COLUMN
Amazon Athenaを使った別アカウントのAmazon S3へのクエリ発行について
当社内でクラウド関連商材の営業企画業務をしている中村と申します。
今回はAmazon Athenaを使った別アカウントのAmazon S3に対するクエリ発行について解説したいと思います。
はじめに
AWSを利用してデータ分析を実施していると、別アカウントのAmazon S3に格納しているデータに対して分析をしたくなるシーンがあるかと思います。
今回はAmazon Athenaを使った別アカウントにあるAmazon S3内の暗号化されたデータに対するクエリ発行を行う方法について解説したいと思います。
以下、S3に暗号化されたデータを保持しているアカウントを”アカウントA”と呼び、暗号化されたデータに対してAmazon Athenaを使ってクエリを行うアカウントを”アカウントB”と呼びます。
1. 暗号化に利用するカスタマー管理キーを作成(アカウントAでの作業)
先ずは暗号化に利用するカスタマー管理キーを作成します。AWSコンソールにログイン後、検索バーより”KMS”と入力し、AWS Key Management Serviceの画面に遷移します。画面左メニューリストより”カスタマー管理型のキー”を選択し”キーの作成”を選択します。
デフォルトの設定のまま”次へ”を選択します。
任意のエイリアスを入力し、”次へ”を選択します。
次に遷移する画面にてキーの管理やキーの利用が可能なIAMユーザやIAMロールを選択することが可能です。利用するIAMユーザやIAMロールを選択ください。
次に遷移する画面にてキーポリシーを設定することが可能です。
キーポリシーに以下の通りのポリシーを追加して”完了”を選択します。
{
"Sid": "Allow use of the key",
"Effect": "Allow",
"Principal": {
"AWS": "[利用許可を与えたいアカウントBのリソースのARN]"
},
"Action": [
"kms:Encrypt",
"kms:Decrypt",
"kms:ReEncrypt*",
"kms:GenerateDataKey*",
"kms:DescribeKey"
],
"Resource": "*“
}
2. Amazon S3バケットの作成と暗号化したデータのアップロード(アカウントAでの作業)
次に暗号化したデータを格納するAmazon S3バケットを作成します。検索バーより”S3”と入力し、Amazon S3の画面に遷移します。”バケットを作成”を選択し、バケット名を入力の上、利用するリージョンを選択し他はデフォルトの設定のまま”バケットを作成”を選択します。
作成が完了したバケットを選択し、”アップロード”を選択します。
データのファイルをアップロードし、”プロパティ”タブを選択します。
“暗号化キーを指定する”、“AWS Key Management Serviceキー”、”AMS KMSキーから選択する”を選択し、先ほど作成したカスタマー管理キーを選択します。
“アップロード”を選択します。
次に、”アクセス許可”タブからバケットポリシーを設定していきます。
バケットポリシーの”編集”を選択します。
バケットポリシーとして以下を入力し、”変更の保存”を選択します。
{
"Version": "2012-10-17",
"Id": "ReadBucketPolicy1",
"Statement": [
{
"Sid": "allow-data-account",
"Effect": "Allow",
"Principal": {
"AWS": "[利用許可を与えたいアカウントBのリソースのARN]"
},
"Action": [
"s3:GetObject",
"s3:ListBucket"
],
"Resource": [
"arn:aws:s3::: [新しく作成したバケット名]/*",
"arn:aws:s3::: [新しく作成したバケット名]"
]
}
]
}
これで、アカウントAでの作業は終了となります。
3. IAMポリシーの作成と利用(アカウントBでの作業)
最後にアカウントBでアカウントAのカスタマー管理キーを作成可能なポリシーを作成し、Amazon Athenaでのクエリを実行するリソースにポリシーをアタッチします。検索バーより”IAM”と入力し、IAMの画面に遷移します。画面左メニューリストより”ポリシー”を選択し”ポリシーを作成”を選択します。
“JSON”タブを選択、以下のポリシーを入力し、”次のステップ”を選択します。
1. {
"Version": "2012-10-17",
"Statement": [
{
"Sid": "readAccountPolicy",
"Action": [
"kms:Decrypt",
"kms:DescribeKey",
"kms:Encrypt",
"kms:GenerateDataKey",
"kms:ReEncrypt*"
],
"Effect": "Allow",
"Resource": "[アカウントAで作成したカスタマー管理キーのARN]"
}
]
}
ポリシーの名前と説明を入力し”ポリシーの作成”を選択します。
後は、作成したポリシーを利用したいリソースにアタッチして作業は完了です。
(なお、本記事では割愛しますが、今回作成したポリシーとは別にAmazon S3やAmazon Athenaの利用におけるアクセス権限の設定は別途必要となります。)
4. Amazon Athenaからクエリ(アカウントBでの作業)
実際にAmazon Athenaを利用してクエリを発行してみたいと思います。
検索バーより”athena”と入力し、Amazon Athenaの画面に遷移します。
アカウントAのAmazon S3バケット内のデータを指定したテーブル作成用のクエリを発行し、テーブルを作成ください。
作成したテーブルに対してクエリ発行できましたでしょうか?
あとがき
今回は暗号化された別アカウントのAmazon S3に格納されているデータに対してのAmazon Athenaによるクエリの方法について解説いたしました。
本記事をご覧いただいた方の役に立つと幸いです。
参考:AthenaでのAmazon S3バケットへのクロスアカウントアクセス
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/athena/latest/ug/cross-account-permissions.html
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