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Azureか、オンプレミスか、Azure Stackかの選択について

Microsoft Azureの各サービスの設定・運用は、NTT東日本のクラウド導入・運用サービスで承ります。こちらより資料をダウンロードいただけますので、併せてご確認ください。

クラウドサービスは、ITインフラの運用や管理を効率化し、ビジネスの変化に柔軟に対応できるメリットがあります。しかし、クラウドに移行するには、セキュリティやコスト、パフォーマンスなどの課題を考慮することが大切です。また、すべてのシステムをクラウドに移行できるとは限りません。そこで、クラウドとオンプレミスの両方の利点を活かす第三の選択肢として、「ハイブリッドクラウド」が注目されています。

本記事では、クラウドとオンプレミスの違いとメリット・デメリット、ハイブリッドクラウドの特徴とメリット、そして、ハイブリッドクラウドを実現するソリューション「Azure Stack」について解説します。また、Azureとオンプレミスの連携・移行のポイントも紹介します。

1.クラウドか?オンプレミスか?違いについて

クラウドとオンプレミスの話に限らず、何かを判断する際にはそれに先立って自分たちが何を必要としているか、要件を明らかにしておくことが重要です。

当たり前のように聞こえますが、実際に自社や顧客が求めているものを正確に表現することは想像以上に難しいものです。要件を定義するためには時間も労力もかかりますが、手間を惜しまずに十分な検討を行うことによって、クラウドとオンプレミスを上手に使い分けるための基礎を築けるでしょう。

また、構築と運用の要件が明らかになった後は、要件のそれぞれを実現するためにクラウドとオンプレミスのどちらを選択するのがベターであるかを評価します。

では、どのようなポイントでクラウドとオンプレミスを評価したらよいのでしょうか。ここでは、クラウドとオンプレミスのメリット・デメリットについて紹介します。

1-1.クラウドのメリット/デメリット

クラウドの料金体系は原則として利用した分だけを支払う「従量課金制」という制度を用いています。そのため、多くのサービスではイニシャルコストを必要としません。また、必要なときに必要なサービスを利用することができるので、需要に応じてリソースの利用料を増減することや、サービスの利用の停止・再開を自由なタイミングで行うことが可能です。

クラウドのメリットとして、クラウド事業者がインフラストラクチャを運用する責任を負うため、クラウドの利用者はシステム運用の負荷を軽減することができる点も挙げられます。その結果、クラウドの利用者はユーザーや顧客へ価値をもたらす活動に集中することができます。

しかしながら、裏を返せばクラウド事業者がインフラストラクチャに関してイニシアチブを持つため、状況によっては要件を満足できなくなるなどのデメリットが生じる場合もあります。

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1-2.オンプレミスのメリット/デメリット

クラウドと比較し、オンプレミスではサーバーマシンをはじめとするハードウェアの選定や調達、サーバールームへの設置、電源や通信のケーブルの接続、オペレーティングシステムやミドルウェアのインストールなどを自ら行います。

データセンターなどの建物や空調などの設備の維持費、ハードウェアや設備を監督するエンジニアの人件費なども含めると、ある程度の規模のイニシャルコストやランニングコストが発生することが容易に想像できます。

オンプレミスのメリットの一つは、システムに関する決定権の範囲がクラウドよりも広い点であり、クラウドでは満足できない要件であってもオンプレミスでは対応できることがあります。

また、システムで処理するデータ量やシステムを運用する期間などによってはオンプレミスの方がコストの面でクラウドよりも有利な状況もありえます。

一方、システムに関する決定権の範囲の広さは同時に責任を負わなければならない範囲が広いことを意味し、システムの運用に費やされるコストが得られる効果を上回るなどのデメリットにつながる場合もあるでしょう。

オンプレミスとクラウドについて、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

関連記事:オンプレミスとクラウドの比較|移行・併用のポイントや選び方

2.ハイブリッドクラウドソリューション「Azure Stack」について

クラウドもしくはオンプレミスのいずれかのみでシステム化を行うことにより、運用やユーザーの操作性の複雑さは軽減されますが、実際にはいずれかにのみに寄せることがためらわれることもあります。

そこでクラウドとオンプレミスを連携・融合させた「ハイブリッドクラウド」という第三の選択肢が近年注目を浴びています。

利用している一部のサーバーアプリケーションがオンプレミスシステム以外では保守ベンダーのサポート対象外だったり、セキュリティやデータ主権の規制に対応する必要があったりする場合など、クラウドへ移行できない状況でハイブリッドクラウドは有力な選択肢の一つになります。

ここでは、ハイブリッドクラウドソリューション「Azure Stack」について紹介します。

2-1.Azure Stackの特徴

Azure Stack」とは、マイクロソフトが提供するクラウドサービス「Azure」と同じインターフェースや機能を持つオンプレミスのITインフラです。

Azure Stackを導入することで、オンプレミスの環境でAzureと同じようにアプリケーションの開発や運用ができます。また、Azure StackとAzureはシームレスに連携できるため、ハイブリッドクラウドの実現が容易です。

Azure Stackには、オンプレミスで完全プライベートな Azureの設置や、Azureと同じポータルを使用して、自社サーバー上で Azureと同じ機能を使用できるなどといった特徴があります。

2-2.Azure Stackを利用するメリット

Azure Stackを利用することで得ることができるメリットは以下の通りです。

  • ハイブリッドクラウドとして柔軟に利用
    Azure Stackはインターネットへの接続の有無に関わらず、利用することが可能です。たとえば、インターネット上に公開してもよいデータは クラウドに保存し、社外秘のデータはオンプレミスに保存します。それによって、セキュリティを確保しながら相互接続するといった柔軟な構成を取ることが可能です。
  • アプリケーション実行環境の統一
    Azure Stackで使用するハードウェア、OS、各種サービスは基本的に Azure クラウドと同じような仕様です。そのため、オンプレミスとクラウドで共通のサービス、言語、API を利用できます。また、アプリケーション実行環境をクラウドとオンプレミスで統一することも可能です。
  • 将来的なクラウド移行への準備
    Azure Stackを利用することで、オンプレミス環境のインフラやアプリケーションをAzureに適合した形へ移行できます。それにより、将来的なクラウドへの移行や統合がしやすくなります。

3.Azureとオンプレミス連携・移行のポイント

Microsoft Azureと自社内のオンプレミスシステムの連携や移行で重要となるいくつかのポイントを解説します。

3-1.認証連携

Microsoft Azureとオンプレミスシステムそれぞれにアクセスする場合、別々のIDとパスワードでログインすることは、利用者の利便性低下につながるだけでなく、ID・パスワード管理を二重に管理する運用管理の手間が増えることになります。

Microsoftは、Microsoft Azureと自社オンプレミスのADの連携機能(AD Connectを含む。)を提供しており、次の認証方法の選択が可能です。

3-1-1.Azure AD とのパスワードハッシュ同期

クラウド認証の一つのオプションで、オンプレミスADのユーザーパスワードのハッシュがAzure ADに定期的に同期されます。ここで説明する方法のうち、最も少ない設定工数でMicrosoft AzureとオンプレミスADに同じパスワードでログインすることが可能です。

3-1-2.Azure AD パススルー認証

クラウド認証の一つのオプションで、オンプレミスサーバーにソフトウェアエージェントをインストールすることにより、オンプレミスADにのみパスワードを保存した状態で、Microsoft AzureとオンプレミスADに同じパスワードでログインすることを可能とする方法です。

3-1-3.フェデレーション認証

サードパーティ製品など、別の認証システムで管理する方法で、利用者端末からログイン依頼があった際には、Azure ADは別の信頼された認証システムへ認証プロセスを引き継ぎます。スマートカード認証やサードパーティの多要素認証など、より高度な認証プロセスが必要な時に利用します。

3-2.サーバー移行やデータ移行

オンプレミスサーバーをMicrosoft Azureに移行するサービスは、Microsoft Azure導入の支援サービスとしてなど多く存在します。それぞれに特徴がありますが膨大な数がありますので、ここではMicrosoftが提供するツールやサービスをいくつか紹介します。

3-2-1.Azure Site Recoveryを使用してオンプレミスのマシンをAzureに移行する

一般的にSite RecoveryはオンプレミスのマシンとAzure VMのディザスターリカバリーを管理・調整するために使用しますが、移行のために使用することもできます。

3-2-2.配送可能なデバイスを使用してAzureへデータを移行する

オンプレミスからクラウドへの移行など、1回限りのデータ移行を行う場合に利用できる、オフラインでのデータ転送です。Microsoftが提供(自身で購入も可能)するセキュリティで保護されたデバイスにデータをコピーして、Azureに発送すると、データがアップロードされます。

3-2-3.ネットワーク転送によりAzureへデータを移行する

ネットワーク接続経由でAzureにデータを移行します。ハイブリッドクラウド環境を含むクラウド移行完了後の運用フェーズにおける少数のファイルを利用者が都度転送する場合とは別に、移行時などに高速なネットワークが準備できる場合には、AzCopy、Azure Storage REST API/SDK、オンライン転送用のAzure Data Box、Azure Data Factoryなどのツールを利用することで大規模なデータセットをAzureへ転送することが可能です。

オンプレミスからAzureへ移行するメリットと手順については、以下記事で詳しく紹介しています。

関連記事:オンプレミスからAzureへ移行するメリットと手順【Azure Migrate使用】

Azureなどのクラウドに関して不明な点がありましたら、ぜひNTT東日本にご相談ください。

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4.Azureの導入や運用ならNTT東日本にご相談ください

AzureやAzure Stackを利用することで、クラウドとオンプレミスのハイブリッドクラウドを実現できますが、その導入や運用には、専門的な知識や技術が必要です。また、クラウドとオンプレミスの連携・移行には、さまざまな課題やリスクがあります。Azureの導入や運用には、NTT東日本にご相談ください。

NTT東日本は、Microsoftの公認パートナーとして、Azureの導入や運用に関するさまざまなサービスを提供しています。

また、「オンプレミス環境をAzureへ移行したいがどのように進めていいかわからない」「Azure移行の際コストが最適なのかわからない」などAzure移行についてお悩みをお持ちの方に向けたサービス「クラウド移行のためのオンプレミス環境の診断 for Azure」もございます。

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Azureの導入や運用に向け、不明点や気になる点がありましたら、ぜひNTT東日本にご相談ください。

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まとめ

クラウドとオンプレミスの違いとメリット・デメリット、ハイブリッドクラウドの特徴とメリット、そして、ハイブリッドクラウドを実現するソリューション「Azure Stack」について解説しました。

オンプレミスとクラウドにはそれぞれメリットとデメリットがあり、その違いを理解して要件によって使い分けることが大切です。また、オンプレミスとクラウドを融合させたハイブリッドクラウドという第三の選択肢もあり、必要に応じて適用できる可能性を検討するとよいでしょう。

貴社でAzureについてお悩みのことがありましたら、ぜひNTT東日本へお気軽にご相談ください。

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