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Azure File Syncとは?ファイル共有を効率化する機能や導入の流れを解説
ファイル共有は、ビジネスにおいて欠かせない機能の一つです。しかし、ファイル共有を行うには、ファイルサーバーの設置や管理、容量の確保や拡張、バックアップや復元など、さまざまな課題があります。
そこで、Microsoft Azureのサービスの一つであるAzure File Syncを利用すると、これらの課題を解決することができます。Azure File Syncとは、オンプレミスのファイルサーバーとAzureのクラウドストレージを同期させることで、ファイル共有を効率化するサービスです。
この記事では、Azure File Syncの概要や特徴的な機能、使うメリットや料金、導入の手順について解説します。
1.Azure File Syncとは
Azure File Syncとは、オンプレミスのファイルサーバーとAzureのクラウドストレージであるAzure Filesを同期させることで、ファイル共有を効率化するサービスです。SMB、NFS、FTPSなどWindows Server上で利用できるあらゆるプロトコルを使用して、アクセスすることができます。
2.Azure Filesとは
Azure File Syncを理解するには、Azure Filesというサービスについても知っておく必要があります。
Azure Filesとは、Azureのクラウドストレージの一種で、フルマネージドのクラウドファイル共有サービスです。SMB3.0とHTTPSを利用して保存データや転送中のデータを保護しているため、シンプルで安全なファイルストレージとして利用可能です。
Azure File Syncとの違いは、Azure Filesはクラウド単体でも利用できますが、Azure File SyncはAzure Filesとオンプレミスのファイルサーバーを組み合わせて利用します。
より詳しく知りたい方は、以下サイトを参照ください。
3.Azure File Syncの特徴的な機能
Azure File Syncの特徴的な機能を4つ紹介します。
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3-1.クラウドの階層化
クラウドの階層化とは、オンプレミスのファイルサーバーにあるデータの一部を、Azure Filesに移動させることで、ファイルサーバーの容量を節約する機能です。物理のWindowsサーバーで増設などができない場合、ファイル実体をAzure Files上だけに置き、サーバー側にはポインターのみを配置することが可能です。
これにより、実際のファイルサーバーやNASの容量を超えたデータを共有フォルダへ保存することができます。
3-2.マルチサイトアクセス
マルチサイトアクセスとは、複数の拠点にあるファイルサーバーとAzure Filesを同期させることで、共有フォルダを複数の場所から使用できるようにする機能です。従来だとDFSレプリケーションを用いて実現していましたが、この機能に置き換えできます。
3-3.ディザスタリカバリー
ディザスタリカバリーとは、オンプレミスのファイルサーバーに何らかの障害が発生した場合に、Azure Filesからファイルを復元することで、業務の継続性を確保する機能です。BCP対策などに利用できます。
同期を行うオンプレミス上のWindowsサーバーで障害が発生した場合、データはAzure上に同期されているため失われることはありません。
3-4.データのバックアップ
データのバックアップとは、Azure Backupというサービスを利用して、Azure Filesに保存されたデータを定期的に自動バックアップを行い、データの損失や破損に対処する機能です。これにより、Azure上のデータをバックアップするため、同期先のWindowsサーバーや社内のネットワークなどに負荷をかけずにバックアップが取れます。
4.Azure File Syncを使うメリット
Azure File Syncを使うメリットはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは3つ紹介します。
4-1.柔軟に容量を拡張できる
オンプレミスのファイルサーバーでは、容量の拡張や追加には、ハードウェアの購入や設置、構成などの手間やコストがかかります。
しかし、Azure File Syncを利用すると、オンプレミスのファイルサーバーの容量を超えたデータを共有フォルダに保存できます。また、容量の拡張や縮小が容易なため、ファイル共有のニーズに応じて、柔軟に容量を拡張できます。
4-2.コストの節約が期待できる
オンプレミスのファイルサーバーでは、ハードウェアの購入やメンテナンス、電力や冷却などの運用コストがかかります。
しかし、Azure File Syncは従量課金制で、利用した分だけの料金がかかるだけです。前金や最低料金など別途料金はかかりません。そのため、ファイル共有のコストの節約が期待できます。
4-3.メンテナンスの手間が省ける
オンプレミスのファイルサーバーでは、ハードウェアの故障や更新、ソフトウェアのパッチやアップデートなどのメンテナンスが必要です。しかし、Azure File Syncでは、Azure 上からフルマネージで提供されるサービスであるため、ユーザーはネットワークが接続されている環境であれば、どこからでも接続できます。
また、Azure Portal から操作を行うため仮想マシンの構築や OS のセキュリティパッチなどのメンテナンスも不要です。
5.Azure File Syncの料金
Azure File Syncの料金は、従量課金制で、一か月ごとの使用量によって変わります。
Azure File Syncサービスのコストは、Azure ファイル共有 に接続するサーバー数に加えて、Azure Filesの基本的なコスト(ストレージコストとアクセスコストを含む)、送信データ転送によって決まります。
以下は、サーバーごとに固定でかかる月額費用です。
File Sync | 月額 |
---|---|
同期サーバー | ¥1,179.343(東日本) / ¥1,260.677(西日本) |
※2023年12月時点の税込料金です。
6.Azure File Sync導入の手順
ここでは、Azure File Sync導入の手順を紹介します。
Azure Filesは他のストレージと同様、ストレージアカウントを作成するか、既存のストレージアカウントを利用します。そして、その配下にAzure Filesのリソースを作成します。
作成の手順は以下の通りです。
1.ストレージアカウントの作成する
Azure File Syncをデプロイする際にクラウドエンドポイントのストレージアカウントの選択を強制されるため、先にストレージアカウントを作成する必要があります。また、ストレージアカウントはAzure File Syncと同じリージョンでなければなりません。
2.ストレージアカウントの File Shareに共有フォルダを作成
クラウドエンドポイントを登録する共有フォルダを作成します。作成したストレージアカウントを選択し共有フォルダを作成してください。
3.File Syncをデプロイする
Azure File SyncはMarket Placeの検索窓から探して、 File Syncをデプロイします。
4.Azure Fileサービスの保存先の共有フォルダを登録する
5.オンプレミスサーバーにクライアント用のアプリケーションをインストールする
6.サーバーの同期させるフォルダを作成する
7.環境構築が完了したら実際に同期できるかテストする
同期が確認できたら完了です。
7.Azureの導入ならNTT東日本にご相談ください
Azure File Syncは、オンプレミスのファイルサーバーとAzure Filesを同期させることで、ファイル共有を効率化するサービスです。Azure File Syncを導入すると、ファイル共有の容量やコスト、メンテナンスなどの課題を解決できます。しかし、Azure File Syncを導入するには、Azureの知識や経験が必要です。また、導入や運用には、専門的な知識や技術が必要です。そこで、Azure の導入や運用には、NTT東日本にご相談ください。
NTT東日本は、Azureの公認パートナーとして、Azure の導入や運用に関するさまざまなサービスを提供しています。
また、パフォーマンスや情報セキュリティを24時間365日で監視したり、Azureの他のサービスも含めて、トータルでサポートします。
Azure File Syncについてまとめ
本記事では、Azure File Syncの概要や特徴的な機能、使うメリット、料金、導入の手順について解説しました。
Azure File Syncは、オンプレミスのファイルサーバーとAzure Filesを同期させることで、ファイル共有を効率化するサービスです。Azure File Syncを導入することで、ファイル共有の容量やコスト、メンテナンスなどの課題を解決できます。
貴社でAzure File Syncについてお悩みのことがありましたら、ぜひNTT東日本へお気軽にご相談ください。
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