COLUMN

AWS Ambassadorが見るAWS re:Invent 2024 Dr. Swami Sivasubramanian Keynoteで発信された注目メッセージとレポート

こんにちは、白鳥です。

AWS re:Invent 2024の現地レポートをお届けします。

執筆日は会期中となり、なるべく生のメッセージを受けた印象を優先するため、誤解・誤り等が生じている可能性もありますが、ご容赦ください。

本コラムでは現地時間の12月4日(水)朝に行われたDr. Swami SivasubramanianのKeynoteで発信されたメッセージや技術的な注目ポイントについて解説していきたいと思います。

本コラムにおいては、個別の新サービスの内容については触れません。

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本Keynoteの位置づけ

Dr. Swami SivasubramanianはAWSのデータとAI分野におけるバイスプレジデントとなります。

例年は機械学習の進化や、それに伴うAWSの新サービスを発表してきました。

今年は説明文にあるとおり、「強力なデータ基盤を使用して、顧客向けの革新的で差別化されたソリューションを作成する方法を説明します。お客さま事例から生成AIを含むユースケースをサポートするためにデータをどのように活用し、独自のカスタマエクスペリエンスを創出した事例をご紹介します」とありましたので、生成AIモデルの開発やデータ利活用の事例について深く語られるのではと期待されていました。

Keynoteの模様はYouTubeからご覧いただけます。

注目のメッセージ

2つご紹介します。

Laying the groundwork for new innovations to take flight

AIを使ってイノベーションを起こすためには、下準備にかかる稼働が切っても切れない関係にあります。またそのイノベーションの成果は単独で実現するものではなく、過去の経験値を積み重ねた結果の上に成り立っているものになります。Amazonでの生成AIモデルの開発の経験と知見からくるトイル(苦労した点)の解消を中心に改良が進んできます。具体的には、下記のような点です。

  • コストとレイテンシーと正確さのバランス
  • インフラストラクチャの管理
  • データガバナンスの管理、カスタムの検索メカニズムや非構造データの取り扱い
  • ハルシネーションの防止や有害コンテンツの検出

こうした地盤固めにより、先行した企業の事例では210を超える独自のモデルを作ってきた事例が紹介されていました。

Every innovation needs the right conditions to thrive

テクノロジーだけではなく、テクノロジーを適切な条件で扱える人も増やしていく必要があります。よい例はスタートアップでのAIモデル開発であり、そうした人を増やしていくことで、テクノロジーの進化とは別の側面でAIの開発を加速させることができるようになります。AWSは今後2,900万人への教育プログラムと、十分な教育ができていない学習者に対して、1億ドルの投資を行うことも発表しています。

本Keynoteから見るAWSの方向性および、AWS利用者が意識すべきこと

今回の発表では独自のAIモデルの開発から、Amazon Qによるビジネス課題への教唆まで幅広いレイヤでのアップデートがありました。

日本では生成AIモデルの開発はまだ一部の企業に限られていますが、既存のモデルをそのまま利用しRAGやファインチューニングを行うだけではなく、今後独自のAIモデルの開発がより多くの企業に広がっていくことが予想されます。そんな時に適切に使えるようAWSのサービス拡充を行ってきています。

ビジネスでAIを使う場合、その出力結果には責任が伴います。ここ一年で「責任あるAI」にむけてのサービスアップデートもかなりありましたが、「責任あるAI」に向けては一つの対策を行うことだけではなく、データ形式の整理や入力方法から出力まですべての工程において説明責任や有害コンテンツのブロックなどを整えていく必要があり、AWSやその他の仕組みを使って整えていく必要があります。

本Keynoteで発表された新サービス(記録のみ)

  • Amazon SageMaker HyperPod flexible training plans
  • Amazon SageMaker HyperPod Task governance
  • AI Apps from AWS Partners in Amazon SageMaker
  • Stable Diffusion 3.5 今後提供予定
  • Luma AI 今後提供予定
  • poolside Assistant プレビュー提供
  • Amazon Bedrock Marketplace
  • Amazon Bedrock Prompt caching プレビュー提供
  • Amazon Bedrock Intelligent Prompt Routing プレビュー提供
  • Amazon Kendra Generative AI Index プレビュー提供
  • Amazon Bedrock Knowledge Bases supports structed data retrival プレビュー提供
  • Amazon Bedrock Knowledge Bases supports GraphRAG プレビュー提供
  • Amazon Bedrock Data Automation プレビュー提供
  • Amazon Bedrock Guardrails Multimodal toxicity detection プレビュー提供
  • Amazon Q Developer is now available in SageMaker Canvas プレビュー提供
  • Amazon Q in QuickSight Scenarios プレビュー提供
  • AWS Education Equity Initiative

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まとめ

普段AIモデルの開発に触れることは少ないのですが、AIモデルの開発における現在地を知れるようなKeynoteであったように思います。AWSとしては昨年のre:Invent 2023に多くの発表があり、それを着実にアップデートしているな、ということと、多数の選択肢を得られるようなMarketplaceといった仕組みも出てきており、月曜の「Deep Dive」と火曜の「Choice matters」も本Keynoteにつながっていると感じました。

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