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AWSで利用できるBIサービスとは?Amazon QuickSight等のツールも解説

BIツールとは、一般的には集めたデータの分析や可視化を行うためのソフトウェアのことをいいます。BIツールを利用すると大規模なデータの分析や可視化を効率的に行えるため、企業の意思決定などに役立ちます。

本記事では、BIツールとはそもそも何かを解説したうえで、AWSが提供しているBIツールやBI関連サービスを詳しく紹介します。BIツールの導入を検討している方はぜひ参考にしてください。

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1.BI(ビジネスインテリジェンス)・BIツールとは

1-1.そもそもBI(ビジネスインテリジェンス)とは何か?

BIはBusiness Intelligenceを略した用語で、ビジネス=事業に関するデータを集めるのに加え、集めたデータの分析や可視化などを行うことにより、企業の意思決定を支援する活動を意味する言葉として用いられます。

インテリジェンスという英単語は日本語では「知性」という言葉を意味しますが、軍事や安全保障の文脈では「諜報(スパイ)」という言葉を意味する場合もあり、BIのインテリジェンスは後者の意味合いに近い使われ方をしています。

1-2.BIツールとは?Excelとの違い

BIツールとは、広義にはBIの運用を支援するためのツール=道具を意味しますが、一般にBIツールと呼ぶ場合は集めたデータの分析や可視化を行うためのソフトウェアを意味します。

データの分析には、統計値(例:合計値、平均値、標準偏差)のシンプルな集計、性別や年代などの属性ごとに統計値を算出するクロス集計、さらには多変量解析をはじめとする複雑な統計的分析などが含まれます。

一方、データの可視化には、線グラフ・棒グラフ・円グラフ・散布図などの基本的なチャートに加え、たとえば都道府県などのエリア別の売上高を日本地図で表したグラフなどが含まれます。 ここまでの説明だけでは「BIツールはほとんどExcelと同じではないか?」という印象を受けますが、BIツールは規模の大きなデータを対象とした分析や可視化を得意としている点がExcelとは異なります。

1-3.BIとAI・機械学習の違い

​​人工知能(Artificial Intelligence:AI)とBIは言葉の響きが似ており、また、いずれも「インテリジェンス」という単語を含むため、ますます違いがわかりにくくなっています。

実際、AIの一分野である機械学習(Machine Learning:ML)におけるクラスター分析などの教師なし学習の手法は、BIツールによっては統計的分析の手法の一つとして扱うことができるなど、両者には共通点が少なからず見られます。

今後、BIツールがAIや機械学習に関する機能を取り込んでいくと共に、ますます境界が曖昧になっていくことが予想されますが、BIは事実に基づく意思決定を支援することを目的としているのに対し、AIや機械学習は分類や回帰を用いた自動化や予測を目的としている点が、両者の違いの一つといえます。

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2.AWSで使えるBIツール・BI関連サービス

前段では、BIの概要として、BIそのものやBIツールの意味、AIや機械学習との違いについて解説しました。

BIを運用するにあたってはBIに関する基礎的な知識に加え、利用可能なBIツールやその使い方に関するノウハウを持つことが望ましいです。

以下、主要なクラウドプラットフォームの一つであるAWSで利用できるBIツールやBI関連のサービスを紹介します。

2-1.Amazon QuickSight

Amazon QuickSightは、AWSがWebアプリケーションとして提供するBIサービスであり、ユーザーはブラウザからアクセスしてAWSに蓄積されたデータの分析や可視化を実現します。クラウドコンピューティングの利用形態としては「サービスとしてのソフトウェア(Software as a Service:SaaS)」に分類され、AWSがサーバーやオペレーティングシステムなどのインフラストラクチャを管理するため、ユーザーはこれらの構築や運用に要する負荷を軽減することができます。

また、AWSのオブジェクトストレージサービスであるAmazon Simple Storage Service(S3)や後述するAWSのデータウェアハウスサービスであるAmazon Redshiftとの連携が可能であり、これらのサービス内に蓄積されたデータを対象として分析や可視化などの処理を実行することができます。BIでは比較的規模の大きなデータを扱うことが多くなりますが、大容量のデータをBIツールで扱うストレージへコピーするなどの前処理が不要になる点がメリットです。

2-1-1.Amazon QuickSightの料金体系

Amazon QuickSightはEnterprise EditionとStandard Editionの2つがあります。

それぞれの料金体系は以下のとおりです。

ユーザー 契約期間 Enterprise Edition Standard Edition
作成者(Authors) 年間契約 18USD/月 9USD/月
月契約 24USD/月 12USD/月
閲覧者(Readers) 月契約 最大5USD/月

※2023年9月時点の料金です。

2-2.Tableau Server

TableauはBIツールにおけるデファクトスタンダードともいえる製品であり、AWSではサードパーティー製品カタログである、AWS Marketplaceに含まれる製品の一つとして提供されます。

AWSにおけるTableauは、Amazon Machine Image(AMI)として提供され、Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)の仮想マシンにインストールして利用することができます。

Amazon EC2は、クラウドコンピューティングの利用形態としては「サービスとしてのインフラストラクチャ(Infrastructure as a Service:IaaS)」に分類され、ユーザー自身でオペレーティングシステムやその他のソフトウェアをインストールし管理する必要があるため、SaaSであるAmazon QuickSightを利用する場合と比べて構築や運用に要する負荷が大きくなります。

Tableauは人気のあるBIツールであり、書籍や記事などの情報が他のBIツールと比較して充実している点などで大きな強みがあります。

2-3.その他のBI関連サービス

AWSでは、これまでに紹介したサービスに加え、Amazon AthenaやAmazon Redshiftなどの関連するサービスを提供しています。

Amazon AthenaはAmazon S3に蓄積されたデータを対象としてSQLクエリを実行できるサービスであり、Amazon Athenaを使うことによって集計やランキングなどのデータ抽出が可能です。

SQLはデータベース管理システムへの問い合わせに標準的に使用されるプログラミング言語であり、データ分析における標準言語としての地位を確立しています。

Amazon Athenaは、別のコラムで詳しく紹介していますので、そちらも参考にしてください。

Amazon Athenaによるデータ分析入門|メリットや料金体系も解説

一方、Amazon RedshiftはAWSのデータウェアハウスサービスであり、Amazon Redshiftを利用することによって大規模なデータを蓄積できることに加え、データ分析を高速に実行するためのデータベースを構築することができます。

通常のデータベース管理システムがオンライントランザクション処理(OnLine Transaction Processing:OLTP)と呼ばれる比較的小規模なデータのリアルタイムな入出力に適しているのに対し、データウェアハウスは大規模なデータの分析に特化したデータベース管理システムを意味する言葉として用いられます。

Amazon RedshiftやAmazon S3などのデータを蓄積するためのサービスは、データ分析と可視化を実現するBIツールの裏にありユーザーにとって目立たない存在ですが、BIを運用するための重要な基礎を構成するものといえます。

3.AWSのクラウドサービスの導入・活用ならNTT東日本にお任せください

NTT東日本のクラウド導入・運用サービスは、BIツールを運用する際の基礎となるAmazon EC2やAmazon Redshiftにおける、設計・導入・運用をワンストップでサポートしています。

さらに、150社以上の実績があり、AWSの有資格者であるプロもいるため、AWSの導入が初めての企業でも安心です。

興味のある方は、以下よりお問い合わせください。

NTT東日本のクラウド導入・運用サービス

4.AWSで利用できるBIサービスについてまとめ

BIツールは規模の大きなデータの分析や可視化を得意とする分析ツールで、事業に関する意思決定などに役立ちます。

AWSではAmazon QuickSightとTableau Serverの2つのBIサービスを提供しており、どちらもAWS EC2やAWS Redshiftなどのデータ蓄積サービスと連携可能な点が特徴です。各サービスの特性を理解し運用ノウハウを蓄積し、それぞれのBIサービスを有効活用していきましょう。

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