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Azure Storageとは?種類・料金体系やメリット、使い方を解説
クラウドサービスのMicrosoft Azureには、さまざまなデータを保存・管理できるストレージサービスがあります。それがAzure Storageです。
Azure Storageは、オブジェクトストレージ、ファイルストレージ、キューストレージ、テーブルストレージの4種類のデータサービスを提供しており、それぞれ異なる特徴や用途があります。
本記事では、Azure Storageの種類・料金体系やメリット、使い方について解説します。
目次:
- 1.Azure Storageとは?
- 2.Azure Storageのデータサービス
- 2-1.Azure Blob Storage
- 2-2.Azure Files
- 2-3.Azure Queue Storage
- 2-4.Azure Table Storage
- 3.Azure Storageを利用するメリット
- 3-1.高い可用性と耐久性
- 3-2.スケーラビリティが高い
- 3-3.高い情報セキュリティときめ細かなアクセス制御
- 3-4.世界中のどこからでもアクセス可能
- 4.Azure Storageの使い方
- 4-1.ストレージアカウントの作成
- 4-2.Azureファイル共有の作成
- 4-3.ファイルのアップロード
- 4-4.クリーンアップ
- 5.Microsoft Azureの導入ならNTT東日本にご相談ください
- Azure Storageについてまとめ
1.Azure Storageとは?
Azure Storageとは、Microsoft社が運営するクラウドサービス「Azure」のクラウドストレージサービスです。利用することでクラウドにデータを格納することができます。クラウドサービスの利用形態としてはPaaSに該当するものです。
Azure Storageによって提供されるストレージのインフラストラクチャは、Azureの責任において管理・保守が行われます。そのため、運用や管理に対する負担を軽減することが可能です。
Azure Storageでは、さまざまな種類や形式のデータを保存・管理できるように、複数のデータサービスを提供しており、それぞれに特徴やおすすめの利用方法があります。
2.Azure Storageのデータサービス
Azure Storageには大きく次の2つがあります。
- 仮想マシンのディスクを提供するマネージドディスク
- アプリケーションが用途に応じて利用するストレージ
Azure Storageといえば後者のストレージアカウントを作成して利用する4つのサービスを指す事が多いです。以下、Azure Storageの4種類のデータサービスについて、それぞれの特徴や用途、料金体系について紹介します。
2-1.Azure Blob Storage
Azure Blob Storageは、オブジェクトストレージサービスというファイルストレージのようなディレクトリ構造を持たず、一意のIDによって管理するストレージです。
クラウド上での画像やドキュメント、動画や音楽などの管理・配信に適しており、主に画像、ドキュメントのブラウザへの直接配信やバックアップ、復元、リカバリ、アーカイブなどのためのデータ格納などの目的で使用されています。
Azure Blob Storageの料金体系は、1か月ごとの従量課金制で、価格レベルは多数用意されております。ストレージコストと操作・データ転送量の2つに分かれています。
Azure Blob Storageについては、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:Azure Blob Storageとは?3種類のリソースやメリット・料金を解説
2-2.Azure Files
Azure Filesは、フルマネージドのクラウドファイル共有サービスです。SMB3.0とHTTPSを利用して保存データや転送中のデータを保護しているため、シンプルで安全なファイルストレージとして利用できます。
主にオンプレミスのファイルサーバーやアプリケーションのクラウドの移行、クラウド開発のサポートなどに利用されています。
Azure Filesの料金体系は1か月ごとの従量課金制で、「Premiun」「トランザクション最適化」「ホット」「クール」の4つの価格レベルに合わせて、データストレージの利用量ごとに決められます。
Azure Filesについては、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:Azure File Storage / Azure Filesとは?概要や利用シーンを解説
2-3.Azure Queue Storage
Azure Queue Storageとは、Azureで提供されているストレージを利用したメッセージングサービスです。メッセージングとは、離れたシステム間でやり取りするデータ交換のことを指します。
主に非同期でのメッセージ処理や最大64KBのメッセージを大容量のキューストレージへの保存、キューをURL形式でアドレス指定する場合などにおすすめです。
Azure Queue Storageの料金体系は、1か月ごとの従量課金制で、価格レベルは多数用意されております。ストレージ容量、データ転送操作の回数で価格が決まります。
Azure Queue Storageについては、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:Azure Queue Storageとは?シンプルな持続性に優れた大規模メッセージングを実現!
2-4.Azure Table Storage
Azure Table Storageとは、半構造化データを格納するNoSQLキーバリューストアサービスです。大容量のデータに高速にアクセスできるといった特徴があります。Web アプリのユーザーデータやアドレス帳、デバイス情報や他のメタデータなどといった大量の構造化データの格納が必要な場合におすすめです。
Azure Table Storageの料金体系は、1か月ごとの従量課金制で、価格レベルは多数用意されています。読み取り、書き込み、削除などのストレージ操作の回数で価格が決まります。
3.Azure Storageを利用するメリット
クラウドサービスはさまざまありますが、Azure Storageを利用するメリットはどのようなことがあるのでしょうか。ここでは4つのメリットを紹介します。
3-1.高い可用性と耐久性
Azure Storageを利用するメリットの一つ目は、「高い可用性と耐久性」です。
Azure Storageは、世界中のさまざまな地域にデータセンターを保有しています。そのため、地震や火災などが発生し、利用していたデータセンターが被害を受けてしまっても、冗長化を行っていれば、データを安全に保全できます。
また、レプリケートされた先にアクセスすることで可用性の維持が可能です。
3-2.スケーラビリティが高い
Azure Storageを利用するメリットの2つ目は、スケーラビリティが高い点です。
Azure Storageはさまざまなサービスやアプリケーションを提供しており、利用要件や変化に合わせたカスタマイズや拡張が容易にできます。また、利用者数や負荷が増加しても、その影響を最小限に抑えた設計も可能です。
3-3.高い情報セキュリティときめ細かなアクセス制御
Azure Storageを利用するメリットの3つ目は、高い情報セキュリティときめ細かなアクセス制御が可能な点です。
Azure Storage では、書き込まれたすべてのデータがサービスによって暗号化されています。また、データにアクセスできるユーザーをきめ細かく設定することも可能です。
3-4.世界中のどこからでもアクセス可能
Azure Storageを利用するメリットの4つ目は、世界中のどこからでもアクセスができることです。
Azure Storage 内のデータには、世界中のどこからでもHTTPまたはHTTPS経由でアクセスが可能です。また.NETやJava、Node.jsやPython、PHPやRuby、Goなどのさまざまな言語で、クライアントライブラリやREST APIを利用できます。
そのため、WindowsやMac、Android、iOSなどのさまざまなデバイスを利用して、あらゆる場所からアクセスでき、操作することが可能です。
4.Azure Storageの使い方
Azure Storageには複数の種類のストレージが含まれており、用途に応じて使い分けることができます。ここからは、Azure Storageのファイル共有のためのストレージである「Azure Files」を対象とし、基本的な使い方を紹介します。
4-1.ストレージアカウントの作成
ストレージアカウントの作成は、Azure portalやpowershell、Azure CLIなどで行うことが可能ですが、ここでは、Azure portalを使用したAzureストレージアカウントの作成方法を紹介します。
1. 左側のポータルメニューで[ストレージアカウント]を選択して、ストレージアカウントの一覧を表示します。ポータルメニューが表示されない場合は、メニューボタンを選択してオンに切り替えます。
2. [ストレージアカウント]ページで、[作成]を選択します。
なお、新しいストレージアカウントのオプションは、[ストレージアカウントを作成する]ページのタブにまとめられています。
4-2.Azureファイル共有の作成
Azureファイル共有は、Azure portalやpowershell、Azure CLIで行うことが可能ですが、ここでは、Azure portalを使用したファイルの共有方法について紹介します。
1. ダッシュボードからストレージアカウントを選択します。
2. ストレージアカウントページの[データストレージ]セクションで[ファイル共有]を選びます。
3. [ファイル共有]ページの上部にあるメニューで[+ファイル共有]を選びます。
4. [名前]でファイル名を指定します。
5. [レベル]では[トランザクションが最適化されました]をオンのままにします。
6. [バックアップ]タブを選択します。既定では、Azure portalを使用してAzureファイル共有を作成すると、バックアップが有効になります。
7. [確認と作成]を選択し、[作成]を選択してAzureファイル共有を作成します。
4-3.ファイルのアップロード
Azureへファイルのアップロードは、Azureportalやpowershell、Azure CLIで行うことが可能ですが、ここでは、Azure portal を使用したファイルのアップロード方法について紹介します。
1. アップロードするファイルの作成または選択を行い決定します。
2. myDirectoryディレクトリを選択し、myDirectoryパネルを開きます。
3. [アップロード]を選択し、[ファイルのアップロード]パネルを開きます。
4. フォルダーアイコンを選択して、ローカル ファイルを参照するためのウィンドウを開きます。
5. ファイルを選択して、[開く]を選択します。
6. [ファイルのアップロード]ページで、ファイル名を確認して[アップロード]を選択します。
7. 完了したら、ファイルがmyDirectoryページの一覧に表示されます。
4-4.クリーンアップ
リソースのクリーンアップは、Azure portalやpowershell、Azure CLIで行うことが可能ですが、ここでは、Azure portalを使用したクリーンアップ方法について紹介します。
1. [ホーム]を選択し、[リソースグループ]を選択します。
2. 削除するリソースグループを選択します。
3. [リソースグループの削除]を選択します。ウィンドウが開き、リソースグループと共に削除されるリソースに関する警告が表示されます。
4. リソースグループの名前を入力し、[削除]を選択します。
5.Microsoft Azureの導入ならNTT東日本にご相談ください
Azure Storageは、さまざまな種類のデータサービスを提供しており、それぞれ異なる特徴や用途があります。また、料金体系もサービスごとに異なります。Azure Storageを利用することで、ビジネスに必要なデータを効率的に保存・管理・活用できます。
しかし、その導入や運用には、専門的な知識や技術が必要です。もし自社に専門知識を持つ人材が不足しているなどでお悩みの場合は、NTT東日本にご相談ください。
NTT東日本は、Azureの公認パートナーとして、Azure Storageの導入や運用に関するさまざまなサービスを提供しています。
また、パフォーマンスや情報セキュリティを24時間365日で監視したり、Azureの他のサービスも含めて、トータルでサポートします。
Azureの導入や運用に向け、不明点や気になる点がありましたら、ぜひNTT東日本にご相談ください。
Azure Storageについてまとめ
ストレージサービスは仮想マシンやデータベースなどと並び、よく利用されるサービスの一つです。Azure Storageの概要や基本的な使い方を理解することは、Azureの他のサービスを利用する時にも役立ちます。
貴社でAzure Stackについてお悩みのことがありましたら、ぜひNTT東日本へお気軽にご相談ください。
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