COLUMN

クラウドVDIとは?ズバリ解説その特徴!おすすめする企業・しない企業

「クラウドVDIってなに?リモートワークの時に、安全に社内データを扱えるって聞いたんだけど。」
「そもそもVDIって?クラウドを使うものがあるの?」
「いろいろあるみたいだけどどのタイプが自分の会社に合っているの?」

ご自身のチームでリモートワークを検討される際に、こんな疑問をお持ちではないでしょうか?

クラウドVDIとは、VDIの一種であり、クラウドサービスとして提供されるデスクトップ環境のことです。インターネットに接続可能であればどこからでも利用することが可能です。

ただ、VDIにはオンプレミスVDIというタイプもあり、働くチームの規模や、業務内容によって適したタイプが変わるため注意が必要です。

クラウドVDIの導入や運用に関して実績のあるNTT東日本の経験から来る結論としてはズバリ、「クラウドVDIは小中規模なチームでセキュアにリモートワークを始める際におすすめ」です。一方で「クラウドVDIは大規模であったり、マシンスペックが必要な業務にはおすすめできない」ということになります。

このコラムを読んで頂くことでクラウドVDIの特徴を理解し、ご自身の会社にクラウドVDIが適しているのか、検討を行う際のポイントを抑え、活用して頂くことができるようになります。

1.クラウドVDIとは、その特徴 〜概要とメリット・デメリット〜

クラウドVDIとは、クラウドサービスとして提供されるデスクトップ環境のことです。インターネットに接続可能であればどこからでも利用することが可能です。また、クラウドサービスなので自社でサーバーなどのリソースを持ち運用する必要がなく、必要な時に必要なだけ利用することができます。

この章ではクラウドVDIの特徴を理解するために、VDIとは何なのか、VDIの2つのタイプであるオンプレミスVDIとクラウドVDIとはどんなものなのかをお伝えします。最後にクラウドVDIのメリットとデメリットについて学び、クラウドVDIがどんなもなのかをしっかりと知識として蓄えていきましょう。

1-1.クラウドVDIの概要

VDI: Virtual Desktop Infrastructureとは、仮想デスクトップやデスクトップ仮想化とも呼ばれており、サーバー上のデスクトップ環境(パソコン)を離れた場所からネットワーク越しに利用するための技術です。利用イメージとしては、サーバー上でデスクトップ環境が動作しており、そこへ手元のパソコンから接続してアプリケーションの利用や、データの入力・閲覧を行うといったものです。

VDIを利用することで、次のような利便性が得られます。

1-1-1.VDIとは、その特徴
  • 働き方の柔軟性が高い:テレワーク、出社どちらにも対応可

インターネットに接続することができれば利用可能なので、ある時は出社して会社から、ある時は自宅からリモートワークで、またある時は出張先からといったように、柔軟性の高い働き方を実現するためのひとつの方法としてVDIが適していると言えます。

  • 安全な社内データ利用:社内データを手元のパソコンに置く必要がない、持ち出しや紛失の心配がない

VDIでは手元のパソコンにデータを置く必要がありません。データをサーバー上のパソコンや、そこからアクセスするファイルサーバーに置くことで、出張先や自宅などの遠隔地から安全に利用することができます。

加えて、よく問題になるのがデータの持ち出しや、持ち出したデータを入れていたパソコンを電車に置き忘れたなどのデータ紛失です。VDIではデータをサーバーに置くため、こういった問題に対する対策が期待できます。

同様に、手元のパソコンがサイバー攻撃に合った場合も、従来の利用形態に比べて影響が小さい、ということが言えるでしょう。

  • シンプルなシステム管理:パソコン管理の一元化

VDIの監視や管理をサーバー上で一元的に行えるため、設定や変更、トラブルの際の確認や対応など、運用面での業務をシンプルにすることが可能となります。加えて、社員各自が手元で利用するパソコンについても、必要なものはVDIを利用するためのクライアントアプリのみとなるため、パソコン管理についても従来よりもシンプルにすることができます。

1-1-2.VDIの2つのタイプ

VDIは、提供するためのサーバーの設置場所を基に"オンプレミスVDI"、"クラウドVDI"の2つのタイプに分類することができます。

次はこれら2つタイプの違いについて理解していきましょう。

  • オンプレミスVDI

オンプレミスVDIとは、自社内のサーバー上にデスクトップ環境を構築するタイプのVDIのことです。自社の資産としてVDIを構築するため、自社の業務に合わせたカスタマイズが可能となります。一方で、自社でサーバーの構築、管理・運用も行う必要があるため、構築に時間や費用がかかり、またスキルを有するシステム管理者が必要となります。

  • クラウドVDI

クラウドVDIは、クラウドサービス上に構築されたデスクトップ環境を利用するタイプのVDIのことです。クラウドサービスとして提供されるので、自社でサーバーなどのリソースを運用する必要がなく、必要な時に必要なだけ利用することができ、サービスによっては時間単位で利用料を支払うこともできます。

1-2.クラウドVDI利用のメリット・デメリット

クラウドVDIがどのようなものなのか、最後の仕上げとしてメリットとデメリットを整理して学び、より理解を深めていきましょう。

1-2-1クラウドVDI利用のメリット
  • 資産・運用面での負担が小さい

サーバー等のインフラはサービス提供者側が有するため、自社で持つ必要がありません。また、その運用についても自社で行う必要がなく、サービス提供者が有するノウハウを基に安定した運用が行われます。

  • 初期導入コストを抑えられる

自社でサーバー等の資産を有する必要がないため、初期導入に伴うコストを抑えることが可能です。

  • 利用台数は1台から、増減は自由自在

1台からすぐに導入できるので、小規模なトライアルから始め、その後本格導入といったことも可能です。また社員の増減に合わせて台数を増やすことも非常に容易です。

1-2-2クラウドVDI利用のデメリット
  • カスタマイズが限定的

オンプレミスVDIとは違い、基本的には提供されるサービスの中から選択・設定をして利用する形になります。ですので、カスタマイズ性に関しては限定的であるといえるでしょう。例えばマシンスペックや応答性が必要な3DCG制作など、実現が難しかったり、実現したとしてもコストがかさんでしまうことがありえます。

  • 導入の際の設計・設定を自社で行う必要がある

どのような使い方をするのか、それを基にどのような設計や設定を行うのかはサービス事業者が行ってくれるわけではないため、これらの点については自社で検討し実施する必要があります。とはいえスキルやノウハウが無ければ適切な形の設計や導入が難しいため、この点をサポートするNTT東日本が提供するサービスについては4章でご紹介します。

  • デスクトップ環境に関する運用は必要

インフラ面についての運用やトラブル対応はサービス事業者が実施してくれますが、デスクトップ環境に関する設定やトラブルがあった際の対応、日々の監視は自社で行う必要があります。こちらについてもスキルやノウハウが必要ですが、NTT東日本が提供するサービスでサポートが可能ですので4章でご紹介します。

2.クラウドVDIの利用がおすすめな企業、おすすめできない企業

ここまででお伝えした、クラウドVDIの特徴とメリットデメリットを踏まえ、どのような企業にクラウドVDIがおすすめなのか、逆におすすめできない企業はどのような企業なのかということを、我々の経験を踏まえてお伝えしていきます。

2-1.クラウドVDIの利用がおすすめな企業 〜小中規模なチームでセキュアなリモートワークを実現〜

クラウドVDIの導入をおすすめするのはズバリ、「小中規模なチーム」で「セキュアなリモートワーク」を実現したいという企業です。

小中規模なチームとは、おおよそ1〜200名のチームであれば、使い方にもよりますがオンプレミスVDIに比べコスト的に利用しやすいかと思います。

加えて、規模の大きなインフラやその管理運用を行う必要がないため、1台からスモールスタートが可能なクラウドVDIは、ピッタリと言えるでしょう。

また、情報の持ち出しに関してもコントロールしやすいため、規模が比較的小さいチームでセキュアに社内のデータを利用したリモートワークを行いたい場合、導入しやすいツールであると考えられます。

2-2.クラウドVDIの利用がおすすめできない企業 〜大規模なチーム、マシンスペックが必要な業務〜

一方で、「大規模なチーム」や、「マシンスペックが必要な業務」を行う企業にとっては、クラウドVDIはおすすめしづらいというのが正直なところです。

大規模なチームとはどの程度の人数を指すのか、というと利用する形態によって料金が変わるのでケースバイケースではあるのですが、我々の経験上、200〜300名程度以上のチームになると、オンプレミスVDIをご検討頂いても良い規模かと思います。

「マシンスペックが必要な業務」についてですが、例えばGPUが必要な3DCGを扱う業務の場合、要求スペックの実現が難しかったり、あるいは実現できたとしても常用するにはコストがかさんでしまうということが考えられるため、クラウドVDIですと業務に支障が出てしまうケースが考えられます。

また、ネットワーク越しに利用することになるため、ご利用の回線によっては入力に対する遅延の問題が発生してしまい、高い応答性を求められる業務の場合はその点も注意が必要です。

3.クラウドVDIのサービス例

クラウドVDIとして代表的なAmazon WorkSpacesとAzure Virtual Desktopについて簡単にご紹介します。

まずはざっくりとしたイメージとして、シンプルで導入運用しやすいAmazon WorkSpacesと、カスタマイズ性が高いAzure Virtual Desktopと覚えて頂くと良いかなと思います。導入を検討される際には、業務内容を踏まえてどちらがより適しているのかをぜひご検討ください。

3-1.Amazon WorkSpaces

Amazon WorkSpacesとは、AWS:Aamazon Web Serviceで提供されているクラウドVDIサービスです。

サービスとしてシンプルなため、導入や運用が行いやすい、システム管理者の負担が比較的抑えられるという特徴があります。

一方でカスタマイズ性はそこまで高くないため、複雑な業務やハイスペックなマシンを要求する業務には適さないことがあります。

デスクトップ環境用のOSとしてはLinuxやWindows Serverが利用可能です。

通常のデスクトップWindows用のアプリケーションの中には、Windows Serverでは動作しないものも存在するため、導入を検討される際にはご確認ください。

参照:Amazon WorkSpaces

3-2.Azure Virtual Desktop

AVD: Azure Virtual Desktopとは、Microsoft Azureで提供されているクラウドVDIサービスです。

Microsoft社のクラウドサービスなので、Windows製品やMicrosoft365との親和性が高いというポイントがあります。

特に、AWS WorkSpacesでは利用できなかった通常版のWindows10の利用も可能なため、対応アプリケーションの幅が広い点は強みと言えるでしょう。

また、カスタマイズ性が高く、様々な利用形態に合わせた設計を行うことが可能です。

例えば、一台のパソコンを複数人で共有することも可能なため、利用形態によってはコストの削減が見込めることもあります。

一方で、カスタマイズ性が高い分、導入や運用はAmazon WorkSpacesに比べると少し複雑になることがあります。

参照:Azure Virtual Desktop

4.まとめ

クラウドVDIとは、クラウドサービスとして提供されるデスクトップ環境のことで、インターネットに接続可能であればどこからでも利用することが可能なものでした。

そのメリット、デメリットについても以下でおさらいしておきましょう。

  • メリット

・資産・インフラ運用面での負担が小さい

・初期導入コストを抑えられる

・利用台数は1台から、増減は自由自在

  • デメリット

・カスタマイズが限定的

・導入の際の設計・設定を自社で行う必要がある

・デスクトップ環境に関する運用は必要

これらの特徴を踏まえると、クラウドVDIの利用をおすすめする、しない企業は以下に示すようなイメージでした。

  • おすすめする企業:小中規模なチームでセキュアなリモートワークを実現したい企業
  • おすすめしない企業:大規模なチーム、マシンスペックが必要な業務に携わられる企業

今回お伝えさせて頂いた内容を基に、ご自身の会社にとってどのようなサービスが適しているのか、ぜひご検討ください。

ご不明な点や導入を検討される際には、ぜひNTT東日本へご相談頂ければと思います。

  • Amazon Web Services(AWS)、Amazon WorkSpacesは、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
  • Microsoft Azure、Azure Virtual Desktop、Microsoft365、Windowsは、Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標または商標です。

ページ上部へ戻る

相談無料!プロが中立的にアドバイスいたします

クラウド・AWS・Azureでお困りの方はお気軽にご相談ください。