COLUMN

生成AIで業務効率化を実現!企業の活用事例と実践のポイントとは

昨今、DXの推進が重視される中、生成AIの導入によって業務効率化に取り組む自治体・企業が増えています。本記事では、生成AIによって効率化が期待できる業務の具体例や、実際の活用事例、導入時の注意点、実践のポイントなどを紹介します。

NTT東日本では、自治体・企業の業務改革を促進する「生成AIサービス」を提供しています。サービス紹介資料をご希望される方は、ぜひこちらの請求フォームからお問い合わせください。

1. 生成AIで効率化できる業務

生成AIをビジネスシーンに活用することで、業務プロセスの効率化や生産性の向上、コスト削減や人的リソースの最適化など、多くの効果が期待できます。生成AIが特に効果を発揮する、主要な業務領域について詳しく解説します。

1-1. 文章作成業務の効率化

文章作成は、ほぼすべての業種・職種において日常的に発生する業務です。テキスト生成に優れた生成AIを導入することで、定型的でシンプルな文章から創造性が求められる文章まで、さまざまな種類の文章を短時間で作成できます。

1-1-1. メールや報告書の作成

メールや報告書の作成などは、一日の業務時間の多くを占めています。こうした業務に生成AIを活用することで、返信メールのテンプレート作成や日報・週報などの報告書作成、議事録の要約などを自動化・効率化でき、業務時間を大幅に削減することが可能です。

1-1-2. ブログ記事やニュース記事の作成

1本の記事を作成するまでには、キーワード選定や上位記事の調査、構成案作成、執筆など、複数の工程が必要です。記事作成に特化した生成AIサービスを利用すれば、これらの各ステップを短時間で実行できるだけでなく、人間味のある文章を作成することも可能です。特に専門性を問わないテーマであればファクトチェックも容易に行えるため、一定の品質を備えた記事を効率良く作成できます。

1-2. 資料・コンテンツ制作業務の効率化

画像生成AIを活用すれば、イメージイラストやインフォグラフィックなどのビジュアルコンテンツを効率的に制作できます。ビジュアライゼーションが求められるプレゼン資料やWebサイト、LPなど、さまざまな媒体で利用できるため、業務全体の効率化に大きく貢献します。

1-2-1. 図版・イラスト・アイコンの作成

図版やイラスト、アイコンなどのビジュアル素材作成は、一般的には専門知識やデザインスキルが必要とされる領域です。しかし、画像生成AIを活用することで、非デザイナーであっても実務に利用できるレベルのビジュアル素材を短時間で作成できます。

1-2-2. インフォグラフィックの作成

情報があふれる時代においては、複雑なデータを視覚的に分かりやすく伝えることがビジネスでのスムーズな意思決定や理解促進に不可欠です。データ分析ツールと画像生成AIを組み合わせることで、分析結果をグラフやチャートに自動変換し、インフォグラフィックや図版として出力できます。

1-3. 顧客対応業務の効率化

顧客対応はビジネスの成功に直結する重要な業務ですが、多くの人的リソースを必要とし、負荷が高くなりがちな領域でもあります。生成AIを活用することで、対応品質を維持しながら、業務の効率化やリソースの最適化を図ることが可能です。

1-3-1. チャットボットによる自動応答

チャットボットは、FAQ対応や一次受付など、定型化しやすい問い合わせ対応を自動化する手段として、さまざまな業界で広く活用されています。なかでも生成AIを搭載したチャットボットは、従来のルールベース型に比べて自然な対話が可能であり、ユーザー満足度の向上にもつながります。特に、質問の表現にバリエーションがある場合や、入力文に揺れがあるケースでも柔軟に対応できる点が大きな強みです。

1-3-2. FAQの作成と更新

質の高いFAQは、顧客の自己解決を促進し、サポート対応の効率化にもつながります。生成AIを活用することで、サポート履歴や問い合わせデータから頻出する質問を抽出し、分かりやすい回答を生成できるため、FAQの作成・更新プロセスを効率化できます。

1-4. マーケティング業務の効率化

マーケティングは、豊かな創造性と正確なデータ分析の両方が求められる業務です。生成AIを活用することで、広告コピーの作成や市場調査などを効率化でき、よりスピーディなマーケティング活動が可能になります。

1-4-1. 広告コピーの作成

生成AIは、ターゲット層や製品の特性に合わせた広告コピーやキャッチフレーズを、瞬時に複数パターン生成することができるため、A/Bテスト用のバリエーション作成などが効率化されます。また、マーケティングに特化した生成AIツールを活用すれば、Google広告やSNS広告、メールマーケティングなど、各チャネルに適したコピーを短時間で作成できます。

1-4-2. 市場調査

膨大なデータから市場動向や競合情報を分析し、消費者インサイトを抽出することで、市場調査の時間とコストを大幅に削減できます。また、SNSデータやレビューデータを生成AIで分析することで、消費者の「生の声」から重要なインサイトを抽出し、製品改善やマーケティング戦略に活かすことも可能です。

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2. 生成AIで業務効率化を実現した企業事例

生成AIの活用はさまざまな業界で急速に広がっています。実際に生成AIを導入して業務効率化に成功した企業の事例を紹介します。

2-1. 江崎グリコ:AIチャットボットの導入

【導入背景】

全社的な業務の可視化を行ったところ、バックオフィス部門においては、「社員からの問い合わせ対応」が大部分を占めていることが判明した。社内ポータルサイトが複数あり、また情報検索性が低いため、メールや電話で問い合わせることが常態化していたことが原因。これにより、バックオフィス部門が対応に時間をとられ、本来の業務を圧迫している課題があった。

【導入した生成AI】

「完全に内製可能」などのメリットから、Allganize社のAIチャットボット「Alli」を導入した。

【導入後の効果】

情報システム部門だけでも、年間13,000件以上あった問い合わせを約30%削減。FAQを即座に更新できるため、タイムリーな対応が可能になった。また、自分自身で調べて解決する社内文化の醸成にも寄与した。

出典:Allganize、Glicoグループのバックオフィス効率化をAIチャットボット「Alli」で支援

2-2. LIFULL:Slack上で稼働するAI「keelai」の開発・活用

【導入背景】

個人の生産性を日々高めていく「日次採算性向上推進」の取り組みの一環として、更なる業務の軽量化のために生成AIの導入を検討。「従業員の7割のAI活用」「20,000時間の業務時間創出」という定量的な目標を掲げて取り組みを推進した。

【導入した生成AI】

Slack上で動作する社内AIチャットボット「Keelai」を導入した。

【導入後の効果】

社内向けというクローズドな生成AIのため、利用のハードルが低く、多くの社員がメールなどの文章のたたき台の作成や情報検索、データ分析などに活用し、業務効率化を実感。目標達成ができた組織が15%増えたという成果もあった。社内向けの告知を生成AIで作成した漫画に変えたところ、アクセス数が3.5倍に増加した。

出典:

LIFULL、生成AIの社内活用により半年間で 20,000時間以上の業務時間を創出

生成AI活用で20,000時間を創出!LIFULL全社プロジェクトの全貌【SELECK miniLIVEレポート】

2-3. パナソニックコネクト:AIアシスタントサービス「ConnectAI」の導入

【導入背景】

2023年2月より、「生成AIによる業務生産性の向上」「社員のAIスキルの向上」「シャドーAIリスクの軽減」を目的として、国内の全社員約12,400人を対象にAIアシスタントサービスを展開した。

シャドーAI:情報システム部などの管理部門が把握していないまま社員が利用しているIT機器やサービスの総称

【導入した生成AI】

OpenAIのLLMをベースに独自開発した、社内向けの生成AIアシスタントサービス「ConnectAI」を導入した。

【導入後の効果】

「生成AIによる業務生産性向上」では、1年で全社員18.6万時間の労働時間削減を達成。「社員のAIスキルの向上」では、戦略策定や商品企画といった生産性向上につながる活用が増加した。また、「シャドーAI利用リスクの軽減」においては、16ヶ月の間に情報漏えいや著作権侵害などの問題は発生しなかった。

出典:パナソニック コネクト 生成AI導入1年の実績と今後の活用構想~1年で労働時間を18.6万時間削減~

これらの事例が示すように、生成AIの業務効率化への活用は、単なる作業自動化にとどまらず、社内ナレッジの活用促進や意思決定の迅速化、社員のクリエイティブな業務へのリソースシフトなど、多面的な効果をもたらしています。

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3. 生成AIを導入する際の注意点

生成AIは業務効率化に大きな可能性を秘めていますが、企業や自治体が導入する際にはいくつかの注意点があります。

3-1. データセキュリティ

生成AIツールを利用する際、最も懸念されるのがデータセキュリティの問題です。特に無料のAIサービスでは、入力したデータが学習データとして使用される可能性があります。企業の機密情報や個人情報を含むデータをAIに入力する場合、そのデータの取り扱いについて十分な注意が必要です。

3-2. 著作権などの権利侵害

生成AIが作成するコンテンツには、著作権に関する複雑な問題が存在します。AIが生成した文章や画像が既存の著作物に類似している場合、知らず知らずのうちに著作権侵害を犯す可能性があります。これらの問題を避けるためにも、既存の著作物と類似性がないかを十分に確認しましょう。

3-3. 倫理的な問題

生成AIの活用には倫理的な配慮も重要です。AIが生成するコンテンツには、意図せずバイアスや差別的表現が含まれる可能性があります。企業がAIを活用する際には、生成されるコンテンツが社会的価値観や企業の理念に合致しているか確認する責任があります。特に顧客向けコンテンツや重要な意思決定にAIを活用する場合は注意が必要です。

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4. 生成AIを活用した業務効率化実践のポイント

生成AIを業務に導入し、最大限の効果を引き出すためには、計画的な導入と運用が不可欠です。生成AIを活用して業務効率化を成功させるための実践的なポイントを解説します。

4-1. 課題・ニーズの明確化と適切なツール選定

生成AIを導入する前に、「何のために」「どのような効果を期待するのか」を明確にすることが必要です。自社の課題やニーズを洗い出し、目的に適した生成AIサービスやツールを選定しましょう。

4-2. 効果測定と改善

生成AIの導入効果を測定するためには、明確なKPIの設定と継続的な改善が重要です。単なる時間短縮だけでなく、品質面や従業員の満足度など、業務内容に応じた適切な指標を設定し、多角的な評価を行いましょう。また、それらの評価を定期的に確認して課題を洗い出し、目標のKPIに近づくようにPDCAサイクルを回すことが効果的です。

4-3. 社員への教育

生成AIの効果を最大化するためには、ツールを使用する社員への適切な教育が欠かせません。社員全員が生成AIの基本的な仕組みや限界を理解できるよう、セミナーや研修、勉強会などを実施して、知識や技術の習得のほか、情報をアップデートできる機会を設けましょう。また、社員が日常的に参照できる社内マニュアルやベストプラクティス集を整備することも有効です。

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5. NTT東日本の生成AIソリューション導入事例

NTT東日本では、「自治体さま向け 生成AIソリューション」を提供しています。生成AI導入・活用支援や、ハルシネーションを防ぎながら生成AIをセキュアに利用するための管理機能の提案、ユースケースの創出など、お客さまの課題に応じたベストなソリューションをご提供。DXの推進に向けて、地域DXアドバイザーと生成AIエンジニアが伴走支援いたします。ここでは、本サービスをご利用いただいた自治体の導入事例をご紹介します。

5-1. 「藤沢DX」への活用 - 藤沢市役所 さま

藤沢市役所さまは、人口減少と職員数の減少が見込まれる中、市民への行政サービスを維持・向上させるため、「藤沢DX」を推進しています。職員の皆さまの業務効率化と、より質の高いサービス提供を目的に、RAGを活用したNTT東日本の自治体向け生成AIソリューションを導入しました。

RAGとは?仕組みと導入メリット、使用の注意点をわかりやすく解説

【自治体向け 生成AIソリューション導入運用支援 利用前の課題】
  • 将来的な職員数の減少と業務の複雑化・多様化
  • 職員の異動による専門知識の継承が難しく、庁内での知識共有が課題
  • 過去のPoCで生成AIの一定の有効性は確認できたものの、行政特有の課題解決に更なる活用検討が必要
【自治体向け 生成AIソリューション導入運用支援 利用後の効果】
  • RAG構築による「要約・回答コンシェルジュ」が、問い合わせ対応の効率化に貢献
  • RAG構築による「法規運用支援AI」が、専門性の高い業務を支援
  • 職員の生成AIに対する活用イメージが具体化し、庁内全体のDX推進に向けた意識改革を促進

導入事例の詳細はこちらをご覧ください

来る職員減少に備え、RAG構築による課題解決を検証。「藤沢DX」における生成AIソリューションのユースケースに迫る

5-2.事務事業やデータ活用業務に「RAG」を活用 – 横浜市さま

横浜市さまでは、2023年12月から生成AIの全庁導入などの取り組みを進めてきましたが、より実用性の高い環境での活用を目指して2024年11月から「RAG」の実証を行いました。NTT東日本は、生成AIの導入効果を高めるため、導入準備や業務プロセスの改善などを支援する伴走型のサポートを実施しました。

RAGとは?仕組みと導入メリット、使用の注意点をわかりやすく解説

【RAGに期待する効果】
  • 本市事務事業に特化した情報を扱えることで業務での活用範囲や用途の幅が広がる
  • 全庁利用環境に比べ、より一層の業務効率化・省力化が図られる
【RAG実証によって得られた効果】
  • 業務代替により業務支援が見込めた
  • 業務内容に応じて「向き」「不向き」が確認できたことも評価
  • 業務独自のドキュメント活用により、作業単位での効率化を確認

導入事例の詳細はこちらをご覧ください

横浜市の RAG 実証を NTT 東日本が伴走支援し成果を報告~選挙管理事務やデータ活用業務で生成 AI を活用~

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6. まとめ

生成AIを活用することで多くの定型業務など効率化し、本来注力すべきコア業務にリソースを最適化することが可能です。生成AIの導入をお考えの方は、ぜひNTT東日本にお任せください!

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