COLUMN
Amazon ConnectのIVRで自動音声案内を作成する方法
メールやチャットなどと共に、電話は現在でもよく使われるコミュニケーション手段の一つです。そのため、顧客対応の一つとして電話を使用している企業も多いでしょう。規模によっては、コールセンターの導入を検討している方もいるかもしれません。しかし、コールセンターの導入時に障害となるのは、費用やシステムの構築・運用の難しさです。特に、「短期間だけコールセンターを設置したい」といったケースに対応するのは、簡単ではありません。
そこでおすすめなのが、AWSによるコンタクトセンターサービス、「Amazon Connect」です。本記事では、Amazon Connectの概要について解説すると共に、Amazon Connectの基本的な使い方を紹介します。
Amazon Connectに関するご相談や利用料金の試算をご検討の方はお気軽にNTT東日本までお問い合わせください。デモ環境の貸し出しも行っております。
1.Amazon Connectについて
Amazon Connectは、コールセンター向けのクラウドプラットフォームです。本章では、Amazon Connectの概要や、主な機能を解説します。
1-1.Amazon Connectとは何か
Amazon Connect(アマゾンコネクト)はAWSが提供している、コンタクトセンター向けのクラウドプラットフォームです。Amazon Connectを利用することで、コンタクトセンターシステムや自動受付システムを構築・運用することができます。
サービスの利用形態としては、クラウド上で使用可能なソフトウェアの総称、SaaS(サース)に該当し、サービスに使用されるハードウェアやソフトウェアの保守・管理はAWSの責任において行われます。
システムを構築するためにはAWSのWebコンソールから必要な設定を行うだけで、自動音声案内などの簡単なユースケースであれば数分程度で完了します。また、自動音声案内などの機能だけではなく、コンタクトセンターで利用される電話番号通知も提供するため、ワンストップでシステムを構築・運用することもできます。
料金体系は従量課金であり、1秒単位 ((最低10秒)の音声サービス利用料がかかります。最初の10秒までは10秒分が課金され、10秒経過後は1秒単位で課金される仕組みです。)加えて、1日単位のテレフォニー料金、メッセージ1件あたりのチャット使用料など、各サービスの使用量に応じて料金が発生します。テレフォニー料金とは、電話番号の保持費用や、着信・発信通話にかかる料金のことです。
Amazon Connectに関するご相談や利用料金の試算、導入をご検討の方はお気軽にNTT東日本までお問い合わせください。デモ環境の貸し出しも行っております。
2.Amazon Connectの主な機能
コンタクトセンターの運営には、PBX、IVR、ACD、録音・分析機能、CTIなどが必要です。Amazon Connectにはコンタクトセンターの運営に必要な機能を標準搭載しています。
- PBX(Private Branch Exchange)
PBXとは、企業などで複数の電話回線を管理するために、施設内で設置・運用される電話交換機です。Amazon Connectなら、クラウドでPBXの機能を実現するため、新たにPBX機器を導入する必要はありません。
- IVR(Interactive Voice Response)
IVRとは、顧客などからの電話問い合わせに対して、音声によって自動的に応答するシステムのことです。着信時には、あらかじめ録音されていた音声ガイダンスが流れ、発信者は音声に従って必要な情報が得られるプッシュボタン(数字ボタン)を押します。Amazon Connectなら、ノンコーディングでIVRの各種設定が実現可能です。
- ACD(Automatic Call Distributor)
ACDとは、外線からの着信を、各オペレーターの端末に自動的に振り分けるシステムのことです。オペレーターのスキルや空き状況に応じてルール設定が行えます。Amazon Connectではスキルベースのルーティング設定をクラウド上でノンコーディングで行えます。
- 録音、分析機能
Amazon Connectでは通話の内容を録音・保存できます。加えて、録音データの検索・再生・分析が可能です。また、CTIと連携すれば、応対情報と録音データを紐づけた上で、保存・再生できます。
- CTI
CTIとは、電話やFAXをコンピュータシステムの一部として統合することです。Amazon Connectでは専用のソフトフォンを使用し、さまざまなデータを集積し、可視化できます。
詳細を知りたい方は、以下の公式ページもご参照ください。
参考:AWS「Amazon Connect の特徴」
Amazon Connectに関するご相談や利用料金の試算、導入をご検討の方はお気軽にNTT東日本までお問い合わせください。デモ環境の貸し出しも行っております。
3.Amazon Connectの初期設定とIVRの設計方法
Amazon Connectの料金体系は従量課金であるため、少ない利用料でサービスを試せるのが魅力です。
本章では、Amazon Connectの初期設定とIVRの設計方法を紹介します。
3-1.インスタンスの作成と電話番号の取得
Amazon Connectを利用するためには「インスタンス」と呼ばれるリソースを作成する必要があります。
インスタンスを作成するには、最初にAWSのWebコンソールにアクセスし、検索窓に「Amazon Connect」と入力しましょう。次に、Amazon Connectのページへ移動します。
Amazon Connectのページが表示された後、ページの中央付近にある「今すぐ始める」ボタンをクリックします。インスタンスの作成ページが表示されたら、アクセスURLとして適切な内容を入力して、ページの下側にある「次のステップ」ボタンをクリックしましょう。
管理者の作成ページが表示されたら、名、姓、ユーザー名、パスワード、パスワード(確認)、電子メールアドレスを入力します。入力が終わったら、ページの下側にある「次のステップ」ボタンをクリックしましょう。
テレフォニーオプションのページが表示されたあと、発信通話のチェックを外してからページの下側にある「次のステップ」ボタンをクリックします。
データストレージのページが表示されたあと、ページの下側にある「次のステップ」ボタンをクリックします。レビューのページが表示されたら、ページの下側にある「インスタンスの作成」ボタンをクリックし、インスタンスの作成を開始しましょう。
インスタンスの作成中、「Amazon Connectのセットアップ」とメッセージが表示されるので完了するまで待機します。インスタンスの作成が完了した後、ページの中央付近にある「今すぐ始める」ボタンをクリックして下さい。
ダッシュボードページが表示された後、ページの右側にある「電話番号の表示」ボタンをクリックします。
電話番号の要求ページが表示されたあと、国/地域として「+81」を選択します。
電話番号の取得完了ページが表示されたら、チャンネルは「音声」を選択してください。
テストチャットのページが表示されたあと、ページの右側にある「問い合わせコントロールパネル」をクリックします。
コントロールパネルが表示されたら、取得した電話番号に電話をかけましょう。音声案内が英語で再生されます。番号を押すように案内が流れたら、電話機の「1」を押します。
なお、番号を押す案内はその後も2回流れるため、電話番号の「1」を合計で3回押す必要があります。
コントロールパネルに着信が表示されたあと、コントロールパネルの左下にある緑色のチェックアイコンのボタンをクリックします。
通話が開始したあと、電話で話した内容がパソコンから再生されることを確認してからコントロールパネルの下側にある「通話の終了」ボタンをクリックします。
通話終了後は、コントロールパネルの下側にある「通話を拒否」ボタンをクリックしましょう。
着信前のコントロールパネルの状態に戻ります。
3-2.ルーティングとIVRフローの設定
続いて、ルーティングとフローの設定を行って、電話をかけたときに再生される音声を変更します。
まずは、Amazon Connectの仕組みを理解するために、電話番号の詳細ページを表示しましょう。
ページの左側にあるルーティングのアイコンをクリックして表示されるメニューの中から「電話番号」をクリックして下さい。
電話番号の一覧ページが表示されたら、電話番号列に表示される電話番号をクリックします。
電話番号の詳細ページが表示されたあと、コンタクトフロー / IVRを見ると「Sample inbound flow (first contact experience)」であることがわかります。
次に、ページの左側にあるルーティングのアイコンをクリックして表示されるメニューの中から「フロー」をクリックします。
ノードの編集フォームが表示されたあと、テキストエリアに含まれるテキストの内容を変更し、フォームの右下にある「保存」ボタンをクリックします。
ノードの編集フォームが非表示になったら、ページ右上の「保存」ボタンをクリックします。
保存の確認ダイアログが表示されたあと、ダイアログ右下の「保存」ボタンをクリックします。
保存の完了メッセージが表示されたら、ページ右上の「公開」ボタンをクリックします。
公開の確認ダイアログが表示されたあと、ダイアログ右下の「公開」ボタンをクリックします。
「フローは正常に発行されました。」と、完了メッセージが表示されます。
3-3.自動音声案内(IVR)の動作確認
動作確認のため、取得された電話番号に電話をかけます。電話発信時に再生される音声が、変更されたかどうかを確認できます。なお、変更が反映されるまでに数分程度の時間を要する場合があります。
Amazon Connectに関するご相談や利用料金の試算、導入をご検討の方はお気軽にNTT東日本までお問い合わせください。デモ環境の貸し出しも行っております。
4.Amazon ConnectでIVRを作成するならNTT東日本にお任せください
NTT東日本では、Amazon Connectに関するご相談や、デモ環境貸出を行っております。「新規で在宅コールセンターを構築したい」「PBX、ビジネスフォンの更改先として検討したい」「会社の電話番号を自宅でも受けるようにしたい」といったお悩みのある方は、ぜひご相談ください。
また、Amazon Connectのデモ環境を無料で2週間ご使用いただけます。実際に体験できるため、メリットや利便性を感じていただけます。
おわりに
Amazon ConnectはAWSによる、コンタクトセンター向けのクラウドプラットフォームです。Amazon Connectを利用すれば、コンタクトセンターシステムや自動受付システムを構築し、運用することができます。従来、コンタクトセンターシステムには高価なイメージがありました。しかし、Amazon Connectをはじめとするコンタクトセンターサービスが各社から提供されたことによって、導入しやすくなりました。
初期費用や長期契約を必要とせずにコンタクトセンターシステムを構築・運用できるAmazon Connectは、「期間限定でコールセンターを構築したい」、といったニーズにも合致します。
Amazon Connectの導入に不安を感じている方は、まずはNTT東日本に相談し、デモ環境の無料体験がおすすめです。
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