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クラウドシステム基礎知識!種類・メリット・選び方を網羅的に解説
クラウドの特長やメリット、デメリットについてNTT東日本のクラウドエンジニアがより詳しく紹介した資料です。ぜひダウンロードして、クラウド導入にご利用ください。
「クラウドシステムって本当の所よくわからない。今までのシステムと何が違うの?」
こんな疑問をお持ちではないでしょうか?
昨今、当たり前のように使われ、耳にするようになった「クラウド」という言葉ですが、実は誰かに聞かれても上手く説明できない…という人が多いですよね。
クラウドシステムとはクラウド(クラウド・コンピューティング)を活用したコンピューターシステムのことです。
クラウドとはコンピューターの利用形態のひとつであり、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピューター(サーバー)が提供するサービスを、利用者はネットワーク経由で手元のパソコンやスマートフォンで使用します。
本記事では、「クラウドシステム基礎知識」として、今さら人に聞けないクラウドについて、わかりやすく解説します。
この記事でわかること
- クラウドとは?クラウドシステムとは?
- クラウドの種類
- クラウドシステムが企業に注目される背景
- クラウドシステムのメリット・デメリット
- クラウドサービスを選ぶ際の3つのポイント
最後まで読んでいただければ、クラウドシステムについて理解ができ、自社での導入についても建設的に検討できるようになるでしょう。
目次:
クラウドの特長やメリット、デメリットについてNTT東日本のクラウドエンジニアがより詳しく紹介した資料です。ぜひダウンロードして、クラウド導入にご利用ください。
1.クラウドシステムの基礎知識
それではさっそく、クラウドシステムの基礎知識を解説していきます。
- クラウドとは?
- クラウドシステムとは?
- クラウドの種類
よく読んで、クラウド(=雲)のようにモヤモヤしている疑問を解決していきましょう。
1-1.クラウドとは
クラウド(クラウド・コンピューティング)とは、インターネットなどのネットワーク経由でユーザにサービスを提供する形態のことです。
インターネットなどのネットワークに接続されたコンピューター(サーバー)が提供するサービスを、利用者はネットワーク経由で手元のパソコンやスマートフォンで使います。
これまではハードウェアを購入したり、ソフトウェアやデータをPCにインストールして利用するのが主流でしたが、クラウドが登場したことによって、オンライン上でソフトウェアの利用やデータのやり取りが可能になったのです。
インターネット(雲)の向こう側のサービスを利用していることから、クラウド(cloud=雲)と呼ばれるようになったといわれています。
クラウドの由来には諸説あり、この他にもcrowd(クラウド)と書いて、集約したシステムという意味でクラウドと呼ぶようになったという説もあります。
1-2.クラウドシステムとは?
「クラウドシステム」とは、クラウドを活用したシステムのことです。
クラウドシステムでわかりやすい身近なものとして、Gmailやオンラインゲームなどがあります。
これらはInternet Explorerや、Google Chromeといったブラウザからシステムにログインして使用することができます。その際、IDとパスワードさえ入力すれば誰でも利用できるのです。
実際には、クラウドサービス提供事業者(クラウドを提供しているサービス会社)は、ユーザが利用するデータやソフトウェアを保存しておくサーバーを持っています。
ただし、セキュリティの観点から設置場所や設置場所内部についての詳細は契約者であっても利用者には開示されません。
ユーザは、サーバーがどこにあるかを意識する機会はほとんどないでしょう。
ここもチェック!
知らない間に使っている身近なクラウドシステム
「iCloud」を考えてみると「クラウドシステム」が更にわかりやすいでしょう。
PCもしくはスマートフォン、Webブラウザ、インターネット接続環境がそろっていれば、iCloud上に写真や動画、音楽をアップロードしたり、保存していた写真をダウンロードしたりできます。
このように「クラウドシステム」では、インターネットを経由して、必要なときに必要な分だけデータの利用ができるのです。
1-3.クラウドの種類
クラウドには複数種類があり、大きく3つに分類されます。
- SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)
- PaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)
- IaaS (インフラストラクチャ・アズ・ア・サービス)
それぞれについて解説します。
1-2-1.SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)
SaaS(呼び方はサース)は、インターネットを介してアプリケーションを提供するクラウド(サービス)です。
パソコンやサーバーに入れて使用するソフトウェアをブラウザなどから利用できるため、ソフトウェアを購入したりインストールしたりする必要がありません。カスタマイズの自由度はあまり高くなく、その分複雑な設計は必要ありません。
SaaSの主なサービス
- Microsoft Office 365などのオフィスソフト
- GmailなどのWebメール
- Dropboxなどのオンラインストレージ
- サイボウズなどのグループウェア
1-2-2.PaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)
PaaS(呼び方はパース)は、主に開発環境を提供するクラウド(サービス)です。
インターネットを介して、アプリケーションを作動させるためのハードウェアやOSなどの一式までを揃えることができるので、システムの開発環境を構築する手間がかからず、手軽に環境基盤を調達することができます。
PaaSは、使用するアプリケーションのOSを、プログラムなどでカスタマイズする場合などに適しています。ただし、最適な形で設計を行う場合は高い専門知識が必要になります。
PaaSの主なサービス
- Amazonが提供する「AWS」
Amazon RDS/Amazon Aurora など - マイクロソフトが提供する「Microsoft Azure」
Azure Database/SQL Databaseなど
1-2-3.IaaS(インフラストラクチャ・アズ・ア・サービス)
IaaS(呼び名はイアース)は、インターネット経由でサーバーやネットワークなどを利用できるクラウド(サービス)です。
IaaS上でサーバーの選定やOS、メモリ容量などのシステムを自由に構築して、自社に都合の良いサーバーアプリケーションを実行する環境を構築することができます。
また、既存のシステムをIaaSへ移行することも可能で、コンピューターリソースの拡張や縮小を自由に行うことができます。
ただし、自由度が高い分、使いこなすには専門知識が必要になります。
IaaSの主なサービス
- Amazonが提供する「AWS」
Amazon EC2/Elastic Load Balancing (ELB) など - マイクロソフトが提供する「Microsoft Azure」
Virtual Machines/Load Balancer など
クラウドの種類について詳しく知りたい方はコチラをご参照ください |
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【徹底比較】クラウドには3種類ある!メリット・デメリットを解説 |
2.クラウドシステムが企業に注目される背景
現在、企業規模の大小や業界を問わず、クラウドを活用する企業は増え続けています。
令和2年に総務省が発表した企業におけるクラウドサービスの利用動向によると、クラウドサービスを一部でも利用している企業の割合は64.7%と、前年の58.7%から6.0ポイントも上昇しています。
なぜこのように、クラウドは注目され普及が広まっているのでしょうか。
目的に応じてさまざまな要因が考えられますが、ここでは『クラウドが企業に注目される背景』として、主たる3つの理由を紹介します。
クラウドが企業に注目される理由 |
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リモートワークなど多様な働き方に対応できる |
非常事態に備える「BCP対策」として効果的 |
導入後すぐに始めることができる |
それぞれ説明していきましょう。
2-1.リモートワークなど多様な働き方に対応できる
クラウドの導入が注目される何より大きな理由は、多様な働き方に対応できる点でしょう。
リモートワークや在宅勤務など働き方が多様化している現在、クラウドはその実現のためには欠かせないシステムであるといえます。
従来、社内のネットワークに接続するためには会社へ出社するかアクセスするPCに特別なソフトウェアをインストールしてアクセスするなどの必要がありました。
クラウドシステムを導入すると、会社のネットワークに対してインターネット回線からアクセスできるため、インターネット環境が整っている場所ならばいつでもネットワークにアクセスすることができます。
データへのアクセス権限を制限するなどの情報漏洩や不正アクセスに対するセキュリティへのリスクケアを行うこともできます。
2-2.非常事態に備えるBCP対策として効果的
クラウドシステムの導入は、非常時に備える効果的なBCP対策として注目されています。
BCP とは「Business Continuity Plan」という言葉を略したものであり、日本語では「事業継続計画」と表現されています。
BCP対策とは、大規模な災害などを受けた際に中核事業や優先的に行うべき事業をスムーズに再開するための対策のことです。
大規模地震に代表される自然災害が発生した場合、企業システムなどがダウンし、事業継続が極めて困難な状況になることが想定されます。そのまま事業を続けられない場合、最悪倒産も視野に入れなければいけません。
クラウドシステムの導入は、このような非常事態に備えて、事業を継続するための BCP対策として有効です。
クラウドでは、自社のデータは遠隔地にあるサーバーやストレージ環境に格納され、必要な時にアクセスして利用する形態なので、仮に自社オフィスがダメージを受けた場合でも遠隔地のクラウドが同時に罹災している可能性は低く、スムーズな復旧が期待できます。
2-3.導入後すぐに始めることができる
クラウドは既に完成されているサービスを利用するので、システム導入後すぐに始めることができます。
ビジネスの世界は何よりスピードが大切なので、迅速に社内のシステム環境を整えられる点が注目されているのです。
自社でシステムを開発するとなると、利用開始までに数か月間かかることもあり、この差は大きいと言えるでしょう。
3.クラウドシステムのメリット
クラウドシステムが企業に注目される背景はご理解いただけましたでしょうか。
さらに深く知っていただくために、3章ではクラウドシステムのメリットを解説します。
クラウドシステムを導入する主なメリットは3つあります
- コストを抑えやすい
- 運用管理の負担が削減できる
- 時間や場所を問わず利用できる
それぞれ解説していきましょう。
3-1.コストを抑えやすい
クラウドシステム導入のメリットとして、コストを抑えやすい点が挙げられます。
クラウドシステムを導入すると、サーバー・周辺機器の購入費用やシステム構築などの初期費用(設備投資)を抑えることができます。
また、サーバーを稼働させるための維持費、運用・監視する人件費も減らせるので、結果的に維持コストを抑えることができます。
さらに、クラウドサービスの多くは従量課金制であり、利用量に応じて費用が発生するため、必要以上に経費がかかることがありません。
3-2.運用管理の負担が削減できる
クラウドシステムの運用はクラウド提供事業者に任せられる(※)ため、従来は自社で行っていた管理やメンテナンスが少なくなり、利用者の負担を削減できます。
自社サーバーを運用する場合、サーバーを維持するための専任スタッフを置く必要があります。
安定性やセキュリティ面の確保など、システム維持のためにかかる負担は軽いものではありません。
クラウドでは、ソフトウェアのインストールやアプリケーションのアップデート作業は、原則としてクラウドサービス提供事業者側で実施します。
データ管理やバックアップ作業も必要ないため、システム運用管理の負担軽減につながります。
(※)ユーザの管理責任の範囲は、クラウドのサービスに応じて異なります。サービスの選択によって、セキュリティ等に関する責任の一環としてユーザ側が実行する構成作業の量が決定されます。詳しくは下記をご参照ください。
3-3.時間や場所を問わず利用できる
時間や場所を問わず利用できるのも、クラウドシステム導入の大きなメリットです。
PCやタブレット、スマホなどの端末と、インターネット環境さえあればアクセスが可能で、離れた場所にいる相手との共同作業も簡単にできるため、作業効率が大幅に向上します。
場所を問わず、ネットが繋がる場所であれば社内システムの利用やデータ共有が可能になるので、リモートワークや在宅勤務の普及にも大きく貢献します。
クラウドのメリットについて詳しく知りたい方はコチラをご参照ください |
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クラウドの6つのメリットを徹底解説!オンプレミスとも比較検討 |
クラウドの特長やメリット、デメリットについてNTT東日本のクラウドエンジニアがより詳しく紹介した資料です。ぜひダウンロードして、クラウド導入にご利用ください。
4.クラウドシステムのデメリット
一方、クラウドシステム導入の主なデメリットは2つあります。
- 自社のシステムとの連携ができない場合がある
- カスタマイズできる範囲に限界がある
それぞれ解説していきましょう。
4-1.自社のシステムとの連携ができない場合がある
クラウドシステムは、自社のシステムとの連携ができない場合があります。
クラウドでは、すでにサービス事業者が用意している仕様の範囲で利用することになるため、自社のシステムと互換性がないということがあるのです。
サービス事業者が決めたOSや仮想化環境などを利用することになるため、自社独自の受発注システムなどを使っている場合、移行先のクラウドと互換性がなくてクラウド上でシステムの運用ができない、といった事態が発生する可能性があります。
そのため、クラウドシステムを導入する場合は、自社システムが契約予定のクラウドと互換性があるのかどうかを調べておく必要があるでしょう。
4-2.カスタマイズできる範囲に限界がある
カスタマイズできる範囲に限界があるのも、クラウドシステムの大きなデメリットといえます。
比較的カスタマイズが自由にできるオンプレミス(自社運用システム)と違って、サービス事業会社が提供するサービスの範囲でしかサーバー環境を作り上げられないからです。
クラウドは、サービス事業会社が決めたOSや仮想化環境などを利用してシステムを設計することになるため、独自システムの構築に向かない場合があります。
自社独自のシステムをクラウド環境に構築したいと考えている企業には、クラウドシステムの導入はおすすめできません。
自社に最適化した環境を重視する場合は、クラウド化の導入には慎重になったほうがよいでしょう。
5.クラウドサービスを選ぶ際の3つのポイント
クラウドシステム導入のため、クラウドサービスを選ぶ際のポイントは2つあります。
クラウドシステムを選ぶ際のポイント |
---|
自社に必要な機能を兼ね備えたサービスを選ぶ |
サポート体制を確認する |
順に解説していきます。
クラウド導入の前に、把握しておきましょう。
5-1.自社に必要な機能を兼ね備えたサービスを選ぶ
クラウド導入の際には、自社に必要な機能を兼ね備えたサービスを選ぶのが重要です。
クラウドサービスは提供会社によって、選べるシステムの種類や機能がさまざまです。
自社の目的に応じて選びましょう。
たとえば…
リモートワークを推進したい⇒場所やデバイスの制限を受けない機能がおすすめ
業務を効率化したい⇒各従業員の業務を共有できて、業務プロセスの構築、フォーマットの策定といった負担の高い作業を軽減する機能がおすすめ
ITリソースの運用・管理の負荷を軽減したい⇒運用から管理・保守、障害対応までを全てを任せられる機能がおすすめ
というように、自社の業務に必要な機能を備えたシステムを見極めて選ぶことでクラウド導入の成果が得やすくなります。
クラウドサービスを選ぶ際には、求める機能を兼ね備えているかどうかを必ず確認しましょう。
5-2.サポート体制を確認する
クラウドシステム導入におけるサポート体制は、クラウドサービスを選ぶ際の重要なポイントです。
サポート体制が整っていれば、クラウドサービスに詳しくないユーザでも安心して利用できます。
クラウドを提供する事業会社を選ぶ際は、次の点を確認しましょう。
- クラウド導入前にサービスについての相談ができるか
- クラウド導入やシステム構築を依頼できるか
- 運用中にエラーや不具合が起こったときすぐに相談できるか
これらに加えて、無料サポートの対応範囲も事前に確認しておくことが大切です。
導入実績や事例、トラブルへの対応実績などを判断基準のひとつにすると良いでしょう。
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-
※Amazon Web Services(AWS)は、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
-
※Microsoft Azure(Azure)は、マイクロソフト グループの企業の商標です。
NTT東日本では、中堅・中小企業の皆さまの課題を解決する、さまざまな取り組みを行っています。
6.まとめ
「クラウドシステム」とは、クラウドを活用したシステムのことです。
最後に、クラウドシステムのメリットとデメリットをおさらいしておきましょう。
メリット | デメリット |
---|---|
|
|
クラウドサービスを選ぶ際は次のことに留意しましょう。
- 自社に必要な機能を兼ね備えたサービスを選ぶ
- サポート体制を確認する
クラウドを軸としてさまざまなものが運用される仕組みは今後も増え続け、クラウドシステムはさらに身近なものになっていくでしょう。
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