COLUMN
Amazon Connectのオーバーライドで年末年始の休業時間を設定してみた
みなさん、こんにちは。クラウドエンジニアの鮎澤です。Amazon Connectでは曜日ごとにオペレーション時間を設定することができ、業務時間内か否か判断する機能と組み合わせることで、例えば平日の9時から17時まで電話を受け付けるといったフローを作成することができます。しかし、月曜日が祝日だった場合、手動でオペレーション時間を変更するか、Amazon S3とAWS Lambdaを組み合わせた祝日判定のシステムを構築する必要がありました。そこで、Amazon Connectのオーバーライド機能を活用することで、簡単に休業時間を設定できるようになりました。
本コラムではAmazon Connectのオーバーライド機能について設定方法から動作確認まで解説します。
1. Amazon Connectとは?
Amazon Connectとは、Amazon Web Services(AWS)が提供するクラウド型コンタクトセンターサービスです。クラウド上でコンタクトセンターのシステムを構築・運用することができます。
Amazon BedrockやAmazon Lexなどの AI サービスとの統合により、音声認識や自動音声予約システムといったAIを活用したコンタクトセンターを構築することができます。
Amazon ConnectとAmazon Bedrockで予約受付時の録音データを要約してオペレーターに通知してみた
さらに、Amazon ConnectはAWS End User MessagingやAmazon QuickSightなどの他のAWSサービスとも連携し、SMSを使った認証機能の実装やリアルタイムの分析が可能です。
Amazon ConnectとSMSを使って簡易的な認証機能を実装してみた
料金体系について、Amazon Connectでは従量課金制を採用しています。初期投資は不要で使用した分だけ課金されるため、不要なコストを支払うことなく低コストAmazon Connectを利用できます。
Amazon Connectの詳細については、こちらの記事をご確認ください。
AmazonConnectとは|導入時のメリット・注意点を解説
Amazon Connectに関するご相談や機能の詳しいご説明をご希望の方はお気軽にNTT東日本までお問い合わせください。
2. オーバーライドとは?
Amazon Connectで利用できるオーバーライド機能について解説します。
Amazon Connectのオーバーライドは、Amazon Connectインスタンスの管理画面上またはAPIを使用して、コンタクトセンターのオペレーション時間に対して祝日や休憩時間といったバリエーションを設定することができます。
例えば平日の9時から17時まで営業しているコンタクトセンターがあり、年末年始を休日にする場合にオーバーライド機能を使うことで、年末年始が月曜日や火曜日であっても営業時間外として設定することができます。
長期休みだけでなく、企業の記念日など暦通り以外であってもオーバーライド機能を使うことで柔軟に時間外設定を行うことができます。
次の章でオーバーライド機能の設定方法について具体的に解説します。
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3. オーバーライドの設定方法
Amazon Connectのオーバーライドの設定方法について解説していきます。
Amazon Connectの構築手順については下記コラムの「2. Amazon Connectの構築手順」の章をご参考ください。
【初心者向け】Amazon Connectインスタンスの特長と構築手順を解説
新規でオペレーション時間を作成し、オーバーライド機能を試したいため、Amazon Connectインスタンスにログインし、「新しい時間のセットを追加」をクリックします。
以下のパラメーターを入力して「保存」をクリックし、オペレーション時間を作成します。
作成した「コールセンター」に対してオーバーライドを設定していきます。オペレーション時間の画面から「コールセンター」をクリックし、編集画面に入ります。
画面下の方に「オーバーライド」があり、「+ 新しいオーバーライドを追加」をクリックします。
以下のパラメーターを入力して「保存」をクリックし、オーバーライドの設定を保存します。
このままだとオペレーション時間にはまだ設定が反映されていないので、オペレーション時間の編集画面の右上にある「保存」をクリックすることで年末年始の休業時間を設定することができます。
またオペレーション時間の画面下に「オーバーライド の変更履歴を表示」があり、いつ、誰が、何をしたか履歴を確認することができます。オーバーライドのリソース名をクリックすると詳細な設定内容や、各設定に対して誰が変更したのか把握することができます。
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4. 動作確認
本章ではオーバーライド機能の動作確認を行います。「3. オーバーライドの設定方法」のオーバーライドでは年末年始まで待たないといけないので、曜日を指定したオーバーライドを作成し確認していきます。
「コールセンター」の編集画面に入り、新規でオーバーライドを追加します。日付のレンジを選択したあと、「オペレーションは終了しました」を無効にすることで曜日を指定できます。ここでは指定した曜日以外が営業時間外となります。執筆時は金曜日なので、金曜日以外の木曜日を営業日として指定し、オーバーライドおよびオペレーション時間の設定を保存します。
続いてフローの編集を行います。「3. オーバーライドの設定方法」の冒頭でご紹介した下記コラムのフローを使います。
【初心者向け】Amazon Connectインスタンスの特長と構築手順を解説
受信フローでは「オペレーション時間を確認する」ブロックを追加します。「オペレーション時間を確認する」ブロックでは、「コールセンター」を選び保存します。「プロンプトの再生」ブロックを適宜追加し、下図のようになっていれば問題ありません。
フローを保存し、公開まで行い動作確認を行ったところ、「時間外」のフローに流れました。また、先ほど作成した「動作確認」のオーバーライドで、金曜日を指定し動作確認したところ「時間内」だったので、電話が繋がることを確認できました。
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5. まとめ
Amazon Connectのオーバーライド機能について設定方法から動作確認まで紹介しました。日付の範囲を選択して休業設定を行えるだけでなく、特定の曜日以外を営業時間にするといった設定も可能で、柔軟に対応できることを確認できました。
また、1つのAmazon Connectに複数のオペレーション時間がある場合、オーバーライドで設定した内容を別のオペレーション時間にコピーすることが可能です。
Amazon Connectで祝日判定の設定に悩んでいる方に、本コラムが参考になりましたら幸いです。
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