体制を強化しています。
4. NTT東日本におけるZendesk導入と開発について
NTT東日本では自社業務においてZendeskを導入するだけに留まらず、自ら設計、設定、開発を実施することでそのノウハウを蓄積し、お客さまへも還元させていただいております。
Zendeskの導入や活用をご検討されている皆さま、お気軽にNTT東日本までご相談ください。
5. まとめ
本コラムでは、自治体や大企業が直面するカスタマーサポートの課題に対し、Zendeskがどのように解決策を提供しているかを導入事例とともに紹介しました。
Zendeskは自治体・民間企業問わず人手不足や対応品質のばらつき、問い合わせチャネルの多様化への対応など、昨今のカスタマーサポート業務の課題解決に資するサービスです。
NTT東日本では自社でのZendeskの活用・開発を通じて、Zendeskの導入・運用の豊富なノウハウを有しておりますので、これからZendeskの導入を検討している方はお気軽にお問い合わせください。
本コラムに記載されてる会社名、サービス名、商品名は、各社の商標または登録商標です。
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