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Azureファイルサーバーを導入する5つの選択肢を徹底解説!利用価格やメリットも紹介
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ファイルサーバーを導入しようとする企業の中には、自社にとって最適なファイルサーバーがどれなのか、よくわからない方も多いのではないでしょうか。本記事では、5つのAzureファイルサーバーについて、概要や価格を徹底解説します。またAzureファイルサーバーを利用するメリットについても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次:
- 1.Azureファイルサーバーを導入するメリット
- 1-1.コストの最適化
- 1-2.メンテナンスの負担軽減
- 1-3.容量を柔軟に拡張可能
- 1-4.低コストでバックアップが可能
- 2.Azureファイルサーバーの5つの選択肢
- 2-1.VM + Managed Disks
- 2-2.Azure Files
- 2-3.Blob Storage
- 2-4.Azure NetApp Files
- 2-5.Azure File Sync
- 3.Azureファイルサーバーの価格
- 3-2.Azure Filesの価格
- 3-3.Azure File Syncの価格
- 3-4.Azure NetApp Filesの価格
- 4.Azureファイルサーバーの導入ならぜひNTT東日本にご相談ください
- Azureファイルサーバーについてまとめ
1.Azureファイルサーバーを導入するメリット
多くのクラウドサービスがある中で、Azureのファイルサーバーを導入するメリットには、以下の4つが挙げられます。
1.コストの最適化
2.メンテナンスの負担軽減
3.容量を柔軟に拡張可能
4.低コストでバックアップが可能
順番に見ていきましょう。
クラウド型ファイルサーバーの特徴についてはこちらで詳しく解説しています!
1-1.コストの最適化
Azureでファイルサーバーを導入するメリットとして、コストの最適化が挙げられます。料金については後述しますが、Azureのファイルサーバーの料金体系は、データ量に応じて課金される従量課金制です。
使った分だけ料金が請求されるため、ユーザーにとっても納得しやすい料金体系といえるでしょう。使用してみて容量を増やすなどの設定も後からおこなえるため、使用量とコストを見比べて、自社にとってのコスト最適化が簡単です。
1-2.メンテナンスの負担軽減
メンテナンスの負担が軽減できる点も、Azureを導入するメリットです。クラウドサーバーを導入すれば、オンプレミスサーバーと比較してハードウェアのメンテナンスや、システム障害の対応、OSのセキュリティパッチ適用などの業務から解放されるため、システム担当者は専門的な知識が必要となるコア業務に専念できます。
同時にオンプレミス環境で必要なハードウェアの購入コストやデータセンター運用コスト、消耗品のコストがかからない点も、大きなメリットといえるでしょう。
1-3.容量を柔軟に拡張可能
Azureのファイルサーバーを構築すれば、容量を柔軟に拡張できる点もメリットです。オンプレミスでサーバーを構築する場合、CPUやメモリ、ディスクなどのリソース拡張が難しいため、導入後のリソース不足を考慮し、ある程度余裕を持つなどの対策が必要でした。
しかしクラウドサービスを利用すれば、リソース不足が発生した際にも、柔軟に拡張が可能です。手軽に柔軟に容量の拡張ができる点は、クラウドサービスならではの機能といえるでしょう。
1-4.低コストでバックアップが可能
Azureでは「Azure Backup」というバックアップ・リストアサービスが提供されている点も、Azureでファイルサーバーを構築する大きなメリットです。システム障害や不正アクセスなどのトラブルに備えて、データやプログラムの内容を複製して別の場所へ保管するAzure Backupは、Azureのサービスに対してだけでなく、オンプレミスの仮想マシンやファイル、システムなど、さまざまなデータのバックアップが可能です。
作り込まれたAzure Backupは難しい設定が必要ないだけでなく、前回行われたバックアップからの追加や変更分のみをコピーする差分バックアップであるため、フルバックアップと比較して低コストである点も、魅力といえるでしょう。
2.Azureファイルサーバーの5つの選択肢
Azureファイルサーバーには、5つの選択肢があります。それぞれの機能は、以下の通りです。
ファイルサーバー | 機能の特徴 |
---|---|
VM+Manages Disks |
最もシンプルなファイルサーバー オンプレミスの運用とあまり変えたくない場合におすすめ |
Azure Files |
クラウド型のフルマネージドファイル共有サービス サーバーレスでファイル共有をしたい場合や、Active Directoryと連携したい場合におすすめ |
Blob Storage |
大規模かつ大容量のオブジェクト・ストレージ 大量のファイルを保存したい場合におすすめ |
Azure NetApp Files |
オンプレミスと同レベルの性能を有した高速かつ大容量のフルマネージドファイルサーバー サーバーレスでファイル共有をしたい場合や、VDI利用時のサインインストリーム対策におすすめ |
Azure File Sync |
オンプレミスを含むファイルサーバーとAzureを同期できるサービス 複数のファイルサーバーとの同期も可能であるため、複数拠点の場合にもおすすめ |
5つのファイルサーバーについて、詳しく見ていきましょう。
2-1.VM + Managed Disks
VM+Managed Disksとは、Azure Virtual Machines(VM:仮想マシンサービス)やAzure VMware Solution(AVS:オンプレミスの仮想環境をAzure上に移行して利用できるサービス)で使用するために設定される、ブロックレベルの記憶域ボリュームです。最もシンプルなファイルサーバーといってよいでしょう。
パフォーマンスが高く、オンプレミスサーバーの物理ディスクと似ていますが、仮想化されています。VM+Managed Disksの4つのディスクストレージオプションは、以下の通りです。
- Ultra Disk Storage
- Premium SSD
- Standard SSD
- Standard HDD
Azure VM+Managed Disksを導入する場合、ユーザーはサイズと種類を指定して、ディスクをプロビジョニングするだけで行えます。価格は特定のディスクサイズに対応する最も近い層に設定され、時間単位で課金されます。
2-2.Azure Files
Azure Filesとは、Azureが提供するフルマネージドのファイル共有サービスで、ストレージサービスである「Azure Storage」を構成しているサービスの一つです。Azure Storageは用途によって、以下の5つで構成されています。
- Azure Files
- Azure Blob Storage
- Azure Disk Storage
- Azure Queue Storage
- Azure Table Storage
Azure FilesはWindowsだけでなくLinuxやMacなど、OSに限定することなくインターネットが繋がる環境であれば、場所を問わず同時にアクセスできる点や、Server Message Block(SMB)プロトコルに対応しているため、互換性を気にしなくてもよい点が特徴です。
2-3.Blob Storage
Azure Blob Storageは、オブジェクトストレージで構成されたソリューションで、テキストや写真、動画などのデータを大量に格納するために最適化されたストレージです。ストレージに保管されるデータを「Blob」、Blobの入れ物を「コンテナー」と呼んでいます。
Azure Filesと同じくAzure Storageの中のひとつですが、Azure Filesとの明確な違いは以下の通りです。
- Azure Blob Storage:オブジェクトストレージ
- Azure Files:ファイルストレージ
Azure Blob Storageはオブジェクトと呼ばれる単位で保管され、HTTP/HTTPS経由でアクセスするのに対し、Azure Filesはファイルストレージであり、ファイルシステムとしてマウントできます。それぞれのストレージサービスは似ているようで異なるため、自社の用途に応じて使い分けられるよう、特徴を理解しておくとよいでしょう。
2-4.Azure NetApp Files
NetApp Filesとは、NetAppというアメリカのITソリューションサービス企業が提供しているファイルストレージサービスです。ファイルサーバーとして非常に高性能のパフォーマンスと、独自のストレージOSであるONTAPが搭載されています。
Azure NetApp Filesは、上記のNetAppが提供するストレージをAzureでも使用できるサービスです。前述したAzure Filesと比較して、高パフォーマンスで低遅延という特徴を持っています。
またAzureとの統合により、高いセキュリティを実現していることも、Azure NetApp Filesの特徴といえるでしょう。
2-5.Azure File Sync
Azure File Syncは、クラウド環境とオンプレミス環境のローカルファイルサーバーとのファイル共有を実現できるサービスです。Azure Filesとセットで利用することが前提となりますが、複数のファイルサーバーとAzure Filesを同期できるため、拠点がいくつもある企業でも対応できます。
Azure File Syncはストレージが自由に設定でき、データ保管の維持コストを節約できる点や、階層化機能を有効にすることで、容量コストを節約しながらの運用ができる点がメリットです。
3.Azureファイルサーバーの価格
見てきたように、Azureのファイルサーバーには5つの選択肢があります。ここからはAzure FilesとAzure File Sync、Azure NetApp Filesについて、価格を見ていきましょう。
3-2.Azure Filesの価格
Azure Filesの価格は使用量に応じて、以下のように4つのレベルに分けられています。
1.Premiun:高いスループットと短い待機時間でI/O集中型のワークロードを実現できるレベル
2.トランザクション最適化:一貫した待機時間を必要としない、トランザクション不可の高いワークロードを可能にするレベル
3.ホット:チーム共有や汎用ファイル共有シナリオ用に最適されたストレージを提供するレベル
4.クール:オンラインアーカイブ・ストレージのシナリオ向けに最適化されているレベル
従量課金制は、Premium以外のトランザクション最適化、ホット、クールに適用されています。以下に使用するストレージ容量に応じた金額設定を提示しますので、参考にしてください。
データストレージ | Premiun | トランザクション最適化 | ホット | クール |
---|---|---|---|---|
保存データ (GiB/月) |
¥35.8472 (プロビジョニング済みGiBあたり) |
¥8.6728 (使用済みGiBあたり) |
¥4.3364 (使用済みGiBあたり) |
¥3.2523 (使用済みGiBあたり) |
スナップショット (GiB/月) |
¥30.4990 (使用済みGiBあたり) |
¥8.6728 (使用済みGiBあたり) |
¥4.3364 (使用済みGiBあたり) |
¥3.2523 (使用済みGiBあたり) |
保存メタデータ (GiB/月) |
無償 | 無償 | ¥4.134 | ¥4.134 |
Azure Filesの価格は米ドルに基づいて計算されているため、Microsoftとの契約の種類や購入日、為替レートなどによって価格が前後する点は注意しておきましょう。また、上記の価格は2023年7月現在の価格です。
料金体系が変更される可能性もあるため、Azure Filesを利用する場合は、必ず公式ページで最新の情報を取得してください。
3-3.Azure File Syncの価格
Azure File Syncの価格は、以下の3つのコストにより構成されています。
- Azureのファイル共有に同期するサーバー数
- Azure Filesのコスト
- 送信データ転送コスト
同期サーバーは1台につき、2023年7月現在、月額¥1,120.224です。前述しましたが料金は変動する可能性があるため、必ず公式ページで確認するようにしてください。
3-4.Azure NetApp Filesの価格
Azure NetApp Filesの価格は、Azure Filesと同じく利用した分だけ請求される従量課金制で、容量プールを作成することにより割り当てられる、プロビジョニング済みのストレージ容量に対して課金されます。設定コストは選択したパフォーマンスレベルにより、以下のように異なります。(2023年7月現在の価格)
価格(単一暗号化) | 価格(二重暗号化) | |
---|---|---|
Standard Atorage | ¥33.132606/GiB/月 | ¥39.252641/GiB/月 |
Premium Storage | ¥65.948657/GiB/月 | ¥78.505281/GiB/月 |
Ultra Storage | ¥88.001888/GiB/月 | ¥106.573030/GiB/月 |
Azure NetApp Filesはリージョン間のサーバーにデータを複製するレプリケーションや、バックアップリストアで使用した際も、容量により課金されます。
4.Azureファイルサーバーの導入ならぜひNTT東日本にご相談ください
コストの最適化やメンテナンスの負担軽減、容量を柔軟に拡張したり低コストでバックアップが可能だったりと、数多くのメリットがあるAzureファイルサーバーですが、実際に導入する際に、どのファイルサーバーを選べばよいのか、具体的にはどのように進めるのか分からない方も多いのではないでしょうか。
NTT東日本のファイルサーバー構築・移行サービスであれば、クラウドサービスの有資格者を含むプロのエンジニアが、現状の分析とファイルサーバーの構築、運用支援など、ファイルサーバーのクラウド化でのお困りごとを解決します。
具体的な構築例も以下のサービスページで詳しく説明していますので、気になる方はぜひご覧ください。
Azureファイルサーバーについてまとめ
コスト最適化やメンテナンス面での負担軽減などのメリットがあるAzure ファイルサーバーには5つの選択肢があり、それぞれサービスの特徴や価格が異なります。オンプレミスからクラウドに移行する企業は増加傾向にありますが、周りがおこなっているからとよく分からないままファイルサーバーを選択してしまえば、コストや使い勝手の面で不便だと感じてしまうことも少なくありません。
NTT東日本が提供するサーバー構築、移行サービスであれば、お困りごとを丁寧にヒアリングしたうえで、最適なファイルサーバーを選択し、導入します。150社以上の実績を持ち、クラウドサービスのプロが責任を持って支援する、NTT東日本のサーバー構築、移行サービスをぜひお試しください。
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-
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