COLUMN
CCaaSとは?UCaaSとの違いや特長、導入時の注意点を解説
コンタクトセンターは、組織と顧客がコミュニケーションを取るための大切な役割を担っています。従来のコンタクトセンターは自社内に環境を用意するオンプレミス型が主流でしたが、最近ではクラウドでサービスを提供する「CCaaS(シーカス:Contact Center as a Service)」への移行が進んでいます。
本記事では、CCaaSの概要やオンプレミス型との比較、導入にあたっての注意点、代表的なサービスについて解説します。
コンタクトセンターの立ち上げに関するご相談は、NTT東日本までお気軽にお問い合わせください。
目次:
- 1. CCaaSとは
- 2. CCaaSとUCaaSの違い
- 3. CCaaSを導入するメリット
- 3-1. コスト調整が柔軟に行える
- 3-2. オムニチャネル化されている
- 3-3. 分析機能などを活用できる
- 3-4. 顧客満足の向上に期待できる
- 3-5. 顧客情報の一元管理が可能になる
- 4. CCaaS導入の注意点
- 4-1. 接続障害によるシステムダウンの可能性がある
- 4-2. データ漏えいやサイバー攻撃のリスクがある
- 5. CCaaSの代表的なサービス
- 5-1. NICE
- 5-2. 8×8
- 5-3. Amazon Connect
- 6. CCaaSの導入でお悩みならNTT東日本のAmazon Connect導入運用支援
- 7. まとめ
1. CCaaSとは
CCaaSは「クラウド上で利用できるコンタクトセンター・サービス」を指します。
コンタクトセンターの業務はこれまで、専用サーバーやソフトウェアを自社内に所有して保守・運用を行う「オンプレミス型」が一般的でした。CCaaSはクラウドサービスであるため、電話回線やサーバー、ソフトウェアなどを所有する必要がなく、素早くコンタクトセンターを立ち上げることができます。また規模に合わせてフレキシブルにサービスを利用でき、コストを抑えながら運用することも可能です。
2. CCaaSとUCaaSの違い
CCaaSと混同されがちなものの一つに「UCaaS(Unified Communications as a Service)」があります。UCaaSは、電話やビデオ会議、チャット、メールなど社内コミュニケーションで利用されるさまざまな手段を統合し、クラウド上で提供されるサービスのことです。
社内コミュニケーションに特化したUCaaSに対し、CCaaSは顧客と企業とつなぐためのコミュニケーションツールであり、IVR(自動音声応答)やACD(着信呼自動分配)といったコンタクトセンターの運用に必要な機能を搭載している点が大きく異なります。
3. CCaaSを導入するメリット
オンプレミス型のコンタクトセンターからCCaaSに切り替える、具体的なメリットをいくつか紹介します。
3-1. コスト調整が柔軟に行える
コンタクトセンターを新規に開設する際に、ハードウェア・ソフトウェアの購入や関連部門の増員といったコストがかからず、初期投資が少なくて済む傾向にあります。
運用コストについても、CCaaSは使用量に応じた料金体系あるいは月額制になっていることが多く、繁忙期に合わせてオペレーターの数を一時的に増強する、閑散期には減らす、などの調整を柔軟に行うことができます。
3-2. オムニチャネル化されている
「チャネル」とは「販売活動における顧客との接点」を意味し、電話、チャット、メール、SNSといったさまざまなコミュニケーション手段を指します。オムニチャネルとは「顧客が各チャネルの違いを意識せず、商品を購入したりサービスを受けたりできる状態」です。オムニチャネル化することで顧客との接点が強化されるため、継続的な関係性の構築に期待できます。また、さまざまなチャネルの連携により、顧客一人ひとりに応じた最適なアプローチができるようになります。
3-3.分析機能などを活用できる
CCaaSには、顧客対応だけでなく、分析機能や自動レポート機能などが実装されているサービスもあります。たとえば、システム稼動時間や不在着信、着信拒否のデータを追跡すれば、インバウンド(受信)の多いタイミングや時間帯にオペレーターを増員したり、顧客が対応しやすい時間帯にアウトバウンド(発信)したりすることが可能になります。また問い合わせ内容を分析し、頻出する内容をIVR(自動音声応答)やACD(着信呼自動分配)のカテゴライズに活かしたり、チャットボットの返答に反映させたりすることもできます。
3-4.顧客満足の向上に期待できる
従来のコールセンターやコンタクトセンターでは、対応の遅れや効率の悪さが顧客にストレスを与える要因の一つになっていました。CCaaS導入によるオムニチャネル化や分析機能による動線の効率化、スピーディーな対応により、顧客のストレスを軽減し、カスタマーエクスペリエンスを高める効果が期待できます。
3-5.顧客情報の一元管理が可能になる
コンタクトセンターのオペレーターは、顧客の購入履歴や製品情報、エンゲージメント情報、マニュアル等のさまざまな情報を参照しながら顧客対応する必要があります。CCaaSでは、顧客情報や商品マニュアルなどの情報を一元管理できるため、顧客とスムーズにやりとりすることができます。また一元管理された顧客情報はインバウンド対応をサポートするだけでなく、すでに導入している顧客管理システム(CRM)や営業支援システム(SFA)と連携させることも可能です。
4. CCaaS導入の注意点
導入することで大きなメリットが期待できるCCaaSですが、注意点やリスクも存在します。
4-1. 接続障害によるシステムダウンの可能性がある
CCaaSはクラウド上で提供されるサービスのため、インターネットの接続障害が発生した際はその影響を免れることができません。もしシステムダウンした場合、顧客との接点を失い、適切なタイミングで顧客対応できなくなる可能性があります。ただし、オンプレミス型であっても、外部のインターネット環境と接続している場合には同様のリスクがあると言えます。
4-2. データ漏えいやサイバー攻撃のリスクがある
CCaaSはオンライン上にサーバーが存在するため、外部環境から閉じられたオンプレミス型に比べて、ウイルスによる攻撃や顧客情報の漏えいなどセキュリティ上のリスクが高いと言われています。万が一顧客情報が漏えいしてしまった場合は、企業の社会的信用を失い、損害賠償責任を負うなどの影響があります。運用の際には万全のセキュリティ対策を実施することが必要です。
5. CCaaSの代表的なサービス
近年、数多くのベンダーがCCaaS市場に参入し、それぞれに特色のあるサービスを提供しています。ここでは代表的な3社のサービスを紹介します。
5-1. NICE
NICEは世界150ヶ国以上・2万5,000社以上の企業でソフトウェアソリューションが利用されている企業です。2016年にクラウド型コンタクトセンター・サービスである「NICE CXone」をリリースしました。「NICE CXone」はあらゆるチャネルを一つのプラットフォームで提供しているため、複数のチャネルをまたぎながらシームレスにハンドリングできる点が特長です。またUCaaS、CRMなど、すでに利用している業務システムとの連携や対応力が高い点も高評価につながっています。IT分野を中心とした調査を行うガートナー社が実施する「Gartner Peer Insights Voice of the Customer for Contact Center as a Service」において2023年の最高総合評価を獲得しました。
5-2. 8×8
8×8は1987年にアメリカで創業した歴史ある企業です。2015 年に英国 DXI を買収してCCaaS市場に進出し、2023年には世界6位という高いシェア率を誇っています。8×8のCCaaSでは、SLA(Service Level Agreement:サービス品質水準)稼働率99.999%という高いサービス水準のもと、高度な分析機能や会話型AIソリューションである「インテリジェントカスタマーアシスタント」などを利用することができます。
5-3. Amazon Connect
Amazon Connectは、AWS(アマゾンウェブサービス)のCCaaSです。大手ECサイトである「Amazon」のコンタクトセンター用プラットフォームをベースに開発され、2017年にグローバルでの一般向けサービス提供が開始されました(日本でのサービス開始は2018年から)。ソフトフォンでの運用を前提としたことで、従来方式のようなVPN接続や固定電話を必要としない、在宅によるコンタクトセンター運営を可能にしました。また、従量課金制による高いコストパフォーマンスのほか、強固なセキュリティや耐障害性などが評価され、多くの企業・自治体で導入されています。Salesforceをはじめとしたソフトウェアとの連携など拡張性にも優れており、短期間でのシステム構築が可能です。
6. CCaaSの導入でお悩みならNTT東日本のAmazon Connect導入運用支援
NTT東日本では、法人向けサービスとしてAmazon Connect導入運用支援を行っています。「Amazon Connect SDP※取得」「AWS認定資格保有者500名以上在籍」など、万全の体制で企業や自治体のCCaaS導入をサポートします。最短15営業日で導入でき、「短期間でコンタクトセンターを立ち上げる必要がある」といったケースにも対応いたします。
また、コンタクトセンターの導入から運用・保守まで一元サポートし、さらにAmazon Connectを起点としたその他システムのクラウド移行も完全サポート、外部システムとの連携も可能です。デモ環境の無料貸出も行っていますので、CCaaS導入を検討している企業・自治体の方は、ぜひご相談ください。
Amazon Connectをお客さまに提供する上で深い技術的知識、経験、および実際に成功を収めているAWSパートナーをAWSが認定する制度。
7. まとめ
CCaaSの導入は自社の業務効率改善や、コスト低減だけでなく、顧客満足度の向上や営業支援にもつながります。企業はもちろん、多数の住民や団体とつながり、スムーズかつ迅速に対応する必要のある自治体にとってもCCaaS 導入は有効な施策となるでしょう。技術や時流の変化に対して柔軟に適応できる拡張性の高さもクラウドサービスならではの魅力です。
NTT東日本では、Amazon Connectの導入支援サービスを提供しています。サービスや事例をご紹介していますので、CCaaSの立ち上げを検討している方は、ぜひお問い合わせください!
本記事に記載されている会社名、サービス名、商品名は、各社の商標または登録商標です。
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