COLUMN
オンプレミス回帰とは ~実態と原因、これからのインフラの選び方について解説~
近年クラウド化が著しく進んでいます。DX化が推進され、多くの企業が従来のオンプレミスからクラウドへと移行しています。
クラウドはオンプレミスのようにサーバーやストレージを自社で用意する必要がなく、サービスによっては数分で導入が可能で初期費用はほとんどかかりません。また導入後の運用においても、物理的なサーバーを保有しないため、保守・管理しやすいというメリットもあります。
しかし昨今そんな時代の流れに逆行するようにクラウドからオンプレミスに戻る、オンプレミス回帰をする企業が出てきています。
本コラムではなぜオンプレミス回帰が起きているのか、原因を知っていただいたうえで、どのような選択をしたらいいのかというお話しができればと思います。
オンプレミスかクラウドを選択するかで迷われている方のご参考になればと思います。
1. オンプレミス回帰とは?
まず初めにオンプレミス回帰とは、一度クラウドに移行したシステムなどをオンプレミスに戻すことをいいます。
昨今のトレンドでいえばクラウドの利点を業務に活かしたいと思って、クラウド化をしていく企業が増えてきています。特に最近のシステムであればクラウドで使うことが前提で作られたものもあります。
そんな中でオンプレミスに戻すというのは時代の流れに逆行しているといえるでしょう。日本の一部の大手企業に限らず、アメリカなどの海外の企業を中心にオンプレミス回帰の動きが広がっています。
クラウドに期待してオンプレミスからクラウドに移行したものの、オンプレミス回帰をする企業が増えてきているのです。
2. オンプレミス回帰の要因とは?
2-1. 一般的に円安
まず一つ目の要因として挙げられるのが、昨今急激に加速している円安の影響です。2022年ごろから始まった円安はなお続いており、2024年8月現在150円前後まで推移しています。
AWSやAzureといったクラウドはドル建てで請求が来るため、円安の影響を受けます。パブリッククラウドが出始めたころは1ドルが100円くらいだったのと比較すると、およそ1.5倍にもなっているのです。
2-2. 運用コストが高い
クラウドの料金体系は従量課金制がほとんどです。従量課金制とは使用したリソースの使用量に応じて料金を支払うというシステムです。
そのため使用しているリソースに対する料金を正確に把握していない場合、気が付いたら予想を上回る料金が請求されていることも少なくないのです。事業の拡大に伴いクラウドの利用規模を大きくしていくと、知らないうちにオンプレミスの時より料金が高くなってしまっているということもあるのです。
2-3. コンプライアンス・セキュリティ要件を満たせない
クラウドを利用するということは、提供しているクラウドベンダーの環境をお借りする形になります。当然クラウドベンダー側は責任共有モデルによって割り当てられた領域へのセキュリティ領域には、最善のセキュリティ対策をします。
しかしシステムやデータの要件によってはクラウドベンダーの提供するセキュリティ対策だけでは対応できないことがあり、自社が要求するセキュリティ要件をすべて満たすことが難しいのが現状です。
そういったときには自社でオンプレミスを使う方が、セキュリティリスクにおいては優れているという見方があります。そのため官公庁や金融機関等の機密性の高い企業や組織ではオンプレミスをセキュリティの観点から利用しているところがあるのです。
3. これからのインフラの選び方
ここまでオンプレミス回帰が起きている要因を話してきました。やっぱりクラウドじゃなくてオンプレかな?どういう基準でオンプレかクラウドを選んだらいいのだろう?となかなか難しいと思います。
しかしここで大事なのは「オンプレ対クラウド」ではなく、企業として時代の変化に対応できるようなスタイルチェンジができるかどうかなのです。
無理にクラウド移行する必要も、オンプレミス回帰をする必要もありません。それぞれにメリット、デメリットがあり特性があります。それぞれの特性が自社にどう活用できるのかを見極めることが大事です。今の自社の現状をしっかり把握してどのステージにいるのか、何をすべきなのかを確認する必要があるのです。
4. まとめ
ここまでオンプレミス回帰とは?からオンプレミス回帰の要因、インフラの選び方を述べてきました。
「オンプレ対クラウド」ではなく、自社の現状を正しく把握して時代の変化に対応できる姿勢を作ることが大事と述べました。
クラウドとオンプレは双方にそれぞれのメリット、デメリットがあるのでうまく使い分ける必要があります。
とはいってもなかなか現状把握をするのにも一苦労だと思います。そんな時は是非NTT東日本にお任せください。
NTT東日本ではお客さまの現状を把握して、最適なご提案をさせていただきますので、是非一度お気軽にご相談ください。
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