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【最新】デジタルトランスフォーメーションの事例と成功のポイント

デジタル技術を積極的に取り入れることで、ビジネスの進め方や組織のあり方などを根本的に変革するデジタルトランスフォーメーション(DX)。すでに多くの企業がデジタルトランスフォーメーションに取り組んでおり、例えば、以下のような事例があります。

導入事例 概要
株式会社国際エキスプレスの事例
  • アナログ基盤をクラウドでデジタル化しDX推進の基盤を作る
株式会社 神戸製鋼所の事例
  • クラウドツールによる多言語対応でグローバル顧客の満足度向上
NTT-ATの事例
  • 基幹システムのクラウド化でブラックボックス化を解決
トラスコ中山株式会社の事例
  • データ分析を活かし納期や見積もりの作成を高速化
ベネッセの事例
  • 利用者データを分析しオンラインコンテンツの利用者増加
MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社の事例
  • 統計データを活用し効果的なリスクマネジメントを提案するビジネスモデル構築
株式会社イースト・グループ・ホールディングスの事例
  • モバイルsuicaと連携し交通費精算の労力を激減
第一生命保険株式会社の事例
  • クラウド型スマホアプリを活用しスマホ内線の利便性向上
ニッポンレンタカーサービス株式会社の事例
  • レンタカー予約専用アプリを開発し顧客の利便性向上・従業員の業務削減

このように、さまざまなICTを活用して各企業がデジタルトランスフォーメーションを推進しており、特にクラウドを活用する事例が多い状況です。総務省「令和3年情報通信白書」でも、クラウドを利用してデジタルトランスフォーメーションを進めていると回答した企業がもっとも多く、54.2%にものぼりました。

総務省の「令和3年情報通信白書」によると、デジタルトランスフォーメーションをすでに実施している・もしくは実施予定であると回答した企業は、全体の40.7%を占めました。なお、大企業だけで見た場合、すでに実施している・もしくは実施予定であると回答した企業は、60.5%にも上ります。

昨今では企業の競争力強化に欠かせないと考えられ、多くの企業が取り組むデジタルトランスフォーメーションですが、ポイントを押さえて進めないと単なるITツールの導入で終わってしまい、ビジネスモデルの変革に至らない場合もあるため注意が必要です。

きちんと成果につなげるには、事例を踏まえ成功のポイントを把握したうえで進める必要があるでしょう。

そこでこの記事では、デジタルトランスフォーメーションを成功させるうえで押さえておくべき以下の内容について解説します。

  • デジタルトランスフォーメーションの事例で多く活用されているツールとその理由
  • デジタルトランスフォーメーションの事例
  • 事例から見るデジタルトランスフォーメーション成功のポイント
  • デジタルトランスフォーメーションを推進する際の注意点
  • デジタルトランスフォーメーションに取り組む流れ

事例は、デジタルトランスフォーメーションに活用されることの多いツール上位3種類に関するものから、DXグランプリ2021の最新事例までご紹介します。このような内容を把握することで、自社に最適なトランスフォーメーションのあり方を検討することができるようになるでしょう。

デジタルトランスフォーメーションの取り組みを確実に成果につなげるためにも、事例や成功ポイントへの理解を深めておきましょう。

目次:

1. デジタルトランスフォーメーション事例でもっとも活用されているのはクラウド
1-1. デジタルトランスフォーメーションで活用されるICT上位3つ
1-2. クラウドがデジタルトランスフォーメーションで活用しやすい理由
2. デジタルトランスフォーメーションの事例
2-1. 【利用率1位】クラウドを活用したデジタルトランスフォーメーションの事例
2-2. 【利用率2位】データ分析を活用したデジタルトランスフォーメーションの事例
2-3. 【利用率3位】スマホアプリを活用したデジタルトランスフォーメーションの事例
3. 【最新】DXグランプリ2021の事例
3-1. 株式会社日立製作所
3-2. SREホールディングス株式会社
4. 事例から読み解くデジタルトランスフォーメーションの成功法則
4-1. 組織全体で取り組む
4-2. DX人材を確保する
4-3. 顧客ファーストの視点を持つ
5. デジタルトランスフォーメーション推進は長期的な視点で取り組もう
6. デジタルトランスフォーメーションに取り組む流れ
6-1. 業務の現状を把握する
6-2. DXの目標を設定する
6-3. 推進の計画や体制を整える
6-4. デジタイゼーション・デジタライゼーション
6-5. PDCAサイクルを回す
7. クラウドを活用してDXを成功させるならNTT東日本
7-1. AWS・Azureの認定クラウドのプロが徹底サポートするから有効活用できる!
7-2. ビジネスチャンスを引き寄せる攻めのクラウド活用もサポート
7-3. 24時間365日の対応・保守サポートで運用の面倒・困ったをまとめて解決可能
8. まとめ

1. デジタルトランスフォーメーション事例でもっとも活用されているのはクラウド

デジタルトランスフォーメーションを推進するうえで欠かせないのがICTです。けれどICTには多くの種類があって、何を取り入れるべきか悩ましいですよね。

総務省の最新の調査によると、実際にデジタルトランスフォーメーションに取り組んでいる企業がよく利用しているICT(Information and Communication Technology、情報技術)は、次の3つです。

DXでよく使われるICTトップ3
1位

クラウド

2位

データ分析

3位

スマホアプリ

ここでは上記の3つについて、概要やデジタルトランスフォーメーションにどのように役立つのかをご紹介します。

1-1. デジタルトランスフォーメーションで活用されるICT上位3つ

デジタルトランスフォーメーションを推進するにあたって、まず手軽に取り入れやすいICTが、クラウドです。

総務省「令和3年情報通信白書」においても、デジタル・トランスフォーメーションに取り組む際に活用しているICT関連技術・サービスで多いものは、1位クラウド54.2%・2位データ分析42.0%・3位スマホアプリ29.6%でした。

※総務省「令和3年情報通信白書」より

上記の3つのICTには、以下のような特徴があります。

DXでよく使われるICTの特徴
クラウド
  • インターネット経由で各種ソフトウェアやストレージ・サーバーなどのインフラを利用できる
  • 自社でソフトウェアやハードウェアを保有しなくてよいため初期費用が格段に低く、従量課金制なのでスペックの高い環境なども気軽に利用できる
データ分析
  • ビッグデータなど蓄積されたこれまでの実績をもとに、今後の需要や課題を予測し意思決定の判断材料を提供する
  • 経験や勘に頼らず客観的な予測が可能
スマホアプリ
  • スマートフォンにアプリをインストールするだけで、業務をデジタル化できる
  • パソコンを使用しづらい現場や出先で仕事をするケースでも、まとめてデジタル化し一元管理することができる

クラウド・データ分析・スマホアプリは、いずれも業種や規模にかかわらず活用しやすい汎用性の高いICTで、導入による成果が出しやすいツールであるという特徴があります。

1-2. クラウドがデジタルトランスフォーメーションで活用しやすい理由

デジタルトランスフォーメーションでクラウドがよく活用されるのは、クラウドが以下のような理由でデジタルトランスフォーメーションに最適だからです。

クラウドがデジタルトランスフォーメーションに最適な3つの理由

1. 導入コストが低く従量課金制で使える

2. 汎用性が高い

3. すぐに運用開始できる

インターネット経由でクラウド上のソフトウェア・インフラを利用するクラウドでは、ほとんど初期費用がかからず、利用料も使った分だけ支払う従量課金制で無駄な費用が発生しません。そのため、コストをかけずに試しに使ってみることが可能で、試行的にデジタル化し検証する機会の多いデジタルトランスフォーメーションに最適です。

また、機能が豊富で常に最新の状態に自動でアップデートされるクラウドは使える業務が多く、ニーズの変化に合わせて柔軟に規模や種類を変更することもできます。デジタルトランスフォーメーションの推進過程で、方向転換や市場の動向の変化が起きても、すぐに対応できるため安心です。

さらに、早ければ数日で運用開始できるクラウドを活用することで、デジタルトランスフォーメーションを効率的に進めることが可能になります。

このように、クラウドはデジタルトランスフォーメーションと相性の良い特徴を多く備えていることから、多数の企業で活用されているのです。

2. デジタルトランスフォーメーションの事例

ここでは、デジタルトランスフォーメーションで利用される機会の多い、クラウド・データ分析・スマホアプリの事例を紹介します。

各ICTを活用したDX事例
クラウド
  • アナログ基盤をクラウドでデジタル化し、DX推進の基盤を作る
  • クラウドツールによる多言語対応で、グローバル顧客の満足度向上
  • 基幹システムのクラウド化で、ブラックボックス化を解決
データ分析
  • データ分析を活かし納期や見積もりの作成を高速化
  • 利用者データを分析し、オンラインコンテンツの利用者増加
  • 統計データを活用し効果的なリスクマネジメントを提案するビジネスモデル構築
スマホアプリ
  • モバイルsuicaと連携し交通費精算の労力を激減
  • クラウド型スマホアプリを活用し、スマホ内線の利便性向上
  • レンタカー予約専用アプリを開発し、顧客の利便性向上・従業員の業務削減

各ICTを、実際にはどのようにデジタルトランスフォーメーションに活用しているのか、確認してみましょう。

2-1. 【利用率1位】クラウドを活用したデジタルトランスフォーメーションの事例

デジタルトランスフォーメーションに利用する企業の割合がもっとも多いクラウドを活用した事例には、以下のようなものがあります。

クラウドを活用したDX事例
株式会社国際エキスプレス

    【課題】

    • 業務環境が全体的にアナログで無駄なコストやセキュリティ課題が発生

    【導入内容】

    • 業務基盤をデジタル化するためクラウドを導入し、クラウドサーバーなどのITインフラを整備

    【成果】

    • セキュリティ性の高い拠点間アクセスとBCP対策が実現し、さらなるIT化を進めやすい環境が構築できた

  • ※参照:NTT東日本クラソル「導入事例
株式会社 神戸製鋼所

    【課題】

    • 外国人技術者と円滑なコミュニケーションを取るため、セキュリティが高く迅速に翻訳できるツールが必要

    【導入内容】

    • ファイルをブラウザ上にドラッグ&ドロップするだけで翻訳でき、セキュリティレベルの高いクラウド型AI翻訳サービスを導入

    【成果】

    • 社内ルールの説明・安全上の教育といったアナウンスがスムーズに
    • 技術資料の共有も簡単に行えるようになった
    • さらなるダイバーシティの推進を可能にする環境が整った

  • ※参照:NTTコミュニケーションズ「導入事例 株式会社 神戸製鋼所
NTT-AT

    【課題】

    • 従来の基幹システムが約800ものアドオンで複雑化・ブラックボックス化している

    【導入内容】

    • システムのクラウド移行に際して業務プロセスを標準化
    • 移行時はデータ移行ツールを活用

    【成果】

    • 約800ものアドオンは0になりブラックボックス化を解決
    • ツールを活用し手動移行を回避することで、4日でデータ移行を完了

  • ※参照:NTT AT「DX支援ソリューション 導入事例『SAP(基幹システム)の自社導入』

このように機能が多岐にわたるクラウドを活用すれば、

  • デジタルトランスフォーメーションの推進を円滑にする土台作り
  • 事業単位での業務の進め方の変革

いずれにも対応することが可能です。

2-2. 【利用率2位】データ分析を活用したデジタルトランスフォーメーションの事例

次に、蓄積されたデータの分析結果を活用したデジタルトランスフォーメーションの事例について、確認してみましょう。

データ分析を活用したDX事例
トラスコ中山株式会社

    【課題】

    • 業務量の増加に伴い顧客サービスのさらなる向上が難しい

    【導入内容】

    • AIで実績や顧客ニーズに関するデータを分析した上で、最適な価格・納期を作成できるツールを導入

    【成果】

    • 見積もりや納期回答業務の自動化を実現し、顧客の課題解決に注力できるようになった

  • ※参照:トラスコ中山株式会社「トラスコ中山、2 年連続「DX 銘柄」に選定!
ベネッセ

    【課題】

    • 「オンラインライブ授業」の利用者満足度は高いが、利用者数が伸び悩んでいる

    【導入内容】

    • 満足度や参加者の属性などのデータ分析を行い、進研ゼミ会員の状況別にサービス活用の観点を分類別にアプローチ

    【成果】

    • オンラインライブ授業サービスなどが掲載されているページの閲覧者の参加率20%向上を実現

  • ※参照:ベネッセ「進研ゼミ データ利活用
MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社

    【課題】

    • グローバル化・デジタル化・自然災害の増加といったリスクが多様化する現代に最適な提案を行いたい

    【導入内容】

    • ビッグデータ・最新の分析アルゴリズムを活用し、企業の抱えるリスクを見える化できるようにした

    【成果】

    • さまざまなデータを利活用し、個々の企業が抱えるリスクを踏まえた最適な計画や対応策を提案可能になった

  • ※参照:MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社「三井住友海上、アクセンチュアと「Risk」×「Technology」による新サービス「RisTech」の提供を開始

データ分析で蓄積された過去の実績を利活用することで、業務の効率化や新たなビジネスモデルの構築など、事業単位でのデジタルトランスフォーメーションを推進することが可能です。

2-3. 【利用率3位】スマホアプリを活用したデジタルトランスフォーメーションの事例

スマートフォンにインストールするアプリケーションを導入したり開発したりすることによっても、デジタルトランスフォーメーションを進めることが可能です。

スマホアプリを活用したDX事例
株式会社イースト・グループ・ホールディングス

    【課題】

    • 出先への異動を伴う業務が多く、交通費の精算業務が大きな負担になっていた

    【導入内容】

    • suicaの利用履歴を自動連携するアプリを導入

    【成果】

    • 精算業務が効率化され年間の所要時間が351時間から106時間に短縮

  • ※参照:NTTコミュニケーションズ「導入事例 株式会社イースト・グループ・ホールディングス
第一生命保険株式会社

    【課題】

    • PBX導入によるスマホ内線化にあたって、スマートフォンに履歴が残ることにセキュリティ上の懸念がある

    【導入内容】

    • スマホ内に履歴を残さず電話帳機能で簡単に発信もできるアプリを導入

    【成果】

    • セキュリティレベルを高めながらスマホ内線の機能性も向上した

  • ※参照:NTTコミュニケーションズ「導入事例 第一生命保険株式会社
ニッポンレンタカーサービス株式会社(東京センチュリーグループ)

スマホアプリは、うまく活用することで働き方改革や競争力強化などさまざまな効果をもたらします。デジタル化で欠かせないスマートフォンの有効活用をスマホアプリで促進させることができれば、デジタルトランスフォーメーションを効果的に推進できるでしょう。

3. 【最新】DXグランプリ2021の事例

続いて、注目されている最新のデジタルトランスフォーメーション事例についてもご紹介します。

経済産業省の「DX銘柄2021」「DX注目企業2021」選定で、グランプリになった2社の取り組みを見てみましょう。

DXグランプリ2021のDX事例
株式会社日立製作所
  • 工場内の設計開発~納入後の運用保守の複数のフェーズで、AIやデータ分析・IoTを活用し、業務の効率化・最適化を実現するなど多数のDXを推進
SREホールディングス株式会社
  • 不動産価格査定や売買契約書作成にICTを導入し、質の高いサービス提供を実現

DXグランプリとは、東京証券取引所に上場している企業で、デジタルトランスフォーメーションの優れた実績がある場合に選定される「DX銘柄」のなかでも、特に優れているとされた企業が選出されます。

最新のDXグランプリ2021では、DX銘柄2021に選ばれた28社のうち上記の2社が選出されました。

以下で、デジタルトランスフォーメーションの内容をご説明します。

3-1. 株式会社日立製作所

株式会社日立製作所では、DXグランプリ審査員から「DXが変革のエンジンになっている数少ない会社の一つ」と評価されるほど、デジタルトランスフォーメーションの多様な取り組みを積極的に行っています。

株式会社日立製作所の事例
DX推進内容の概要
  • IoTやAIといった先進的デジタル技術と日立製作所の長年のノウハウを結集したDX基盤Lumadaで、全社的にDXの取り組みを実施
  • 工場では現場データを分析し、ハードウェアの設計・製造業務を効率化、他にもAIやIoTを活用し製造の各段階でデジタル化を推進している
成果
  • 2016年にLumadaを発表して以来、1,000件を超える実績を積み重ね社会に貢献
  • 製造指示を受けて納品するまでの時間を50%短縮

事業の一部分だけでなく各フェーズについて最適なICTを導入することが、デジタルトランスフォーメーションの効果を最大化させる上で重要なことがわかる事例です。

※参照:株式会社日立システムズ「「DX銘柄2021」グランプリ選定の日立製作所、DXへの取り組みが評価された理由とは?

3-2. SREホールディングス株式会社

不動産事業やAI事業を中心に展開するSREホールディングス株式会社は、当初「ソニー不動産」として事業を展開していました。

それが、デジタルトランスフォーメーション推進のため自社で活用する予定で生み出したAI・ITツールに他社が関心を示し外販することになった結果、AI事業を展開することとなった企業です。

SREホールディングス株式会社の事例
DX推進内容の概要
  • AIで不動産の売買価格査定や査定書作成が可能なツールや、クラウド上で売買契約書や重要事項説明書作成ができるツールなどを作成し提供
成果
  • 自社の不動産事業のスマート化を実現
  • 自社で運用し成果のあったツールを外販するとともに導入コンサルティングも実施し、不動産・金融業界のスマート化を推進

デジタルトランスフォーメーションの推進の過程で生み出したものが、新たなビジネスチャンスにつながるケースもあるということがわかる事例です。

このように表面的に取り組むのではなく、全社的に最善の方法を模索し注力することでデジタルトランスフォーメーションも成功し、副次効果も得られる可能性が高まると言えるでしょう。

※参照:SREホールディングス株式会社「「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2021」および「DXグランプリ2021」に選定

4. 事例から読み解くデジタルトランスフォーメーションの成功法則

実際の事例から読み取れるデジタルトランスフォーメーションを成功させる主なポイントは、次の3つです。

事例から読み解くデジタルトランスフォーメーションの成功法則3つ

1. 組織全体で取り組む

2. DX人材を確保する

3. 顧客ファーストの視点を持つ

「デジタルトランスフォーメーションに取り組んでみたけれど、効果がいま一つ実感できない」とならないように、成功事例のポイントを押さえておきましょう。

4-1. 組織全体で取り組む

担当者だけ・特定の部署だけといった部分的な取り組みでは、デジタルトランスフォーメーションを成功させることは難しいので、トップが先頭に立ち組織全体で取り組むことが大切です。

デジタルトランスフォーメーションは、ビジネスモデルや組織のあり方を変革してはじめて成功と言えます。ICTを少しでも導入したらデジタルトランスフォーメーションが成功するわけではないのです。

そのため、

  • トップが変革する意思とロードマップを表示し、会社全体にデジタルトランスフォーメーションを推進するという意識を持たせる
  • 全体最適を目指し、部署間の業務のつながりを踏まえて、まとめてデジタル化してしまう

といったことを行い、従来のあり方を変えることへの理解を得ながらトータルでデジタル化していくことで、確実に変革を起こすことが成功の秘訣と言えるでしょう。

4-2. DX人材を確保する

デジタルトランスフォーメーションを成功させるには、DX人材を確保すること・DX推進の専門部署を設置することも大切です。

デジタルトランスフォーメーションに欠かせないクラウドやAIなどのICTを有効活用するには、ITに関する幅広い知識とビジネスで活用する方法の両方を理解した人材が欠かせません

可能ならDX推進専門部署を設け、既存の情報システム担当部署と連携させることで、スピード感のあるデジタルトランスフォーメーションが可能になるでしょう。

4-3. 顧客ファーストの視点を持つ

意外と忘れがちな点が、デジタルトランスフォーメーションを推進する際は最終的に顧客の利益や満足度アップにつなげるよう意識することです。

単に業務効率化やデジタル化するだけでなく、ビジネスときちんと関連付けて顧客のニーズに今まで以上に対応できる形でデジタルトランスフォーメーションを推進しないと、競争力強化や利益の向上にはつながらなくなってしまいます。

まずは「顧客の満足度向上を実現できるかどうか」という視点から、デジタルトランスフォーメーションの推進方法を検討することで、取り組みを成功させやすくなるでしょう。

5. デジタルトランスフォーメーション推進は長期的な視点で取り組もう

デジタルトランスフォーメーションを推進する際には、長期的な視点で取り組む必要があることに注意しましょう。

よくありがちなのが、

  • デジタル化することがゴールになってしまい、新システムを導入するだけで終わった
  • 一部署にICTを導入したけれど、思ったような効果が出ないのですぐやめてしまった

という失敗事例です。

デジタルトランスフォーメーションは、ICTなどを導入後、効果を検証しフィードバックを踏まえて改善を行うといった流れを繰り返すことで成果が得られる取り組みなので、時間をかける必要があります。

新しいシステムやツールを導入すると、そもそも定着するまでに時間を要しますし、使ってみてはじめて自社に最適なスタイルがわかることもあるでしょう。

最終的な目標を明確に定めたうえで、目標を達成するまでは、ICTの導入後も長期的に試行錯誤を繰り返す必要性があることを認識しておくことが大切です。具体的なデジタルトランスフォーメーションの進め方については、次章で詳しく解説します。

6. デジタルトランスフォーメーションに取り組む流れ

適切な手順で進めることで、デジタルトランスフォーメーションの成功確率を上げることができます。

具体的には、以下のとおり進めると効果的です。

各ステップについて、以下で具体的に説明します。

6-1. 業務の現状を把握する

まずは、業務の現状を把握してください。どのような業務をどういう手順で進めているのか把握しておかないと、効果的なICTやデジタルトランスフォーメーションの方向性がわからないからです。

主に把握しておきたいことは、以下のとおりです

  • 業務の種類ごとの繁忙期や閑散期
  • 業務の流れ
  • 他部署との連携状況
  • 業務の課題

業務の現状を漏れなく把握するには、以下のポイントを押さえることをおすすめします。

  • 実際に業務を行う従業員にヒアリングやアンケート調査を行う
  • フロー図を作成し、作成者以外にもわかるようにしておく

現在の業務について正しく把握しておかないと、導入したシステムの効果が出にくかったり逆効果になったりするので、必ず確認しておきましょう。

6-2. DXの目標を設定する

業務の実態が明らかになったら、デジタルトランスフォーメーションの目標を設定します。

ICTや新しいシステムの導入は、あくまでも手段です。デジタルトランスフォーメーションの目標は、デジタル化することによって、何をどう変えることで顧客のどのようなニーズに応えたいのかという観点から定めるようにしましょう。

目標をできるだけ具体化しておけば、導入すべきツールや導入後の軌道修正もスムーズに進めることができるので、デジタルトランスフォーメーションを成功させやすくなります。

6-3. 推進の計画や体制を整える

デジタルトランスフォーメーションの目標を具体的に定めたら、推進の計画・体制を準備しましょう。

デジタルトランスフォーメーションは全社的に進める必要があるので、何となく始めやすそうな箇所から手を付けてしまうと、手戻りが発生する・現場の負担が大きくなるなどのリスクが高くなるためです。以下のポイントを押さえて、計画を立ててから着手しましょう。

【推進計画のポイント】

  • 一度に多くを並行して進めるのでなく、優先順位をつける
  • デジタル化を行う部署の業務スケジュールを踏まえ、繁忙期にかぶせないようにする
  • 業務上つながりのある部署は、できるだけまとめて行う

また、デジタルトランスフォーメーションは大規模な変革になりがちなので、長期的に作業すべきことが発生します。あらかじめ専門の人材を準備しておくことで、スムーズに進められるでしょう。

6-4. デジタイゼーション・デジタライゼーション

いよいよ、デジタル化を進めていきましょう。デジタル化は、デジタイゼーション・デジタライゼーションの順番で行うことで、効率的に進められます

デジタル化は2種類ある
デジタイゼーション
  • 紙媒体の資料などアナログデータをデジタルデータに変換する
  • 先に情報をデジタル化しておくことで、デジタライゼーションがスムーズに進む
デジタライゼーション
  • デジタルデータを活用できるシステムやツールを導入し、業務過程をデジタル化する

デジタルトランスフォーメーションの推進というと、いきなりシステムやツールの導入をしてしまいがちですが、まずは社内のアナログデータをデジタル化しておくことが大切です。

6-5. PDCAサイクルを回す

最後にPDCAサイクルを回し、導入したICTをデジタルトランスフォーメーションの目標達成に向けて最適化していきましょう。

何度もお伝えしているとおり、ICTを導入しただけでは、デジタルトランスフォーメーションの目標は達成されません。導入したツールなどを使ってみて、より目標達成に適した形に調整していく必要があります。

ICTの活用方法を変える・別のICTを導入するなど改善策を講じたら、また検証し次の改善へつなげていくことで、デジタルトランスフォーメーションを成功させることができるでしょう。

7. クラウドを活用してDXを成功させるならNTT東日本

デジタルトランスフォーメーションに最適なICTであるクラウドを活用するなら、NTT東日本のクラウド導入・運用サービスをおすすめします。

NTT東日本のクラウド導入・運用サービスは単にサービスを導入するだけではないので、導入目的の達成度が違います。

NTT東日本のクラウド導入・運用サービスが目標達成に最適な3つの理由
理由1
  • AWS・Azureの認定クラウドのプロが徹底サポートするから有効活用できる!
理由2
  • ビジネスチャンスを引き寄せる攻めのクラウド活用もサポート
理由3
  • 24時間365日の対応・保守サポートで運用の面倒・困ったをまとめて解決可能

NTT東日本のクラウド導入・運用サービスが、御社のデジタルトランスフォーメーション推進に最適な理由について、詳しくは以下をご覧ください。

7-1. AWS・Azureの認定クラウドのプロが徹底サポートするから有効活用できる!

NTT東日本にはAWS(Amazon Web Services)・Microsoft Azureの認定有資格者をはじめとするクラウドのプロフェッショナルが多数在籍しており、中立的な立場から、御社に最適な選択肢をご提案することができます。

認定有資格者とは

  • 多数のサービス(機能)を持つクラウドサービスについて、体系的な知識を有することを証明する公式認定資格を有する者

クラウドのプロは豊富な専門知識があるから、構築のみならず長期間にわたる運用フェーズまで見据えた最適なご提案が可能なことが、最大の魅力です。

ICTをいかに使いこなせるかで成否がわかれるデジタルトランスフォーメーションでは、ぜひ押さえておくべきクラウドに精通したプロの見解が聞けるから、NTT東日本のクラウド導入・運用サービスは目標達成に適していると言えるでしょう。

7-2. ビジネスチャンスを引き寄せる攻めのクラウド活用もサポート

NTT東日本のクラウド導入・運用サービスは、クラウド導入に関する課題の解決はもちろんのこと、経営上の目標・戦略まで視野に入れてご提案するので、ビジネスでの有効活用に確実につなげることが可能です。

150社を超える導入実績に裏打ちされた確かなノウハウで、御社のデジタルトランスフォーメーションの目標達成に最適なクラウド活用術を、丁寧にご提案させていただきます。

デジタルトランスフォーメーションを効率的に進めるなら、クラウドの活用ノウハウまで聞けるNTT東日本のクラウド導入・運用サービスがおすすめです。

7-3. 24時間365日の対応・保守サポートで運用の面倒・困ったをまとめて解決可能

新システム導入後にありがちな「業務の効率化はできたけれど、運用担当者の業務が倍増してしまった」という失敗を回避するなら、NTT東日本のクラウド監視・運用代行をご活用ください。

NTT東日本のクラウド監視・運用代行サービスでは、監視・通知、故障発生時の受付・一次切り分けなどを、NTT東日本が代行。日常的な運用業務を、すべてNTT東日本にお任せいただけます

【NTT東日本のクラウド監視・運用代行のポイント】

  • 24時間365日対応で安心
  • 監視・通知、故障発生時の受付・一次切り分けなど、さまざまな対応が可能
  • 運用計画やご依頼に基づいた、ユーザー追加や設定変更作業なども代行

プランは、選べる3種類。お客さまの「ここまでは任せたいな」に柔軟に対応いたします。

NTT東日本のクラウド導入・運用サービスがデジタルトランスフォーメーションに向いているのは、導入メニューはもちろんのこと、運用メニューも豊富だからです。

8. まとめ

今回は、デジタルトランスフォーメーションを成功させるうえで押さえておくべき事例とそのポイントを解説しました。最後に、要点を振り返ってみましょう。

デジタルトランスフォーメーションの事例で多く活用されているICTは、クラウド・データ分析・スマホアプリです。

特にクラウドは、

  • コストをかけずに試しに使ってみることが可能で、試行的にデジタル化し検証する機会の多いデジタルトランスフォーメーションに適している
  • 方向転換や市場の動向の変化が起きても、すぐに対応できるため安心
  • 早ければ数日で運用開始できるから、デジタルトランスフォーメーションを効率的に進めることが可能

といった理由で、デジタルトランスフォーメーションに最適のICTと言えるでしょう。

事例から見るデジタルトランスフォーメーション成功のポイントは、以下のとおりです。

事例から読み解くデジタルトランスフォーメーションの成功法則3つ

1. 組織全体で取り組む

2. DX人材を確保する

3. 顧客ファーストの視点を持つ

また、デジタルトランスフォーメーションを推進する際は長期的な計画で進め、効果がないからといって、すぐに取り組みをやめたりしないように注意しましょう。

デジタルトランスフォーメーションに取り組む際は、以下の流れで進めると効率的です。

デジタルトランスフォーメーションの進め方

1. 業務の現状を把握する

2. DXの目標を設定する

3. 推進の計画や体制を整える

4. デジタイゼーション・デジタライゼーション

5. PDCAサイクルを回す

デジタルトランスフォーメーションは時間や労力のかかる取り組みですが、今後長きにわたって競争力を高め、組織を発展させていくうえで欠かせないものです。成功事例を参考に、ポイントを押さえたデジタルトランスフォーメーションを進めてみませんか。

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  • コストを抑えるため
    具体的なコツ
  • 既存環境からスムーズにクラウド化
    実現するためのロードマップ

など、この1冊だけで自社のクラウド化のポイントが簡単に理解できます。
またNTT東日本でクラウド化を実現し
問題を解決した事例や、
導入サポートサービスも掲載しているので、
ぜひダウンロードして読んでみてください。

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