COLUMN
Amazon Connectのサービスクォータと発信制限を理解し、最適なコンタクトセンター運用を実現する方法
こんにちは!平林です。
Amazon Connectを活用する上で、サービスクォータや発信制限は意識しておかなければならない重要な要素です。
これらを適切に設定・管理することで、業務の円滑な進行をサポートできます。
本記事では、サービスクォータや発信制限について解説し、上限緩和や発信制限解除の手順も紹介します。
1. Amazon Connectのデフォルト上限と発信制限
1-1. サービスクォータのデフォルト値
Amazon Connectを運用する際には、デフォルトで設定されている各種上限や発信制限を把握しておくことが重要です。
特に、コンタクトセンターの規模や利用状況に応じた柔軟な対応が求められます。
ここでは、代表的なサービスクォータのデフォルト値を記載します。
名称 | デフォルト | 引き上げ可能 | 引き上げ範囲 |
---|---|---|---|
Amazon Connect アカウントあたりのインスタンス数 | 2 | 可能 | アカウントごと |
インスタンスあたりのアクティブな同時呼び出しの数 | 10 | 可能 | インスタンスごと |
インスタンスあたりの電話番号数 | 5 | 可能 | インスタンスごと |
インスタンスあたりのユーザー数 | 500 | 可能 | インスタンスごと |
キャンペーン | 25 | 可能 | インスタンスごと |
1-2. 発信制限の内容
特定の地域へ発信できるかどうかは、構築したリージョンの設定に依存します。
例えば、東京リージョンではデフォルトで日本(+81)、ベトナム(+84)、アメリカ(+1)のみへの発信が許可されています。
他国への発信が必要な場合は、AWS Supportへの申請が必要です。
また、日本国内の携帯電話番号(+8170、+8180、+8190)への発信も制限があるため、必要に応じて申請を行う必要があります。
参考:Amazon Connect を使用するコールセンターがデフォルトで呼び出すことができる国
Amazon Connectを活用したコンタクトセンターのご相談などNTT東日本のクラウドエンジニアがお応えしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
2. サービスクォータの上限緩和申請の手順
2-1. Service Quotasを使用した申請方法
Amazon Connectのサービスクォータを緩和するための手順は非常にシンプルです。
AWSの管理画面から「Service Quotas」機能を使用することで、短時間で上限の引き上げが行えます。
早速やってみます。
検索窓に[Service Quotas]と入力し、表示された[Service Quotas]をクリックします。
[AWSのサービス]を選択し、[Amazon Connect]と入力し、表示された[Amazon Connect]をクリックします。
今回は検索窓に[Concurrent active calls per instance]を入力し、表示されたクォータをクリックします。
上限を緩和したいインスタンスを選択し、[リソースレベルでの引き上げをリクエスト]をクリックします。
希望のクォータ値を入力し、[リクエスト]をクリックします。
すぐにクォータ値が変更されたことが確認できます。
[リクエスト履歴]タブをクリックすると、リクエストが承認されたことが確認できました。
この手順により、AWS Supportを経由する従来の方法よりも迅速に対応が完了します。
待ち時間が発生しない点は非常に便利に感じました。
Amazon Connectを活用したコンタクトセンターのご相談などNTT東日本のクラウドエンジニアがお応えしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
3. 発信制限の解除方法
3-1. AWS サポートを使用した申請方法
発信制限を解除することで、許可されていない国や番号への発信が可能になります。
これはAWS Supportを使用して解除していきます。
検索窓に[サポート]を入力し、表示された[サポート]をクリックします。
[ケースを作成]をクリックします。
[アカウントと請求]を選択し、下記の値を選択し、[次のステップ]をクリックします。
- サービス:Connect(Number Management)
- カテゴリー:Country Allowlisting for Outbound Calls
- 緊急度:一般的な質問
必要な情報を入力し、[問い合わせ]をクリックします。
希望のツールを選択し、[送信]をクリックします。
あとはAWSからの返信待ちとなります。
AWSからの案内があると、携帯電話番号にも発信できるようになります。
Amazon Connectを活用したコンタクトセンターのご相談などNTT東日本のクラウドエンジニアがお応えしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
4. 上限緩和と発信制限解除後の運用ポイント
4-1. 上限緩和後の確認方法
上限緩和や発信制限解除後も、運用を適切に管理することが重要です。
各サービスクォータの使用状況を定期的に確認し、必要に応じてアラームを設定しておくことで、業務への影響を最小限に抑えられます。
まずクォータ使用状況は、先ほど設定した[Service Quotas]にて確認できます。
現在の各サービスクォータ
なお使用率が[利用不可]以外で数値が書かれている場合は、アラームが設定できます。
該当するクォータを選択すると、[アラーム]タブが表示されますので、[アラームを作成]をクリックします。
下記値を入力し、作成をクリックします。
- アラームのしきい値:クォータ値の[100%・90%・80%・70%・60%・50%]から選択
- アラーム名:任意の名称
作成できました。
アラーム設定により、使用状況が上限に近づいた際の通知が受け取れるため、迅速な対応が可能になります。
Amazon Connectを活用したコンタクトセンターのご相談などNTT東日本のクラウドエンジニアがお応えしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
5. まとめ
5-1. 上限緩和と発信制限解除の重要性と適切な運用のためのポイント
サービスクォータの上限緩和と発信制限の解除は、円滑なコンタクトセンター運用のために非常に重要です。
これらの設定を適切に行うことで、Amazon Connectの活用を最大限に引き出し、ビジネスの成長を支援できます。
5-2. 事例紹介
実際にAmazon Connectを導入し、ビジネスに大きな効果をもたらした事例をいくつか紹介します。
- 株式会社コジマ:クラウド+ボイスワープで改装/移転時のビジネス継続性を向上
- アールエヌティーホテルズ株式会社:ホテルへの問い合わせ入電数を50%削減!コールセンター業務のテレワーク化を目指しAmazon Connectを導入
Amazon Connectを活用したコンタクトセンターのご相談などNTT東日本のクラウドエンジニアがお応えしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
6. 参考資料
Amazon Connectのサービスクォータや発信制限に関する詳細な情報や手順を理解するための資料やガイドなどのリンクをまとめました。
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