COLUMN

「クラウドスキルアップの勘所」をつかむには

クラウド活用に関するさまざま情報をお届けするメルマガを毎週配信しておりますので、ぜひこの機会にご登録ください。

こんにちは、白鳥です。

先日「クラウドスキルアップの勘所」というお題で社内向けにお話をしました。特段機密情報を含まない話でしたので、クラウドのスキルアップに悩まれている方、資格取得のための勉強を進めることに悩まれている方の一助になれば幸いです。

1. なぜクラウドではスキルアップし続けなければならないか?

パブリッククラウドの進化はIT技術の進化とともにあります。2010年ごろは仮想サーバや仮想ネットワークのサービスのアップデートが主でしたが、今日では生成AIや可観測性など、2010年ごろには一般的でないか存在しなかった技術や概念が使われ始めています。実際AWSの re:Inventにおいても2012年にはAmazon Redshiftの発表などがありましたが、昨年2023年はAmazon Qなどの生成AIが出ており、当時とは別のサービスと言っても過言ではないくらいのアップデートがされています。

(参考)AWS re:Inventでの主な発表の変遷

したがって、ある時点で一定のスキルを得た(たとえば、その当時のAWSの認定資格をすべて取得する)ことで「パブリッククラウド完全に理解した」ということは難しく、アップデートが続く中、非常に多岐かつ深い知識を必要とするため、継続的なスキルアップが必要となります。

クラウド活用に関するさまざま情報をお届けするメルマガを毎週配信しておりますので、ぜひこの機会にご登録ください。

2. 今後勉強することになる技術、先行して身に着けておきたい技術

パブリッククラウドのサービスアップデートを追い続けるのもよいのですが、どうしてもリアクション型の学習となってしまうため、先行して技術を身に着けておくことも大切になります。今後実用化やビジネス化されると予測される技術については、ガートナーのハイプ・サイクルを参考にして黎明期の後半にあるものの動向を押さえておくことをお勧めします。

ピーク期にあるものについては、トレンドとして特集されたり先行サービスが市場に出てきたりする時期にあり、あえて後発と理解してこの段階で勉強せず幻滅期の底をついて世の中に一定のナレッジがたまってから勉強し始めるといったことも戦略としてはありだと考えています。

(出典) Gartner、「日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル:2023年」を発表

トレンドを追いかけたい、という場合には同じくガートナーの「戦略的テクノロジーのトップ・トレンド」も参考になります。

本予測によると、2024年のトレンドは下記のような技術がトレンドになると予測されております。一つ一つの内容については、今回は省略します。

  • AI TRiSM (AIの信頼性/リスク/セキュリティ・マネジメント)
  • 継続的な脅威エクスポージャ管理 (CTEM)
  • 持続可能なテクノロジー
  • プラットフォーム・エンジニアリング
  • AI拡張型開発
  • インダストリ・クラウド・プラットフォーム
  • インテリジェント・アプリケーション
  • 生成AIの民主化
  • 拡張コネクテッド・ワークフォース
  • マシン・カスタマー

2024年の戦略的テクノロジのトップ・トレンド

クラウド活用に関するさまざま情報をお届けするメルマガを毎週配信しておりますので、ぜひこの機会にご登録ください。

3. スキルアップの勘所

これらの技術要素の予測がわかったところで、勉強を続けるにはどうしたらいいでしょうか?ポイントは「学習エンジン」を回すことだと考えています。

「学習エンジン」という言葉はクラスメソッドさんが良く使われていますが、「インプット」⇒「実践」⇒「アウトプット」というサイクルを回すことで、学習を続けていくことが必要です。そのモチベーションとなる「外発的動機付け」「内発的動機付け」を刺激することで、学習エンジンを効率的に回すことができるようになります。

参考:学習エンジンがうなりをあげているチームの作り方

「外発的動機付け」は業務命令や資格取得の勉強などで刺激できますが、難しいのは「内発的動機付け」です。自発的に興味を刺激するにはどうしたらよいか、というのが課題になってきます。

クラウド活用に関するさまざま情報をお届けするメルマガを毎週配信しておりますので、ぜひこの機会にご登録ください。

4. 内発的動機を刺激するには?

「好きになれ」「興味を持て」では外発的動機付けのままです。では自ら好きになる、興味を持つようにしたらどうしたらよいでしょうか?

私なりの経験からは現在から過去と未来にたどることが大切だと考えています。

  • 現時点で知りたいこと

    (例)

    • その技術・サービスの機能
    • その技術・サービスが解決すること
  • 過去にたどる(How it works?)

    (例)

    • なぜその技術・サービスが成り立っているのか?
    • その技術・サービスが必要な背景は何か?
    • その技術・サービスがベースにしている技術は何か?
  • 未来にたどる(What can be solved?/What will be solved?)

    (例)

    • その技術・サービスと関連する技術・サービスを知る
    • その技術と近しいレイヤの別の技術・サービスを知る
    • 少し先にある技術・サービスを知る

例えば、Amazon VPCの勉強が必要になった場合のたどり方は次のようになります。Amazon VPCを知る必要性は外発的動機だとしても、こうした興味の連鎖を続けていくことで内発的動機を刺激し、点と点をつなげることができるようになります。

クラウド活用に関するさまざま情報をお届けするメルマガを毎週配信しておりますので、ぜひこの機会にご登録ください。

5. まとめ

今回のポイントは二つになります。

  • 未来に出てくる技術の動向を知って、先行して学び続けていく
  • 学習エンジンを回すための内発的動機を刺激し続けるには、一つの技術だけではなく関連する技術につなげていく

社内向けに話した内容ではありますが、当社のエンジニアに限らず、スキルアップに悩む方、どうしてもモチベーションが続かない方のヒントになれば幸いです。

NTT東日本では、LAN環境からネットワーク、クラウド環境まで幅広いエリアでのお客様のクラウド化や、ビジネスモデルの進化のお手伝いをさせていただいております。

経験値豊かなメンバーがご担当させていただきますので、是非お気軽にお問い合わせください!

ページ上部へ戻る

相談無料!プロが中立的にアドバイスいたします

クラウド・AWS・Azureでお困りの方はお気軽にご相談ください。