COLUMN
生成AI×自動応答で電話業務の効率化を~ホテル・宿泊施設編~
ホテル・宿泊施設では、24時間365日予約や問い合わせが発生し、繁忙期はその数が増える傾向にあります。近年ではインターネットでの空室確認や予約・変更が増えてきましたが、宿泊希望者から細かな要望があったり、宿泊プランについて説明を求められたりする場合には電話で回答することもあるため、電話応対業務のリソースが必要です。加えて、近年のインバウンド需要の回復に伴い、多言語対応できる人材の確保も重要視されているため、人員の増加・強化の難しさが業界全体の課題となっています。
これを解決するための方法として、「IVR(Interactive Voice Response:自動音声応答システム)」があります。IVRとは、顧客との通話やプッシュ操作に対して、あらかじめ設定した音声案内を流して自動で応答するシステムです。電話業務を効率化できるソリューションとして、多くの企業・自治体で導入が進められています。しかしIVRには「定型文しか読み上げできない」「顧客がプッシュ操作を間違えるとやり直しになる」などの課題があり、顧客満足度の低下が懸念されていました。
これらを背景に近年注目されているのが、IVRにAI技術を活用した「AI-IVR」です。AIにより、「定型文以外で回答できる」「顧客はプッシュ操作だけでなく、音声での操作も可能になる」など、顧客応対品質の向上が期待できます。
関連コラム:電話業務を効率化させるAI IVRとは?
本記事では、ホテル・宿泊施設における電話応対業務の課題やAI-IVRの活用例などについて紹介します。
1. ホテル・宿泊施設における電話応対業務の課題
ホテル・宿泊施設には、外線・内線ともさまざまな問い合わせが寄せられます。大規模な施設ではオペレーターを配置して、非対面の電話応対業務と対面のフロント業務を分けていることがありますが、中・小規模の施設ではフロント業務の一環として電話応対を行っている場合が多いため、次の点が課題となっています。
1-1. フロント業務の負担
フロントでは、チェックイン・チェックアウト手続きのほか、宿泊者への施設の説明や観光情報の案内、予約システムの管理など、多岐にわたる業務が発生します。これらの業務の多くは、宿泊者と対面で直接的にやりとりすることが求められるため、電話応対業務と同時に行うことはできません。フロント業務と電話応対業務が重なった場合には、どちらか一方を待たせることになり、宿泊者や問い合わせ先からの不満やトラブルにつながる恐れがあります。特に、ホリデーシーズンや大型連休といった繁忙期になると、宿泊者の数だけでなく問い合わせの電話も増えるため、フロントスタッフの負担が増大します。
1-2. 多言語対応の必要性
インバウンド需要の回復に伴い、外国人観光客への電話応対も、ホテル・宿泊施設で負担が増えている課題の一つです。近年では、英語だけでなく韓国語や中国語など、複数の言語での電話応対が求められますが、人員増加・強化の競争が激化するホテル・宿泊施設において、すべてに応対できるスタッフを確保するのは容易ではありません。
1-3. 多様なニーズへの応対
予約変更やルームサービスの依頼、アメニティの追加など、宿泊者のニーズはさまざまです。フロントスタッフは、それらの問い合わせに対して迅速に回答できるよう、提供可能なサービスや料金体系などを把握しておく必要があります。しかし、複雑な要望や文化圏の違いへの対応が必要なケースもあり、宿泊者に対して満足の得られる応対ができないと、顧客満足度の低下を招きます。
関連コラム:電話業務を効率化させるAI IVRとは?
2. ホテル・宿泊施設でのAI-IVR活用例
AI-IVRを活用することで、フロントスタッフの業務負荷の軽減や、多言語対応といったホテル・宿泊施設における課題を解決できるとともに、顧客満足度の向上が期待できます。主な活用例は次の通りです。
2-1. ①定型的な問い合わせへの自動応答
生成AIによって問い合わせ内容を自動で分析・分類し、定型的な問い合わせの場合には、フロントスタッフを介さずに自動応答します。これにより、複雑な内容や個別応対が必要な場合のみフロントスタッフへ取り次ぐようにできるため、業務効率の向上が図れます。宿泊者は、電話がつながるまで待つ時間がなくなるため、欲しい回答をスムーズに得ることができます。
2-2. ②予約確認・変更・キャンセルの自動応対
予約に関する問い合わせを生成AIが判別し、予約管理システムと照合して宿泊者を特定した後、予約確認・変更・キャンセルなどの業務を自動で行います。
2-3. ③宿泊施設内の案内の自動応答
館内設備の利用方法や注意事項、レストランの営業時間、スパやランドリーの案内など、施設に関する情報を生成AIに学習させ、宿泊者からの問い合わせに自動応答します。アメニティの追加や備品の貸し出し要望などがあれば、フロントスタッフに取り次ぎ、応対を続けることも可能です。
2-4. ④CRMシステムとの連携によるパーソナライズされた応対
AI-IVRとCRMシステムを連携させることで、顧客情報管理を効率化できます。これにより、過去の宿泊履歴や好みを把握しやすくなり、それに基づいた専用のオファーを出すことも可能です。また、顧客ニーズや問い合わせ内容をフロントスタッフ間で共有できるため、短時間で的確な回答を提示できるようになります。
2-5. ⑤生成AIによる多言語対応
生成AIが相手の言語を自動判別し、問い合わせ内容に対して、それぞれの言語で回答します。文化的なニュアンスを考慮した正確で丁寧な対応も可能です。これにより、言語の壁を取り除き、外国人観光客にもスムーズにサービスを提供できます。
3. NTT東日本のAI-IVRソリューション特長と機能
NTT東日本では、電話業務を生成AIが代行する「IVRソリューション」を提供しています。
3-1. 特長
IVRのプッシュ操作のほか、音声で操作できる新たな機能を搭載し、利便性を向上させています。AWS環境で開発するため、柔軟かつクラウドの利点を最大限に活かしたIVRを導入していただけます。また、NTT東日本グループのクラウドエンジニアが導入から運用にいたるまで包括的にサポートするため、専門的な知識やスキルがなくても安心してご利用いただけます。
3-2. 機能
NTT東日本のAI- IVRソリューションには、次のような機能が備わっています。
ご相談内容に応じて、カスタマイズしたIVRをご提供いたします。
生成AI×自動応答
- AIが自動で問い合わせ内容を判別し、適切な案内に誘導
- 内容によってオペレーターに接続することも可能
生成AI×自動振り分け
- 「○○について相談したい」など、具体的な用件をAIが判別し、担当のオペレーターに接続
- 担当のオペレーターが電話に出られない時は、問い合わせ内容を要約してメールで通知
生成AI×自動検索
- 「ホテルの最寄り駅に10時に着きたい」などの問い合わせに対し、AIが内容を理解し、Web上のシステムと連動して、検索結果を提示
- 検索条件として足りない要素があれば、AIが聞き直して再検索を実施
生成AI×自動予約
- 宿泊内容の予約変更など、オペレーターを介して行っていた業務を、AIが自動で実施
- 「日時」「名前」「宿泊プラン」などを一度にまとめて話しても、AIによる内容判別が可能
4. まとめ
ホテル・宿泊施設に多くみられる宿泊者からの問い合わせや予約変更などの電話業務にAI-IVRを導入することで、高いホスピタリティとサービスの質を維持しつつ、業務効率化や顧客満足度の向上が期待できます。AI-IVRの導入をお考えの方は、ぜひNTT東日本にお任せください!
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