NTT東日本の自治体クラウドソリューション

未経験からRed Hat 最上位資格「RHCA」の取得へ。NTT東日本のクラウド基盤を支えるエンジニアの学びの流儀

ビジネスにおけるクラウド基盤やOSS(オープンソースソフトウェア)の活用が一般的になり、さまざまな作業が自動化する現在においても、インフラの信頼性を最後に支えるのは現場エンジニアの技術力です。一方で、「その技術力をどう身につけ、どう社内外へ証明していくか」は、エンジニア個人にとっても、組織にとっても共通の課題となっています。

こうした中、NTT東日本グループには、Red Hat認定資格の最上位である「RHCA(Red Hat Certified Architect)」を取得したエンジニアが在籍しています。筆記ではなく実機での試験を重ねて到達する、課題解決力と実務力が問われる最難関の資格です。

今回は、ネットワーク保守の現場からキャリアをスタートし、ほぼゼロからサーバー技術を学んでRHCA取得へと至った、株式会社NTT-ME サービスクリエイション部の吉田より、資格取得までの道のりと、培った技術がどのように現場で活かされているのかをご紹介します。

NTT東日本では、RHCA取得エンジニアをはじめとするクラウドエンジニアが移行設計、構築や運用まで一貫してご支援しますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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1. ネットワーク保守からクラウド基盤の開発現場へ。「とにかく技術がやりたい」で歩んだキャリア

株式会社NTT-ME サービスクリエイション部 クラウド・サーバ&アプリケーションセンタ
プライベートクラウド部門 プライベートクラウド担当
チーフ 吉田 翔

現在のご所属と、担当されている業務について教えてください。

吉田:NTT-MEのサービスクリエイション部に所属し、主に社内のプライベートクラウド基盤「Savanna(サバンナ)」の構築や保守、トラブル対応を担当しています。「Savanna」は、社内システムの集約やコスト削減を目的に開発されたプライベートクラウド基盤であり、ゲスト220以上の社内システムやアプリケーションが搭載されていることが特徴です。

業務のウェイトとしては構築系が7割ほどで、クラウド基盤上でのゲスト構築をいかに効率よく早く行うかという自動化を中心に取り組んでいます。その他にも、チーム育成や資格の勉強会なども業務範囲です。「Savanna」は社内向けの名称で、社内で磨いたインフラ・技術力をお客さまのビジネスを支援・共創するために開発、提供されているのが 「地域エッジクラウド タイプV」です。

「地域エッジクラウド タイプV」については以下の記事でご紹介しています。

既存クラウドの課題を解消、NTT東日本の地域エッジクラウド タイプVとは

「Savanna」と「地域エッジクラウド タイプV」は、NTT東日本が通信キャリアとしてインフラを持ち、クラウド基盤のデータも自社内に置いているため、高い信頼性や堅牢さ、クラウド環境の構築から運用代行までを一気通貫でご提案できる点が特長です。私は社内でプロジェクトが始まった2021年ごろから、現在で5年ほど携わっています。

現在に至るまで、どのようなキャリアを歩んできたのでしょうか。

吉田:私が入社した当時は、主にネットワークの維持管理を担当していました。フレッツ光などの屋内設備が対象の現場仕事で、ネットワーク装置が壊れたら現地まで行って交換しており、サーバーには全く触れていませんでした。

その後、「とにかく技術系の、自分のスキルを上げられる仕事をやりたい」と希望を出して、行き着いたのが今の部署です。レイヤーは何も指定せず、技術に直に触れられる場所を希望していました。

動機としては、スキルを高めて自分の市場価値を上げたいという、キャリア戦略寄りの考えだったと思います。今の部署はNTT東日本の数多くのインフラを実際に触って構築・保守できるので、希望に沿った場所です。そして現在のプロジェクトで「Savanna」に携わるようになり、そこでサーバーやLinux(Red Hat Enterprise Linux)に触るようになりました。

サーバー領域は、ほぼ未経験からのスタートだったのですね。

吉田:Linuxは大学の研究で少し触っていたかな、というぐらいの知識です。勉強を始めた当初は、CLI(コマンドラインインターフェース)の操作が問題なくできるメンバーもいる中で、私だけ何がなんだかわからないような状態でした。

ただ、当時からクラウド基盤のインフラとしての影響力や重要性はよく理解していました。インフラは動いて当たり前で、あまり意識されないものですが、社会のインフラを維持していることへの責任を感じながら、日々の業務に向き合っています。

NTT東日本では、RHCA取得エンジニアをはじめとするクラウドエンジニアが移行設計、構築や運用まで一貫してご支援しますので、ぜひお気軽にご相談ください。

2. 知識ではなく実践力。「トラブルの現場で一人で解決できる」ことを証明する最上位資格RHCA

今回取得された「RHCA」とは、どのような資格なのでしょうか。

吉田:RHCAは、Red Hat の認定資格の中で最上位に位置づけられている資格です。特徴は、よくある四択問題のような筆記試験ではなく、実際の実機を用いた試験内容になっていることです。より実践的な、技術者のスキルが直に問われるものになっています。試験のテーマもLinuxやコンテナ、時にはミドルウェアまで幅広く扱われます。

一般的な認知度はあまり高くなく、実際にNTT東日本の中でも取得している人はほとんどおらず、社内認知度も高くないと思います。ただ、実技で評価される専門的な資格なので、対外的にスキルレベルを証明しやすい資格です。

Red Hat の認定資格は2026年5月に専門分野別の体系へ再編されています。RHCAは5段階あるレベルの最上位(レベル5)にあたり、単独の試験はなく、上位資格に加えて複数のスペシャリスト認定を同時に保有することではじめて授与されます。

他のベンダー資格と比べると、どのような難しさがあるのでしょうか。

吉田:一般的なベンダー資格には、筆記中心のものや、実技でもガイドに沿って進めれば解けるものが少なくありません。一方でRed Hat の試験は、オンラインの情報を一切参照できず、自分の知識とマニュアルだけで問題を解決していく形式です。たとえば起動しないOSを渡され、自分の頭と手だけできちんと動くようにしなければ得点にならない、といった具合ですね。

よりイメージしやすく例えるなら、いきなり野生の“サバンナ”に放り込まれて「ここで生き残れ」と言われるような試験です。Red Hat の社員の方でも取得までには時間がかかり、苦労する難易度だと聞いています。RHCAは「トラブルの現場に放り込まれて一人で解決できる」という即戦力であることの証明だと考えています。

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3. 「使い物にならない状態」から技術力で自立するために。朝の1時間を積み重ねた2〜3年の挑戦

どのような背景から、社外資格の取得を検討し始めたのでしょうか。

吉田:現在の部署に異動してきた当初は技術レベルが全然足りていませんでした。サーバーやクラウド基盤そのものがよく分からず、使い物にならないような状態から脱却して自立するために、私の場合は社外の資格取得が有効だったのです。自社特有の専門知識はもちろん必要ですが、それは学ぶものではなく、実際の業務を通じて身につくものです。

一方で社外の資格なら、空いた時間や土日にベースの技術レベルを上げられて、体系的な知識も身につきます。社内で使っている技術体系しか知らない、という偏りを避ける意味でも、両方を学んだほうがいいというのが私の考えです。ネットワーク担当のころは電気通信主任技術者、こちらに来てからはネットワークスペシャリストや情報処理安全確保支援士なども勉強してきました。

技術系の資格取得を支える社内制度について教えてください。

吉田:一つは、SG(スペシャリストグレード)という評価・昇進体系ができたことです。従来の管理職(マネジメント)とは違い、個々の専門性を軸に評価される仕組みができたことで、技術一本でキャリアを積むという選択が可能になりました。

もう一つは資格取得の支援で、「プロフェッショナル資格」という枠に入っている資格は、受験費用や更新費用を会社が負担してくれます。数えたら100個ほどあって、いろいろなベンダーの資格が対象で、RHCAもその一つに入っています。この枠に入るような資格は難しいものが多いのですが、だからこそ挑戦しやすい環境になっていると感じています。

RHCAに挑戦しようと決めたきっかけを教えてください。

吉田:部署の育成担当から「サーバー技術者のスキルアップをめざそう」とRed Hat の資格を紹介されたのが最初で、2019年ごろだったと思います。ただ、当時はまだサーバー構築の業務が本格化していなかったこともあり、基礎資格にあたるRHCSA(Red Hat Certified System Administrator)だけ受けて満足していました。

本格的に始めようと思ったのは2023年ごろです。そのころには「Savanna」のプロジェクトが動き出していて、クラウド基盤上でゲストをいかに早く構築するかという自動化のためにAnsible(Red Hat提供のIT自動化プラットフォーム)を使っていました。ある程度は触れてはいたものの、自分がどの程度のレベルなのかがわからない。社内にも社外にもAnsibleを使っている人は多い中で、自分のスキルを測ってみたいという、力試しのような動機が強かったと思います。

学習を進めていく中で、最も苦労したエピソードをお聞かせください。

吉田:やはり実技試験の対策です。トラブル対応ができるレベルまで習熟していなければならず、製品に対する深い理解が求められますし、そこに到達するまでの学習時間の確保が大変でした。最終的に取得するまでには、2年かかったと思います。

私の場合は仕事の合間を使って、朝早く起きて1時間勉強する、というやり方で学習を進めました。朝、子どもが起きてくるまでの時間ですね。プライベートでは実際の装置に触れられないので、ラボ環境を場所や時間を問わず使える学習サービス「Red Hat Learning Subscription」も活用しました。

また、情報の少なさにも苦労しました。チームに先に取得した人はいませんでしたし、検索しても中位資格のRHCE(Red Hat Certified Engineer)あたりまでの情報しか出てきません。その先は、海外の方の英語の情報をたまに見かける程度です。そんな手探りの状態で受験して、ボコボコにされて家に帰ってくることもありました。

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4. 資格は実務の延長線上に。曖昧なトラブルを切り分け、わからない人に寄り添うための技術力

資格やそこで得たスキルは、業務のどのような場面で活きていますか。

吉田:一番活きているのは、クラウド基盤上のゲスト構築の自動化だと思います。RHCA取得までの過程でRHELやAnsibleに関する最新の知識を習得できるので、それらを活用しながらサーバー構築や設定作業の標準化・再現性の向上を実現しています。自動化によって構築作業のリードタイムも短縮されており、初期に比べてゲスト環境の迅速な払い出しや変更対応ができるようになってきました。

また、自動化だけでなく運用においても障害調査・切り分けでも役に立っています。クラウド基盤に乗っているユーザーからの申告は、「使えない」といった、かなりアバウトなものが多いのです。ネットワークが悪いのか、サーバーやストレージが悪いのか、どこから手をつけるかを切り分けなければいけません。そういうときにLinuxベースでの切り分けの方法や、漠然とした状態から自分でヒントを見つけて考えていく力は、資格取得の経験がそのまま活きていると感じます。

チームや社内への知見の還元として、取り組んでいることはありますか。

吉田:新しい技術を担当に取り入れるときには、説明会のような場を設けています。メンバーによってベースのレベルが違っていて、Ansibleはコマンドを言われれば叩けます、という人もいれば、「ひと通りは分かります」という人もいますので、レベルを合わせて説明するように意識しています。細かい説明が必要なときは、Red Hat Learning Subscriptionのeラーニングの内容も参考にしながら資料を作りますね。

私自身がゼロから始めているので、わからない人の気持ちがわかるのです。勉強会でも「自分も通った道だな」と思いながら話しています。社内の利用部門にも、「Savanna」がよくわからないという方は多くて、今までオンプレミスだったシステムをクラウド基盤に乗せるとどういう構成になるのかわからない、と。そういうときは一歩踏み込んで、「あなたの要件の場合は、こういう構成になるのではないでしょうか」と技術的に寄り添うような対応もしています。

NTT東日本では、RHCA取得エンジニアをはじめとするクラウドエンジニアが移行設計、構築や運用まで一貫してご支援しますので、ぜひお気軽にご相談ください。

5. 次に挑むのはIaCと生成AI。「情報のインプット」と「手を動かすこと」の両輪で学び続ける

今後深めていきたい技術領域を教えてください。

吉田:いま考えているのは、IaC(Infrastructure as Code)のような構築の高度化と、それに伴う生成AIの活用です。生成AIの活用はまだまだこれからですが、汎用AIで日々の業務をもう少し楽にできないかと、実務の中で触れ始めているところです。サービスへの組み込みは、その先かなと思っています。

個人としては、OSSをはじめ新しめの技術やツールを、なるべく自分で触って試すことを意識しています。試してみて「これはいける」と思ったものは、資料を作って社内に説明するようにしています。

これからOSSやRed Hat 製品の領域に挑む若手エンジニアへ、メッセージをお願いします。

吉田:社内の知識だけで学ぶことが難しいと感じたら、汎用的な知識として社外資格の取得を頑張ってみるのも一つの手だと思います。OSSであれば、最新の技術を自分の環境で手軽に触りながらスキルを高めることもできます。情報のインプットと、自分の手を動かして技術を身につけること。この両輪を頑張っていくのがいいんじゃないかなと思います。

NTT東日本では、RHCA取得エンジニアをはじめとするクラウドエンジニアが移行設計、構築や運用まで一貫してご支援しますので、ぜひお気軽にご相談ください。

6. クラウド基盤を支え、お客さまのインフラを支える。確かな技術力が実現するNTT東日本のサービス

最後に、クラウド活用を検討されている読者へのメッセージをお願いします。

吉田:地方の自治体をはじめ、人数の限られた組織では、クラウド基盤に詳しいIT人材を内部で抱えること自体が難しいと思います。そうした悩みをお持ちの方に「地域エッジクラウド タイプV」を使っていただければ、私のようにスキルを持った人材が社内システムの運用・保守を日々サポートいたします。

今回は、ネットワーク保守の現場からキャリアを始め、ほぼゼロからRed Hat 最上位資格「RHCA」に到達したエンジニアの歩みをご紹介しました。「クラウド活用を任せられる技術パートナーを探している」「自社エンジニアの育成に悩んでいる」といった皆さまの参考になれば幸いです。

NTT東日本では、自社のサービス基盤を支えてきた経験をもとに、クラウド基盤の設計・構築から導入後の運用、内製化のご支援まで一貫して伴走しています。クラウド活用に関するご相談を随時受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。

NTT東日本では、RHCA取得エンジニアをはじめとするクラウドエンジニアが移行設計、構築や運用まで一貫してご支援しますので、ぜひお気軽にご相談ください。

7. よくいただくご質問

Q1. 自社にクラウド基盤に詳しいIT人材がいなくても、クラウドを活用できますか?

はい、自社にクラウド基盤に詳しいIT人材がいなくても活用できます。NTT東日本の「地域エッジクラウド タイプV」なら、自社のサービス基盤を日々支えているスキルを持った人材がサポートするためです。地方の自治体をはじめ、人数の限られた組織でクラウド基盤に詳しい人材を内部で抱えるのが難しい場合に向いています。NTT東日本はクラウド基盤の設計・構築から導入後の運用、内製化支援まで一貫して伴走します。

Q2. 地域エッジクラウド タイプVの特長は何ですか?

NTT東日本が通信キャリアとしてインフラを持ち、クラウド基盤のデータも自社内に置いているため、高い信頼性と堅牢さがあります。クラウド環境の構築から運用代行までを一気通貫で提案できる点も特長です。社内向けのプライベートクラウド基盤「Savanna」をベースに、社外向けには「地域エッジクラウド タイプV」として提供しています。

Q3. NTT東日本のクラウド基盤を支えるエンジニアの技術力は、どのように裏付けられていますか?

NTT東日本グループには、Red Hat認定資格の最上位「RHCA」を取得したエンジニアが在籍しています。RHCAは筆記ではなく実機での試験を重ねて到達する資格で、「トラブルの現場に放り込まれて一人で解決できる」即戦力の証明だと言われています。こうした技術力が、クラウド基盤の構築・運用や、お客さまのインフラ支援を支えています。

  • 文中記載の組織名・所属・肩書き・取材内容などは、すべて2026年6月時点(インタビュー時点)のものです。
  • Red Hat 、Red Hat Enterprise Linux、Ansible、OpenShiftは、米国およびその他の国におけるRed Hat , Inc.またはその関連会社の登録商標または商標です。
  • Linuxは、Linus Torvalds氏の米国およびその他の国における登録商標または商標です。

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