COLUMN
IPコールセンターとは?IP電話サービスやIP-PBX利用のメリット・デメリットも解説
近年では、多くはIP電話サービスを利用して通話が行われています。このIP電話サービスやLANを利用したコールセンターがIPコールセンターです。今回は、IP電話サービスやIP-PBXを解説するとともに、IPコールセンターについてお伝えしていきます。
IP電話サービスとは?
IP電話サービスは、VoIP技術を利用した電話サービスです。VoIPとはVoice over Internet Protocolの略で、音声を圧縮してパケットに変換し、IPネットワークでやり取りする技術を指します。近年では、電話機を使用せずにPCの画面だけで操作できるソフトフォンも多く使われるようになってきています。
総務省は、2025年1月までにアナログ電話を廃止し、IP電話網に完全移行することをすでに発表※していることもあり、IP電話サービスは今後のビジネス用電話においても間違いなく主力になっていくでしょう。電話業務を改革する「電話業務DX」にはIP電話は必要不可欠です。
コールセンターで使用されるIP‐PBX
IP-PBXとは、Internet Protocol Private Branch eXchangeの略で、従来のオフィス内で内線と外線を繋ぐPBX(電話回線の交換機)のIP電話バージョンです。IP電話サービス(外線)を接続するだけでなく、内線側もLAN上のIPでの通信・通話が可能になります。
またIP-PBXでは通話内容をデジタルデータとして保存され、ストレージの効率化や他システムとの容易なデータ連携できることが大きなメリットです。データ連携が容易なため、CTI連携や通話録音など対応しやすくなります。
近年では、クラウドサービスでPBX機能を提供する事業者も出てきています。クラウドサービスでPBXを利用すると、物理的なPBXが設置不要になるため、PBXを設置するスペースや電力なども節約できます。
IPコールセンターのメリット
ここまでIP電話サービスやIP-PBXについてみてきましたが、具体的にコールセンターに利用するとどのようなメリットがあるのでしょうか?
コスト削減
インターネット回線を利用することで従来の電話より通話料を抑えられます。また、電話のためだけの内線の配線が不要となり、さらにソフトフォンを利用できる場合には専用の固定電話機も不要となります。
柔軟なレイアウト
オフィス内の配線としてインターネット接続用のLAN配線を利用することができますので、電話機の場所に捕らわれたオペレーター配置は不要となります。また、音声品質上の影響はありますが、無線LANを使うことも可能ですので、オペレーターのより柔軟な配置も可能です。
テレワークにも対応しやすい
ソフトフォンを導入すれば、ソフトフォンがインストールされたPCとインターネットだけで通話ができるので、大がかりな工事を行うことなくオペレーターの自宅でもコールに対応できます。制度面の整備などは必要ですが、住んでいる場所に関わらずコール対応ができますので、日本全国からオペレーターを募集するといったことも従来と比べて容易にできるでしょう。
IPコールセンターのデメリット
しかしながら、IPコールセンターにはデメリットもあります。
インターネットの回線状況に左右される
IP電話サービスにはインターネットを利用するものが多く、その場合IPコールセンターの品質はインターネット回線の速度に影響されます。サービス停止を防ぐため、インターネット回線は必ず冗長化しましょう。また、インターネットサービスプロバイダーが安定したバックボーン回線で構築されているかを把握しておくことも重要です。
050番号の特性を考慮する必要がある
IP電話サービスの050の番号からは、緊急電話(110、119など)やフリーダイヤル0120に発信できません。また、市外局番ではない「050番号」という部分で、まだ信頼性に欠けるイメージが残っていることも事実です。これらの特性を許容できるかどうかは十分に検討しましょう。
停電時にはサービスが停止する
オンプレミスのIP-PBXによるIPコールセンターの場合、停電が発生すると電気の供給ができなくなり、ネットワークに接続する機器が動作しなくなるため、IPコールセンターもサービスを停止しなければなりません。停電に対応したい場合は、IP-PBXやインターネット接続機器を稼働させるための無停止電源装置などの導入を検討しましょう。大規模なコールセンターの場合には予備電力装置も大きなものになるため、災害時などに予備電源装置を稼働させるための優先給油権などの契約を燃料供給事業者と締結しておけば、さらに安心です。クラウド型のIP-PBXサービスを利用すると、電話機は別として、オフィス側には基本的にインターネット接続機器(ゲートウェイ機器も必要となる場合あり。)の停電時対応のみで済みます。
オンプレミスでコールセンターを構築するならIPコールセンターがおすすめ
デメリットもありますが、IPコールセンターにはコスト削減や柔軟なレイアウト、テレワーク対応のしやすさなどのメリットがあります。
コールセンター向けシステムによく実装される主な機能
現代のコールセンターでは、単に電話を接続するだけでなく、CRMやCTI、IVRといったシステムを使うケースが多くありますので、IP-PBX以外にも必要なシステムがあります。詳細は「コンタクトセンターシステムで必要な機能は?システム選定のポイントも解説」で解説していますのでぜひご覧ください。
Amazon Connectはクラウド型コンタクトセンターのシステムにおすすめ
今までは、これらのシステムは自社にサーバーを用意してシステムを構築するオンプレミス型で準備されていました。しかし最近では、準備期間の短縮化や自由なシステムリソース増減などのメリットが理由で、クラウドサービスの利用が増えてきています。
Amazon Connectはアマゾンウェブサービス(AWS)が提供するサービスで、仮想コンタクトセンターを容易に準備できるサービスです。前述したコンタクトセンター運営に必要なIVRやCTIなどのコンタクトセンターに必要なシステムを一通り備え、AWS Identity and Access Management(AWS IAM)と連携することで多要素認証も実装できます。AWS IAMについて詳しく知りたい方は「AWS IAMによる権限設定のメリットと設定方法」をご覧ください。
以下に、Amazon Connectの構成例の一つを示します。
クラウドを活用した電話業務DXに関して知っておくべきこと
Amazon Connectは、コールセンターとしての利用以外にも、電話業務DXに役立てることができます。電話業務DXを検討されている方はこちらをご参照ください。
電話の新しいカタチ!Amazon Connectで電話もクラウドへ
Amazon Connectを活用した電話業務DX環境の整備について、技術的に深く学びたい方は以下をご覧ください。
コールセンター構築についてはこちらから
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