AI、機械学習、ディープラーニングの違いは?AWSやMicrosoft AzureのクラウドAIサービスとあわせて解説

近年、さまざまなサービスやシステムでAI(人工知能)が活用されています。ここまでAIが普及した背景には、機械学習やディープラーニングの存在がありますが、これらの違いは何でしょうか。言葉として聞く機会が多くなった「機械学習」は、AIという技術を実現するための手段・学問です。
今回は、AIの概要や歴史とあわせて、AIと機械学習の違いやAWS/MicrosoftAzureで利用できるAIサービスについて紹介します。

AIと機械学習に関する基礎知識

はじめに、AIと機械学習に関する基礎知識を紹介します。AIと機械学習の違いについて知りたい方向けの内容ですので、一つずつ見ていきましょう。

AI(人工知能)とは?概要と歴史

そもそもAIは人工知能のことであり、人間と同様の知能を実現させようとする取り組みやその技術のことを表します。AIの歴史は古く、1950年代に最初のAIブームが到来しました。以後、技術の進化とともにAIブームが巻き起こり、1980年代には第2次AIブーム、近年は第3次AIブームが到来しています。この第3次AIブームが到来するきっかけとなったものが機械学習やディープラーニングの登場であり、ビッグデータを用いて自ら学習するAIが実現したのです。

ここでAIには「強いAI(汎用型AI)」と「弱いAI(特化型AI)」が存在することをご存知でしょうか。強いAIはまさに人間のように自立した意識を持って総合的な判断ができるAIです。例としては、漫画やSFの世界で出てくるような人造人間などが該当します。最終的なAIの到達点ともいえ、現在ではまだ実現していません。
対して弱いAIは、与えられた特定の仕事に対して自動的に処理するAIであり、例としては囲碁のアルファ碁やiPhoneなどのSiriが該当します。現在多くのサービスやシステムで活用されているAIは弱いAIのことを表します。

機械学習とは?3つの学習

第3次AIブームのきっかけともなった機械学習は、AIに学習能力を与えるための手法・学問です。人間のように過去の事例や正解・不正解を学習することで、物事の予測や判断がコンピュータで実現できます。
機械学習のなかには大きく分けると次の3つの分野が存在します。

教師あり学習

教師あり学習は学習データに正解を与えた状態で学習させる手法であり、学習精度が高く学習速度も速い特徴を持つものです。

教師なし学習

反対に教師なし学習は、正解となる学習データが存在しない場合に用いる手法であり、未知のパターンを見つけ出す場合に利用できます

強化学習

そして、強化学習はAIが環境に対して最適な行動を学習することが目的の手法であり、先ほど例に挙げたアルファ碁やゲームのAIなどで用いられています。

AIと機械学習の違い

AIと機械学習の違いや関係性を一言で表すと「AIという技術を実現するための手法・学問が機械学習」であると言えるでしょう。加えて、機械学習とあわせて聞くことの多い「ディープラーニング(深層学習)」は、機械学習をさらに発展させたものであり、AIがデータから学習する手法です。
それぞれの関係性は、AIと機械学習・ディープラーニング、機械学習とディープラーニングに分けて考えるとわかりやすいでしょう。AIを実現するために機械学習やディープラーニングを用い、機械学習はデータの特徴(正解・不正解など)を人間が与えるもの、ディープラーニングはデータの特徴を自らAIが学習するもの、という違いがあります。

AWSで利用できるAIサービス

昨今、クラウドサービスの利用が活発になってきていますが、AI分野においてもクラウドサービスは大いに活用可能です。ここでは、AWS(Amazon Web Service)で利用できるAIサービスについて簡単に紹介します。

Amazon SageMaker

Amazon SageMakerは機械学習のモデルを構築・トレーニング・デプロイできるようにするマネージド型のサービスです。機械学習モデルの構築から管理までを1つのツールセットで実現し、機械学習モデルの開発の手間とコストを大幅に抑えられます。Amazon SageMakerでは、機械学習の教師なし学習・教師あり学習・強化学習をサポートしています。詳細に関しては、「機械学習に必要な「モデル開発」~「推論」ができるAmazon SageMakerを解説」で詳しく解説していますので、こちらもぜひご覧ください。

Amazon Rekognition

Amazon Rekognitionは、機械学習の専門知識を必要とせずに画像と動画の分析が実現できるサービスです。Amazon Rekognitionではディープラーニングによって、正確な顔検索や工場ライン上の機械部品チェックなどを簡単に実装できます。詳細に関しては、「ディープラーニングを利用した画像認識・分析を実装できるAmazon Rekognitionを解説」で詳しく解説していますので、こちらもぜひご覧ください。

Amazon Polly

Amazon Pollyは、ディープラーニングを活用して文章をリアルな音声に変換するサービスです。従来の機械音声はどうしても違和感がありましたが、Amazon Pollyでは何十種類ものリアルな音声を多数の言語でサポートしており、さまざまな国に対応した自然な人間の音声を合成できます。

Amazon Transcribe

Amazon Transcribeは、音声をテキストに変換するサービスであり、Amazon Pollyとは反対のことができるサービスです。Amazon Transcribeではディープラーニングを活用した自動音声認識が実装され、音声データを与えることでカスタマーサービスの通話の文字起こしや字幕の自動作成などを実現できます。詳細に関しては、「機械学習の力で音声データから文字起こしができるAmazon Transcribeを解説」で詳しく解説していますので、こちらもぜひご覧ください。

Microsoft Azureで利用できるAIサービス

AWSと対をなす存在として、Microsoft Azureも欠かせません。AzureではどのようなAIサービスがあるのでしょうか。AzureのAIサービスは大別すると「機械学習」「ナレッジマイニング」「AIアプリとエージェント」の3つに分けられます。

機械学習サービスのなかに含まれるAzure Machine Learningでは、機械学習モデルの構築からデプロイまでを一括して行なえます。AWSのSageMakerと同等のサービスと位置づけられるでしょう。Pythonベースの機械学習サービスであり、教師なし学習・教師あり学習・強化学習をサポートしています。

次に、ナレッジマイニングサービスにはAzure Cognitive Searchが含まれています。Azure Cognitive SearchはAI機能を備えた検索サービスであり、自然言語だけでなく音声や画像などの検索も実現可能です。

最後にAIアプリとエージェントサービスでは、Azure Cognitive Servicesが利用できます。Azure Cognitive Servicesは機械学習の知識を必要とせず、さまざまなAIサービスを実現できるサービス群です。たとえば、音声認識や画像識別、テキスト読み上げ機能が利用できます。

基本理解でAIサービスの選択ができる

AIと機械学習は深い関係にありますが、その違いは「AIという技術を実現するための手法・学問が機械学習」であると言えるでしょう。加えて、近年のAIを語る上で欠かせないディープラーニングに関しては、機械学習をさらに発展させたものであり、「AI>機械学習>ディープラーニング」という関係性になります。
また、AWSやAzureでは、教師あり/なし学習や強化学習をサポートした機械学習モデルの作成サービスから、機械学習の知識を必要としないAIサービスまで幅広く用意されています。さまざまなサービスやシステムで活用されるAIの利用を考えられている際は、AWSやAzureで最適なAIサービスを探してみてはいかがでしょうか。

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