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Amazon Auroraとは?特徴やAmazon RDSとの違い

クラウドにおいて、リレーショナルデータベースサービスは仮想マシンサービスと並んでよく利用されるサービスです。Amazon Auroraもリレーショナルデータベースサービスの一つで、MySQLやPostgreSQLとの高い互換性や可用性が特徴とされています。

本記事では、Amazon Auroraの機能やAmazon RDSとの違いを紹介したうえで、導入の手順や料金についても詳しく解説します。

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1.Amazon Auroraとは?Amazon RDSとの違い・関係性

Amazon AuroraはAWSが開発したRDBMSであり、Amazon Auroraを使うことによって表形式でデータを保管することができます。

また、Amazon AuroraはオープンソースRDBMSであるMySQLやPostgreSQLと互換性のあるインタフェースを備えており、これらを使用しているシステムはAmazon Auroraへの移行がしやすい点が特徴です。

商用RDBMSやオープンソースRDBMSはクラウドでの利用に加え、サーバーソフトウェアをマシンにインストールするなどしてオンプレミスでも利用できますが、Amazon AuroraはAWS専用のRDBMSです。

Amazon Auroraは一見すると、他のAWSのサービスと同様に独立したサービスのように思えますが、実態はOracle DatabaseやMicrosoft SQL Serverなどと同じく、Amazon RDSで利用可能なRDBMSのオプションの一つです。

したがって、Amazon Auroraを利用するためにはAmazon RDSを利用する必要があり、自動パッチ適用や自動バックアップなどのAmazon RDSの特徴かつ基本的な機能についても、Amazon Auroraへ引き継がれます。

Amazon AuroraはAmazon RDSから引き継がれる特徴に加え、Amazon Aurora特有の機能を備えており、この点がAmazon Auroraの魅力を高めています。

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1-1.RDBMSとNoSQLについて

最近、NoSQLという言葉を聞かれることがあるかと思います。

Amazon Auroraを含むRDBMSでは、トランザクションや排他制御などのデータの一貫性を保つための機能が充実していますが、一方でスケーラビリティーが犠牲となっています。

小規模なシステムではスケーラビリティーの低さは特に問題にはなりませんが、システムの規模が大きくなっていくにつれてコストパフォーマンス(リソースの投入量に対して得られる性能の向上)が悪化し、最終的には性能の限界を迎えます。

このRDBMSのスケーラビリティーの課題を解決するため、MongoDBなどの新方式のデータベース管理システムが次々と登場しました。

これらのデータベース管理システムはNoSQL(ot only SQL)と呼ばれ、その多くはRDBMSと比べて高いスケーラビリティーや可用性などを持つことを特徴としています。

AWSもNoSQLサービスとして、Amazon DynamoDBやAmazon DocumentDBなどを提供しており、これらのサービスを利用することによってJSON形式でデータを保管することができます。

しかしながら、NoSQLはスケーラビリティーを高めるためにデータの一貫性を保つことを少なからず犠牲にしていることに加え、RDBMSであれば当前備えている表の結合などの機能を欠いているなど、制限も少なくありません。

RDBMSとNoSQLではどちらか一方が他方より優れているわけではないため、使いどころの見極めが大切になります。

2.Amazon Auroraの特徴

ここまで、Amazon Auroraの概要について解説してきました。

先にも述べたように、Amazon Auroraは他のRDBMSにはない特有の機能を備えており、この点がAmazon Auroraの魅力を高めています。

以下、Amazon Auroraの特徴をいくつかピックアップして紹介します。

2-1.最大15個のAuroraレプリカ

Amazon Auroraに限らず、Amazon RDSでは「リードレプリカ」と呼ばれるインスタンス(仮想マシン)を配置することにより、データ読み込みの負荷を分散させることができます。

リードレプリカは性能の向上を目的として配置され、可用性の向上を目的とする場合は「マルチAZ配置」オプションを使用して、プライマリデータベースとは異なるアベイラビリティーゾーン(Availability Zone: AZ)にセカンダリデータベースを配置します。

プライマリデータベースとセカンダリデータベースの関係はアクティブ/スタンバイであり、プライマリデータベースが稼働している間、セカンダリデータベースは待機しているだけなので少しもったいない感じがします。

これに対し、Amazon Auroraのリードレプリカである「Auroraレプリカ」はリードレプリカでありながら自動フェイルオーバー機能を備えているため、セカンダリデータベースの役割を兼ねることができます。

さらに、他のRDBMSではリードレプリカの数は最大5個であるのに対し、Amazon Auroraでは最大15個のAuroraレプリカを配置することができ、この点もAmazon Auroraの大きな特徴の一つとなっています。

リードレプリカでありながら自動フェイルオーバー機能を備えていることや、最大15個のAuroraレプリカを配置することができることなどが、Amazon Aurora 特有の機能です。

2-2.ストレージのオートスケーリング

Amazon RDSではインスタンスを起動する際にストレージのサイズを指定する必要があります。

ストレージのサイズは起動後も変更することができるため、必要に応じて後から増やすことができます。

このような柔軟性に加え、Amazon Auroraはストレージのオートスケーリング機能を備えており、データベースに保管されるデータの容量に応じて最小10GBから最大65TBまで、10GB単位でストレージのサイズがスケーリングします。

データ容量の監視やストレージサイズのサイズ変更操作が不要になることは、運用上の大きなメリットとなります。

なお、ストレージのオートスケーリングは長らくAmazon Auroraに特有の機能でしたが、2019年1月に他のRDBMSでも利用できるようになりました。

今後もAmazon Auroraだけが備えている機能を、他のRDBMSでも利用可能になることが期待されます。

2-3.Amazon Aurora Serverlessによるインスタンスの起動や停止の自動化

使用頻度の低いアプリケーションや開発やテスト用のデータベースなどの場合、ユースケースによってはRDBMSを常に稼働させる必要がないこともあります。

このような場合に手動でRDBMSのインスタンスの起動や停止を行うこともできますが、Amazon Auroraの「サーバーレス」オプションを利用することにより起動や停止の自動化が可能であることも、Amazon Auroraに特有の機能です。

インスタンスが停止している間はインスタンスの利用料金は発生しないため、コストを低減させることができます。

なお、停止しているインスタンスが起動するまでにはある程度の時間を要するため、レスポンスタイムが重要となるようなWebサイトなどの場合は、サーバーレスのオプションを使わない方が良いこともあります。

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3.Amazon AuroraとAmazon RDSの比較

Amazon AuroraはAmazon RDSのサービスのひとつですが、Amazon RDSにあるそのほかのサービスとAmazon Auroraのどちらを選べばよいか、悩む人も多いのではないでしょうか。

それぞれの違いは以下の通りです。

Amazon Aurora Amazon RDS
データベースエンジン
  • PostgreSQL
  • MySQL
  • PostgreSQL
  • MySQL
  • Oracle
  • SQLServer
  • MariaDB
バージョン データベースエンジンの最新版リリース後にアップデート 最新
対応しているインスタンスタイプ

db.x2g

db.r6g / db.r5 / db.r3

db.t4g / db.t3 / db.t2

T3 / T2

M6g / M5 / M5d / M4

R6g / R5 / R5b / R5d / R4

X1e / X1 / Z1d

ストレージサイズ 10GB~128TB 20GB~64TB
ストレージの可用性(最少構成) 3か所のAZに合計6個のボリュームを配置 シングル構成の場合AZ内で冗長化
ストレージ拡張 自動 手動
障害時の切り替え レプリカをプライマリに昇格可能 スタンバイしているインスタンスがあれば、プライマリへ変更可能
レプリケーション クォーラムモデルを採用し、ストレージ内でレプリケーション セカンダリDBは同期、リードレプリカは非同期
コスト
  • DBインスタンス時間従量課金
  • ストレージ時間従量課金
  • I/Oリクエスト数従量課金
  • DBインスタンス時間従量課金
  • ストレージ時間従量課金

Amazon Auroraは高可用性・信頼性のあるサービスを簡単に利用したい場合や、Amazon Aurora独自の機能を利用したい場合に適しています。一方で、Amazon RDSの他のサービスでは最新のバージョンを利用したい場合や、Amazon Auroraで対応していない機能を利用したい場合におすすめです。

3-1.料金比較

それぞれの料金は以下の通りです。

なお、Amazon AuroeraとAmazon RDSいずれも、選択するサービスタイプやストレージ容量などで金額が異なります。今回は代表してAmazon Aurora Standardサーバーレスと、Amazon RDS for MySQLで、db.t4g.largeインスタンスを使用した場合の料金を比較します。

Amazon Aurora Amazon RDS
インスタンス料金 0.20USD 0.202USD
ストレージ料金 0.12USD/毎月のGBあたり 0.138USD/毎月のGBあたり
I/O料金 0.24USD/100万リクエストあたり 無し

※2023年8月時点の料金です。

4.Amazon Auroraの使い方

ここでは実際にAmazon Auroraを作成するための手順を解説します。

まずはAmazon RDSの管理画面から「データベース」を選択し、「データベースの作成」をクリックします。

次に、データベースの作成方法、エンジンのオプションを選択します。この際エンジンのオプションでは「Amazon Aurora」を選択してください。

その後以下の項目を入力します。

  • エディション:利用するデータベースエンジンを選択します。
  • キャパシティータイプ:プロビジョニングもしくはサーバーレスを選択します。
  • レプリケーション機能:シングルマスターもしくはマルチマスターを選択します。
  • エンジンバージョン:Amazon Auroraのエンジンバージョンを選択します。
  • テンプレート:本番稼働用もしくは開発/テスト用のいずれかを選択します。

次に設定画面で、DBクラスター識別子、マスターユーザー名、パスワードを設定します。

DBインスタンスクラスでは、Serverless v2、メモリ最適化、バースト可能クラスのいずれかから、利用するインスタンスクラスを選択します。さらに、可用性と耐久性についても選択しましょう。

最後に接続の設定を行えば作成が完了します。

5.Amazon Auroraの導入ならNTT東日本にお任せください

AWS Auroraは他のRDBMSにはない特有の機能があり、さらにMySQLやPostgreSQLとの互換性が高い点が特徴です。しかしながら、Amazon Auroraの導入を検討しているものの、人材不足や育成不足により、導入手順や運用が不安な方もいるでしょう。

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6.Amazon Auroraについてまとめ

クラウドにおいて、リレーショナルデータベースサービスは仮想マシンサービスと並んでよく利用されるサービスの一つです。AWSでは多くのリレーショナルデータベースサービスを提供しており、今回紹介したAmazon Auroraもその一つです。

Amazon Auroraには他のAmazon RDSのサービスにはない機能を搭載しており、MySQLやPostgreSQLとの高い互換性や可用性が特徴です。利用する際には、他のサービスとの違いやAmazon Auroraの特徴を把握したうえで、どのように活用するかを明確にイメージするようにしましょう。

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