COLUMN
OCRとは、写真から文字を読み取る技術!メリットや事例、活用法を徹底解説
「OCRとはなんですか?」
「OCRってなにができるの?」
OCRとは、簡単に言うと、「紙や写真に書かれた文字を読み取って、パソコンなどで使える電子テキストデータに変換する技術」です。
OCRを活用することで、スムーズなペーパーレス化や、定型業務の自動化を実現するなど、仕事の効率化を大幅にアップすることが可能です。
しかし、OCRについて特徴やメリット、デメリットについてきちんと理解しないまま、「便利そう!」と導入してしまうと、OCRの機能を使いこなせなかったり、必要がないのに導入して機能を無駄にしてしまったりします。
そこでこの記事では、OCRについて詳しく解説します。
【この記事を読めばわかること】
◎OCRとは
◎OCRを企業が導入するメリット
◎OCRの活用事例
◎OCRを企業が導入するデメリット
◎企業がOCRを導入するのに必要な設備と費用の目安
◎企業がOCRを導入するための方法
この記事を読み、OCRについて深く理解することで、OCRを自社で活用できる業務があるのか、活用した方がよいのかがわかります。
自社にとって必要だと判断できたうえで適切な業務にOCRを導入することで、業務を効率化し、生産性を大幅に上げることができるのです。
ぜひ最後までお読みください。
目次:
- 1.OCRとは?
- 1-1.OCRでできること
- 1-2.OCRの主な活用シーン
- 1-3.OCRで読み取れる文字
- 1-4.OCRが近年注目される理由
- 2.OCRを企業が導入する3つのメリット
- 2-1.業務が効率化できる
- 2-2.データの活用ができる
- 2-3.情報が検索しやすくなる
- 3.OCRの成果事例
- 3-1.不動産会社での活用事例 請求書入力作業の70%を削減!
- 3-2.製造業での活用事例 受注伝票の確認作業を70%削減
- 4.OCRを企業が導入するデメリット
- 4-1.導入コスト・ランニングコストがかかる
- 4-2.文字認識は100%完全ではない
- 5.企業がOCRを導入するのに必要な設備と費用の目安
- 5-1.必要な設備はパソコン、スキャナー、専用リーダーなど
- 5-2.スマホで利用できるOCRもある
- 5-3.OCRソフトウェアによって費用は異なる
- 6.紙ベースの書類を入力する作業が多い企業はOCRを導入すべき!
- 7.企業がOCRを導入するための方法
- 7-1.OCR業務を代行している業者に依頼する
- 7-2.OCRソフト・アプリを活用する
- 7-3.システム会社に相談する
- 8.まとめ
1.OCRとは?
OCRとは、先ほども紹介したように、一言でいえば「紙や写真に書かれた文字を読み取って、パソコンなどで使える電子テキストデータに変換する技術」です。
ただし、これだけではOCRについて具体的にイメージすることは難しいのではないでしょうか。
そこでこの章では、OCRについて理解するために
◎OCRでできること
◎OCRで読み取れる文字
◎OCRが注目される理由
について詳しく紹介します。
1-1.OCRでできること
OCRでできるのは、「紙に書かれた文字をパソコンで使える電子テキストデータに変換する」ことです。
OCRとは、「Optical Character Recognition/Reader」を略した言葉で、日本語にすると光学的文字認識です。
手書きや印刷された文字を、専用のイメージスキャナーやアプリで読み取り、パソコンで利用できるデジタルの文字コードに変換してくれます。
例えば文字が印刷された紙をスキャナーでスキャンした場合、画像データ(PDF)として保存されます。
この場合、読み取られた面すべてが一枚の画像データとして保存されますから、文字をデータとして取り出すことはできません。
紙に書かれた文字をExcelやWordで使いたいと思った場合は、紙を目視しながらパソコンで入力する作業が必要です。
例えば紙に印刷された帳簿をスキャナーでスキャンした場合は、画像データとして保存されていますから、Excelに電子帳簿として保存したい場合は、PDFを見ながら文字や数字をExcelに打ち込みなおす必要があります。
それに対してOCR機能のある機器では、文字が印刷された紙を読み取ると、パソコンで使える電子テキストデータとして保存することができます。
先ほど同様、紙に印刷された帳簿をExcelに移したい場合、帳簿をOCR機能のある機器で読み取るだけで、自動でExcelデータに変換できるのです。
1-2.OCRの主な活用シーン
OCRはすでに身近なところで活用されています。
例えば銀行口座の開設申し込みや、コンサートチケット購入のために販売サイトに入会申し込みをする際にOCR技術が使われているのです。
通常、口座開設や会員登録には、入力フォームに自分で氏名、住所、電話番号などの必要事項を入力した上で、本人確認書類として免許証などの画像を送る必要があります。
しかし、OCRを使った申し込みフォームでは、免許証をスマホで撮影すれば、免許証に記載されている氏名や住所が自動で入力されます。
入力の手間が減ることにより途中で申し込みを離脱する人が減り、OCRを活用した申込フォームを利用した金融機関では、申込数が1.5倍増加、入力項目の不備率は半減するという結果が出ているのです。
その他にも、次のような所でOCRは活用されています。
- 食品工場で段ボールに記載された賞味期限の日時とバーコード情報との照会をOCRで自動化
- 手書き勤怠表をOCRで電子テキストデータに変換し勤怠管理システムへの入力を楽に
- 手書きモニターアンケートの結果をOCRで読み取りExcelで分析
OCRはすでに様々な所で活用されている、注目の技術なのです。
1-3.OCRで読み取れる文字
OCRで読み取れるのは、次の文字です。
- ひらがな
- カタカナ
- 漢字
- 数字
- アルファベット
- 記号
上記の通り、OCRでは一般的な文字はほぼ読み取ることが可能です。
しかし、精度が100%というわけではなく、読み取りミスなども起こることがあります。
読み取り精度は利用するシステムなどによって異なりますが、AI-OCR(人工知能を使ったOCR)の場合、印刷された文字は99.8%、手書き文字は98.0%の精度で読み取れるとされています。
さらに読み取り精度は状況によって変わり、紙が黄ばんでいる、文字が掠れているなどといった場合は読み取れない場合もあるのです。
また、形がいびつなフォントや、文字だけでなく写真が入ったカタログのようなものはOCRとの相性が悪く、読み取り精度が下がる傾向にあります。
1-4.OCRが近年注目される理由
OCRが近年注目される理由は次の3つです。
- RPAと組み合わせることで業務の効率化や生産性向上に役立つ
- OCRが進化して使いやすくなった
- AI-OCRの登場で精度が上がった
それぞれ詳しくみていきましょう。
1-4-1.RPAと組み合わせることで業務の効率化や生産性向上に役立つ
OCRが近年注目される理由の1つめは、RPAと組み合わせることで業務の効率化や生産性向上に役立つことです。
RPAとは「Robotic Process Automation」の略語で、定型作業を自動化するためのツールです。
例えばRPAを使うと、見積書の内容を自動で業務システムに入力したり、集計したりという作業が可能になります。
紙に印刷された見積書をRPAで自動で入力するには、印刷された文字データを電子テキストデータにする必要があります。
RPAとOCRを組み合わせることで、紙に書かれた見積書をOCRで読み取り、電子テキストデータになったデータをRPAが自動で業務システムに入力するといった完全自動化が可能となるのです。
OCRとRPAを組み合わせることで定型業務の作業負担が削減でき、業務を効率化して生産性向上を実現することができます。
業務効率化や生産性向上は企業が抱える大きな課題ですから、それに役立つOCRに注目が集まっているのです。
1-4-2.OCRが進化して使いやすくなった
OCRが近年注目される理由の2つめは、OCRの機能が進化し、使いやすくなったことです。
OCRは、以前は決まったフォーマットの文字しか読み取ることができませんでした。
しかしOCRの進化により、非定型フォーマットの文字や、手書きの文字も読み取れるようになったことで、より幅広い用途に活用することが可能になったのです。
先ほど紹介したRPAとの組み合わせも、OCRが進化し、見積書などの文字が読み取れるようになったからこそ実現できたものです。
活用できるシーンが増えたことで、よりOCRの用途が広がり、注目が集まっているのです。
1-4-3.AI-OCRの登場で精度が上がった
OCRが近年注目される理由の3つめは、AI-OCRの登場で精度が上がったことです。
以前のOCRでは、漢字の「口」とカタカナの「ロ」など形の似ている字を判別することができませんでした。
しかしAI(人工知能)技術を取り入れたことで、文脈や語句の規則性を学習し、前後の文章のつながりを使って似ている文字を判別することができるようになっています。
OCRの精度が上がったことで、より用途が広くなり、活用できるようになったことも注目を集める理由なのです。
2.OCRを企業が導入する3つのメリット
OCRを企業が活用することには、どんなメリットがあるのでしょうか?
OCRを企業が活用するメリットは次の3つです。
それぞれ詳しくみていきましょう。
2-1.業務が効率化できる
OCRを導入する最大のメリットは、業務が効率化できることです。
日ごろ行っている業務の中には、手書きの文字や印刷された文字を見ながらパソコンで入力する作業が多くあります。
入力作業には多くの時間がかかりますし、打ち間違いなどのミスも起きてしまうものです。
しかしOCRを活用すれば、入力の時間を大幅に削減し、業務を効率化することが可能です。
OCR機器で読み取りを行えば、ExcelやWordで使える電子テキストデータに変換できるため、業務がぐっと効率化できます。
さらに「1-4-1.RPAと組み合わせることで業務の効率化や生産性向上に役立つ」で紹介したように、RPAとOCRを組み合わせることで、定型業務を自動化し、より業務を効率化することもできるのです。
今後、業務の効率化を検討している企業にとってOCRを導入するメリットはかなり大きいでしょう。
【OCRで業務の効率化を行った一例】
業種 | OCRを活用した業務 | 効果 |
---|---|---|
システム会社 | 受注・発注業務のシステム入力 | 紙の受注伝票をOCRで読み取ることで、手作業で入力するなら6時間かかる作業を約30分に短縮できた |
2-2.データの活用ができる
OCRを企業が導入するメリットの2つめは、データの活用ができることです。
企業の業務の中には、請求書、発注書、申請書、稟議書とさまざまな書類が必要になります。
これらの書類をペーパーレス化して保管しようとすると、スキャニングしてPDFなどで保存しているケースが多く見られます。
PDFの場合、書類に記載されている数字や文字は一枚の画像になってしまっており、数字や文字をデータとして活用することはできません。
しかしOCRを導入し、記載されている数字や文字を電子テキストデータに変換することで、データの分析や活用が可能となるのです。
ただ書類を保管しておくのではなく、情報資産としてデータを活用できるようになるのは、OCRを導入する大きなメリットなのです。
【OCRでデータの活用を行った一例】
業種 | OCRを活用した業務 | 効果 |
---|---|---|
水産加工業 | 納品書のシステム入力 |
毎月500~600枚ある納品書を手入力からOCRで自動入力に切り替えたことで納品書処理業務を自動化できた。 週に1度まとめて行っていた納品書処理を毎日できるようになり、これまで週単位でしか把握できなかった業績や利益を毎日確認できるようになった。 |
2-3.情報が検索しやすくなる
OCRを企業が導入するメリットの3つめは、情報が検索しやすくなることです。
請求書や申請書などの書類を紙ベースで保管していたり、スキャンして画像データとして保管していたりする場合、参考にしたい資料があったら大量の過去の書類の中から目的のものを探す必要があります。
しかしOCRで書類を電子テキストデータに変換して保管しておけば、さまざまな条件を指定して目当ての書類を検索することが可能です。
今までよりもずっと欲しい情報にたどり着くまでの時間を短縮でき、より情報を活かしてビジネスを行うことができるのもメリットなのです。
3.OCRの成果事例
OCRはどんな業務に活用できるのでしょうか?
この章ではOCRの活用イメージを具体的なものにするために、すでにOCRを導入した企業の事例から、どのようなメリットがあるのかご紹介します。
事例を見ながら自社での活用イメージを具体的なものにしていきましょう。
3-1.不動産会社での活用事例 請求書入力作業の70%を削減!
業種 | 不動産業 |
---|---|
企業規模 | 社員数41名 中小企業 |
導入した目的・業務 | 請求書の処理に時間がかかっていたため業務を効率化したい |
効果 |
社員2人で約30時間かかっていた業務を2人で8時間以内にできるように 約70%の業務を削減できた |
不動産業を行うA社では、バックオフィス業務の効率化が課題でした。
特に時間がかかっていたのが請求書の業務で、本社と支社にそれぞれ送られてくる紙の請求書を、社員がExcelに入力し、Excelに纏めたデータを確認した上で集計とチェック業務を行います。
チェック後は手入力で会計システムや銀行システムに金額を入力し、手続きを行っていました。
これらの業務にかかる時間は社員2人で約30時間あったのです。
そこでOCRを導入、届いた請求書はスキャンするだけで電子テキストデータに変換できる為、入力作業を削減することが可能となりました。
変換されたデータを確認後、そのまま会計システムや銀行システムに入力できるシステムも同時に導入したことで、請求書の処理作業に必要な時間は8時間になり、約70%の時間削減となりました。
3-2.製造業での活用事例 受注伝票の確認作業を70%削減
業種 | 製造業 |
---|---|
企業規模 | 社員数5,400名 大企業 |
導入した目的・業務 | 受注伝票の確認作業に時間がかかっていたため業務を効率化したい |
効果 |
一日約1200件届く受注伝票の確認作業を目視から自動化して、作業負荷を70%削減できた 伝票処理のミスをゼロにできた |
製造業B社では、一日で約1200件届くPDF形式の受注伝票を、基幹システムに入力されたデータと合っているか、確認する作業が必要でした。
送られてくるデータはPDFのため、受注伝票に記載されている数字を検索したり、データを照らし合わせたりことができません。
そのため、確認作業はすべて人手による目視チェックとなり、膨大な作業負荷がありました。
また、確認ミスがたびたび起こってしまうのも問題でした。
そこでOCRを導入、PDFで送られてくる受注伝票を自動で電子テキストデータ化し、基幹システムに自動入力できるようにしたのです。
これにより、受注伝票の確認作業の負荷を70%削減、さらに伝票処理のミスをゼロにすることができました。
4.OCRを企業が導入するデメリット
OCR導入にはさまざまなメリットがあることが事例からもわかりましたが、逆にOCRにはデメリットはあるのでしょうか?
OCRを企業が導入するデメリットは次の2つです。
それぞれ詳しくみていきましょう。
4-1.導入コスト・ランニングコストがかかる
OCRを企業が導入するデメリットの1つめは、導入コストがかかることです。
OCRには、読み取りを行うスキャナーやアプリ、OCRのシステムなど導入コストがかかります。
費用については次の章で詳しく紹介しますが、OCR機能のある複合機では100万円から400万円程が価格の目安です。
さらにOCRのシステムにはクラウド型やオンプレミス型などがあり、クラウド型の場合はOCRで電子テキストデータに変換する書類の枚数によって月額費用が変わります。
例えば「NTT東日本のAIよみと~る」であれば、月に請求書3000枚を処理する場合で110,000円かかります。
ただし、OCRを導入して業務を効率化できれば、社員の残業代など他の部分のコストを削減することにつながりますから、導入コスト・ランニングコストと業務の効率化で得られるメリットを比べた上で、導入を検討するとよいでしょう。
4-2.文字認識は100%完全ではない
OCRを導入するデメリットの2つめは、文字認識は100%ではないということです。
「1-3.OCRで読み取れる文字」でも触れましたが、文字がかすれていたり、歪んでいたり、紙が黄ばんでいたりすると、OCRで認識することができない場合があります。
OCRの精度は年々上がってはいますが、100%完全というわけにはいかないのです。
このことを把握しないままOCRを導入してしまうと、読み取ろうと思っていた書類の読み取りが出来ず、機能を使いこなせないままになってしまうことがあります。
まずは自社がどの業務にOCRを導入したいかを考えた上で、読み取りする書類がどれくらいの精度で読み取りできるのかをベンダーに確認し、文字認識精度が満足できる場合のみ導入を決定するとよいでしょう。
5.企業がOCRを導入するのに必要な設備と費用の目安
企業がOCRを導入するにはどんな設備が必要で、費用はどれくらいかかるのでしょうか?
OCR導入のデメリットとして紹介した導入コストやランニングコストですが、費用がいくらなのかがわからなければ、費用対効果を検討することができません。
この章では、OCRに必要な設備と費用の目安について紹介します。
5-1.必要な設備はパソコン、スキャナー、専用リーダーなど
OCRを導入するには、パソコンと、用途に応じたスキャナー、専用リーダーなどの設備が必要です。
スキャナーや専用リーダーには目的に応じて様々な種類があります。
スキャナー、専用リーダーの用途の目安は次の通りです。
種類 | 用途 |
---|---|
オフィス用複合機 | 紙ベースの書類をスキャンしてOCR化したい |
ハンドスキャナー | 製品の入った段ボールなどに書かれた製品番号や賞味期限をスキャンしてOCR化したい |
5-2.スマホで利用できるOCRもある
デジタルカメラやスマートフォンのカメラで撮影した画像から文字を認識し、OCRを利用することも可能です。
その場合はパソコンが必要ですが、スキャナーは用意する必要はありません。
ただし、大量の書類を一枚ごとスマホで撮影し、データをパソコンに送る作業は時間がかかります。
例えば大量の請求書をOCRで処理したい場合は、スマホよりも一度に沢山の書類を自動でスキャンすることができるオフィス用複合機の方が効率的です。
同じように、倉庫に積まれた大量の段ボール箱に書かれた製品番号を、いちいちスマホで撮影してパソコンに送るのも、やはり時間がかかってしまいます。
その場合は、ハンドスキャナーで読み取りしていくのが効率的です。
使用頻度や用途に合わせて、画像を読み取るスキャナーを使い分けると良いでしょう。
5-3.OCRソフトウェアによって費用は異なる
OCRを導入するには、システムの導入も必要です。
OCRのシステムには、クラウド型とオンプレミス型があります。
導入コストが安いのはクラウド型ですが、ランニングコストがかかります。
オンプレミス型は導入のコストが高い分、買い切り型となり、月額費用はかかりません。
クラウド型のOCRソフトウェアの費用の目安は、用途や利用するボリュームによって異なります。
例えばNTT東日本のAIよみと~るでれば、月に3000枚で月額110,000円です。
その他のクラウド型OCRでは、月額3万円ほどで利用できるものもあります。
OCRを利用する目的と利用ボリュームをあらかじめ概算で算出した上で、ベンダーに見積もりをもらうとよいでしょう。
オンプレミス型のシステム導入は導入するソフトウェアによって異なります。
こちらは用途に合わせてOCRソフトウェアを検索し、見積もりを貰いましょう。
6.紙ベースの書類を入力する作業が多い企業はOCRを導入すべき!
紙ベースの書類から手作業で入力作業を行っている企業は、OCRを導入すべきです。
企業がOCRを活用するメリットは様々なものがありますが、特に紙ベースの書類を手作業で行っている場合、入力作業にたくさんの時間がかかってしまうことがあります。
さらに入力作業を人が行うことで、入力ミスが起こる可能性が高く、ダブルチェックなどの業務が必要になるのです。
これらの作業負担やミスを削減できるのがOCRです。
OCRを導入すれば、書類をスキャンしたら自動で電子テキストデータへ変換してくれるので、入力の作業が大幅に削減できます。
【OCRで入力作業を削減できた事例】
①月600枚の納品書の入力に必要な時間を手作業と比べて月120分削減
②請求書を会計システムに入力する作業を4時間から1時間へ削減
③Excelとシステムの2回手入力していた経理作業をOCRで入力作業0に、経費処理作業の80%を削減
システムに組み込むことで、自動で受発注システムや基幹システムへ入力を行うことも可能です。
作業時間を削減することで、空いた時間を他に注力すべき業務に回すことができるため、生産性を向上することにもつながるのです。
読み取りエラーが起こることもありますが、人が手作業で入力する場合よりもミスを減らすこともできます。
現在の業務で、手作業での入力作業が毎月存在している企業であれば、ぜひOCR導入をおすすめします。
7.企業がOCRを導入するための方法
企業がOCRを導入するには、次の3つの方法があります。
それぞれ詳しく知ったうえで、自社に合わせて選びましょう。
7-1.OCR業務を代行している業者に依頼する
導入方法 | OCR代行を行っている会社に書類を委託しテキストデータ化してもらう |
---|---|
おすすめの人 | 現在保管している大量の書類をOCRでデータ化したい人 |
メリット |
手間がかからずOCRを導入できる スキャナーなどの設備が必要ない |
デメリット | 書類1枚当たりのコストは高くなりやすい |
OCRを導入する1つめの方法は、OCR業務を代行している業者に依頼することです。
すでに数年分たまっている納品書を一括でデータ化したい場合など、OCR代行業者に書類を委託すると、データ化してもらうことが可能です。
書類を渡すだけで、作業はすべて代行業者が行ってくれるので、手間がかからずスムーズにOCRを活用することができます。
スキャニングなどの作業も業者が行うため、複合機などの設備を購入する必要もありません。
ただし、書類1枚当たりのコストは割高になる傾向があります。
費用は業者や画質によって異なりますので、相談してみましょう。
7-2.OCRソフト・アプリを活用する
導入方法 | OCRソフトやアプリをインストールして利用する |
---|---|
おすすめの人 | 毎月書類をOCRでデータ化したい人 |
メリット |
自社の業務に合わせてOCRで書類をデータ化できる 毎日の業務に役立つ |
デメリット |
有料のソフトウェアは導入コストやランニングコストがかかる 読み取りのための設備投資が必要な場合もある |
毎月送られてくる請求書をOCRでデータ化したい、毎日送られてくる受注伝票をOCRでデータ化したい、という場合は、OCRソフトやアプリを導入して活用するのがおすすめです。
毎日の業務を効率化するには、ソフトウェアやアプリを導入し、スタッフが確認する作業を行うのが一番スムーズな方法です。
ソフトやアプリは用途に応じてさまざまなものが提供されており、費用も異なります。
まずは自社がどのような業務にOCRを活用したいのか検討した上で、それに合わせたソフトウェアをネットなどで検索してみるとよいでしょう。
7-3.システム会社に相談する
導入方法 | OCRを使ったシステムをシステム会社に相談して構築する |
---|---|
おすすめの人 | OCRにRPAを組み合わせて業務の自動化をしたい人 |
メリット |
業務を大幅に効率化できる 定型業務を自動化して生産性を上げられる |
デメリット | 導入コストがかかる |
OCR機能をRPAに組み合わせることで、大幅に業務を効率化したい場合は、システム会社に相談するのがおすすめです。
OCR機能だけでなく、RPAや基幹システムなどのシステムとの連携を行う場合には、自社のIT担当者だけでは知識や技術が不足していることがほとんどです。
その場合は、システム会社に相談し構築してもらうことで、自社の希望に合ったシステムを導入することができます。
基幹システムなどを構築したなど付き合いのあるシステム会社に相談してみることもよいですし、付き合いのあるシステム会社がない場合は、「OCR RPA システム」で検索して出てきたシステム会社に問い合わせてみるのもおすすめです。
8.まとめ
OCRについて紹介しました。
OCRとは、紙や写真の文字を読み取り、パソコンなどで取り扱える電子テキストデータに変換する技術です。
OCRでは次の文字を読み取ることができます。
- ひらがな
- カタカナ
- 漢字
- 数字
- アルファベット
- 記号
企業がOCRを活用することで、
- 業務が効率化できる
- データの活用ができる
- 情報が検索しやすくなる
といったメリットがあります。
特にRPAと組み合わせることで、定型業務を自動化できますから、業務の効率化や生産性向上といった企業の抱える課題解決にOCRは効果的です。
OCRを活用し、業務効率化や生産性向上といった課題を解決に導いてみてはいかがでしょうか。
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