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データのアクセス頻度に応じてコスト最適化!? Amazon S3のストレージクラスとは!?

AWSにおける代表的なストレージサービスAmazon S3を活用したコスト最適化術をご存知でしょうか。

Amazon S3には6つのストレージクラスが存在しており、データのアクセス頻度によって使い分けることによって、コストを抑えて管理することができます。

当コラムではS3のストレージクラスを理解し、コストを最適化する方法を説明します。

1.Amazon S3とは

S3 は データをクラウド上に安全安心に保存することができる容量無制限のオブジェクトストレージです。高いデータ耐久性を実現するように設計されているため、業務用のデータの保管からバックアップや復元、BCP/DR対策、アーカイブなどに使用されます。

また、保存量に応じて課金が発生するため、主に長期間・リーズナブルにデータを保管したいというニーズに対応しています。

詳しいS3の内容については、以下のコラムで紹介しています。是非ご確認ください。

【AWS初心者向け】ストレージサービス「Amazon S3」とは?実際に使用してみた

2. S3のストレージクラス

Amazon S3は、データのアクセス、復元力、およびコスト要件に基づいて選択できるさまざまなストレージクラスを提供しています。

ストレージクラスまとめ

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ストレージクラス アクセス頻度 料金 取り出し時間
Standard 高い $0.025/GB ミリ秒
S3 Intelligent-Tiering 変動 各アクセス階層の料金+$0.0025 ※1 ミリ秒
Standard-IA 低い $0.0138/GB ミリ秒
One Zone-IA 低い $0.011/GB ミリ秒
Glacier Instant Retrieval ほぼない $0.005/GB ミリ秒
Glacier Flexible Retrieval ほぼない $0.0045/GB 1分~12時間
Glacier Deep Archive ほぼない $0.002/GB 12~48時間

1 オブジェクト1,000件あたりのモニタリング、自動化料金

2-1. 汎用

S3 Standard

一般的に利用されるアクセス頻度が高いデータ向けのストレージクラス。

低レイテンシーと高スループットであるため、クラウドアプリケーションや動的ウェブサイト、コンテンツ配信などのユースケースに適しています。

S3 Intelligent-Tiering

アクセス頻度に応じてデータを最も費用対効果の高いアクセス層に自動的に移動することでコスト削減できるストレージクラス。

データレイク、データ分析などのユースケースに適しています。

2-2. 低頻度アクセス

S3 Standard-Infrequent Access(S3 Standard-IA)

アクセス頻度は低いが、必要に応じてすぐに取り出すことが必要なデータ向けのストレージクラス。

S3 Standardと同等のパフォーマンスを提供しており、長期保存やバックアップ、災害対策としての利用に適しています。

S3 One Zone-Infrequent Access(S3 One Zone-IA)

アクセス頻度は低いが、必要に応じてすぐに取り出すこと必要があるデータ向けのストレージクラス。

S3 Standard-IAと比べ、一つのAZ(Availability Zone)のみにデータを保存するため、S3 Standard-IAよりもコストを20%削減することができます。そのため、オンプレミスデータのセカンダリバックアップのコピーを保存するのに適しています。

2-3. アーカイブ

S3 Glacier Instant Retrieval

アクセスされることがほとんどなく、必要に応じてすぐに取り出すこと必要があるデータ向けのストレージクラス。

アーカイブだが、S3 StandardやS3 Standard-IAと同じスループットでアクセス可能なため、すぐにアクセスする必要があるアーカイブデータに適しています。

S3 Glacier Flexible Retrieval(旧S3 Glacier)

1年に1~2回アクセスされ、非同期で取り出されるアーカイブデータ向けのストレージクラス。

すぐにアクセスする必要はないものの、大量のデータを無料で取り出せる柔軟性が必要なアーカイブデータに適しています。

Amazon S3 Glacier Deep Archive

Amazon S3の中で最も低コストのストレージクラス。

金融や医療、公共などの規制が厳しいお客さまで数年データを保管しておかなければならないユースケースに適しています。

3. S3のライフサイクルルール

S3で保存されているオブジェクトに対してライフサイクルルールを適用することで、自動的に費用対効果の高いストレージクラスへの移動や有効期限の設定に応じたオブジェクトの削除等、アクセス頻度に合わせたコスト最適化が図れます。

3-1. ストレージクラス間の移動

別のストレージクラスへ移動するタイミングを定義します。

例えば、作成から30日後にS3 Standard-IAに移行する有効期限切れのデータを削除することができます。

3-2. 有効期限切れオブジェクトの削除

オブジェクトの有効期限を定義します。

有効期限の切れるタイミングでオブジェクトが自動的に削除されます。また、オブジェクトは非同期的に削除されるため、有効期限が切れる日とS3がオブジェクトを削除する日に遅延が生じることがありますが、その期間に対する料金は請求されないのでご安心ください。

4. AWSの導入運用ならNTT東日本のご相談ください

AWSの導入支援から運用までNTT東日本で対応可能です。

今後クラウドへ移行したいが、

「データ量が大きすぎてコストが高くなるのでは?」

「データの移行を含めてお任せしたい!」

など、その際は是非、NTT東日本のクラウド導入・運用サービスまでご相談ください!

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5. まとめ

Amazon S3のストレージクラスをしっかりと理解することによって、コストを最適化することができます。

  • 横にスクロールします
ストレージクラス アクセス頻度 料金 取り出し時間
Standard 高い $0.025/GB ミリ秒
S3 Intelligent-Tiering 変動 各アクセス階層の料金+$0.0025 ※1 ミリ秒
Standard-IA 低い $0.0138/GB ミリ秒
One Zone-IA 低い $0.011/GB ミリ秒
Glacier Instant Retrieval ほぼない $0.005/GB ミリ秒
Glacier Flexible Retrieval ほぼない $0.0045/GB 1分~12時間
Glacier Deep Archive ほぼない $0.002/GB 12~48時間

1 オブジェクト1,000件あたりのモニタリング、自動化料金

また、ライフサイクルルールを適用することによって、定義したルールに従って自動的にコストが最適化されるため、おすすめです。

クラウドへの移行をご検討されている方でも、クラウドをすでにご利用中の方でも身近なところでコストを削減できます。是非、クラウドのメリットを活かして、コストを最適化してみてください。

Amazon Web Services(AWS)および記載のあるAWSの各サービス名は、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。

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