COLUMN
AWSの導入事例を詳しく解説!業界別の実例とその成果
近年、多くの企業がクラウドコンピューティングサービスを導入し、業務効率の向上やコスト低減を図っています。その中でも、Amazon Web Services(AWS)は特に注目される存在です。AWSは、その豊富なサービスと高い信頼性により、さまざまな業界で導入が進んでいます。本コラムでは、AWS導入のメリットと技術的背景から始め、金融業界、小売業、製造業などの具体的な導入事例を紹介し、さらにNTT東日本が支援する企業の導入事例についても触れます。また、最後に、AWS導入の成功要因とベストプラクティスを解説します。
1. AWS導入のメリットと技術的背景
1-1. AWSの基本概要と主要サービス
Amazon Web Services (AWS) は、Amazon.comが提供するクラウドコンピューティングサービスの総称です。AWSは2006年にサービスを開始し、現在では世界中の企業や個人に利用されています。AWSは、仮想サーバーやデータストレージ、データベース、機械学習、ビッグデータ解析など、幅広いサービスを提供しています。
AWSのサービスは、多岐にわたるニーズに対応するために設計されており、企業は必要なときに必要なだけのリソースを利用できます。これにより、柔軟なシステム構築と運用が可能となり、ビジネスの成長に合わせてスケールアップまたはスケールダウンができます。また、AWSのサービスは高い可用性と信頼性を備えており、企業の重要なデータやアプリケーションを安全に管理できます。
さらに、AWSはグローバルに展開しており、世界中に分散したデータセンターを通じてサービスを提供しています。これにより、地理的な制約を受けずに、迅速かつ効率的にデータを管理し、サービスを提供できます。AWSのクラウドサービスは、企業が迅速に市場の変化に対応し、競争力を維持するための強力なツールとなっています。
1-2. AWS導入の技術的メリット
AWS導入の技術的メリットは多岐にわたります。まず、スケーラビリティが挙げられます。AWSは需要に応じてリソースを柔軟に増減できるため、突然のアクセス増加にも迅速に対応可能です。また、AWSのサービスは高い可用性と信頼性を誇り、データの冗長化やバックアップ機能が充実しています。さらに、セキュリティ面でも高度な暗号化技術やアクセス管理ツールが提供されており、安全な環境でシステムを運用できます。
AWSのもう一つの大きなメリットは、コスト効率です。オンプレミスのインフラストラクチャを構築する場合、大規模な初期投資が必要となりますが、AWSを利用することで、使用した分だけの料金を支払う「ペイ・アズ・ユー・ゴー」モデルを採用できます。これにより、無駄なコストを削減し、資金を他の重要なビジネス活動に振り向けることが可能です。
さらに、AWSはグローバルに展開しており、データセンターが世界中に分散しています。これにより、地理的な制約を受けずにサービスを提供できるため、グローバル展開をめざす企業にとって大きな利点となります。
2. 業界別のAWS導入事例
2-1. 金融業界におけるAWS導入事例
金融業界では、AWSの導入により大規模なデータ解析やリアルタイムトランザクションの処理が可能となり、業務効率の向上やコスト低減が実現しています。例えば、ある大手銀行はAWSを活用して顧客データの分析を行い、個々の顧客に適切なサービスを提供することで顧客満足度を向上させました。
この銀行では、AWSの機械学習サービスを利用し、顧客の取引履歴や行動パターンを解析することで、高度なパーソナライゼーションを実現しました。これにより、顧客ごとに適切な金融商品を提案できるようになり、クロスセルやアップセルの機会を増やしています。また、AWSの高度なセキュリティ機能により、顧客データの保護も強化されています。
2-2. 小売業におけるAWS導入事例
小売業界では、AWSの導入により在庫管理の効率化や顧客行動の分析が実現されています。ある大手小売チェーンは、AWSのデータ分析サービスを利用して店舗ごとの売上データをリアルタイムで分析し、適切な在庫補充を行うことで売上を向上させました。また、オンラインストアのパフォーマンス向上にもAWSが貢献しています。
この小売チェーンでは、AWSのデータウェアハウスサービスを活用してビッグデータを解析し、顧客の購買履歴や嗜好を分析することで、マーケティングキャンペーンの効果を最大化しています。さらに、AWSのパーソナライゼーションサービスを使用して、個々の顧客に対してパーソナライズされた製品推薦を行い、顧客エンゲージメントを高めています。これにより、顧客満足度が向上し、リピーターの増加にもつながっています。
2-3. 製造業におけるAWS導入事例
製造業では、AWSのIoTサービスを活用して生産ラインの効率化や予防保守が実現されています。例えば、ある大手製造企業はAWSのIoTプラットフォームを利用して生産設備の稼働状況をリアルタイムで監視し、故障の予兆を検知することでダウンタイムを大幅に削減しました。
この企業では、AWSのIoTサービスを導入し、各種センサーから収集されるデータをリアルタイムで解析しています。さらに、AWSの機械学習サービスを利用して機械学習モデルを構築し、異常検知や予測保守を実現しています。これにより、生産効率が向上し、コスト低減にも寄与しています。また、AWSのクラウドインフラを利用することで、グローバルな生産拠点間でのデータ共有と統合も迅速かつ効率的に行っています。
3. NTT東日本の導入事例
3-1. 卸売業
物流資材及び機器卸業を展開する明光産業株式会社さまは、10年以上同じ経理システムをレンタルサーバー上で利用していましたが、システムのトラブルが発生し、業務に支障を及ぼしたことがありました。
この経験から、トラブルを起こさない安定したクラウド環境を構築する必要性を感じAWSの導入を決意。
NTT東日本が細かいヒアリングを通して適切なクラウト環境をご提案し、導入から運用まで一貫してご支援しました。
その結果、経理システムのトラブルが一切なくなり、安定した経営が可能に。また、経理業務の生産性が上がり、1人あたり4時間の残業を削減するなど、システムトラブル0による経営基盤の安定と生産性の大幅な改善を実現しました。
出典:AWS導入で2年間トラブルがなく安定したクラウド環境を構築し、経理1人あたり4時間分の業務時間削減を実現した事例
3-2. 警備業
警備業を展開する株式会社KSPさまは、担当者1人で2拠点・従業員1,000人以上の物理サーバーを運用しており、管理稼働の負荷がかかっていました。
そこで、サーバー管理の負荷を軽減させ、属人的な管理から脱却し、より良い運用体制に移行するためクラウド移行を決意。
クラウドには事業継続性において最も信頼できるAWSを選定しました。
NTT東日本はネットワークからクラウド環境構築まで一括で対応。
その結果、サーバー管理にかかる工数がなくなり、属人的な管理体制から脱却。また、物理サーバーの管理費用がなくなったため、長期的な運用・管理コストが削減されるなど、管理コストの削減と属人的な管理体制からの脱却に成功しました。
出典:情シス1名の属人的なサーバー管理体制を抜本的に変え、クラウド環境を実現した事例
NTT東日本ではこのほかにも多数のAWS導入・運用の実績がございます。導入事例記事もご用意しておりますので詳細はこちらをご覧ください。
4. AWS導入の成功要因とベストプラクティス
4-1. 成功するAWS導入のためのステップ
AWS導入を成功させるためには、以下のステップが重要です。
まず、現状のシステムと業務プロセスを詳細に分析し、AWS導入の目的を明確にします。次に、適切なAWSサービスを選定し、導入計画を策定します。導入後は、定期的なモニタリングと改善を行い、システムの最適化を図ります。
初めに、現行のITインフラストラクチャと業務プロセスを詳細にレビューし、AWSへの移行がどのようにビジネス価値を提供するかを明確にすることが重要です。これには、コスト低減、スケーラビリティの向上、運用効率の改善などの目的を設定することが含まれます。
次に、AWSの豊富なサービスの中から、ビジネスニーズに適切なサービスを選定します。例えば、データストレージ、データベース、コンピューティングリソースなど、各サービスの特性を理解して適切な組み合わせを決定します。
導入計画の策定では、プロジェクトのスコープ、タイムライン、予算、リソース配分などを詳細に計画し、ステークホルダーとの合意を得ることが重要です。また、AWSの専門知識を持つパートナーやコンサルタントの支援を受けることで、導入プロセスをスムーズに進めることができます。
4-2. ベストプラクティスの紹介
AWS導入のベストプラクティスとしては、以下の点が挙げられます。
まず、セキュリティの強化です。AWSのセキュリティ機能を最大限に活用し、アクセス管理やデータ暗号化を徹底します。
次に、コスト管理です。AWSの料金モデルを理解し、リソースの使用状況を定期的にモニタリングしてコストの最適化をめざします。
最後に、スケーラビリティの確保です。需要の変動に柔軟に対応できるよう、リソースの自動スケーリングを設定します。
セキュリティの強化には、AWSのアクセス管理ツールを利用して細かいアクセス制御を設定し、必要最低限の権限を付与することが重要です。また、AWSの監査サービスを利用してアカウント内のアクティビティを監査し、セキュリティイベントのトラッキングを行います。データの暗号化には、AWSの暗号化サービスを使用し、保存データおよび転送データの暗号化を行います。
コスト管理においては、AWSのコスト管理ツールを利用してコストの可視化と予測を行います。また、リソースの使用状況を定期的にレビューし、不要なリソースを削除することでコストの最適化に貢献します。リザーブドインスタンスやスポットインスタンスの活用も効果的なコスト低減手段です。
スケーラビリティの確保には、AWSの自動スケーリングサービスを利用してリソースの自動スケーリングを設定します。これにより、トラフィックの急増に対して柔軟に対応でき、サービスのパフォーマンスを維持することができます。また、AWSのコンテンツ配信サービスを利用してコンテンツ配信を適切な形にし、ユーザーエクスペリエンスを向上させます。
5. AWSの導入・移行・運用ならNTT東日本にご相談ください
NTT東日本は、AWSの導入・移行・運用サポートを提供しています。専門知識を持つエンジニアが、企業のニーズに合わせた適切なソリューションを提案し、AWSの導入や移行から運用までをサポートします。
AWSの認定を受けるプロが商談時から対応しますので、コミュニケーションもスムーズで相談や提案も素早く対応。
最短15営業日でスピーディにクラウド環境の構築・セットアップが可能ですので、急なクラウド環境構築もサーバー1台からご相談ください。
また運用においても年中無休の安心・安全の保守サポート、盤石な監視・保守体制で定常的なシステム保守や運用代行を行います。
6. まとめ
AWSは、さまざまな業界で導入され、その技術的なメリットや導入事例からもわかるように、業務効率の向上やコスト低減に大きく貢献しています。今回本コラムにおいてさまざまな導入事例をご紹介しましたが、AWSの導入が企業のデジタルトランスフォーメーションを加速させる重要な要素であることがお分かりいただけたかと思います。今後も、AWSの活用が広がり、さらなるイノベーションが期待されます。
企業がAWSを成功裏に導入するためには、適切な計画と実行が不可欠です。AWSの豊富なサービスと機能を最大限に活用し、セキュリティ、コスト管理、スケーラビリティの確保など、ベストプラクティスを徹底することが重要です。
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