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【基本を解説】画像認識とは?主な活用例5つ|何ができる?その仕組みは?

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「画像認識とはどんな技術? それを使って何ができる?」

「うちの会社でも、画像認識で効率化や自動化できる業務はある?」

そんな疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。

「画像認識」とは、「画像に何が写っているのか」を機械やコンピュータが認識する技術です。

対象物の形や色などの特徴から、それが何であるかを判断する「パターン認識」という手法によって、画像を判別します。

その仕組みは以下のとおりです。

前段階)機械学習やディープラーニングなどの手法で、AIに認識させたいものの特徴を学ばせる

1)認識させたい画像を入力する

2)前処理:AIが画像を認識しやすく処理する

  •  画像の背景やノイズ、歪みなどを除去
  •  明るさや色合いを調整
  •  輪郭を強調して抽出    など

3)特徴抽出:AIが 2)の画像の特徴を抽出する

4)画像識別・判断:AIが他のものと特徴を比較し、該当するものを識別する

5)AIが、画像を認識する

画像認識でできることには以下のようなものがあります。

できること
分類 「何が写っているか」を識別する 物体分類

画像に写っている「物体」が「何か」を識別

例)「犬」「木」「ベンチ」など

シーン認識

画像に写っているさまざまなものから、全体の「シーン」を認識する

例)犬や木やベンチが写っている「公園」など

検出 「何がどこに写っているか」を検出する 物体検出

画像に写っている「物体」が「何か」だけでなく、「どこに」写っているかも検出

例)大勢の人の中から「人物A」が「どこにいるか」を特定する、など

領域検出

画像の中で、「物体」とそれが写っている「領域」を検出する

例)この部分は「人」、その下は「道路」上の部分は「空」など

これらの技術は、以下のように活用されています。

  • 物体認識:自動運転など
  • 異常検知:不良品検出、画像診断など
  • 画像キャプション生成:目の不自由な人向けの画像内容自動読み上げなど
  • 顔認証:セキュリティ、キャッシュレス決済など
  • 文字認識:郵便の自動仕分け、データ入力、自動翻訳など

一方で、その技術にはまだ以下のような課題もあります。

  • 高精度の画像認識を実現するには、膨大な画像データが必要
  • 情報セキュリティやプライバシー保護に配慮が必要
  • 誤認識はゼロにはならない
  • 「なぜそう認識・判断したか」の根拠がわからない
  • 「破滅的忘却」が起きる

そこでこの記事では、画像認識について基本的なことからわかりやすく解説していきます。

◎画像認識とは

◎画像認識の仕組み

◎「画像処理」との違い

◎画像認識の歴史

◎画像認識でできることと課題

◎画像認識の種類と活用例

◎画像認識を導入する流れ

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1. 画像認識とは

そもそも「画像認識」とはどのような技術なのでしょうか?

まずはその仕組みや歴史などを、わかりやすく解説していきましょう。

1-1. 「画像認識」とは?

「画像認識」とは、「画像に何が写っているのか」を機械やコンピュータが認識する技術です。

対象物の形や色などの特徴から、それが何であるかを判断する「パターン認識」という手法によって、画像を判別します。

たとえば人間の赤ちゃんは、日々たくさんのものを目にして、親から「あれはワンワン(=犬)」「これはニャーニャー(=猫)」「こっちはブーブー(=車)」と教えられるうちに、経験から犬、猫、車それぞれに共通の特徴を学んでいきます。

その結果、はじめて目にする犬でも「これはワンワン(ニャーニャーでもブーブーでもない)」と認識できるようになるわけです。

これと同じことを、機械やコンピュータで再現しようというのが、画像認識の取り組みです。

ただ、以前はこの認識の精度を高めるのは難しいとされていました。

体毛がふわふわで四足歩行する動物の画像を与えられた場合、コンピュータではそれが猫なのか犬なのかを判別できませんでした。

ですが、近年になって、パターン認識に「ディープラーニング」などの新しい技術を組み合わせることで、精度の高い画像認識ができるようになりました。

現在では、顔を認識してセキュリティを解除する「顔認証システム」や、車の「自動運転」で物体を検知すると自動的にブレーキをかける仕組み工場の製造ラインで不良品を見つけ出す「異常検知」など、さまざまな分野で画像認識技術が活用されています。

1-2. 画像認識の仕組み

では、画像認識はどのような仕組みで可能になるのでしょうか?

たとえば、AIが画像の中から「A」という文字を認識する流れをみていきましょう。

【前段階】

AIが、「A」という文字の特徴を以下のいずれかの方法で学ぶ。

ルールベース 人が「A」の特徴量(=対象物の特徴を定量化した数値)を定義して学ばせる
機械学習

大量の文字の画像の中から、それが「A」であるかを人が教える

→それをもとに、AIが自ら特徴量を学ぶ

ディープラーニング 大量の文字の画像の中から、「A」の特徴量をAIが自動的に学んで定義する

など

【画像認識の流れ】

1)認識させたい画像を入力する

2)前処理:AIが画像を認識しやすく処理する

  • 画像の背景やノイズ、歪みなどを除去
  • 明るさや色合いを調整
  • 輪郭を強調して抽出    など

3)特徴抽出:AIが 2)の画像の特徴を抽出する

  • 左斜めの線
  • 右斜めの線
  • それらが頂点でくっついている
  • 真ん中に横棒   など

4)画像識別・判断:AIが他の文字と特徴を比較し、該当するものを識別する

5)AIが画像を「A」と認識する

これが基本の仕組みです。

なお、画像認識の精度を高める「ディープラーニング」の技術に関しては、別記事「ディープラーニング入門|仕組みやできることから導入の流れまで解説」でくわしく解説していますので、そちらも参照してください。

1-3. 「画像処理」との違い

ところで、画像認識と類似の用語として、「画像処理」という言葉を聞くこともあるでしょう。

両者にはどのような違いがあるのでしょうか?

画像認識 画像に何が写っているのかを、形や色などの特徴から機械やコンピュータが認識する技術

画像処理

「画像認識」の際に、機械やコンピュータが画像を認識しやすいようにする処理

1)画像の背景やノイズ、歪みなどを除去する

2)明るさや色みなどを調整する

3)対象物の輪郭(エッジ)を強調する

4)画像から対象物を切り出す

といった処理を行う

つまり、「画像認識」という技術を用いる際に、より認識しやすいように「画像処理」を行う、というわけです。

このふたつは明らかに違う意味を持っていますので、混同して使わないよう注意してください。

1-4. 画像認識の歴史

前述したように、画像認識は近年になって飛躍的に精度が向上したため、まだ新しい技術だと思っている方も多いかもしれませんが、はじまりは1940年代まで遡ることができると言われています。

その歴史を、簡単に振り返ってみましょう。

年代 トピック 概要
1940年代 バーコードの登場 バーとスペースを組み合わせたもの「光学認識装置」に認識させることで、文字や数字といった情報が読み取れる
1960年代 2次元画像認識の研究 統計的な手法を用いた2次元画像の画像認識技術が研究される
1970年代 3次元データの画像認識 3次元データをもとに、物体を認識する技術が発展する
1980年代 PCの普及
画像処理用CPUの登場
PCの普及により画像処理の必要性が高まり、ビット数が16ビット、32ビットと増大、画像処理専用CPUも登場する
2000年代 インターネットの普及
画像検索技術の登場

インターネットの普及にともない、画像認識技術も向上

Googleの画像検索なども利用されるようになる

2010年代 ディープラーニングの進化 ディープラーニングを用いることで、画像認識の精度が飛躍的に向上、さまざまな分野で活用、応用されるようになる

このように、画像認識の技術は徐々に進化してきました。

画像認識の精度を実用レベルにまで高めたのは、やはりディープラーニングを取り入れたことによる成果と言えるでしょう。

2. 画像認識でできることと課題

ここまで、画像認識とはどんな技術かを解説してきました。

では、実際にこの技術を用いて、どんなことができるのでしょうか?

そして、反対にどんなことができないのでしょうか?

2-1. 画像認識でできること

現在の段階で画像認識の技術は、一説にはすでに人間の目視の精度を超えているとも言われています。

そこにディープラーニングの技術を掛け合わせることで、主に以下のようなことが可能になりました。

できること
分類 「何が写っているか」を識別する 物体分類

画像に写っている「物体」が「何か」を識別

例)「犬」「木」「ベンチ」など

シーン認識

画像に写っているさまざまなものから、全体の「シーン」を認識する

例)犬や木やベンチが写っている「公園」など

検出 「何がどこに写っているか」を検出する 物体検出

画像に写っている「物体」が「何か」だけでなく、「どこに」写っているかも検出

例)大勢の人の中から「人物A」が「どこにいるか」を特定する、など

領域検出

画像の中で、「物体」とそれが写っている「領域」を検出する

例)この部分は「人」、その下は「道路」上の部分は「空」など

2-1-1. 物体分類

まず、もっともシンプルなのは、画像に「何が」写っているかを識別する「物体分類」です。

たとえば以下の画像から、写っているのは「子ども」「机」「ノート」などと認識します。

2-1-2. シーン認識

一方「シーン認識」は、画像に写っている物体から、全体の「場所」や「状況」などを認識します。

以下の画像であれば、複数の「子ども」と「机」、「掲示板」などから総合的に「教室」と判断することが可能です。

2-1-3. 物体検出

一方、「物体検出」「何が」写っているかを認識するのとあわせて、「どこに」写っているか、その位置も検知します。

以下の画像のように、写っているものとその位置をそれぞれ認識することができます。

2-1-4. 領域検出

そして「領域検出」では、画像の中で物体ごとの境界線を識別し、「この領域は人物」「この領域は道路」「この領域は空」というように、色で塗り分けます。

この技術は、たとえば自動運転などで「この部分が道路」「これは他の自動車」「これは人」と認識して、走行できる場所を判断する際などに活用することができます。

2-2. 画像認識の課題、問題点

以上のようなことが可能な画像認識技術です。一方で現段階ではまだ克服できない課題や問題もあります。

  • 高精度の画像認識を実現するには、膨大な画像データが必要
  • 情報セキュリティやプライバシー保護に配慮が必要
  • 誤認識はゼロにはならない
  • 「なぜそう認識・判断したか」の根拠がわからない
  • 「破滅的忘却」が起きる

それぞれ解説していきましょう。

2-2-1. 高精度の画像認識を実現するには、膨大な画像データが必要

第一の課題は、「膨大な画像データが必要」であることです。

前述したように画像認識技術は、AIに機械学習やディープラーニングなどの手法で大量の画像を学習させることによって、物体の識別を可能にしています。

そのため、少なくとも数万点、精度を高めるには数十万点の画像データが必要だとも言われます。

さらに、これらのデータはそのままでは使えません。

学習させる前に、「データクレンジング」が必要です。

データクレンジングとは、文字通りデータをきれいにする作業で、たとえば以下のようなデータが混じっている場合は、取り除いたりきれいに整えたりする必要があるのです。

  • 重複しているデータ
  • 画像が不鮮明で判別しづらいデータ
  • ラベル付け(=犬の画像には「犬」という情報を紐付ける)が間違っているデータ  など

もし間違ったデータや判別しづらいデータを学習させてしまうと、AIは正しく画像認識できなくなる恐れがあります。

このように膨大なデータを用意し、さらにはそれをクレンジングするにはコストや時間がかかるため、画像認識の導入を検討する企業にとってハードルとなっています。

2-2-2. 情報セキュリティやプライバシー保護に配慮が必要

また、学習のために用意するデータの中には、人の顔写真など個人情報が含まれるものもあります。

顔写真を本人に無断でどこかから集めてきて利用するのは、肖像権などの侵害にあたる恐れがあり、許可を得たものだとしても、データの管理が甘ければ外部に流出させてしまうなどのリスクも想定されます。

そのようなことのないよう、個人情報など重要な情報を扱う際は、プライバシーを侵害しない配慮や情報漏えいを防ぐセキュリティ対策が必須です。

2-2-3. 誤認識はゼロにはならない

ディープラーニングの進化によって、画像認識の精度は格段に向上しました。

それでも現状では、残念ながら誤認識が発生する可能性をゼロにはできません

たとえば、このような興味深い報告があります。

スタンフォード大学で機械学習について研究し、機械学習アプリを提供する「gradio」の創設者でもあるアブバカル・アビド氏は、ディープラーニングによる画像認識モデル「Inception Net」で、誤認識が起こった例を「What Inception Net Doesn't See」という記事の中でいくつか紹介しました。

  • 車の画像を上下反転したもの →「アナログ時計」などと誤認識
  • 半月型にスライスしたりんごの画像 →「きゅうり」「バナナ」などと誤認識
  • ロボット掃除機の画像 →「CDプレイヤー」などと誤認識

他にもこのような誤認識の例はいくつか報告されており、AIの画像認識の脆弱性に対する対策が急がれています。

2-2-4. 「なぜそう認識・判断したか」の根拠がわからない

もうひとつの問題は、「AIがなぜこのように認識・判断したか」の根拠がわからないことです。

たとえば、製品の品質が基準に適合しているかを画像認識で判断するとしましょう。

その際に、「不適合」と判断されても、その理由や根拠がわからないケースがあるのです。

これを「ブラックボックス問題」と呼びます。

根拠がわからないということは、その判断が正しいかどうかの裏づけがないとも考えられます。

つまり、AIの判断の信頼性が疑われてしまうわけです。

ただ、この問題については研究が進んでいて、判断の根拠を説明しやすい「ホワイトボックス型AI」「説明可能AI」と呼ばれるAIがすでに提供されていますので、今後は解決に向かうことが期待されます。

2-2-5. 「破滅的忘却」が起きる

AIに特有の欠点として「破滅的忘却(または破局的忘却)」というものがあります。

これは、新たなデータを学習すると、その前に学習したデータを忘れてしまうという現象で、人間の脳の仕組みを模した「ニューラルネットワーク」というモデルを用いたAIで起こる現象です。

たとえば、「犬」「猫」を学習したAIに、新たに「牛」「馬」を覚えさせると、牛と馬は認識できるようになりますが、犬と猫がわからなくなってしまうのです。

この問題に対しては、「新たに牛と馬を覚えさせる際に、再度犬と猫も一緒に覚えさせる」などいくつかの対策はありますが、まだ完全な解決には至っていません。

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3. 画像認識の種類と活用例

このように、まだ課題も残されている画像認識の技術ですが、利点も多いため、すでに身近なところで活用されています。

そこで、現在主に実用化されている画像処理技術の種類・活用例をご紹介します。

  • 物体認識:自動運転など
  • 異常検知:不良品検出、画像診断など
  • 画像キャプション生成:目の不自由な人向けの画像内容自動読み上げなど
  • 顔認証:セキュリティ、キャッシュレス決済など
  • 文字認識:郵便の自動仕分け、データ入力、自動翻訳など

画像認識に対するイメージがよりリアルに掴めるかと思います。

3-1. 物体認識

まず、もっとも基本的な「物体認識」です。

2-1. 画像認識でできることで解説した「物体分類」や「物体検知」などを行います。

この技術が活用されている代表的な例は、車などの自動運転です。

物体検知により、走行できる道路がどこか、標識がどこにあって何を指示するものか、人や周囲の物体など避けなければならないものがどこにあり、距離はどの程度かなどを判別することで、安全な走行を可能にしています。

3-2. 異常検知

「異常検知」は、同じ種類の物体の中から何か異常な部分があるものを画像認識によって検出する技術です。

これが利用されているのは、主に以下のようなシーンです。

  • 製造業:製造現場での製品検査、不良品検出などを自動化します。
  • 医療:CT検査やMRI検査の画像から病気の有無を診断する「画像診断」を行います。
  • インフラ:設備の劣化箇所などを検出します。

検知の精度を高めるためには、膨大な画像データによる学習が必要ですが、作業をAIが自動で行うことで、人間が行うよりもはるかに効率化をはかることができるため、今後も幅広い活用が期待できる分野です。

3-3. 画像キャプション生成

画像認識に「自動言語処理」の技術を組み合わせることで、「画像キャプション生成」も可能になりました。

これは、画像に写った物体を認識すると同時に、「それが何であるか」「どんな状態か、何が行われているか」などを説明する文章も作成、出力するという技術です。

Facebookなどでは、画像キャプション生成に「文字読み上げ機能」を組み合わせた機能を実装しました。

画像をAIが認識し、キャプションを生成、それを読み上げるという方法で、目の見えない人も「どんな画像か」を知ることができるようになりました。

3-4. 顔認証

画像認識の中でも、多くの人に馴染みがある技術といえば「顔認証」ではないでしょうか。

人間の顔の画像から、輪郭や目・鼻・口の位置、特徴などを抽出し、個々人を識別することが可能です。

顔認証が活用される代表的な場面としては、以下が挙げられます。

  • セキュリティ:マンションやオフィスなどへの入退室の管理、PCやスマートフォンのロック解除などができます。
  • キャッシュレス決済:パスワード入力のかわりに顔認証で決済できます。
  • アミューズメント施設やイベント:顔認証で受付ができ、なりすまし防止にもなります。

顔認証の技術は進化が著しく、表情から感情を読み取る「感情認識」なども可能になっています。

3-5. 文字認識

文字や数字を認識する「文字認識」の技術も広く応用されている技術です。

印刷された文字はもちろん、手書きの文字も識別できます。

それだけでなく、読み取った文章をテキストデータに変換したり、別の言語に翻訳したりすることも可能になりました。

以下のような技術を利用したことのある方も多いのではないでしょうか。

  • 郵便:郵便番号と宛先住所を識別して、送り先ごとに自動で仕分けします。
  • データ入力:手書きの伝票などを手入力することなく、画像を読み取ってデータ化します。
  • 翻訳:外国語の文章を読み取り、即時に翻訳、表示することができます。

4. 画像認識を導入する流れ

このように画像認識は、さまざまな場面で実用化が進んでいて、今後もますます活用が広がっていくことが予想されます。

「それなら、うちの職場にも導入されるかも…………その場合、何をすればいいのかな?」

と疑問に感じる方もあるでしょう。

そこで最後に、あなたの職場に画像認識技術が導入される場合に備えて、導入する際の大まかな流れを解説します。

基本的には、以下の4ステップです。

【ステップ1】導入目的と求める精度を明確化する

【ステップ2】画像データを収集する

【ステップ3】モデルを構築する

【ステップ4】精度を高める

4-1. 導入目的と求める精度を明確化する

最初にすべきことは、「画像認識を導入する目的」と、「そのためにはどの程度の認識精度であればいいのか」を明確にすることです。

自動運転や医療での画像診断など、人命に関わる目的で導入するのであれば、高い精度でなければなりません。

あるいは、重要な情報を扱う部署や端末へのアクセスに際して顔認証を用いる場合も、高精度で認識できなければ情報漏えいなどのリスクが考えられます。

一方で、重要度の低い書類を文字認識でデータ化するといったケースなら、「精度はある程度担保されていればいい、その分コストを抑えたい」という考え方もできるでしょう。

このように、まず目的をはっきりと定め、それに即した精度を考えてください。

4-2. 画像データを収集する

次に、AIの学習用の画像データを収集します。

前述のように、画像認識を可能にするには、AIに多量の画像データを学ばせなければなりません。

そのために、公開されているデータセットを利用するケースも多いようです。

データセットによって、自動運転向きのもの、工業製品の画像が多いものなど、用途に特化したものもありますので、自社の目的に合ったものを選びましょう。

もちろん、オリジナルで撮影するのもいいでしょう。

その際には、対象物が判別しやすいような明るさや画角にすること、人物などを撮影する場合はプライバシーや個人情報に配慮することが重要です。

4-3. モデルを構築する

画像データが揃ったら、AIに学習させて画像認識モデルを構築します。

一からモデルを作成するには、経験とスキルを持ったエンジニアが必要です。

もし社内にそのような人材が不足している場合は、AIに強い開発会社に外注するのもいいでしょう。

あるいは、すでに学習済みの画像認識モデルもありますので、それをもとにさらに画像データを学習させて、自社の目的に沿うようにチューニングしていくという方法もあります。

4-4. 精度を高める

画像認識モデルができたら、実際に目的に合わせて活用することができますが、もちろんこれで終わりではありません。

AIモデルは、常に学習を続けて認識精度を高めていく必要があるのです。

そのためには、実装後も画像データを収集、学ばせるといいでしょう。

学習とその結果の検証、評価を繰り返すことで、徐々に精度を高めることが可能になります。

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5. 画像認識のデータ管理に最適なクラウド環境を構築しよう

ここまで、画像認識についてくわしく解説してきました。

ですが、もし画像認識を導入するのであれば、注意しなければならないことがあります。

それは、画像認識で扱う膨大な画像データの管理です。

前述のように、画像認識を行うにはAIに大量の画像を学ばせなければなりません。

また、導入後も常に画像データをあたえて精度を高める必要があります。

そこで問題になるのが、画像データの管理です。

中には人の顔など個人情報、肖像権に関わるものもあるため、セキュリティレベルは高く保たなければなりません。

また、インターネットを通じて画像を収集したり分析したりとなれば、通信速度も確保する必要があるでしょう。

この「セキュリティ」と「通信の安定性」をともに満たすには、クラウド(AWS、Microsoft. Azure)の導入が最適です。

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そのメリットは、以下の6つです。

それぞれくわしく解説しましょう。

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  • Microsoft Azureは、Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標または商標です。

6. まとめ

ではあらためて、記事の内容を振り返りましょう。

◎「画像認識」とは、「画像に何が写っているのか」を機械やコンピュータが認識する技術

◎画像認識の仕組みは以下のとおり

 前段階)機械学習やディープラーニングなどの手法で、AIに認識させたいものの特徴を学ばせる

 1)認識させたい画像を入力する

 2)前処理:AIが画像を認識しやすく処理する

  • 画像の背景やノイズ、歪みなどを除去
  • 明るさや色合いを調整
  • 輪郭を強調して抽出    など

 3)特徴抽出:AIが 2)の画像の特徴を抽出する

 4)画像識別・判断:AIが他のものと特徴を比較し、該当するものを識別する

 5)AIが、画像を認識する

◎画像認識でできることには以下

できること
分類 「何が写っているか」を識別する 物体分類

画像に写っている「物体」が「何か」を識別

例)「犬」「木」「ベンチ」など

シーン認識

画像に写っているさまざまなものから、全体の「シーン」を認識する

例)犬や木やベンチが写っている「公園」など

検出 「何がどこに写っているか」を検出する 物体検出

画像に写っている「物体」が「何か」だけでなく、「どこに」写っているかも検出

例)大勢の人の中から「人物A」が「どこにいるか」を特定する、など

領域検出

画像の中で、「物体」とそれが写っている「領域」を検出する

例)この部分は「人」、その下は「道路」上の部分は「空」など

◎画像認識の種類と活用例は、

  • 物体認識:自動運転など
  • 異常検知:不良品検出、画像診断など
  • 画像キャプション生成:目の不自由な人向けの画像内容自動読み上げなど
  • 顔認証:セキュリティ、キャッシュレス決済など
  • 文字認識:郵便の自動仕分け、データ入力、自動翻訳など

◎画像認識の課題は、

  • 高精度の画像認識を実現するには、膨大な画像データが必要
  • 情報セキュリティやプライバシー保護に配慮が必要
  • 誤認識はゼロにはならない
  • 「なぜそう認識・判断したか」の根拠がわからない
  • 「破滅的忘却」が起きる

◎画像認識を導入する流れは、

【ステップ1】導入目的と求める精度を明確化する

【ステップ2】画像データを収集する

【ステップ3】モデルを構築する

【ステップ4】精度を高める

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  • さまざまな種類やクラウド提供事業者があってどれが自社に適切かわからない
  • オンプレミスのままがよいのか、クラウド移行すべきなのか、迷っている
  • オンプレミスとクラウド移行した際のコスト比較を行いたい
  • AWSとAzure、どちらのクラウドが自社に適切かわからない
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