COLUMN

Visual Studio App Centerの機能、メリットを徹底解説

Visual Studio App CenterはCI/CDサービスを提供するAzureサービスのひとつです。クラウド上にビルド環境を構築し、あらかじめ記述したテスト内容に沿って自動的にモバイルアプリケーションのUIテストを行います。テストの自動化は業務効率の改善やコスト削減の要と言えるものです。今回はVisual Studio App Centerの機能やメリット、利用すべきエンジニアなどについて解説しました。

Visual Studio App Centerとは

ソフトウェア開発において、テストの自動化は大きな課題です。テストの自動化は業務効率を改善するだけでなく、ソフトウェアの品質向上にも寄与します。

昨今、テストの自動化の流れを受けて、CI/CDサービスに注目が集まっています。CI/CDとは、「Continuous Integration/Continuous Delivery」の略で、日本語に訳すと「継続的インテグレーション/継続的デリバリー」となります。

CI/CDサービスにはオンプレミスで稼働させるサービスとクラウドで稼働させるサービスがあります。Visual Studio App Centerはクラウド上でCI/CDを提供するサービスです。

またCI/CDは技術を指す用語ではなく、ソフトウェア開発手法と言えるものです。CI/CDはソフトウェアに変更が加えられた際に自動でテストを行い本番環境にいつでもリリースできる状態を保つことを指します。
なおテストの自動化において、テスト内容はユーザーが記述しなければいけません。Visual Studio App Centerは用意されたテスト内容を自動的に実行するものです。

Visual Studio App Centerを使用しない場合

Visual Studio App Centerを含む、クラウド上でCI/CDを提供するサービスを利用しない場合には、オンプレミスでビルドサーバーを立てる必要があります。Visual Studio App Centerを使用すると、クラウド上にビルドサーバーが立てられます。

オンプレミスはクラウドに比べると、ビルド環境の拡張自由度が高い一方で、サーバー構築やサーバーメンテナンスなど、運用のためのコストと業務が発生します。クラウド上のCI/CDサービスを使う場合は、環境拡張の自由度は低くなりますが、自前でサーバーを用意する必要がありませんのでその部分にかかるコストや業務の軽減が期待できます。
オンプレミスとクラウドのどちらのCI/CDサービスを選択するかについては、費用対効果やCI/CDサービスの利用目的などで比較して決定すると良いでしょう。

また、スマートフォンアプリを開発する場合にiOSとAndroidではビルド環境が異なることにも、特にオンプレミスでビルド環境を構築する場合には留意しましょう。iOSはAppleが提供しているXCodeであり、AndroidはGoogleが提供するAndroid Studioです。それぞれ開発のプログラミング言語も異なります。

Visual Studio App Centerはプログラミング言語としてSwift、Objective-C、Javaなど6種類に対応しています。豊富なプログラミング言語に対応しているVisual Studio App Centerを利用することで、ビルド環境ごとにビルドサーバーを立てずに済ませられることもあります。

機能とメリット

モバイルアプリケーション開発においては、従来はあらゆるモバイル機器での手動テストが行われており、このことが開発業務のコスト圧迫要因の一つでした。

そのような背景から生まれた開発業務のコスト削減や業務効率化の要望があり、あらゆるモバイル機器でのテストを自動化することなどを目的として、Visual Studio App Centerは開発されました。

Visual Studio App Centerの代表的な機能には、クラウド上でのアプリケーションのビルド、自動化されたプログラムの単体テスト、実機デバイスを使った自動テスト、アプリケーションの状態を管理してクラッシュレポートなどの収集・ログ化などがあります。

また、ビルド環境を比較的簡単に構築できる点もVisual Studio App Centerのメリットのひとつです。ライブラリ管理ツールの自動インストールなどは、Visual Studio App Centerがビルドのための環境構築の手間を省きます。

実機のデバイスを使った自動テストにおいては、ベータテスターにアプリケーションを自動的に配布することなども可能です。

利用シーン

Visual Studio App Centerが特に大きな威力を発揮するのは、複数機種のモバイル機器でUIテストを行いたい時でしょう。手動でテストを行う場合には、画面サイズやOSバージョンが異なるデバイスを用意してテストをしなければいけません。自動テスト機能はCI/CDサービスやVisual Studio App Centerが注目されている理由のひとつです。

Visual Studio App Centerを利用すべきエンジニア

先述のとおり、Visual Studio App Centerの大きなメリットのひとつが、数千台の実機でアプリケーションを自動でテストできることです。これは、アプリケーションテストを行う品質管理部門やエンジニアにはVisual Studio App Centerに最も大きな恩恵をもたらすでしょう。

また、ビルド環境の構築が比較的容易であること、常に自動でテストを行い本番環境にビルドするための環境の維持をサービス提供事業者側に委ねられることから、アプリケーションのデプロイを担当するエンジニアにもVisual Studio App Centerは有用だと考えられます。

料金とSLA

Visual Studio App Centerは複数のサービスから構成されており、必要なサービスや予算に応じた選択が可能です。また、無料プランも用意されているため、まずは使ってみるということも可能です。

無料プランにはObjective-C、Swift、Java、Xamarin、React Nativeを月240ビルド(1ビルド30分まで)行える機能や数千台の実機を利用した自動UIテストなどの機能が提供されています。(2020年3月現在)

有料プランではビルド回数の無制限、数千台の実機とで自動UI テスト、(時間制限あり)、無制限のUIテストの3つのプランがあり、サービスごとに価格設定が異なるため、必要なサービスだけを利用して料金を支払うことが可能です。

またSLAについてVisual Studio App Centerを利用したビルド操作、テスト操作の双方に99.9%以上の可用性が保証されることとなります。

詳細については、以下の公式サイトでご確認ください。
https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/details/app-center/別ウィンドウで開きます

CI/CDサービスの活用を検討しましょう

利用者ニーズの変化はますます早くなっており、利用者が直接操作するアプリケーション開発においては特に、その開発環境の柔軟性は重要な要素の一つです。Visual Studio App Centerをはじめとする、クラウドサービスとして提供されるCI/CDサービスを検討してみてはいかがでしょうか。

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