COLUMN
Amazon IVSの新機能 リアルタイムストリーミングのご紹介
AWSなどクラウドに関するお役立ち情報やイベント情報などをNTT東日本のクラソルメールマガジンにて毎週配信しております。ぜひご登録いただき、今後のクラウド活用の参考にしていただければと思います。
2023年8月にリリースされた、Amazon Interactive Video Service(以下、IVS)の新機能リアルタイムストリーミングは、ホストから視聴者まで300ミリ秒未満のレイテンシーでライブストリームを配信出来るようになりました。
IVSリアルタイムストリーミングではどんなことが出来るのか、マネージメントコンソールからの簡単な使い方をご紹介します。
1. IVSとは何か
まず初めに、IVSリアルタイムストリーミングとはIVSの中に含まれるサービスの一つです。つまり、IVSとIVSリアルタイムストリーミングは毛色が違います。IVSを簡単に述べるとYoutubeライブのように5秒未満の低レイテンシーで配信が出来る、マネージドサービスです。AWS Elemental Media ServicesなどのサービスもAWSは保有していますが、IVSはAWS Elemental Media Servicesよりも、より簡単に配信が出来るサービスです。反対にAWS Elemental Media Servicesはよりきめ細かいチューニングが出来るサービスと考えて良いでしょう。
しかし5秒未満のレイテンシーは、Web会議などのほぼレイテンシーのない配信に慣れている現代人には少し遅延を感じる場合があり、より遅延のない配信をするために弊社ではAmazon Chime SDKを活用していた事例もございます。
国内初!?AWS ChimeSDKによる8画面マルチビュー配信webアプリケーションの裏側 セミナーレポート
AWSなどクラウドに関するお役立ち情報やイベント情報などをNTT東日本のクラソルメールマガジンにて毎週配信しております。ぜひご登録いただき、今後のクラウド活用の参考にしていただければと思います。
2. IVSリアルタイムストリーミングの機能
IVSリアルタイムストリーミングはIVSよりもレイテンシーが少ないWebRTCを活用した配信サービスです。レイテンシーは300ミリ秒未満とIVSよりも遅延のないサービスとなります。
簡単にご説明すると、OBSで配信した映像を自前のアプリケーションで閲覧出来るようになるサービスです。この後の説明でも重要になる”参加者トークン”というワードですが、配信する側も配信を閲覧する側もこの参加者トークンが必要になります。この参加者トークンを配信側はOBSに、閲覧する側はアプリケーションに登録することで配信出来るようになります。
公式ドキュメント:Amazon IVS リアルタイムストリーミングとは
2-1. 配信を閲覧出来るアプリケーション
Web、モバイルともに組み込むことが可能です。
公式ドキュメントにはサンプルコードもあり、WebであればJavaScriptでフロントエンドもバックエンドも実装することが出来ます。また、モバイルは、AndroidおよびiOS用のソースコードが公開されています。弊社では、React(JavaScriptのフレームワーク)でフロントエンドを実装し、バックエンドはAWS Lambdaを利用してサーバレスの構成で配信を実現しました。
2-2. コスト
重量課金制であり、例えば東京リージョンからの配信は下記の通りです。
1か月あたりの参加者時間 | 参加者時間あたりのコスト | 音声のみの参加者の時間あたりのコスト |
---|---|---|
最初の10,000時間 | 0.0920 USD | 0.0092 USD |
次の40,000時間 | 0.0840 USD | 0.0084 USD |
次の100,000時間 | 0.0780 USD | 0.0078 USD |
次の350,000時間 | 0.0700 USD | 0.0070 USD |
500,000時間超 | 0.0620 USD | 0.0062 ドル |
2-3. 録画
フレームレートなどの調整も含め、S3への録画が可能です。
方法は別記事でご説明します。
2-4. 配信方法
以前は出来なかった、OBSからの配信が可能になりました。
下記、画像はMacの設定画面ですが、配信を選択し、サービスにWHIPを選択します。
サーバーを(https://global.whip.live-video.net/)のURLを入力した後、Bearerトークンにマネジメントコンソールで生成した公開用の参加者トークンを入力すれば配信を開始出来ます。
2-5. 使用方法
前述の参加者トークン(以下トークン)を生成します。
トークンの払い出し方法は、マネジメントコンソール・CLI、AWS SDKの3種類ありますが、今回は簡単にマネジメントコンソールを利用します。左のタブからステージを選択します。
次に、ステージを作成します。
ステージ名を入力し、ステージを作成ボタンをクリックすれば簡単にステージは作成できます。
次に、参加者トークンを作成ボタンをクリックし、トークンを作成します。
まずは、配信する側のトークンを払い出します。
機能に関しては発行(Public)を選択します。トークン期間とは、トークンを作成してから配信を開始するまでのトークンの有効期限です。下記の状態ですと、トークンを発行してから720分以内に配信を開始する必要がございます。
配信を開始します。
デモURL(https://codepen.io/amazon-ivs/project/editor/DYapzL#)にアクセスし、Participant Tokenに先ほどマネジメントコンソールで作成したトークンをコピーし貼り付けます。最後に、JOIN STAGEをクリックします。
PCのカメラとマイクを有効にすると、下の方にPCのインカメラの映像が映し出されます。
次に、開始した配信を閲覧してみます。
マネジメントコンソールに戻り、別の参加者トークンを作成するボタンをクリックします。
そして、機能はサブスクライブを選択し、別の参加者トークンを作成するボタンをクリックします。
先ほどのデモURLはそのままにして頂き、別のタブでデモURL(https://codepen.io/amazon-ivs/project/editor/DYapzL#)を開きます。前述で作成したサブスクライブのトークンをデモURLのParticipant Tokenに入力し、JOIN STAGEをクリックします。
配信する際に映った、インカメラの映像が映ったら成功です。
配信する側の映像は、インカメラのプレビューなので、もし可能であれば別のPCなどから同じようにサブスクライブのトークンを払い出してJOIN STAGEボタンをクリックすれば配信をしているタブの映像が映るかと思います。
AWSなどクラウドに関するお役立ち情報やイベント情報などをNTT東日本のクラソルメールマガジンにて毎週配信しております。ぜひご登録いただき、今後のクラウド活用の参考にしていただければと思います。
3. 最後に
IVSリアルタイムストリーミングの使用方法はお分かり頂けましたでしょうか?
これまでクラウドを利用した配信方法は複数ありましたが、これほど手軽に配信できるサービスの登場は活気的だと感じています。今後はWebサイトに埋め込みたい場合や、配信をしたいモバイルアプリなどにどんどん活用して頂けるサービスになっているかと思います。
弊社ではIVSリアルタイムストリーミングの複数画面の導入事例もございますので、ぜひ一度お問い合わせください。
RECOMMEND
その他のコラム
相談無料!プロが中立的にアドバイスいたします
クラウド・AWS・Azureでお困りの方はお気軽にご相談ください。