COLUMN

2024年5月28日開催ウェビナー「小さいところからはじめよう!Amazon Connect × 生成AIで実現できる電話業務革命」レポート

日時:2024年5月28日

進行:NTT-ME サービスクリエイション部 クラウド・サーバ&アプリケーションセンタ

クラウドアプリケーション開発マネージャ 山本 俊氏

2024年5月28日に開催された「AWSを最大活用するための1dayカンファレンス」にて東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)が「小さいところからはじめよう!Amazon Connect × 生成AIで実現できる電話業務革命」というタイトルでセミナー参加しました模様をレポートさせていただきます。当日に参加いただけなかった方のご参考となれば幸いです。また、レポートをご覧になっての疑問点や質問事項などございましたら、お問い合わせいただければと思います。

1. Amazon Connectとは

先ずは、今回の主題であるAmazon Connectについての簡単な説明から始めました。

1-1. Amazon Connectの特徴

最初にAmazon Connectの主な特徴とクラウドサービスとしての特徴、そして電話業務に役立つ機能などを紹介しました。

Amazon Connectの主な特徴
  • AWSのサービスの1つで電話サービスをクラウド上に構築できるサービス
  • GUI(グラフィカル・インタフェース)を使いコールセンターの機能を簡単に構築可能
  • 他のAWSのサービスとも簡単に連携が可能
クラウドサービスとしての特徴

従量課金

オンデマンドサービスなので分単位で利用した分だけ課金される

長期契約や前払い料金は不要。月額料も不要

高い信頼性

オンプレミスの単一のデータセンターで運用されているコンタクトセンターソリューションと比べ停電や災害に強い、高い可能性・耐障害性・拡張性を実現

機器設置不要

電話機器の設置不要でPCとヘッドセットそしてインターネット接続環境さえあればコールセンターの構築が可能

柔軟性

インフラの配置や管理が不要なので手軽に規模の拡大・縮小が可能

そのため、繁忙期には最大数万人のスタッフを配置ができる環境の用意が可能

Amazon Connectの電話業務に役立つ機能

Amazon Connectには以下のような電話業務に役立つ機能を標準装備しており、コンタクトセンターを構築する上で必要な機能が一通り揃えられている

PBX(Private Branch Exchange)

複数の電話回線を管理する電話交換機でAmazon Connectではクラウド上で本機能の実現が可能

IVR(Interactive Voice Response)

音声による自動応答や、プッシュ番号による着信呼の振り分けを行う機能でAmazon Connectではフローを設定することで簡単に導入が可能

ACD(Automatic Call Distributor)

コンタクトセンターへの入電をあらかじめ定められたルールに則ってオペレータに振り分ける機能でAmazon Connectでは顧客からの電話を受電できず、待たせてしまっている状態時の「自動音声での対応」や、「受電できるようになったらオペレータへつなぐ」といった設定が可能

録音・分析機能

通話内容を録音し保存することも可能。また録音データを検索・再生したり、後から確認し分析したりすることも可能

CTI(Computer Telephony Integration)

ITを使って電話やPBXを統合するシステムでAmazon Connectでは専用のソフトフォンを使用することで、さまざまなデータを蓄積、可視化が可能

1-2. AWSサービスを使うメリット

次にAmazon Connectの特徴の解説に続き、そのサービスの大元であるAWSのサービスを使うメリットについて解説しました。

主なメリット

  • AWS側にあらかじめ必要な機能が多く揃っており、アプリケーションを自作する部分が少なく済むこと
  • 責任分界モデルにより、AWSがプラットフォーム部分の運用、管理、および制御についての責任を負い、ユーザはデータやアプリケーションなどの責任を担当すればよく運用、運用・管理の負担が軽減される
  • クラウドサービスであるためブラウザ画面から数クリックの操作で素早く導入ができ、簡単に拡大縮小が可能

1-3. NTT東日本でAmazon Connect を導入いただくメリット

以上のようにAmazon Connectには多くのメリットがありますが、導入するには専門の知識を持った技術者が必要になります。

NTT東日本では、お客さまに代わりAmazon Connectを導入から運用まで行うサービスを行っています。

ここではNTT東日本を選ぶ際のメリットを紹介します。

長年お客さまに電話サービスを提供してきた実績

長年電話サービスを提供してきた実績があり、コールセンターなどの電話を活用した提案なども展開している。

NTT東日本では自社でも大規模なコールセンターを持っており、大規模なコールセンターの運用に関するノウハウも有している。

Amazon Connect SDP認定保有

Amazon Connect の運用支援を展開する中で2023年5月17日に提案力や技術力を評価されAWSよりService Delivery Program(SDP)の認定を取得している。

この認定は、お客さまに対しNTT東日本の高い技術と実績の証となる。

構築・運用保守までトータルサポート

Amazon Connectに限らずクラウドの導入から運用までをトータルにサポートを行っている。

これからクラウドを始められる方に対し、アカウントの提供はもちろん、アカウントについての問い合わせから利用開始後の運用・保守に関し、お客さまに寄り添った提案や開発まで全面的にサポートを行うことができる。

Amazon Connect 導入運用支援 資料ダウンロード

2. コンタクトセンターが抱える課題

続いてコンタクトセンターの抱える課題の紹介とNTT東日本がどのように課題を解決してきたかについて紹介しました。

2-1. コンタクトセンターとは

先ずは、「コンタクトセンター」とは何かの解説から始めました。

日本コールセンター協会(CCAJ)の定義より

コールセンターは「顧客や消費者のインバウンドやアウトバウンドの電話対応を行う拠点・窓口のこと」

最近ではSNSやメール・チャットなど電話以外からの問い合わせもサポートするため“コンタクトセンター”と呼ぶようになっている。

呼び名は変わっても重要なのは「お客さまと企業をつなぐ重要なインタフェース」であり「高品質なサービス提供や顧客獲得の機会創出など重要な役割を果たす部署」であるという点にある。

2-2. コンタクトセンターが抱える課題

続いて、なぜコンタクトセンターの改善が必要になるのか、コンタクトセンターが抱える課題について紹介しました。

①慢性的な人材不足とオペレータの離職率の高さ

原因

  • クレーム対応に精神的に疲弊してしまう
  • 覚えることが多いなど業務の難易度が高い
  • オンプレミス環境が多いことから出社の必要がある
  • 採用自体が困難

②業務効率化・生産性向上
人がやる事であるため業務効率化・生産性向上になかなか取り組むのが難しい

③サポートチャネルの多様化への対応
お客さまからは要望されているものの、なかなか他チャネルにまで手が回らず電話でした受けきれない現状にある

④応対品質の向上と顧客満足度の向上
炎上事案など過去の対応内容を元に対応品質の向上や顧客満足度を向上のために対策に取り組むことが難しい

⑤VoC(Voice of the Customer)分析などへの対応
コンタクトセンターから得られる情報からお客さまの声から改善につなげられ、新しいサービスにつなげるような分析などの対応は余裕がなく難しいのが現状となっている

2-3. NTT東日本が実施している対策

これらの課題に対し、NTT東日本が実施している対策について紹介しました。

社内コンタクトセンターの在宅化

元々オンプレミスで運営していたコールセンターのリモート接続を可能にすることで以下を解決

「在宅勤務が難しい」を解決

コールセンターにかかってきた電話を自宅でも取れるようにすることで解決

「採用の困難さ」を解決

勤務地に限定されずにコールセンターを運営できるので採用の困難さを解消できる。

「業務効率化・生産性向上」「対応品質の向上と顧客満足度の向上」

チェーン店の場合、各店舗へかかってくるお客さまからの問い合わせをAmazon Connectで一度、総合受付で一括に受けるようにし、必要に応じて支店へ転送するようにすることで各支店の稼働を削減できると共に、問い合わせ対応の均一化を実現でき、対応品質の向上につながり、生産性の向上にもつながる。

映像でコンタクトセンターの会話をアシスト

NTT東日本の社内コンタクトセンターで活用しているリモートアシストツールを利用することで電話だけでなく映像の共有ができることで、次のようなメリットが得られる。

リモートアシストツールは映像・音声・メッセージ・画面共有をWebまたはモバイルアプリケーションにすばやく追加できるAmazon Chime SDKの機能を使用したもので、お客さまにも提供が可能となっております。興味のある方は是非お問い合わせください。

Amazon Connect 導入運用支援 資料ダウンロード

3. Amazon Connect × 生成AI

Amazon Connectの特徴とコールセンターが抱える課題について紹介したところで、ここではAmazon Connect と生成AIを使って何ができるかについて具体的に説明しました。中にはNTT東日本の自社内のコールセンターで試験的に利用し検証しているものがあり、それらのノウハウを高め、実用化に近づいている技術も含まれています。

3-1. オペレータ育成の課題と応対品質の向上

1つ目はオペレータ育成の課題の解決と応対品質の向上のためのシステムの紹介になります。

  • 生成AIを使い通話内容に応じたオペレータに役立つ回答案を瞬時に提供
    Amazon Connectの通話内容から文字起こしを行い、これをあらかじめマニュアルやドキュメントを学習した生成AIにかけ、オペレータの回答に適した回答案を表示する
  • 文字起こしした通話内容を生成AIにより自動的に要約
    経験の浅いオペレータであっても、回答に必要なドキュメントがすぐに探すことができ、事後処理での対応を記録する作業の軽減にも役立つ

3-2. IVR × 生成AI Voice-IVR

2つ目はIVRに生成AIを組み合わせたVoice-IVRについての解説になります。

案内に沿ってプッシュボタンを操作することで必要なメニューにたどり着くことができるIVR。これを生成AIと組み合わせて音声で入力するだけで適切なオペレータへ接続できるVoice-IVRを実現した。

通常のIVRでは、オペレータにつながるのにたどり着くまでにたくさんの手順を踏まなければならず、手順を間違えると振り出しに戻るなど、お客さまにストレスを抱える事態に陥りやすく、サービス向上の面から逆効果になっていることが多い。

そこでNTT東日本では、生成AIを使い電話口で喋ってもらうだけでシステムが適切な要件を理解して適切な部署へ振り分けるような機能を開発した。

例えば、市役所で市民税の払い込み用紙の再発行についての問い合わせをする際の手続きの際にAIが要件を理解して適切な部署に転送していくようなシステムなどに利用することができる。また、転送先のオペレータに問合せ要件を要約して確認できるようにして、お客さまに対し、再度問合せ内容を伺うことでネガティブな感情が芽生えないようにもできる。

3-3. Amazon Connect × 生成AIの可能性

今回紹介したシステムのように、Amazon Connectと生成AIの組み合わせには次のような3つの可能性があるものと考えらます。

  • コンタクトセンターの作業の効率化
  • カスタマーエクスペリエンス向上
  • さらなる収益への貢献

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4. まとめ

最後に今回紹介しましたAmazon Connectと生成AIで実現できる電話業務の効率化について簡単にまとめを紹介しました。

■Amazon Connectがインタフェースとなって電話世界とクラウドの世界を接続

■コンタクトセンターの多くの課題をAmazon ConnectとAWSサービスを組み合わせて解決

■Amazon Connect × 生成AIを決用することでコンタクトセンターだけでなく電話の課題を解決

5. おわりに

本レポートでは「Amazon Connectと生成AIで実現できる電話業務の効率化」についてのセミナーの様子を紹介しました。

このセミナーだけでは、まだまだAmazon Connectと生成AI の効果を理解し切れない、コールセンターに関してどんなことができるのか、まだまだ分からないことがあると思います。

NTT東日本では、そういったコールセンター業務のAIのソリューションのパートナーとなって、お客さまのサポートをしていく体制が整っています。是非、お気軽にお問い合わせ下さい。

また、今後も随時ウェビナーを開催していきますので当社クラウドソリューションサイトのイベント・セミナーページを引き続きご確認ください。

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