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ディープラーニング入門|仕組みやできることから導入の流れまで解説

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ディープラーニングとは、AI(人工知能)に情報処理の方法を教えるための手法の1つで、複雑な判断や細かな処理ができるようになることが特徴です。

ディープラーニングとは
  • AIの機械学習の1つ
  • 情報処理をする階層が多いので、複雑な判断などができるようになる

ディープラーニングを活用することで、AIができることの幅や種類を格段に増やすことができます。一例として、次のようなことがディープラーニングで実現可能です。

【ディープラーニングでできることの一例】

  • 画像認識を活用した自動運転や顔認証
  • 自然な会話に受け答えをする

ただし、ディープラーニングを使いこなすには、利用目的を明確にする・学習に必要なデータをあらかじめ準備するなど、注意点を押さえておく必要があります。何となくディープラーニングを導入したら課題が解決するわけではないのです。

そこで、この記事では、ディープラーニングを有効利用するために把握しておくべき基礎知識をご紹介します。

【この記事のポイント】

  • ディープラーニングとは
  • ディープラーニングでできること
  • ディープラーニングの活用事例
  • ディープラーニングを活用するために必要なこと
  • ディープラーニング導入の基本的な流れ

今回ご紹介する内容を確認しておけば、ディープラーニングについて基本的なことを理解し、例えばどういうところで活用できるものなのかイメージできるようになるでしょう。

ディープラーニングやAIを使いこなすことで、これまで業務を圧迫していた作業を省力化したり、蓄積してきたデータを効果的にビジネスの成果につなげたりすることができるようになります。企業の競争力を効率的に高めるためにも、ディープラーニングの基本を把握しておきましょう。

1. ディープラーニングとは

ディープラーニングとは、AIの機械学習の方法の1つで、深層学習と呼ばれることもあります。情報の処理の仕方をコンピューターに教える手法の1種であるディープラーニングは、他の学習方法よりデータ処理のための階層が多い結果、複雑な判断や細かな処理ができるようになることが特徴です。

ここでは、手始めにチェックしておくべきディープラーニングの基本情報を確認してみましょう。

【最初に確認したい!ディープラーニングの基本情報】

1. ディープラーニングの仕組み

2. ディープラーニングはなぜ注目されるのか

3. ディープラーニングの活用シーン

以上の3点について、解説していきます。

1-1. ディープラーニングの仕組みを図解

ディープラーニング(深層学習)のディープ(深い)とは、情報処理をする階層が多い(=深い)という意味です。

ディープラーニングでよく採用されている分析構造のことをニューラルネットワークと言います。

ニューラルネットワークとは、人間の脳神経系のようなネットワークという意味です。上記のとおり、入力層・隠れ層(中間層)・出力層の3つの層が、神経系の結びつきと同じように細かく結びついています。ニューラルネットワークのなかでも隠れ層の数を増やすことで、複雑な判断を実現しています。

各層の役割は以下のとおりです。

ディープラーニングのニューラルネットワークの仕組み
入力層

【概要】

  • コンピュータが判断を下す元となる情報入力する

【具体例】

  • どのソファを買うか、色と形状をもとに判断したい場合は、色のデータと形のデータが必要
隠れ層(中間層)

【概要】

  • 入力されたデータを分析する
  • 情報の重みが設定できる(色はものすごく重視するけれど、形はそれほどでもない など)

【具体例】

  • 色は好みの色に近い、形状は好みと合致しないが許容できる、などの分析結果を出力層に送る
出力層

【概要】

  • 分析を踏まえた最終判断を出力する

【具体例】

  • A~Cのソファのうち、形状は好みどおりではないものの、最も重視したい色が理想に近いBを購入するといった判断が出力される

以上のとおり、ニューラルネットワークでは階層構造の分析ルートを持っており、

  • 隠れ層の数を増やすことができる
  • 隠れ層の中で特に重視する条件など、重みを設定できる

ことが特徴的な仕組みになっています。

1-2. ディープラーニングはなぜ注目されるのか

近年、ディープラーニングに注目が集まっている大きな理由として、

  • 人間が教えなくても情報処理のポイントを自分で見つけ出せるから
  • コンピュータの処理能力が上がって実用範囲になってきたから

の2つが挙げられます。

AIを運用する時に特に難しいのが、情報を分析する視点の設定です。例えば、膨大な数の画像から猫を探したい場合、最低限どういう条件を設定すれば確実にすべての猫を見つけられるのか、コンピュータ目線でベストな回答を見つけるのは骨が折れます。

しかしディープラーニングを利用すると、コンピュータ自身が猫の最適な見分け方を編みだしてくれるのです。これによって、AIの実用性がぐっと上がります。

また、ディープラーニングの精度を上げるには、大量のデータ分析が必要です。これまでの技術ではデータ分析に時間がかかり過ぎて実用の範囲内ではありませんでしたが、昨今のIT技術の進歩で、短時間に大量の分析を実現できるようになり、ビジネスなどで活用できるレベルになりました

ディープラーニングの汎用性の高さと、ディープラーニングを実用レベルにするIT技術の進展によって、現在、ディープラーニングは多くの注目を集めています。

1-3. ディープラーニングの活用シーン

ディープラーニングは、どのような業界でどのように活用されているのでしょうか。

ここでは、ディープラーニングの活用シーン例を確認し、有効活用のイメージをつかんでおきましょう。

ディープラーニングの活用シーン例
金融
  • 過去の値動きデータから今後の株価の変動を予測する
  • 不正なカード利用の検知
  • 融資の審査の効率化 など
医療
  • カルテの電子化
  • 画像診断によるがんの発見
  • 臨床データを活かした新薬の開発
製造業
  • 生産過程の無人化
  • 機械の最適な部品交換時期の提案
  • 検品作業 など
小売り業
  • 来店予測や需要予測
  • 顧客情報分析によるECサイトでのおすすめ商品表示 など

ディープラーニングは、データが蓄積されてさえいれば、さまざまな業界で活用することができます。

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2. ディープラーニングでできること

ディープラーニングによって実現できる具体的な機能には、次のようなものがあります。

ディープラーニングでできることの代表例

1. 画像認識

2. 自然言語の処理

3. シミュレーション

具体的な内容を確認してみましょう。

2-1. 画像認識

ディープラーニングを活用することで、画像や映像の高度な認識をすることができます。他の機械学習より多くの情報分析を行うことができる結果、精度の高い認識を実現できるためです。ディープラーニングの画像・映像認識は、以下のようなシーンで利用されています。

【具体例】

  • 製造した商品の外観を画像認識で検品する
  • 防犯カメラに映像認識を搭載し、不審者を検知し通報する
  • 画像認識で体内の写真を分析し、人間の目では見つけることが難しいような病変を発見する

2-2. 自然言語の処理

ディープラーニングは、私たちが日常的に自然に使用する話し言葉や書き言葉といった自然言語の処理も得意です。

一問一答形式と違って、TPOや文脈によって意味合いの変わる自然言語への対応は、従来のAIでは限界がありました。しかし、ディープラーニングであれば、人間の言語能力に近い処理能力を修得できます。実際に、次のような場面で利用されています。

【具体例】

  • ネイティブのような外国語の翻訳
  • SNSなどの投稿内容の分析
  • 議事録や要約の作成

2-3. シミュレーション

精度の高いシミュレーションも、ディープラーニングの得意分野と言えるでしょう。

他の機械学習に比べ、より多くのデータをより複雑な条件で分析できるディープラーニングでは、複数の要素に優先順位を付けながら判断するといった、込み入った予測をすることも可能です。

【具体例】

  • おすすめの表示
  • 需要予測
  • 株価予測
  • 危険予測(自動運転の異常探知)

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3. ディープラーニングの活用事例

ここでは、実際にディープラーニングを活用した次の事例をご紹介します。

ディープラーニングの活用事例
三井化学株式会社の事例 51種類のデータ分析が必要な製品の品質予測をAIで実現
千葉市の事例 道路の損傷の程度を画像認識で分析し補修の要否を判断

ディープラーニングはさまざまなシーンで活用できるので、どのように取り入れられているのか参考にしてみてください。

3-1. 製品の複雑な品質予測をAIで実現|三井化学株式会社

化学製品の開発で有名な「三井化学株式会社」では、製造するガス製品の品質管理にディープラーニングを取り入れました

これまで、ガス製品の製造工程が最終的な品質にどのように結びつくかは、経験豊富な技術者でないと判断がしづらかったため、誰もが品質管理をできるようにAIによる分析を導入したのです。

51種類にも及ぶデータから最終品質を予測するモデルを作った結果、平均誤差が3%ととても高い精度の予測が、誰にでもできるように。品質管理の標準化が現実的になりました。

※参照:NTTコミュニケーションズ「三井化学株式会社

3-2. 道路の補修の必要性をAIで判定|千葉市

千葉市では、道路の損傷程度の判定にAIを取り入れる実証実験を行いました。

市内に張り巡らされた道路の刻々と変化する損傷状態を、人の力だけで把握することは、とても難しいのが現状です。とは言え、道路の損傷を放置しては大きな事故につながりかねず、非常に危険です。

そこで、車載スマートフォンで道路の状況を撮影し、その画像をディープラーニング学習モデルで画像認識し、損傷の程度を判定する仕組みの実証実験に踏み切りました。

損傷の判定を繰り返すことで精度の向上が可能であることが確認できたことに加え、詳しい技術者や予算が減少傾向にあるインフラの維持分野において効率的な補修が可能になることが見込まれるなど、大きな成果が得られました。

※参照:日本都市センター「道路損傷の自動抽出システム─千葉県千葉市の取組み─

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4. ディープラーニングを活用するために必要なこと

ディープラーニングを有効に活用するためには、押さえるべきポイントがあります。

ディープラーニングを活用するために必要なこと

1. ディープラーニングについて知識を身に付ける

2. ディープラーニング導入の目的を明確にする

3. ディープラーニングに必要なデータを準備する

どのようなところがポイントとなるのか、以下で確認してみましょう。

4-1. ディープラーニングについて知識を身に付ける

ディープラーニングを有効利用するには、ディープラーニングについての知識を身に付けておく必要があります。

次のような場面で、ディープラーニングの概要や手法・運用方法を理解していないと、どうするべきか自社で判断できなくなるからです。

【ディープラーニングの知識が必要な場面の具体例】

  • 事業や業務でどのように活用するのか検討する際
  • ディープラーニングに適したデータを選ぶとき
  • 分析結果が思いどおりでないので、使用するデータや条件設定を変更するとき

このように、IT技術者や情報システムの担当者だけでなく、ディープラーニングを活用したい人全般に知識が求められることを覚えておきましょう。

ディープラーニングについて基本的な知識を身に付けるには、一般社団法人ディープラーニング協会が主催するディープラーニングG検定・E検定を活用するのも選択肢の1つです。

G検定
  • ビジネス職に向いている検定
  • 人工知能の定義や機械学習の具体的手法、ディープラーニングの手法などについて出題
  • 試験時間は120分で、選択式問題が約220問
E検定
  • エンジニア職に向いている検定
  • 応用数学や深層学習、開発・運用環境などについて出題
  • 試験時間は120分で、選択式問題が約100問

試験日程など詳しい内容は、一般社団法人ディープラーニング協会の公式ホームページをご確認ください。

4-2. ディープラーニング導入の目的を明確にする

何のためにディープラーニングを導入するのか、ディープラーニングを活用して何を分析しどういうことに活かすのか、といったディープラーニング導入目的を、できるだけ具体化しておきましょう。

目的に応じて、必要なデータや使用するディープラーニングのアルゴリズムが変わるからです。

初めに解決したい課題を具体化してから、ディープラーニングでどう解決するのか検討する、という順番で考えると具体化しやすくなるでしょう。

ディープラーニング導入には、費用も労力もかかります。導入したけれど役立てることができないという結果にならないよう、事前に、利用目的を具体化し費用対効果を確認しておきましょう。

4-3. ディープラーニングに必要なデータを準備する

ディープラーニングを導入する際は、学習に必要な量のデータを準備しましょう

学習に適したデータの量が多ければ多いほど、ディープラーニングによる分析・判断の精度が上がるからです。

なお、扱うデータが膨大になるディープラーニングでは、クラウドサービスを活用することで、コストを抑えてAIの学習を進めることができます。クラウドサービスであれば、膨大なデータを短期間で処理できる性能の高い環境を、サービス利用料だけで使えるからです。

準備したデータを保管する際も、自社でストレージを準備すると費用がかさみますが、クラウドストレージを利用することで、費用を抑えて安全に保存しておくことができます。

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5. ディープラーニング導入の基本的な流れ

ディープラーニングの導入時は、次の4ステップが基本的な流れになります。

各ステップで行うべきことは、次のとおりです。

ディープラーニング導入の基本的な流れ
①構想
  • ディープラーニングを、どの部署のどういった業務や事業で使うのか具体化する
  • 導入の計画を立てる
②PoC
  • PoCとは、Proof of Conceptの略称
  • ①構想で考えたプランで本当に成果が出せるのかモックアップを作って確認する
③実装
  • ②PoCで作ったモックアップをもとにシステムを作成し、実装する
④運用
  • システムを運用し、分析結果の正確性を検証する
  • 最初に想定していたような分析結果にならないときは改善する

流れの中でもっとも重要なのが、②PoCです。膨大なデータの準備や開発コストが必要なAIは、事前に効果を検証し実用レベルであるか確認を徹底することで、余計な手間や費用の発生を抑えることができるからです。

初期費用のリーズナブルなクラウド環境を利用することも、余計なコストを抑えるうえでは効果的と言えます。万一、PoCの成果が思わしくなくても、クラウドならスムーズに軌道修正や撤退ができるので安心です。

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6. コストを抑えてディープラーニングを活用するなら、NTT東日本のクラウド導入・運用サービスで

「ディープラーニングに興味はあるが、何から手を付ければよいのかわからない」

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詳しくは、以下をご確認ください。

6-1. ワンストップサポートで検討段階から導入後まで労力を最小化

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6-2. クラウドのプロが多数在籍で自社に最適な選択肢がわかる

「自社でも本当にクラウドを使うべきなの?」

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NTT東日本のクラウド導入・運用サービスでは、AWS・Microsoft Azureの認定を受ける専門家が、中立的な立場から最適なサービスのご提案や導入をご支援しますので、疑問に対する最善の答えがわかります

AWS・Microsoft Azureの認定を受ける専門家なら、クラウドサービスの特徴や活用方法を知り尽くしているから、お客さまの目的に最適なAIやディープラーニングに関するサービスのご提案が可能です。本当にクラウドがよいのか、といった導入検討段階のご相談にも、わかりやすくお答えいたします。

6-3. 150を超える実績に裏打ちされた提案でビジネスチャンスにつながる

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7. まとめ

今回は、ディープラーニングを有効利用するために把握しておくべき基礎知識をご紹介しました。最後に要点をまとめておきます。

ディープラーニングとはAIの機械学習の1つで、ニューラルネットワークと呼ばれる複層的な学習過程が特徴です。他の学習方法よりデータ処理のための階層が多い結果、複雑な判断や細かな処理をすることができます。

ディープラーニングでできることの代表例は、次のとおりです。

ディープラーニングでできることの代表例

1. 画像認識

2. 自然言語の処理

3. シミュレーション

ディープラーニングを活用するために必要なことが3つあります。

ディープラーニングを活用するために必要なこと

1. ディープラーニングについて知識を身に付ける

2. ディープラーニング導入の目的を明確にする

3. ディープラーニングに必要なデータを準備する

ディープラーニング導入の基本的な流れは、①構想→②PoC→③実装→④運用の4ステップです。特に②PoCを確実に行うことが、ディープラーニングの活用に失敗しないために大切です。

ディープラーニングを使いこなすことで、これまでに蓄積したデータを有効活用して生産性を向上させたり、新たなビジネスチャンスをつかんだりすることができます。クラウドを利用することで、負担を減らしてディープラーニングを活用することもできるので、この機会に、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

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