COLUMN

AWSでの高い可用性を実現するための具体的方法と考え方

NTT東日本によるクラウド導入・運用サービス。資料はこちらよりダウンロードできます。

こんにちは。
クラウドサービスの担当に異動し、もうすぐ1年となるよもっちです。

情報システムの可用性がますます重要となっている現在、企業の成長や競争力を支えるためには、安定したシステム運用が不可欠です。

オンプレミス環境からクラウドサービスへの移行が進んでいますが、このコラムではクラウド事業者の最大手であるAmazon Web Services(AWS)の可用性について、構成を工夫して可用性を高める方法や、似た言葉である耐障害性との違いについて説明したいと思います。

このコラムを読むことで、AWSの可用性に関する知識と具体的な方法を把握し、クラウド移行を検討する際の参考としてください。

NTT東日本によるクラウド導入・運用サービス。資料はこちらよりダウンロードできますので、併せてご確認ください。

1. 可用性について

1-1 可用性とは

可用性は、システムやサービスが利用可能な状態であることを指します。ユーザーが必要な時にシステムにアクセスでき、要求された機能を適切に提供できることが求められます。可用性は、業務の継続性や顧客満足度に結び付く重要な要素です。

1-2 可用性とSLA

可用性は、サービスレベルアグリーメント(SLA)と密接に関連しています。SLAは、サービスの提供者が顧客に対して約束する品質や可用性のレベルを文書化したものです。一般的に、SLAでは可用性の目標値が設定され、サービス提供者はその目標を達成するために努力します。利用者はSLAに基づいて可用性を評価し、サービス水準を下回った場合は、補償を求めることもあります。

1-3 可用性と耐障害性の違い

可用性と耐障害性は関連性がありますが、異なる概念です。

可用性:システムが正常に機能している時間の割合を表します。

システムには障害が発生することを前提とし、停止時間をどれだけ短くすることができるのかという考え方です。

耐障害性:システムが障害に対してどれだけ耐えることができるかを示します。

システムが障害によって停止した場合でも、復旧やバックアップからの再開を含めた状態を維持する能力を指します。

つまり、耐障害性は障害への対処策を示し、可用性はシステムが常に利用可能な状態であることを意味します。

2. AWSの可用性

AWSは、高い可用性を提供するためにさまざまな機能やサービスを提供しています。AWSのグローバルインフラストラクチャは、複数の地域にまたがるデータセンターから構成されており、地理的な冗長性を持つことで可用性を確保しています。また、AWSは冗長構成をとれるネットワーク接続や自動的なスケーリング機能なども提供しており、システムの負荷分散や障害時の自動的なリソースの追加が可能です。

AWSでは、可用性を高めるためのさまざまなサービスも提供されています。例えば、Amazon S3(Simple Storage Service)は高いデータ耐久性を提供し、データの冗長性と自動的なバックアップを実現します。Amazon RDS(Relational Database Service)やAmazon Auroraなどのデータベースサービスも冗長構成や自動バックアップを備えており、高い可用性を確保します。

AWSのサイトで詳しくまとめられていますので、詳細は下記を参照してください。

参考:AWS サービスレベルアグリーメント

3. 可用性を高めるベストプラクティス

AWSを利用して可用性を高めるためには、以下のベストプラクティスを考慮することが重要です。

3-1 マルチリージョン、マルチAZアーキテクチャの構築

マルチリージョンにより複数の地域のデータセンターを利用し、地理的な冗長性を確保し、障害時にもサービスを継続できるようにします。AWSのリージョン間レプリケーションやロードバランシング機能を活用することで、負荷分散やフェイルオーバーを実現できます。

参考:マルチリージョンでディザスタリカバリ(DR)戦略を検討するためのポイント

また同一リージョンにおけるマルチAZ構成を取ることでも、可用性を高めることが可能です。

マルチAZにおける構成例は別のコラムでまとめておりますので、ぜひこちらもご確認ください。

参考:AWSにおけるマルチAZの構成例

3-2 自動スケーリングの設定

システムの負荷が増えた場合でも、自動的にリソースを追加することで、パフォーマンスを維持しながら可用性を高めることができます。AWSのオートスケーリング機能を活用することで、リソースの自動的な拡張や縮小を実現できます。

Amazon EC2、Amazon ECS、Amazon DynamoDB、Amazon RDSなどのサービスで自動スケーリングを実現できます。

参考:AWS Auto Scaling

3-3 データの冗長性とバックアップ

データの冗長性を確保することで、データの損失や障害時の復旧を迅速に行うことができます。AWSのストレージサービスやデータベースサービスを使用し、自動的なデータのレプリケーションやバックアップを設定することで、データの安全性と可用性を向上させることができます。

AWS Backupは、AWSクラウド内のデータバックアップと復元を簡単に管理するためのサービスです。EC2やRDS、DynamoDBなどのAWSサービスやオンプレミスのリソースをバックアップし、保持期間やスケジュールを設定できます。データの保護とビジネスの継続性を確保し、バックアップと復元の管理を容易にしてくれます。

AWS Backupについてまとめた別コラムもぜひ参照ください。

参考:AWS BackupでAWSを使ったサービスの運用をより簡単に!

3-4 モニタリングとアラート設定

システムの監視と早期の障害検知は、可用性を高めるために重要な要素です。Amazon CloudWatchのモニタリングサービスやアラーム設定を活用し、システムのパフォーマンスや異常な動作をリアルタイムで監視し、問題が発生した際には適切な対応を行います。

Amazon CloudWatchのコラムも併せてご確認ください。

参考:AWS上のサービスを監視する「Amazon CloudWatch」の実力は?

4. 可用性を考慮したAWSの導入はNTT東日本にご相談ください

こちらよりお気軽にご相談ください。

「自社に適したAWS環境を導入したい」

「セキュリティが高く、通信環境も安定した環境を構築したい」

「自社の要望に対する可用性を考慮したベストプラクティスな構成で構築したい」

NTT東日本はこれらの悩みを、提案フェーズから導入・保守までの一元サポートで解決します。

NTT東日本は特に以下のポイントにおいて、大きなメリットがあります。

それぞれご紹介します。

4-1.ネットワーク環境構築から導入、運用・保守サポートまでワンストップ支援

NTT東日本の大きな特徴は、AWSの導入のためのネットワーク構築から導入完了後の運用・保守サポートに至るすべてを一貫してサポートできることにあります。

NTT東日本は、ネットワーク事業者である強みを生かして、AWS導入に合わせた最適なネットワーク環境を構築・提供します。

もちろんクラウド移行が完了した後も、ネットワーク対応も含めた保守サービスを提供できることも、NTT東日本を選んでいただくうえでの大きなメリットの一つとなるかと思います。

4-2.AWS認定資格をもつエンジニアが多い

2つめの理由として、AWS導入の認定資格を持つエンジニアの高い技術力と豊富な知識があります。

NTT東日本には、以下に示す資格もつエンジニアが在籍しており、お客さまのご要望に対して質の高いAWS導入を実現します。

AWS認定クラウドプラクティショナー

AWS認定ソリューションアーキテクト

AWS認定デベロッパー

AWS認定SysOpsアドミニストレーター

AWS認定ソリューションアーキテクト

AWS認定DevOpsエンジニア

AWS認定セキュリティ

AWS認定データアナリティクス

AWS認定高度なネットワーキング

AWS認定機械学習

AWS認定Alexaスキルビルダー

AWS認定データベース

NTT東日本は、AWS認定資格保有数500を超える企業に与えられる「AWS 500 APN Certification Distinction」の認定も受けています。

AWS認定資格取得数は、サポートできるAWSのエキスパートが多くいることを示すものであり、この認定は、AWSの導入支援業者を選ぶ際の指針として参照していただけるものであります。

NTT東日本のクラウド導入サービスにご興味のある方は、以下のページを是非ご確認ください。

参照:NTT東日本|クラウド導入・運用 for AWS / Microsoft Azure

ダウンロード資料はこちら。

5. まとめ

本記事では、AWSの可用性について解説しました。可用性は、ビジネスの継続性や顧客満足度に直結する重要な要素であり、AWSは高い可用性を提供するための機能やサービスを提供しています。また、可用性を高めるためには、マルチリージョンアーキテクチャの構築や自動スケーリングの設定、データの冗長性とバックアップ、モニタリングとアラート設定などのベストプラクティスを考慮することが重要です。可用性の向上は、ビジネスの安定性と競争力を高めるために欠かせない要素であり、AWSの活用によってこれを実現することが可能です。

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